「不動産投資の理想の利回りを知りたい」「どのような物件なら利回りがいいのだろう?」
あたなはこのような疑問を抱えていませんか?不動産投資は、利回りを理解しておかないと大損をする可能性があります。
なぜなら、不動産会社が掲げている利回りは実際の数字とはかけ離れているからです。
この記事ではそんな利回りのカラクリや、利回りがいい物件の特徴を紹介していきます。ぜひ、不動産投資を始める前にご覧ください。
出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/3274039?title=%E6%A8%AA%E6%B5%9C%E3%83%9D%E3%83%BC%E3%83%88%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%83%89%E5%9C%B0%E5%8C%BA%E3%81%AE%E5%B7%9D%E6%B2%BF%E3%81%84%E3%81%AE%E3%83%9E%E3%83%B3%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3%E7%BE%A4&searchId=2223184118
そもそも、不動産投資の利回りとは?
不動産投資の利回りといっても、大きく4種類に分かれます。重要なのは、表面利回りと実質利回りの違いです。
表面利回り
表面利回りは、物件の価格に対して家賃収入がいくら見込めるかを表した数字です。
表面利回り(%)=年間の家賃収入÷物件の価格×100
不動産会社が掲げているのは、表面利回りになります。ただし、この数字には毎年の諸経費が含まれておらず、あくまでも指標でしかありません。
正確な利回りをだすためには、実質利回りを計算する必要があります。
実質利回り
実質利回りは、表面利回りに諸経費を加味して家賃収入がいくら見込めるかを表した数字です。
実質利回り(%)=(年間家賃収入-諸経費)÷物件の価格×100
諸経費には、火災保険料や修繕維持費などがあります。実質利回りこそが正確な不動産投資の利回りといっていいでしょう。
想定利回りと現行利回り
満室の状態で計算するのが想定利回り、対して現在の入居者で計算するのが現行利回りです。
想定利回りでその物件の最大ポテンシャルを知り、現行利回りで現実の利回りを知るイメージです。
利回りにも4種類ありますが、実際に投資をする際は、実質利回りを参考にしてきます。
地域別の利回り相場
地域によって利回りに差はありますが、都内だと約4%~5%、地方だと約10%が平均です。
都心
地域 利回り相場 城南地区 4.2% 城東地区 4.5% 出典:https://www.reinet.or.jp/wp-content/uploads/2020/05/90d1f4e26e1a0dc890100725c4607a67.pdf
城南地区とは、品川区・目黒区・大田区・港区を指します。城東地区とは、中央区・台東区・墨田区・江東区・葛飾区・江戸川を指します。
政令指定都市
区分マンション 順位 政令指定都市 利回り 平均価格 1位 静岡市 16.27% 529万円 2位 新潟市 15.63% 343万円 3位 熊本市 15.57% 398万円 4位 浜松市 15.37% 414万円 5位 北九州市 15.13% 318万円 6位 岡山市 13.55% 412万円 7位 札幌市 12.42% 643万円 8位 仙台市 11.76% 691万円 9位 相模原市 11.27% 544万円 10位 千葉市 10.93% 977万円 11位 堺市 10.53% 777万円 12位 広島市 9.40% 1,070万円 13位 神戸市 9.09% 1,005万円 14位 横浜市 8.66% 1,032万円 15位 名古屋市 8.60% 1,547万円 16位 さいたま市 8.35% 1,312万円 17位 川崎市 8.04% 1,234万円 18位 福岡市 7.61% 1,037万円 19位 京都市 7.56% 1,111万円 20位 大阪市 6.60% 1,333万円 出典:https://www.kenbiya.com/ar/ns/research/kenbiya_report/4436.html
都内の物件の利回りが低くなるのは、購入代金が高いからです。しかし、人口の流動性が高く空室に困りにくいメリットがあります。
一方、地方の利回りは高い傾向にあります。これは、都内とは逆で物件の価格が低いためです。しかし、人口の流動性が低いため、空室になりやすいデメリットがあります。
さらに、物件の築年数や構造にもよっても利回りは変化します。一概に利回りだけで判断すると、思わぬ損失を生むことになるので注意が必要です。
不動産投資の理想的な利回りとは
不動産投資の理想的な利回りは、前項で紹介した利回り相場かそれ以上になります。
具体的には、都内で4%~7%、地方で10%~12%を目安としましょう。もちろん、物件状況や立地によって前後はします。
逆に、利回りが3%以下だと失敗した時に借金を背負う可能性が高くなります。
あくまで利回りは不動産投資の目安にすぎませんが、その地域の利回り相場を調べてから物件を選ぶようにしてください。
不動産投資利回りのリアルなシミュレーション
では、実際に利回りの計算をシミュレーションしてみました。今回は、マンションのワンルームを想定しています。
物件価格 | 1,000万円 |
年間家賃収入 | 54万円(月々4万5千円) |
諸経費 | 家賃収入の15% |
資金計画 | |
自己資金 | 300万円 |
借入金額 | 700万円 |
返済期間 | 12年 |
金利 | 年1.2% |
この物件の表面利回りは5.4%、実質利回りは、4.6%です。
ただし、想定とおりの家賃収入が見込めて、はじめてこの利回りになります。したがって、入居者がいなければ収入が減り利回りは悪化します。
そのため、不動産投資はいかに空室を避けられるかが重要だといえるでしょう。下記サイトで、利回りの計算ができるので、ぜひ活用してください。
新築と中古、マンションとアパートどれを選べばいい?
