本記事では、Wi-Fiルーターの選び方とおすすめのモデルについて解説していきます!
- Wi-Fiルーターを選ぶ際のポイント
- 自分の部屋(間取り)に適したWi-Fiルーター
- Wi-Fiルーターのおすすめ機能
Wi-Fiルーターは安価なものから高額なものまで様々なモデルがあります。しかし高額なものを買えばいいと安易に考えると、性能を活かしきれず、安価なWi-Fiルーターより通信速度が出ない可能性があります。
特にWi-Fiルーターを使用する部屋の「間取り」や「接続する端末の台数」は重要です。これによっておすすめのルーターも大きく変わってきます。
初めてのルーター購入で悩まれている方、自分にぴったりのルーターの選び方がわからない!という方、ぜひ本記事を参考に検討してみてください。コスパ重視のモデルから高性能なモデルまで幅広くご紹介します!
アイキャッチ画像出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/4326151#
Wi-Fiルーター選びの3つのポイント
Wi-Fiルーターを選ぶ際、特に重要なポイントが3つあります。最低限これらを確認した上で端末を検討していただくと、ルーター選びに失敗するリスクをグッと減らすことができます。
- 部屋の間取りで選ぶ
- 通信速度・無線方式で選ぶ
- 同時接続台数で選ぶ
部屋の間取りで選ぶ
冒頭でも述べましたが、ルーター選びにおいて間取りは重要です。例えば一人暮らしの方でワンルームや1LDKにお住まいなら、部屋数も少なく遮蔽物があまりないため、Wi-Fiが繋がりやすい環境と言えます。
しかし戸建ての場合は、部屋数が多いため柱や壁などの遮蔽物が多くなります。さらに1階と2階に分かれていると天井を挟むことになり、ワンルームよりもつながりにくく通信速度が落ちやすい環境となります。
間取りが広くなるにつれて、つながりやすさと通信速度を重視してルーターを選ぶ必要が出てくるのです。ルーター性能を十分発揮させるために、間取りによって最適なルーターが決まることを抑えておきましょう。
通信速度・通信規格で選ぶ
Wi-Fiの通信速度は、ルーターの「通信規格」によって変わります。価格重視で安いルーターを買ったものの、昔の通信規格にしか対応しておらず、ネットに繋がるのに時間がかかってしまうケースがあります。
通信規格の種類や違いを理解することで、ストレスなくインターネットにつながるルーターを選ぶことができるので、ぜひ抑えておきましょう。2013年に策定されたWi-Fi5以降に対応したモデルがおすすめです。
規格名 | 名称 | 周波数 | 最大通信速度 | 策定時期 |
---|---|---|---|---|
IEEE802.11ax | Wi-Fi6 | 2.4GHz 5.0GHz |
9.6Gbps | 2019年9月 |
IEEE802.11ac | Wi-Fi5 | 5.0GHz | 6.9Gbps | 2013年12月 |
IEEE802.11n | Wi-Fi4 | 2.4GHz 5.0GHz |
600Mbps | 2009年9月 |
IEEE802.11g | – | 2.4GHz | 54Mbps | 2003年6月 |
IEEE802.11b | – | 2.4GHz | 11Mbps | 1999年10月 |
IEEE802.11a | – | 5.0GHz | 54Mbps | 1999年10月 |
※Wi-Fiの名称(Wi-Fi◯)は2019年から始まった表記(名称)であり、Wi-Fi1〜3は存在せず、IEEE802.11a,b,gにはWi-Fi◯という名称はありません。
同時接続台数で選ぶ
Wi-Fiルーターは、インターネットに接続できる端末台数の上限があり、モデルによって異なります。
家族全員がスマホ1台しか使わないなら気にしなくて良いかもしれませんが、最近はPCやタブレットのほか、ゲーム機や家電などWi-Fiを利用できる端末が一気に増えています。
また、端末の接続台数がWi-Fiルーターの上限ギリギリになるより、ゆとりを持った方がルーターの性能もより発揮されるようになります。
Wi-Fiルーターを購入する際は、ご家族がそれぞれ何台の端末を利用するのか把握した上で、ルーターの接続台数も確認しながら検討するようにしましょう。
Wi-Fiルーターおすすめのこだわり機能3選
ここからは、これからWi-Fiルーターを買うのであればぜひおすすめしたいこだわり機能について説明します。
絶対ついていた方がいいというわけではないですし、使われる方によっては不要なものもあります(使用する端末台数が少ない方など)。
ですがどの機能も、備わっているとより快適にインターネットに接続できるものになっています。インターネット接続頻度が高い方や、たくさんの端末を利用される方はぜひ参考にしてみてください。
- Wi-Fi6
- MU-MIMO
- トライバンド
Wi-Fi6
先述したWi-Fiの通信規格でも出てきたWi-Fi6。2019年に策定され、2021年11月現在では最新の規格になっております。
Wi-Fi6はWi-Fi5に比べて「高速・高効率・省エネ」という3つの強みがあります。
