不動産投資を始めようと思うがどれだけのリターンがあるのか知りたい。物件を調べてみたが平均的な利回りがわからない。
せっかく不動産投資を始めるなら損をしないために平均的な利回りを知っておきたいと思いますよね。
不動産投資は場所や構造、築年数によって利回りが大きく変わってきます。なのでここでは種類別の平均的な利回りを解説していき、損をしないためにもどのようなところを注意していけばいいか書いていきます。
不動産投資で利回りの相場を知って、損をしたくない方はぜひ読んでください。
(アイキャッチ画像出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/2893018)
不動産投資で指標となる表面利回りと実質利回り
不動産投資を始めると表面利回りと実質利回りの二つが出てきます。
この二つは同じ利回りでも全く異なることを表しているので理解をする必要があります。
- 表面利回り…ざっくりとした利回り
- 実質利回り…詳しく計算した利回り
表面利回り
表面利回りとはざっくりと雑に計算した利回りのことを指します。
表面利回りを式に表すと表面利回り=年間家賃÷物件価格となります。
例えば想定家賃が年間100万円、物件価格が1000万円だとします。この場合100万÷1000万=10%となります。
不動産屋にある利回りはすべてが表面利回りです。想定家賃も満室想定で決められていることが多いです。このことから表面利回りは信頼度が低くなるので安易に飛びつかないようにしましょう。
実質利回り
実質利回りとは経費などを考慮したより正確な利回りのことを言います。
式に表すと実質利回り=(年間家賃-経費)÷(物件価格+購入時の諸費用)となります。
年間家賃100万円、物件価格1000万円だとしても、経費200万円、諸費用100万円かかったら(100万-20万)÷(1000万+100万)=7.2%となります。
実質利回りは経費と購入時の諸費用が計算に含まれるので、より正確な値になります。もし物件の購入を悩んだときは絶対に実質利回りを計算しましょう。
不動産投資は物件の種類で平均の(表面)利回りは変わる
不動産投資といっても区分マンション・アパート一棟・戸建てなどあり、それぞれで利回りが変わってきます。
そしてそれが新築か中古の物件かどうかでも変わってきます。新築、中古も考慮したうえ平均の利回りについて見ていきましょう。
新築 | 中古 | |
区分マンション | 約3%~4% | 約6% |
アパート一棟 | 約6% | 約8% |
戸建て | 約8% | 約16% |
(出典:https://www.ms-toushiguide.jp/3397/)
上の表から新築の区分マンションの利回りが一番低く、中古の戸建て利回りが高いことがわかります。
新築の区分マンションは購入のときに広告費が含まれ、ほぼ確実にマイナスになります。なので新築マンションは手を出してはいけない投資といわれています。
また中古の戸建ては古くなると固定資産税がとても安くなるので利回りが高くなる傾向があります。
不動産投資の地域ごとの平均(表面)利回り
利回りは地域によっても変ってきます。首都圏と地方では利回りの差が出てくるので、自分の地域の利回りの相場を把握しておくようにしましょう。
区分マンション | アパート一棟 | 戸建て | |
全国 | 7.24% | 8.52% | 8.03% |
首都圏 | 6.73% | 8.22% | 7.50% |
北海道 | 12.09% | 12% | 9.24% |
東北 | 13.20% | 10.63% | 10.26% |
信州・北陸 | 16.84% | 8.22% | 11.17% |
東海 | 10% | 11.90% | 9.33% |
関西 | 7.39% | 9.72% | 8.31% |
中国・四国 | 15.41% | 13.38% | 12.33% |
九州・北海道 | 10.58% | 9.32% | 9.51% |
(出典:不動産投資と収益物件サイト健美家 https://www.kenbiya.com/img/press/pre2021-09-01.pdf)
この表から首都圏や関西などの都心になるにつれて利回りが低くなっていることがわかります。
都心の方が物件の需要が多いため、それだけ競合が多くなり利回りが低くなっていきます。
不動産投資の平均利回りは様々な条件で変わる
不動産の利回りを考える時にはエリア以外にも様々な状況が考慮されます。考慮する項目とは構造や建築年数、購入時期などがあげられます。
利回り高い | 利回り低い | |
エリア | ・地方 | ・都心 |
構造 | ・木造
・鉄骨造(s造) |
・鉄筋コンクリート造(RC)
・鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC) |
築年数 | ・古い | ・新しい |
基本的に需要が少なく、価格が安い物件ほど利回りが高くなることを覚えておきましょう。
これらの利回りに加え、購入時期にも左右されます。2008年に起こったリーマンショックでは東京都城南地区の賃貸住宅一棟の利回りは6%でしたが、2021年10月現在は4%となっています。(出典:https://www.reinet.or.jp/wp-content/uploads/2010/10/20211125-kouhyou.pdf)