新築物件と中古物件、マンションとアパートならどちらが利回りがいいのでしょうか?
新築OR中古
新築物件と中古物件を比べた時に利回りがいいのは、新築物件です。なぜなら、中古物件は購入後すぐに修繕費が発生するからです。よって、表面利回りと実質利回りの差が大きくなり、想定より利回りが悪化します。
一方、新築は購入後の修繕費が発生しないため、ほぼ表面利回りと同額の実質利回りとなります。しかし、購入代金が高くなるため、ある程度の資金が必要です。
マンションORアパート
マンションとアパートでは、アパートの方が利回りがいいです。なぜなら、アパートの方が購入代金を抑えられるからです。
さらに、マンションはエレベーターの維持費などがかかりますが、アパートは経費も少ないため表面利回りに近い実質利回りとなります。
しかし、アパートは空室が出やすいデメリットがあります。家賃収入が減ると当然利回りも悪化します。アパート経営はいかに空室を無くし利回りを維持できるかがポイントです。
利回りが低くても問題ない不動産物件とは
利回りが多少低くても問題ない物件もあります。それは、物件自体の価値が高いことです。
防犯整備や家具家電がついている、駅から近いなど入居者が集まりやすい物件は価値が高いといえます。
そのため、空室に困らず継続して家賃収入が見込め、資金計画も立てやすくなります。こうした物件を選ぶ際のポイントは、自分が住んでみたいと思えるかどうかです。
利回りの低さで投資を諦める前に、物件の状態を確認するようにしてください。
不動産投資の利回り判断の注意点
不動産投資の利回りで気をつけるポイントがあります。必ず数字だけで判断はしないようにしてください。
高い利回り物件は訳アリなことが多い
利回りの高い物件にはつい手をだしたくなりますが、高利回りにはカラクリがある可能性があります。例えば、以下のような場合が考えられます。
- 事故物件である
- 立地が悪い
- 耐震性が低い
- 築年数が経過している
上記4つに共通するのが、入居者が入りにくいということです。入居者が入りにくい物件は価格が安いですが、家賃収入が見込めないため投資は避けるようにしましょう。
実質利回りを参考にする
不動産投資は、実質的利回りの数字を参考にしましょう。ちなみに不動産投資の経費には以下のようなものがあります。
- 火災保険料
- 都市計画税などの税金
- 管理費、維持修繕費
- 管理会社への業務委託料
特に管理費、維持修繕費は空室を起こさないために必要になる経費です。ここを抑えることは難しいです。
このようなコストがかかりすぎると利回りは悪化します。利回りを維持するには、いかにコストをかけず運営していくかが大切です。
高い利回りは表面上の数字のため、投資物件は実質利回りを参考に選ぶようにしてください。
不動産投資の利回りを上げる方法
投資物件を購入後に利回りをあげる方法は、ずばりリフォームをすることです。内装やトイレ、バスなどの設備を新しくすれば、当然入居者は集まりやすくなります。
さらに、リフォームすれば家賃設定をあげられるため、収入アップも図ることができます。しかし、その分費用対効果は慎重に考える必要があります。
例えば、毎月の家賃を2千円あげるために100万円かけてリフォームしたのでは意味がありません。リフォームには多額の費用がかかるため、念入りな計画を元に行いましょう。
利回り相談は、不動産のプロへ
自分一人で不動産の物件を決めるのは危険です。不動産投資を始める時は、信頼のおける不動産会社やファイナンシャルプランナーに相談することを強くオススメします。
信頼のおける不動産会社を見つけるためには、何社か話を聞いてみて顧客対応を確認してください。その際に、営業の高圧的な態度、話を聞いてくれないなどが散見されたら、その会社は辞めておきましょう。
ファイナンシャルプランナーは、投資や金融などお金について知識が豊富です。そのため、融資計画や事業資金など投資資金の相談をしておくとよいでしょう。
さらに、無料の投資セミナーもありますので情報収集のために参加してみてください。
まとめ、不動産投資の利回りのカラクリを理解しよう
不動産投資の利回りについてご紹介してきました。何回も言いますが不動産会社が掲げているのは、表面利回りです。
営業から言われた数字だけを見て判断すると、大損をする可能性があります。大事なことは、信頼できる不動産会社を見つけて実質利回りを計算すること。
空室対策や諸経費がどのぐらいかかるかシュミレーションしておくことです。
ぜひ、利回りのカラクリを理解してから不動産投資を始めてください。