- 高速:Wi-Fi5の約1.5倍の通信速度
- 高効率:複数端末同時接続による混雑に強い
- 省エネ:接続する端末の消費電力を抑える
通信速度にこだわりたい方や、たくさんの端末を接続する予定の方はぜひWi-Fi6対応のモデルを検討してみましょう。端末の省エネ効果もあるので、スマート家電を利用されている方にもおすすめです。
MU-MIMO
複数台の端末を同時接続できる技術、MU-MIMO。スマホやPCを同時に接続しても、速度低下を防いでくれる機能になります。
従来のWi-Fiルーターは、複数台の端末を接続する際、電波障害が起きないよう1台ずつ通信をしていました。同時に接続しているように見えても、実は1台ずつ通信相手を瞬時に切り替えて接続しているのです。
そのため、接続台数が増えるほど通信相手を切り替える手間が増えてしまい、速度低下が発生してしまいました。MU-MIMOは電波障害を防げるので、複数端末を全く同時に接続することが可能です。
一度にたくさんの端末を接続したい方はMU-MIMO対応のルーターがおすすめです。
トライバンド
トライバンドとは、その名の通り3つのバンド(周波数帯)で通信を行える技術になります。各周波数帯への負荷を減らし、複数台の端末を接続してもスムーズに通信が行えるようになる機能です。
多くのルーターは、周波数帯が「2.4GHz」と「5.0GHz」の2種類の周波数帯(デュアルバンド)ですが、トライバンドはそれに加えてさらにもう一つ5.0GHz帯を使い通信をすることができます。
使用できる周波数帯が増えれば、その分一つの周波数帯にかかる負担が減ることになります。道路が2車線から3車線に増えて車の流れが良くなるようなイメージです。
MU-MIMOと似た効果ですが、MU-MIMOは同時接続を可能にする機能、トライバンドは周波数帯の負荷を低減する機能という違いです。とにかく多数の端末を接続する方はトライバンド対応がおすすめです。
間取り別おすすめWi-Fiルーター比較表
ここからは間取り別のおすすめWi-Fiルーターを具体的にご紹介します。各モデルの詳細は後述しますので、まずは本記事でご紹介するモデルの比較表をご覧ください。
間取り | メーカー・ モデル名 |
規格(名称) | 最大速度 (Mbps) |
接続 台数 |
MU-MIMO 対応 |
トライバンド対応 |
1R・1LDK | NEC・ PA-WG1200CR |
IEEE802.11a/b/g/n/ac (Wi-Fi5) |
5.0GHz:867 2.4GHz:300 |
10 | – | – |
1R・1LDK | バッファロー・ WSR-1800AX4S |
IEEE802.11a/b/g/n/ac/ax (Wi-Fi6) |
5.0GHz:1201 2.4GHz:573 |
14 | ○ | – |
マンション 2,3LDK |
NEC・ PA-WG2600HS2 |
IEEE802.11a/b/g/n/ac (Wi-Fi5) |
5.0GHz:1733 2.4GHz:800 |
18 | ○ | – |
マンション 2,3LDK |
NEC・ PA-WX3600HP |
IEEE802.11a/b/g/n/ac/ax (Wi-Fi6) |
5.0GHz:2402 2.4GHz:1147 |
36 | ○ | – |
マンション 4LDK以上・ 戸建て |
バッファロー・ WSR-5400AX6S |
IEEE802.11a/b/g/n/ac/ax (Wi-Fi6) |
5.0GHz:4803 2.4GHz:573 |
30 | ○ | – |
マンション 4LDK以上・ 戸建て |
Deco X20 | IEEE802.11a/b/g/n/ac/ax (Wi-Fi6) |
5.0GHz:1201 2.4GHz:574 |
150 以上 |
◯ | ◯ |
1人暮らし(1R・1LDK)におすすめのWi-Fiルーター
1人暮らし(1R・1LDK)におすすめのルーターを具体的にご紹介します。
快適なインターネット接続が可能で、かつコスパに優れたモデルを選びました。1人であれば接続台数の上限は少なめで問題ない方が多いと思いますので、その分価格を抑えられます。
コスパ重視!NEC:PA-WG1200CR
とにかく手持ちの機器がインターネットに接続できれば十分!余計な機能は不要なのでコストを抑えたい!という方におすすめなのがPA-WG1200CR。
価格は3,000円前後で、本記事で紹介するモデルの中でも頭ひとつ抜けてお手頃なものになっております。Wi-Fi5にも対応しており、10台まで接続できます。
一人暮らしの方で、端末台数もそれほど多くない方はこちらを選んでおけば間違い無いでしょう。
規格(名称) | 最大速度 (Mbps) |
接続 台数 |
MU-MIMO 対応 |
トライバンド対応 |
IEEE802.11a/b/g/n/ac (Wi-Fi5) |
5.0GHz:867 2.4GHz:300 |
10 | – | – |
Wi-Fi6対応!バッファロー:WSR-1800AX4S
通信速度にこだわりたい!同時接続時の速度低減も抑えたい!という方におすすめなのがWSR-1800AX4S。
