犬には摂取すると害が出てしまう為、食べてはいけないと言われる果物があります。摂取量が多すぎたり、対処が遅れてしまうと最悪の場合死に至るということを知っていますか?
そこでこの記事では、「犬が食べてはいけない果物」や「どういう症状が出てしまうのか」などといったことについて紹介していきます。
また犬と幸せに暮らしていくためには、あなたの果物に関する知識が必要です。
「何を食べさせてはいけないのか」「食べてしまった時にどう対処すればいいのか」知っておく必要があるので、あなたの愛犬のためにも是非最後まで読んで頂けると幸いです。
アイキャッチ画像出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/4910053
犬が食べてはいけない果物があるってホント?
結論から言うと、犬にも食べてはいけない果物はあります。可愛いからといって、なんでも美味しそうなものをあげて良いというわけではないのです。
それでは食べてはいけない果物について紹介します。犬が食べてはいけない果物は、「ぶどう・プルーン・ドライフルーツ・いちじく・柑橘類の外皮」の5種類です。
このように犬が食べてはいけない果物はたくさんあります。食べ物を置く場所や、食べ物を落としてしまうといった日頃の行動にも気をつけましょう。
ですが犬の特性として「食べ物への喰い付きが凄い」というものがあるので、注意が必要です。それでは上記の5つの果物は、『なぜ食べてはいけないのか』これから詳しく説明していきます。
犬が食べてはいけない果物①ぶどう
「犬がぶどうを食べてはいけない」と広まったのは、2001年にアメリカの研究者たちによって報告された犬のぶどう中毒によるものです。
それは43頭の犬が、ぶどうや干しぶどうのどちらかを摂取した後に腎機能障害を発症し、半数の犬が急性腎不全により死亡したというものでした。
ぶどう中毒の原因として農薬、カビ毒、ぶどう由来の成分によるものなどの意見が飛び交ってますが未だ特定はされてないので、まずはぶどうをあげないことが大事です。
そこでこの章では、「ぶどうを食べるリスク」について以下のことを紹介していきます。
- ぶどう中毒になると
- ぶどう中毒の治療とは
- 誤って食べた時の対処法
ぶどう中毒にも気をつけなければいけませんが、日常にも危険が溢れているということを忘れないようにしてください。
例えば散歩コースなどの草木には、『農薬が撒かれている可能性』があります。犬に草などを食べさせないようにしましょう。
ぶどう中毒になると
ぶどう中毒になると下痢・食欲低下・震え・呼吸が速くなるなどの症状を引き起こす事があります。
共通の症状として摂取後数時間以内の嘔吐が挙げらるので、嘔吐した場合にはぶどう中毒を疑いましょう。
また病院での血液検査では、「BUN(尿素窒素)・CRE(クレアチニン)・Ca(カルシウム)・P(リン)」の数値に異常が見られます。
Ca(カルシウム)やP(リン)の値が高いほど、回復に時間がかかるとされているので注意が必要です。
ぶどう中毒の治療とは
ぶどう中毒には、「腎機能障害を発症させる」というリスクがあります。そこで気になるのが、どのような治療をするのだろうかということではないでしょうか。
ぶどう中毒の治療は、「輸液療法・電解質補正・制吐剤・利尿剤・リン吸着剤・尿道カテーテルの設置・透析治療」などの治療を行います。
どんな治療か分からずとも、しんどい治療だということは分かりますよね。
犬にぶどうを食べさせるリスクを考え、あなたが果物に対する危機感を持ってくれることを祈っています。
誤って食べた時の対処法
もし食べてしまった場合は、「いつ」、「どのくらいの量」というのを確認し動物病院に電話で伝えるようにしましょう。
体調が急変している場合は、急いで動物病院へ連れて行くことが必須です。決して自己判断で行動してはいけません。
犬が食べてはいけない果物②プルーン
プルーンは、人間にとっては美容や健康に良いと言われています。しかし犬にとっては、プルーンに含まれている豊富なカリウムが「高カリウム血症」に繋がる恐れがあるので注意が必要です。
この高カリウム血症は、「四肢のしびれ・筋力低下・吐き気・脈拍の異常(不整脈・頻脈)」などの症状を引き起こす可能性があります。
特に危険な症状は、心臓の機能が狂い、脈拍が不規則になる不整脈です。不整脈から心停止が起こり、そのまま『死に至る』こともあります。
高カリウム血症は、それだけ恐ろしい症状なんです。次の章からは「高カリウム血症についての知識」として、以下のことを紹介していきます。
- カリウムが多く含まれる食材
- 不整脈・頻脈の見極め方
- 誤って食べた時の対処法
またいちじくはバラ科に属しているという特徴があり、「リンゴ・梅・桃」などのバラ科の植物の未成熟の種には、「アミグダリン」という成分が含まれています。
