「クーリーローチを飼ってみたいけど、飼育するのは難しい?」「アクアリウム初心者だけど、クーリーローチは飼える?」こうした疑問をお持ちの方も少なくないでしょう。
特にアクアリウム初心者の方はどの生体を飼えばいいのかなど不安が多いですよね。
今回はそんなあなたが自信をもってクーリーローチが飼えるように飼育方法や飼育時の注意点などを解説していきます!
最後にはクーリーローチ以外の初心者におすすめな熱帯魚4種(中層,上層各2種)についても紹介しているので、ぜひ参考にしてください!
(アイキャッチ画像出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/22159513)
クーリーローチとは
クーリーローチは東南アジア原産のどじょうの仲間で、黄色と黒の縞模様が特徴的です。
水質の変化に強く丈夫な為、初心者におすすめな熱帯魚となっています!
形態としては日本のどじょうのような細長い円筒状の身体で、口先には数本の口ひげがあります。体長は最大10㎝ほどになり、寿命も5~10ほどと長いです。
夜行性なので日中は砂や物陰に姿を隠しています。性格も臆病な為、2~3匹で集まって砂に隠れていることが多いです。
アクアリウム水槽での役割
雑食性かつ下層で生活することの多いクーリーローチはスカベンジャー(腐肉食者)と呼ばれており、自然界では動物の遺骸や枯れた水草、落ち葉なども食べています。
そのため、アクアリウム水槽ではクリーナー生体として導入されることが多いです。
クリーナー生体:水槽内の汚れやコケを食べることで、水槽の掃除を行ってくれる生き物達。熱帯魚だけでなく、エビ類や貝類にも存在する
アクアリウム内で主役を務める生体というよりは、水槽の下層を彩るサブ的な役割になることが多い生体となっています。
クーリーローチの仲間たち
クーリーローチとして販売されている熱帯魚には、近縁種が混ざっていることがあります。
そこでクーリーローチと間違われやすい3種をここでは紹介していきます!
ジャイアントクーリーローチ
クーリーローチと比べると体高が高く、黒い縞模様が若干太いのが特徴です。
稚魚の頃にはクーリーローチとほぼ見分けがつかず、成長してから区別がつくようになります。
そのため、クーリーローチに混ざっている可能性は非常に高いです。
ブラッククーリーローチ
ブラッククーリーローチは体色が黒一色なので、クーリーローチと区別するのは比較的簡単です。
体長は最大で8㎝ほどなので、クーリーローチと比べるとやや小型になります。生態や寿命はそこまで変わりません。
パンギオ・シェルフォルディ
クーリーローチと似た色合いですが、パンギオ・シェルフォルディは斑点模様が特徴的です。ブラッククーリーローチと同様に体長は最大8㎝でやや小型になります。
輸入量自体が少ないため、あまり流通していなく、ショップで見かけることは稀でしょう。
クーリーローチの飼育方法
それでは、クーリーローチの飼育方法について詳しく解説していきます。
水質・水温
クーリーローチを飼育できる水温は20~28℃となっていますが、低温だと白点病という病気にかかりやすくなります。そのため、25℃前後に保つのが良いでしょう。
また、夏や冬は水温調整器を用いて、保温するようにしましょう。
水質に関しては適応できる範囲が広いので弱酸性~中性を保てば大丈夫です。
ただ、pH5を下回ると他の熱帯魚に影響を及ぼす可能性があるので、混泳させる際は注意しましょう。
水槽・フィルター
最大でも10㎝程度にしか成長しないので、30㎝の水槽(数は3~4匹程度)でも飼育可能です。ただ、混泳種の数やクーリーローチ自体の数で60㎝や90㎝の水槽を用意する必要もあります。
特にクーリーローチは下層で生活するので、床面積が飼育スペースになります。あまりにも狭すぎるとストレスになるので気をつけましょう。
フィルターは水槽の大きさにもよりますが、上部フィルターか外部フィルターがおすすめです。
底面フィルターだと細かな砂が詰まり、ろ過機能が低下するのでおすすめしません。
砂
クーリーローチは砂に潜る性質があるので、底砂は用意したほうがいいです。
砂が尖ったり角ばっているとクーリーローチが怪我してしまうので、砂粒が小さくて軽い「田砂」などを厚め(2~3㎝程度)に敷くと良いでしょう。
サンゴ砂やソイルはクーリーローチの飼育に不向きなので、使用はおすすめしません。
エサ
クーリーローチは雑食性なのでエサは何でも食べます。沈下性の人工飼料や冷凍飼料を与えれば大丈夫です。
ただ、食べ残しが出ると水が汚れてしまうので、与えすぎには注意しましょう。もし、食べ残しがあれば、できる限り取り除いてください。
レイアウト
クーリーローチは臆病な性格なので、隠れる場所が少ないとストレスになります。
砂に潜れる環境であっても、シェルターや水草などで隠れる場所をたくさん作ってあげましょう。
混泳について
クーリーローチの混泳について「熱帯魚」と「水草」に分けて解説していきます。
熱帯魚との混泳について
クーリーローチは臆病な性格のため、様々な種類の熱帯魚と混泳させることができます。
ただ、攻撃的な性格の熱帯魚と混泳させると、クーリーローチ自身が攻撃されてしまうので注意してください!
