退職をすると決めたらまずは会社に退職の意思を伝えるところからはじめなければいけませんよね。
でも退職の伝え方って困ってしまいますよね。なかなか切り出しにくい話であると思いますし、誰に、どのタイミングで、どのように伝えることがベストなのでしょうか。
何回も退職を願い出ているので「慣れているよ」なんて人はほとんどいませんよね。退職を切り出すときにはとても不安が大きいものです。
この記事では円満に退職を進めるために大事な退職の伝え方についてお話していきます。この記事を読めばどのようにして退職の意思を伝えればいいのかがバッチリ理解できますのでぜひ最後までご覧ください。
(アイキャッチ画像出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/4879516)
退職の意思を伝える時期
円満に退職するために大切なのは、退職を伝えるタイミングと伝え方、それに加えて周囲が納得する退職理由も必要になるかもしれません。
まずは退職を伝える時期についてから順をおってお話していきます。
退職を伝える時期は○カ月前!?
退職の意思を伝えるのは退職をするおよそ1カ月前から3カ月前に行うのが一般的になります。遅くとも1カ月以上前には退職の意思をはっきり伝えなければスムーズな退職は難しいといえるでしょう。
退職までの期間が短くて、業務の引き継ぎが十分にできなかったりすると会社側にも迷惑をかけてしまうことにもなります。
業務の引き継ぎやその期間でやるべきことをしっかりと見据えたうえで余裕を持った退職の予定日を設定すると良いでしょう。
また、実際に会社を退職する日は上司など会社の人間と相談をして決めることになります。会社の都合によって自分で希望する日から前後する場合が出てくることもあるかと思いますので頭に入れておきましょう。
忙しい時期は避ける
円満な退職を望むのであらば繁忙期など忙しい時期は避けるようにしましょう。
退職するということは少なからず会社側に迷惑をかけることになりますので、繁忙期や人事異動の前後、あるいは進行中のプロジェクトがある場合に途中で退職をするようなことはできれば避けるようにしましょう。
忙しい時期の退職では会社や周囲の人たちに負担がかかり、引き継ぎにも影響が出てしまう恐れがあります。止むを得ずそうした時期に退職せざるを得ないという場合にはできるだけ早めに退職の意思を伝えましょう。
また、忙しい時期よりも余裕のあるときの方が会社側としても退職を受け入れやすくなります。
退職の意思を伝える相手
はじめに会社の誰に退職の意思を伝えるべきであるのか。これは必ず直属の上司に伝えるようにしましょう。
直属の上司に対してできれば周りに人がいないような状況をつくって話を切り出しましょう。直属の上司とは日ごろの自分の業務を指導、管理してもらっている人のことを指します。
上司と話をして退職の合意を得た後で、課長や部長などの上位役職者、人事の担当者に伝えるのが一般的なマナーとされます。
上司を飛び越してさらに上の上司や人事担当者に先に退職の意思を伝えるようなことは避けるようにしましょう。
退職の意思を伝えるタイミング
退職を伝えるタイミングは昼休み中や就業後など業務時間外で周りに人がいない時間帯が理想的です。
話を聞いてもらう相手にとっては時間や精神的にも余裕があるときに切り出されたほうが受け入れやすいということもあります。その意味でも忙しい時期や時間に話をすることは避けた方が良いでしょう。
業務時間外で上司に話を聞いてもらうことが難しい場合には、事前に「話がある」ということを伝えてアポをとって業務時間中に少し時間をもらうという方法も悪くはありません。
ただしその場合でも、声かけやメールを送るタイミングなどはいずれも業務時間外に行うようにするのが無難です。
退職の伝え方①強い意志を示す
では退職の意思を伝えるときには、どのように伝えた方がより円満に退職ができるようになるのでしょうか。退職の伝え方で意識しておきたいポイントをご紹介していきます。
まず大事なことですが、退職の話を切り出す際には「退職する意思が固まっている」ことを丁寧にしっかりと伝えるようにしましょう。
例えば「退職を考えているのですが」「退職の相談なのですが」といったようにあいまいな伝え方をしてしまうと、上司にとっては本気なのか相談されているだけなのか判断しかねてしまいます。
こうなってしまっては引き止められることにもなりますし、退職の交渉が長引く可能性があり、円満な退職が難しくなってしまいます。退職の意思を伝えるときには強い意志を示すことがまずは一番大切です。
退職の伝え方②退職理由は「一身上の都合」で十分!?