このアミグダリンは「青酸中毒の原因」にもなる恐ろしい成分です。果物の種にも細心の注意を払いましょう。
カリウムが多く含まれる食材とは
カリウムが多く含まれている食材にはプルーン以外にも、「パセリ・味噌・よもぎ・アボカド・納豆・ほうれん草」などがあります。
これらの食材を食べ過ぎ、体外への排泄能力を上回ってしまうことでも高カリウム血症になってしまいます。
身近な食材でも高カリウム血症になってしまうので、食材には飼い主の細心の注意が必要です。
不整脈・頻脈の見極め方
不整脈や頻脈の意味が分からなければ、もしもの時に対処できないのでこの2つの症状について説明します。
不整脈とは、脈がゆっくり打ったり、速く打ったり、不規則に打つことです。また1分間に50以下の場合を徐脈、100以上の場合を頻脈といいます。
このような不整脈の症状が現れると、とても危険ということはあなたも理解できたのではないでしょうか。
不整脈の症状が出て犬が苦しまないためにも、普段から犬の食べ物には注意してください。
誤って食べた時の対処法
もし食べてしまった場合は、「いつ」、「どのくらいの量」というのを確認し動物病院に電話で伝えるようにしましょう。
体調が急変している場合は、急いで動物病院へ連れて行くことが必須です。決して自己判断で行動してはいけません。
犬が食べてはいけない果物③いちじく
いちじくは人間にとって、「不老不死の果実」と呼ばれているほど美容や健康に良いとされている果物です。しかし犬にとっては、むしろ健康を害してしまう恐れがあります。
その原因として、紫外線を多く吸収してしまう「ソラレン」や、タンパク分解酵素の「フィシン」といった成分が、犬に対して中毒を引き起こす可能性があるからです。
またラテックスに対してアレルギーを持っている犬は、いちじくに対してもアレルギー反応を起こすことがあるので注意が必要です。
そこでこの章では「いちじくを食べてしまった際に必要な知識」について、以下のことを紹介していきます。なぜいちじくを食べてはいけないのか、確認していきましょう。
- いちじくを食べた際に見られる症状
- ラテックスアレルギーとは
- 誤って食べた時の対処法
いちじくを食べた際に見られる症状
犬がいちじくを口にすると、胃腸や口の中に炎症が起こり、「口内炎・よだれ・食欲の低下・嘔吐・下痢」などの症状が見られます。
犬は食べ物への喰い付きが凄い生き物なので、食べさせてはいけない果物をあげて愛犬の楽しみを奪わないようにしてあげてください。
飼い主のあなたなら愛犬が元気にご飯を食べる姿が好きなはずなので、愛犬の口に入る物には十分配慮しましょう。
ラテックスアレルギーについて
ラテックスアレルギーとは、天然ゴムに含まれるラテックスタンパク質が赤み・かゆみ・蕁麻疹などの皮膚症状を引き起こすアレルゲンのことです。
またこのアレルギーがあると、特定の果物の摂取でアレルギーを発症することがあり、これをラテックスフルーツ症候群といいます。
特定の果物には、「バナナ・アボカド・キウイ・メロン」があります。
肌のかゆみはとてもストレスになる症状です。愛犬に快適な生活を送ってもらうためにも、アレルギーには十分に気をつけましょう。
誤って食べた時の対処法
もし食べてしまった場合は、「いつ」、「どのくらいの量」というのを確認し動物病院に電話で伝えるようにしましょう。
体調が急変している場合は、急いで動物病院へ連れて行くことが必須です。決して自己判断で行動してはいけません。
犬が食べてはいけない果物④ドライフルーツ
犬が食べてはいけない果物には、『ドライフルーツ』が挙げられます。その理由は、果物を乾燥させると栄養素が凝縮されるからです。
これまでに紹介してきた「ぶどう(レーズン)・プルーン・いちじく」のドライフルーツは、必然的に与えてはいけないというのが分かると思います。
しかしドライフルーツは、果物の種類によっては効率よく栄養を摂取することができる効率の良い果物なんです。
なのでこの章では、「ドライフルーツにした際の栄養素を比較」し危険さを知ってもらうとともに、おすすめのドライフルーツについて紹介します。
- 生のフルーツとドライフルーツの栄養素を比較
- おすすめのドライフルーツとは
上記の2つを紹介するとともに、食べてはいけない「ドライフルーツを食べてしまった時の対処法」についても書いていくのでしっかり確認していきましょう。
生のフルーツとドライフルーツの栄養素を比較
この章では、プルーンに多く含まれる『カリウム』について「生の状態」と「ドライフルーツの状態」で比較していきます。
カリウムの変化を比較 | 生のフルーツ(100g) | ドライフルーツ(100g) |
ぶどう(レーズン) | 130mg | 740mg |
プルーン | 220mg | 480mg |
いちじく | 170mg | 840mg |
参考資料:日本食品標準成分表2015年版(七訂)-厚生労働省