PA-WG1200CRとの違いは、最新規格のWi-Fi6であり、MU-MIMOに対応していること。インターネットに接続する機器をたくさんお持ちの一人暮らしの方にぜひおすすめしたいモデルです。
価格も8,000円弱と、Wi-Fi6対応モデルの中ではコスパに優れたモデルになっています。
規格(名称) | 最大速度 (Mbps) |
接続 台数 |
MU-MIMO 対応 |
トライバンド対応 |
IEEE802.11a/b/g/n/ac/ax (Wi-Fi6) |
5.0GHz:1201 2.4GHz:573 |
14 | ○ | – |
マンション(2,3LDK)におすすめのWi-Fiルーター
続いて、マンション住まい(2,3LDK)おすすめのルーターになります。1人暮らしの方におすすめのモデルに比べ、最大通信速度の値が高いものになっております。
また、ご家族で使用される場合、1人暮らしの方よりも使用する端末数が増えます。同時接続時の混雑に強いものを選ぶと良いでしょう。ここで紹介するモデルは、どちらもMU-MIMO対応になっています。
コスパ重視!NEC:PA-WG2600HS2
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Wi-Fi6には対応していないものの、MU-MIMOに対応し同時接続に強いモデルがこちらのPA-WG2600HS2。
18台まで接続可能となっており、2人暮らしの方や使用する端末数が少ない3人以上のご家族におすすめです。7,000円程度で購入できるお手頃さも魅力です。
規格(名称) | 最大速度 (Mbps) |
接続 台数 |
MU-MIMO 対応 |
トライバンド 対応 |
IEEE802.11a/b/g/n/ac (Wi-Fi5) |
5.0GHz:1733 2.4GHz:800 |
18 | ○ | – |
Wi-Fi6対応!NEC:PA-WX3600HP
Wi-Fi6にも対応し、36台まで接続可能という大きな強みを持つPA-WX3600HP。
1万円を超えるためなかなか手が出ないかもしれませんが、その分パフォーマンスは抜群です。これを買えば間違いない、ネット接続において困ることは当分無いだろうと自信を持っておすすめできるモデルです。
規格(名称) | 最大速度 (Mbps) |
接続 台数 |
MU-MIMO 対応 |
トライバンド対応 |
IEEE802.11a/b/g/n/ac/ax (Wi-Fi6) |
5.0GHz:2402 2.4GHz:1147 |
36 | ○ | – |
4LDK以上・戸建てにおすすめのWi-Fiルーター
画像出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/4778969
最後に、4LDK以上または戸建ての方におすすめのルーターになります。実は戸建ての場合でも、2,3LDK向けにおすすめしたルーターで十分な場合もあります。
しかし部屋数が多く2フロア以上ある場合は、ルーターを置く場所によっては家の壁や天井、他の家電からの影響を受けやすく接続が安定しないケースが多々あります。
こちらで紹介するのは、最大通信速度の数値が高いモデルや、接続の「安定性」が抜群で家中どこにいてもつながるモデルになります。
通信速度が魅力的!バッファロー:WSR-5400AX6S
最大通信速度が4803Mbpsと、本記事で紹介しているモデル中最高数値となっているWSR-5400AX6S。
Wi-Fi6対応・MU-MIMO対応で複数端末の同時接続にも強く、広い間取りの部屋でも快適な速度で接続することができます。接続台数が20台程度であれば、こちらのモデルを選べば間違い無いでしょう。
規格(名称) | 最大速度 (Mbps) |
接続 台数 |
MU-MIMO 対応 |
トライバンド対応 |
IEEE802.11a/b/g/n/ac/ax (Wi-Fi6) |
5.0GHz:4803 2.4GHz:573 |
30 | ○ | – |
家中つながる!Deco:X20
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本記事で紹介しているモデルで唯一トライバンドに対応し、家のすみずみまでWi-Fiを張り巡らせる「メッシュWi-Fi」に対応したX20。
こちらにはルーター端末が2つセットになっており、「親機」と「中継機」として設定することができます。1階・2階に一つずつ置くなどして、フロアを跨いでも安定したWi-Fi接続が可能となります。
最大370㎡をカバーでき、Wi-Fi6にも対応。接続可能台数も150台と、最高のパフォーマンスを持ち合わせたモデルです。価格は2万円弱と少し張りますが、非常に満足度の高いものになっています。
規格(名称) | 最大速度 (Mbps) |
接続 台数 |
MU-MIMO 対応 |
トライバンド対応 |
IEEE802.11a/b/g/n/ac/ax (Wi-Fi6) |
5.0GHz:1201 2.4GHz:574 |
150 以上 |
◯ | ◯ |
Wi-Fiルーターの寿命は?