不動産投資の利回りは日本の経済状況と共に抑えて必要があるのです。
利回りと上手に付き合うための方法
投資の基本的な考えですが、利回りが高いものほどリスクが高くなります。
不動産投資をやっていく上で、利回りだけではなく自分がどれだけリスクに対応できるか考えていくようにしましょう。
では不動産投資のリスクとはどのようなものがあるのでしょうか。
- 空室リスク
- 経費増加
空室リスク
利回りが高い物件ほど立地や物件自体が悪く、空室になるリスクが高くなります。入居者がいなければ収入がなくなり赤字になってしまいます。
しかしリフォームや修繕によって入居者のニーズに合わせたり、敷金礼金をなしにしてハードルを下げる方法もあります。
自分で工夫してリスクを下げられるのは不動産投資の最大の魅力の一つではないでしょうか。
経費増加
利回りが高くなっていくとその物件自体に問題を持っている可能性が高くなります。シロアリや物件の傾きなどの大規模修繕で思わぬ経費発生する可能性があります。
このような予想外の経費を出さないためにも、しっかりと物件を見ておくようにしましょう。リフォームや修繕経費を見積もることはリスク低下につながります。
平均の利回りより高くても避けるべき不動産投資物件
ネットや不動産屋での利回りがいくら高くても選ぶべきでない物件はあります。
このような物件は絶対ダメではありませんが、慎重に考えていく必要があります。ではどのような物件が避けるべき対象になるのでしょうか。
- 大学や企業の依存
- 土地鑑のない地域
大学や企業に依存するもの
大学や企業に依存している物件は需要が多いものとして見られやすいです。
しかし、それは他の大家さんも考えることで、競合に勝つため必然的に家賃を下げていかなければいけません。
また大学や企業もいつなくなるかわかりません。依存するものがなくなってしまうとその物件の価値自体ほぼなくなってしまう恐れがあります。
このように不安定なものに依存した形の物件を選ぶことは避けた方がいいです。
土地鑑のない場所は避ける
全く知らない土地の購入は避けておいた方が無難です。全く知らない地域での購入は下見や不動産会社を探したり時間とお金を必要とします。
時間や金銭面から考えると、不動産初心者の段階ではやめた方がいいです。
不動産投資は売却するまで利回りはわからない
いくら利回りが良くても不動産を売却するまで利回りはわかりません。
不動産の価値は基本的購入時から下がっていきます。そして利回りの利益を相殺してしまう可能性も出てきてしまうのです。
不動産投資は売るまでしっかりと考えなければいけません。ではどうすれば物件を高く売ることができるのでしょうか。
- 満室にする
- 売却のタイミングを考える
満室にする
満室にすることは稼働率が高くなり物件としての価値が高くなります。
物件の価値が高くなることで銀行からの融資がおりやすくなるので、購入者にとって買いやすいものとなります。
売却のタイミングを考える
不動産価格は銀行の融資の姿勢に大きく影響を受けます。融資の姿勢が積極的だとお金が回るので不動産価格も高騰します。
このような姿勢は好景気の時に起きやすく、売却時にそれを狙うのも大切になってきます。
不動産投資をやっていく上で理想的な平均の利回り
では不動産投資で一体いくらぐらいが理想的な利回りといえるのでしょうか。不動産投資をやっていくなら成功ラインを知っておきたいですよね。
しかし理想的な利回りは人によります。理想的な利回りはどれだけの家賃収入を求め、何を目的にしているかで変わってくるからです。
不動産投資を通して仕事を辞めたいのか、少しでも生活費の足しにしたいのかなど自分の目的に合わなければ理想的な利回りとはいえないでしょう。
しかし、それだけだと困ると思うので目指す金額に合わせた例を載せておきます。
- 毎月10万円…家賃が6万~7万の都心区分マンションを2部屋
- 毎月25万円…2000万円(利回り15%)のアパート一棟
- 毎月50万円…上記のアパートもう一棟
一度なぜ不動産投資をやりたいのか考え、自分の目的を合わせて利回りを考えていきましょう。
不動産投資において平均の利回り以外に気にすべきこと
利回りを考えることも大切ですが、それ以外に「イールドギャップ」も気にしておくようにしましょう。
イールドギャップとは利回りからローンの金利を差し引いたものです。例えば利回り20%の物件を金利7%で借りた場合はイールドギャップは13%です。
イールドギャップが大きいほど、融資を受けて効率的に投資を行うことができるのです。
経済状況によって常に金利は変わっていきます。そのようなリスクに対応するためにもイールドギャップは10%前後が理想になります。
不動産投資の平均の利回りとは? まとめ
不動産投資の利回りは表面利回りと実質利回りがあり、これらの違いを理解していなければ痛い目を見る可能性が高いです。また物件の種類や地域、構造によっても平均的な利回りは変わってきます。
しかし、物件をある程度見当をつけておくことで自分の目指している平均利回りを考えられるようになります。
そして見当をつけた物件を実際に見たり、ネットで探してみましょう。不動産投資の利回りは実際の物件を見たり調べたりしないとイメージは出てきません。
自分が望んでいる生活スタイルに合わせて積極的に考えて行動していきましょう!