上記の表を見ると、ドライフルーツにすることにより、カリウムの栄養素が跳ね上がっていることが分かります。
またカリウムが1番多いとされていたプルーンですが、ドライフルーツにすると3つの中では1番少ないです。
このことからもドライフルーツの危険さが分かるのではないでしょうか?食べていいとされている物でも、与える際には果物の知識が必要です。
おすすめのドライフルーツとは
ドライフルーツは少量でたくさんの栄養素が取れることにより、とても効率の良い果物とされています。
そこでこの章では、おすすめのドライフルーツについて紹介していきます。今回紹介するのは、「わんのはな FRESH DRY FRUIT イチゴ」です。
国産のイチゴを長時間乾燥させ、「シロップ・オイル不使用」の100%天然素材でできています。便秘や免疫力が気になる愛犬にもおすすめです。
イチゴ以外にもたくさん種類があるので、試してみてはいかがでしょうか?
ドライフルーツは乾燥させていることにより、少量でもカロリーが非常に高いです。与える際には量に気をつけ、獣医さんとも相談しながらが良いでしょう。
誤って食べた時の対処法
もし食べてしまった場合は、「いつ」、「どのくらいの量」というのを確認し動物病院に電話で伝えるようにしましょう。
体調が急変している場合は、急いで動物病院へ連れて行くことが必須です。決して自己判断で行動してはいけません。
犬が食べてはいけない果物⑤柑橘類の外皮
いちじくを紹介した章でも書いた「ソラレン」ですが、この成分は柑橘類の皮にも多く含まれています。与える際には、必ず外皮を剥いてから与えましょう。
また外皮以外にも与えてはいけないのが、果物の種です。種によっては毒になるので、非常に危険とされています。
そこでこの章では『外皮・種』の危険性を紹介するとともに、それらを食べてしまった場合の対処法について以下のことを紹介します。
- ソラレンを摂取した際に見られる症状
- 種を食べる危険性とは
- 摂取した時の対処法
あなたの「知識不足・不用意な行動」で犬が苦しむこともあるので、上記のことをしっかり確認していきましょう。
犬がソラレンを摂取した際に見られる症状
犬がソラレンを大量に摂取してしまうと、下痢や嘔吐などの中毒症状を起こしてしまいます。その症状が続いてしまうと、脱水症状に繋がり危険です。
脱水症状になると、「食欲低下・元気がない・嘔吐・下痢・舌を出してハァハァ・皮膚に弾力がない・おしっこが濃く少ない」などの症状が見られます。
酷くなると自分で水を飲むこともできないほど弱るので、柑橘類の皮を剥かずにあげるのは絶対にやめてください。
ソラレンには紫外線を必要以上に吸収してしまうというものがあり、ひどい症状の場合、肌がヒリヒリと痛みを感じやけどのような状態になることもあるので注意が必要です。
犬が種を食べる危険性とは
犬が食べてはいけない代表的な種には、「桃・さくらんぼ」が挙げられます。その理由として、これらの種には『アミグダリン』という有毒な成分が含まれているからです。
この”アミグダリン”が犬の体内で消化されると、「シアン化水素(青酸)」によって中毒症状を引き起こします。
柑橘類の種は「桃・さくらんぼ」ほど有害ではありませんが、消化されずに便として出てくる繊維質(柑橘類の種)は腸に負担をかけてしまいます。
なので、果物の種はどの種類であっても与えないのが正解です。果物の種を捨てる際には、犬が漁らないような場所を意識しましょう。
桃やさくらんぼは、果肉であれば与えることができます。しかし種を破棄する際には、十分気をつけてください。
誤って摂取した時の対処法
脱水症状が酷くなると、自分で水を飲むこともできなくなります。応急処置として、スポイトを使って水をあげましょう。
しかし脱水症状の場合、軽度・重度に関わらずすぐに病院に連れて行ってください。
犬に「立てない・歩けない・体が熱い・体が冷たい」などの症状が出るとかなり危険です。飼い主の方なら、このような愛犬の姿は見たくないのではないでしょうか。
何度も言うようですが、犬が食べてはいけない物をしっかり把握するようにしてください。犬を幸せにするのも、不幸にするのもあなた次第ということを忘れずに。
食べてはいけない果物を食べてしまった時の対処法とは
犬が誤って食べてはいけない果物を食べてしまった場合、すぐに動物病院に連れていきましょう。その際に「いつ」、「どのくらいの量」を食べたのかを正確に伝えることが大事です。
正確に伝えることで、獣医師の診断がしやすくなります。袋や残りがあるのであれば、それを獣医師に見せることも重要です。
誤飲した時点で病院に連れて行くことが好ましいですが、時間帯や犬の状態によっては電話で獣医師の指示に従うのも良いでしょう。必ず獣医師の判断に従ってください。
また誤飲直後ではなく、数日後に症状が現れることもあるので異変がないかしっかり観察するようにしましょう。
食べても良い果物は何があるの?