購入したWi-Fiルーターに寿命はあるのでしょうか。結論から言うと、故障しない限りはずっと使い続けることができます。しかし一般的には5年くらい使用したら買い換えることを推奨されています。
ルーターをずっと使い続けていると、少しずつ劣化していきます。するとインターネットに接続はできても、通信速度が徐々に遅くなる・接続が安定しにくくなる等、使い勝手が落ちていきます。
PCやスマホなどのデバイスは日々進化し、Webコンテンツもクオリティの向上が著しい昨今。Wi-Fiの規格も今後さらに新しいものが出るはずですので、5年に1回を目安に買い替えを検討してみてください。
Wi-Fiルーターを買い替えるおすすめのタイミング
Wi-Fiルーターの一般的な買い替え時期の目安は5年ですが、それ以外にもルーターの買い替えた方が良いタイミングが存在します。
- 引っ越しして間取りが変わった
- スマホやPCを新しく購入した
- 接続する端末や家電が増えた
引っ越しして間取りが変わった
まずは、引っ越しして間取りが変わった場合です。ルーター選びにおいて非常に重要な要素のため、間取りが変わった場合はぜひ買い替えを検討してみてください。
特に結婚などのライフイベントを経て部屋が広くなったり、一緒に暮らす方が増えたりした場合は、買い替えを強くおすすめします。より繋がりやすく、接続台数の上限が多いものを選んでみましょう。
スマホやPCを新しく購入した
スマホなどの端末を新しく購入した場合も、買い替えを検討するタイミングの一つです。
インターネットへの接続速度や安定性は、ルーターと端末、どちらの性能にも左右されます。仮に新しい端末の接続速度が向上しても、ルーターが古いままだと、その恩恵を受けることができません。
新しく購入した端末のスペックを活かすためにも、ルーターの買い替えも併せて検討してみてください。
接続する端末や家電が増えた
インターネットに接続したい端末や家電が増えた場合も、買い替えを検討するといいでしょう。
最初はPCやスマホ数台しか接続していなくても、スマートホーム対応家電やゲーム機などを買い足して接続台数が増えると、接続台数の上限に達してしまうことがあります。
上限に達しなかったとしても、上限ギリギリの台数を接続するとルーターに負荷がかかり、接続速度や安定性が低下することがあります。
接続台数の上限が多く、同時接続しても速度が落ちにくいモデルを検討してみましょう。
まとめ:部屋の間取りと比較ポイントを抑えて選ぼう
画像出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/3506795
いかがでしたでしょうか。繰り返しになりますが、Wi-Fiルーターを選ぶ際は以下のポイントを抑えて検討してみましょう。
- 部屋の間取りで選ぶ
- 通信速度・無線方式で選ぶ
- 同時接続台数で選ぶ
ルーター選びに失敗したからといって、インターネットに接続することすらできない!といったケースは稀です。検討にあたり必要以上に気を張る必要はありません。
しかしいくつかのポイントを踏まえた上でルーターを選ぶことで、性能・価格ともに最適なモデルがみつかり、快適なインターネット環境で生活することができます。
本記事を参考にすることで、ご自身に合ったWi-Fiルーターを選ぶ一助となれば幸いです。