また、クーリーローチと同様に下層で生活する生態(エビ類やコリラドスなど)との混泳はお互いにストレスとなる可能性があります。混泳させる場合は慎重に行うようにしましょう。
水草との混泳について
クーリーローチは砂に潜る性質があるので、根張りの弱い水草などは引っこ抜かれてしまいます。
また、底砂に水草を直接植えてしまうと、底砂のメンテナンスがしにくくなるデメリットもあります。
そのため、水草との混泳をするのであれば、流木などに活着(根を張ること)している水草や鉢などに植えられた水草を導入すると良いでしょう。
流木であれば隠れる場所もできて、水質も自然と弱酸性に傾けることができます。
クーリーローチの飼育に関する注意点
クーリーローチの飼育に関する注意点を紹介していきます。どれもクーリーローチにとっては生死を分ける問題なので、注意点はしっかりと守るようにしましょう。
水質・底砂のメンテナンスを怠らない
まずは水質や底砂のメンテナンスを怠らないことです!どの熱帯魚でも水質が良ければ、病気にもならず長生きしてくれます。
また、クーリーローチは下層で生活する生態なので、底砂が汚れていると病気になってしまいます。
定期的なメンテナンスや食べ残しのエサの回収はきちんと行うようにしましょう。
蓋は必ずする
クーリーローチは臆病な性格なので、何かの衝撃(音や光など)びっくりして水槽の外に飛び出してしまうことが良くあります。
そのため、どんなときでも水槽の蓋は必ずするようにしましょう!
飼うなら複数匹で
クーリーローチは2~3匹でまとまって行動することが多い生体です。
そのため、飼育する際は1匹だけでなく、複数匹を一緒に飼うようにしましょう!
クーリーローチの値段
クーリーローチの値段ですが、比較的安価で1匹200円以下で購入できます。
前に紹介したジャイアントクーリーローチは1匹400円程なので、価格を比較すれば間違えて購入することもないでしょう。
購入できる場所ですが、ほとんどの熱帯魚ショップで購入可能です。もし、近場に熱帯魚ショップがない場合は、ネットショップでも容易に手に入ります。
実際に熱帯魚ショップに足を運んで購入する場合は「体に傷がないか」「白い斑点といった病気の兆候はないか」など、外見で判断するのが良いです。
クーリーローチとの混泳におすすめな熱帯魚2種(中層)
クーリーローチは下層で生活する生体なので、混泳する際は中層と上層で生活する生体を選ぶと良いです。
ここでは、中層で生活する生体でクーリーローチとの混泳におすすめな熱帯魚2種を紹介します。
ネオンテトラ
まず紹介するのは、小型種の代表種でもあるネオンテトラです。色が綺麗で流通量も多いため、初心者にとてもおすすめな熱帯魚です。
性格も温和なため、クーリーローチとの混泳も問題ないでしょう。
群泳(群れで泳ぐ)する姿はとても美しいので、飼育する際は水槽のサイズにもよりますが10~20匹前後で飼育するのが良いでしょう。
ラスボラ・エスペイ
次に紹介するのはラスボラ・エスペイです。生命力が強く、小型で色合いも綺麗な生体なので、ネオンテトラと同様に初心者におすすめな熱帯魚となっています。
性格に関しても温和なので、クーリーローチとの混泳も問題ありません。
こちらも群泳する姿が美しいので、まとまった数で飼育することをおすすめします!
クーリーローチとの混泳におすすめな熱帯魚2種(上層)
次に上層で生活する生体で、クーリーローチとの混泳におすすめな熱帯魚2種を紹介します。
水面にあまり目が向かないため、空いてるからといって無理して飼育する必要はないということだけ留意しておいてください。
ハチェット類
最初に紹介するのは、ハチェット類です。ハチェット(手斧)のような形をした胸部が特徴的で、上層で生活することが多い熱帯魚です。
様々な種類がいるため、自分の好みにあったハチェット類を飼育することをおすすめします。
上層で生活するかつジャンプをすることが多い種類なので、蓋は必ずするようにしましょう。また、飼育する数に関してですが、30㎝水槽だと2~3匹程度であまり多すぎない方が良いです。
クラウンキリー
次に紹介するのはクラウンキリーです。大きさが3㎝ほどにしかならない小型種で寿命は1年ほどです。
飼育は難しくはありませんが、水質にはデリケートなので大きな水質変化がないよう気を付けなければいけません。
産卵期になると縄張り意識が強くなりますが、他種を攻撃することはないので、クーリーローチとの混泳も問題ないでしょう。
飼育する際の数は水槽の大きさにもよりますが、あまり多すぎない方が良いです(縄張り争いによるストレスを避けるため)。
クーリーローチ まとめ
今回はクーリーローチの飼育方法や飼育時の注意点について解説してきました。
アクアリウムの下層を華やかにしてくれるだけでなく、クリーナーとしての役割も持っているので、初心者にはとてもおすすめな生体になっています。
ただ、クーリーローチは下層で生活する生体なので、水質だけでなく底砂のメンテナンスも怠らないようにしましょう。
鑑賞をしっかり楽しめ、飼育しやすく寿命も長いクーリーローチをあなたのアクアリウムに導入してみてはいかがでしょうか!