退職する理由についてはどのように伝えることが良いのでしょうか。退職の理由はネガティブなものからポジティブなものまで個人によってさまざまにあると思います。
退職をする理由をはっきりと伝えた方が良いのではと思われているかもしれませんが、退職理由についてはありのままの理由や詳細な理由を伝える必要は特にありません。
ですので、理由がなんであっても「一身上の都合により退職いたします」とだけ伝えれば問題はありません。
そうはいってもやはり「一身上の都合」だけでは納得してもらえず、理由を求められる場合も多くあるはずです。そのときの対応については次の章でお話していきます。
退職の伝え方③不平不満だけは避ける
退職の意思を伝えるときは「一身上の都合」とだけ言えばそれで問題はありませんが、それだけでは納得してもらえず、理由を求められたときには素直に理由を話すようにしましょう。
退職の理由は個人によって違うことは当然ですし、「給料が低い、労働環境が良くない」など会社に不満を持ち、退職を決意した人も当然いることでしょう。しかし、会社への不平不満をそのまま伝えてはいけません。
退職をする理由を答えるときには会社への不平不満だけは必ず避けるようにしましょう。不満をぶつけられると会社側としても心象が悪くなり、円満な退職が難しくなってしまいます。
時と場に応じて適切な言葉があるように建前と本音を使い分けて伝えるようにしていきましょう。次の章で退職の理由を話す必要があるときに納得してもらいやすい退職の理由についてお話していきます。
退職の伝え方④退職の理由は必ず前向きな理由で
会社の人間に退職の理由を話すときには前向きで角が立たない理由を話すようにするとよいでしょう。上司や周囲に納得してもらいやすく、円満な退職へとつなげやすくなるからです。
前向きな理由として違う業種への挑戦、キャリアアップ、起業または開業、留学、資格習得の勉強などが挙げられます。また、親の介護、自身の健康上の理由、結婚など家庭の事情も受け入れられやすい理由です。
転職先が決まっている場合には退職理由と矛盾がなければ具体的な社名を伝えても問題ありません。ですが、社名は必ずしも伝える必要はないので円満な退職のために「まだ決まっていません」と濁すのも良いでしょう。
ただし、当然ですがウソを話すことは良くありません。誰であれ退職にいたるまでには複数の理由が関わっているはずですから、その中からいちばん伝えやすく、受け入れてもらいやすい理由を選んで伝えましょう。
引き留められてしまったときの伝え方は?
退職の意思を伝えたはいいものの会社側から引き留められてしまった、このようなことは当然起こりえることでしょう。これに関してはどう対処すればよいのでしょうか。
たとえ引き止められたとしても退職の意思が変わらないのであれば今一度強い意志でしっかりと退職の意思を伝えるようにしましょう。
円満な退職を心がけることは大切ですが、話がなかなか通じないのであれば仕方がありません。関係の悪化を恐れることなく強い意志で話を進めていくようにしましょう。
また、退職はこちらの都合だけを考ればいいものではありません。それを理解して会社側の都合も考えるようにしたうえでお互いに不利益が少なくなるようにというスタンスで退職の交渉を進めるようにしていきましょう。
気まずくならないための伝え方はある?
退職の意思を伝えるときや伝えた後には気まずさを感じてしまうものでしょう。ですが、これはある意味仕方のないことです。
相手や周りの態度が変わることもあれば、変わらないけれども自分の気持ちが変わってそう感じてしまうこともあります。どちらにせよ、退職日までの辛抱なので悩むだけ時間の無駄だと考えましょう。
それでも気まずくならないようにする努力はできます。まずは気持ちを落ち着かせて丁寧さを忘れずに伝えるようにしましょう。それと大事なものは感謝の気持ちです。
感謝の気持ちを伝えることで相手も耳を傾けてくれるようになるでしょう。こちらができることをしたうえで納得してもらえないのだったら、仕方のないことだと割り切れて気持ちもラクになるはずです。
「どうしても…」という人には退職代行サービスという選択も
退職の意思を伝えるのが難しいときには「退職代行サービス」を利用するという方法もあります。
会社に退職の意思を伝えることは、何も本人だけしかできないわけではありません。退職する本人に代わって退職を進めてくれるサービスもあります。
費用はかかってしまいますが、上司とも顔を合わせず、なかなか辞められないという状況でも確実に退職を進めることができます。
どうしても伝えることができない、または退職の意思を伝えてもなかなか話を進ませられないという人は利用を検討してみるのもいいでしょう。
退職までにやるべきことは?
上司と話をして退職の日を決めたら、人事権を持つ上司や人事担当者などと話をして退職することになったことを伝えて話を進めていきます。
正式に退職が決まったら、退職する日までにやらばければいけないことを自身で確認してしっかり行っていきましょう。
自身が携わっている業務の引き継ぎは余裕をもったスケジュールを作成して、業務を滞りなく後任の者に引き継ぎができるようにしていきましょう。
退職に伴う年金や健康保険などの公的手続きに関しての概要を確認しておき、必要となる書類については必ず自分で一度確認をして、会社から受け取ることができるように手配をすることを忘れずに行ってください。
退職願を提出
正式に退職が決まったら退職願、または退職届を書いて提出しましょう。
退職届は就業規則に従って期日までに提出する必要があるものです。現在いる会社の就業規則の記載を確認してから作成しましょう。
法律上では退職日の2週間前までの提出とされていますが、一般的には退職日の1カ月前までの提出とされている場合が多いです。提出する相手は直属の上司に手渡しで受け取ってもらいましょう。
退職届の書き方についても会社によっては就業規則で規定されている場合があります。その場合は規定された形式の通りに書き、規定がされていなければ書籍やネットを参考にしてマナーを守り作成してください。
まとめ ベストな退職の伝え方とは?
この記事でお話してきたことをまとめると、退職の意思は退職希望日の3か月前、会社の繁忙期でない時期、伝える相手は直属の上司に、できるだけ業務時間外の時間で伝えることがベターだといえるでしょう。
ただし、あくまでこれは一般的なものであって目安にすぎません。会社側の事情、都合も考慮に入れたうえで、あなたにとって自分でベストだと考えられるときが退職の意思を伝えるのに最もよいタイミングになります。
まずははっきりとした退職の意思を固めて、その意思を伝える前に余裕を持った退職希望日を設定することからはじめましょう。それが決まったら上司に退職の意思を伝えて退職をすすめていきます。
時には関係の悪化も恐れることなく、それでもお互いにとって不利益が少ない円満な退職ができるように最善を尽くしていきましょう。