ここまで食べてはいけない果物について紹介してきました。では逆に、「どのような果物なら与えてもいいの?」と気になる方も多いと思うので紹介します。
犬が食べても良い果物は、「いちご・りんご・みかん・バナナ・キウイ・パイナップル・メロン・オレンジ・柿・梨・アセロラ・カシス・さくらんぼ・桃・マンゴー・ライチ・ベリー系」などが挙げられます。
犬が食べても良い果物は、このようにたくさんの種類がありますが、初めて食べさせる時は少量から与えるようにしましょう。
また皮や種、芯や茎などは中毒を引き起こす可能性があります。必ず取り除いて与えるようにしてください。
初めての果物を与えてからは少し様子を観察し、いつもと違うようであれば動物病院を受診するようにしましょう。
果物以外でも食べてはいけない物はあるの?
ここまで犬が食べてはいけない果物を紹介してきましたが、果物以外にも食べてはいけない物があるので紹介していきたいと思います。
果物以外で犬が食べてはいけない物は、「チョコレート・カフェイン・キシリトール・アルコール・生のパン生地・タマネギ・ニンニク」などです。
これらの食べ物も決して口にさせてはいけません。酷い中毒症状が出ることもあり、最悪の場合死に至ります。
犬が好きで飼っているあなたなら犬の辛い所は見たくないはずなので、果物だけではなく犬が口にする食べ物全てに気をつけましょう。また犬の手の届く範囲などに、食べ物は置かないように心がけてください。
犬が口にする物には注意が必要!
犬が口にする物には、飼い主への責任が付きまといます。犬の手の届くところに、人間の食べ物を置かないように気をつけるところから始めてください。
また「可愛いから」や「美味しそうに食べるから」、「喜んでくれるから」という理由で犬に何でもかんでもあげないようにしましょう。
あなたのそのちょっとした気持ちで「犬の命を奪うことができる」、ということを忘れないでください。
また犬は食べ物への執着が凄い生き物です。「あげる気はなかったのに食べられてしまった」なんてこともあるので、食べ物を扱う際は十分に注意しましょう。
犬が初めて口にするであろう食べ物に関しては、かかりつけのお医者さんなどに相談してからにすると良いでしょう。
犬が食べてはいけない果物についてのまとめ
この章では、今回の記事で書いたことについて分かりやすくまとめていきます。少しでも知識をまとめることで、犬に対しての対応力を高めていきましょう。
- 食べてはいけない果物①ぶどう
- 食べてはいけない果物②プルーン
- 食べてはいけない果物③いちじく
- 食べてはいけない果物④ドライフルーツ
- 食べてはいけない果物⑤柑橘類の皮
- 誤飲してしまった場合、何かしらの中毒症状が起きる可能性あり
- できるだけすぐに病院へ
- 誤飲した場合「いつ」「どのくらいの量を食べたか」正確に伝える
- 初めての果物は少量から
- 初めて与える果物の場合、獣医さんの指示を仰ぐ
この記事で「犬が食べてはいけない果物」や「どのような症状が出るか」などの知識が身についたのではないでしょうか?
必要な行動として、「犬が食べれる場所に食べ物を置かない」や何でもかんでもあげようとする人には「それを食べるとどのようなことが起きる可能性があるのか」ということをしっかり伝える必要があります。
犬が健康で元気に暮らしていくためには、飼い主であるあなたの知識が必要です。犬と幸せに暮らしていくためにも、犬が口にする物には細心の注意を払っていきましょう。