本記事では、最近よく耳にする格安SIMとは何かをわかりやすく解説します。仕組みやメリット・デメリットなどがわかってくると、現在のご自身にとって最も身近な固定費の見直しにもつながってきます。
なんとなく節約になりそう!と気になるものの、『なんだか怪しい』『専門的な事はよくわからないから不安』そう感じてはいませんか?実は筆者も少し前までそうでした。
しかし本記事を最後まで読み実際に格安SIMの仕組みをきちんと理解することで、そのような不安は払しょくされます。最終的に正しい理解のもと、あなたの固定費の見直しになれば幸いです。
大事なものは見えないところに隠れている!SIMカードとは
SIMカードとは、簡単にいうとスマホに内臓されている、所有者の個人情報や電話番号などが記録されたICカードのことを指します。スマホで電話やインターネットを使用する上では必ず必要になる重要な部分です。
モバイルデータ通信や通話機能などはスマホ本体でなくSIMカードの中に内蔵される機能ですので、まさに人間でいう頭脳といっても過言ではないでしょう。
SIMカードは、一般的に3種類あり、スマホにはnanoSIMが装着されていることが主流といわれています。利用する端末(スマホやタブレットなど)によってSIMカードのサイズは異なります。
ここで、より理解しやすくするために、一緒に考えてみましょう。あなたがSIMカードの入っていないスマホを使おうとしたとします。するとあなたの持っているそのスマホではどんなことができるでしょうか。
- 音楽・動画視聴専用利用(キャリア契約を解約しても、Wi-Fiがあれば繋いで利用可!)
- ネット回線でのアプリチャットや通話(LINEやSkype、Messengerなど)
- GPS機能で見守り携帯代わりに
以上のように、アプリの発展とフリーWi-Fiの広がりのおかげで、SIMなしスマホでも問題ないのでは?!とも思えますが、それでもキャリア契約をするのには社会の変化が大きな理由として紐づいています。
それは、固定電話の概念が無くなりつつあるということ。一家に一台必ず存在した固定電話がなくなりつつあり、個人の電話番号は、いざという時の連絡先や本人確認資料としての必要性が高まっています。
【実体験】SIMロック解除と家計の見直し
次に”SIMロック解除”という言葉について解説します。スマホの頭脳といっておいて、そのロックを解除してしまって大丈夫なの?ロックを解除するとどんな効果が期待できるの?そんな疑問もここで解消します。
SIMロック解除について
まずSIMロックについて説明します。SIMカードは大手3キャリア(au、docomo、softbankの3社)ごとに、それぞれの携帯会社でしか利用できないように制御されています。
その制御を解除(ロック解除)することで、他の端末にSIMカードを入れ替えることが可能になります。そしてこのSIMロック解除された状態のことをSIMフリーといいます。
平成22年以降に販売の端末は全て”SIMフリー端末”にできるようになっています。そこで質の高い大手キャリアからネット回線を借り安く販売する格安SIM業者(以下MVNO)という新モデルが誕生しました。
筆者自身、初めて携帯電話を持った時からずっと大手キャリアと契約していました。しかし、ライフスタイルの変化に伴い家計の見直しをした際、携帯電話料金の占める割合が高いことに気がつきました。
家計の見直しについて
筆者はスマホは変えないままSIMロック解除をし、初めて格安SIMに変更しました。毎月固定費として1万円前後の携帯電話代を支払っていたのが3000円前後に落ち着いたのです。
そこで気づきました。難しく感じていたけれど、単に『SIMロック解除って、今持っているスマホを”SIMフリー端末”にするための方法』なのだと。
今までは携帯電話を買い替えるついでにプラン変更をしたりキャリアを見直し乗り換えたりしていましたが、SIMカードを乗り換えることで効率的かつ大幅に利用料を抑えることが可能となったのです。
これが知りたい!格安SIMとは
それでは世間でよく耳にする”格安SIM”とは一体なんでしょう。ひとことで説明するならば、読んで字のごとく”安い料金で使えるSIMカード”のことを指します。
一般的な3大キャリアのSIMカードには、それさえあればインターネットや電話が使える機能が付帯されています。各キャリアが独自の基地局を保有しておりネット回線が安定しているからです。
しかしMVNOが登場したことで、高速通信やネットの安定性を求めるか、料金の安さを求めるかなど個人のニーズに合わせ業者も選ぶ時代が到来しました。
詳細は後ほど図を使って解説しますが、こうした格安SIMを自身のスマホに入れ替えることで様々な面で費用がおさえられるようになりました。これこそが格安SIMの提供事業者が安くSIMを提供できる所以です。
怪しさ払拭!”格安”になる理由とは?仕組みを解説
格安SIMについてなんとなくわかってきても、安さの裏には何かあるのでは?と疑いたくなってしまうのが人の性。そこで本章では、MVNOでは”なぜ格安になるのか”という部分に着目し、仕組みを徹底解説します。
先述の通り、実際に筆者も格安SIMに変更したことで、月々の固定費が大幅に削減されました。まだまだ新しいMVNOは怪しいと感じますか?正しく仕組みを理解することで、不要な恐怖心は払拭しましょう!
- レンタル回線で徹底的にコストカット!
- 独自の特徴やメリットを生かしたブランディング!
- 大手キャリアのデメリットに目を付け成功!
これらの三大原則に則って、格安SIMは成り立っています。以下より、Y!mobile(ワイモバイル)や楽天モバイルなどMVNO界の大手を例に詳しく解説していきます。
SIMが格安になる理由とは~あらゆる費用の削減~
いわゆるau、docomo、softbankなどの大手キャリアの携帯料金が高額な理由は、アンテナ基地をたくさん設置したり、電波を飛ばす設備の建設・維持費用等がかかる点にあります。
- アンテナ基地局の建設・維持費
- 専用ショップの設置・維持費
- 販売店やコールセンターなどの人件費
一方、格安SIMを提供している企業は、大手キャリアの子会社や大手キャリアから回線を借りているため設備費が不要なのです。また、店舗販売をしていない企業が多く人件費カットにつながっています。
以下の図でいうと、キャリアのネットワークが既存の大手キャリア。そしてMVNOが格安SIM業者を指しています。
また、コストカットを徹底しているため、様々な工夫が見られます。大きな特徴としては多くのMVNOが店舗を持たず人件費をおさえ、契約から変更・解約までインターネット上で完結する仕組みを取り入れています。
SIMが格安になる理由とは~独自のマーケティング戦略~
MVNOの有名どころを幾つか紹介したうえで、そのマーケティングの上手さに着目していきましょう。
- Y!mobile
- 楽天モバイル
- UQモバイル
- LINEモバイル
- mineo(マイネオ)
どの企業も、テレビCMやウェブ広告で見たこと・聞いたことがあるのではないでしょうか。これらの企業が積極的に広告を打てるのも、やはり上記のコストカットが大きく関係しています。
有名な芸能人を多数使用していたり印象的な曲を合わせたりと、インパクトのある広告が多いのも特徴的ですね。MVNO内でも既に激しい差別化競争が見られるます。
AI導入による非来店型契約、キャッシュレス決済の進む今○○ペイとの合わせ技、クレジットカードやアプリとの連携で貯まったポイントを携帯代金の支払いに利用可能など、顧客獲得競争は日々拡大しています。
SIMが格安になる理由とは~大手キャリアのデメリットを克服~
大手キャリアのデメリットはなんといっても料金が高い!ということ。そこで、”大手キャリアのサブブランド”(子会社)として高品質低価格を実現した会社についてより詳しく解説していきます。
前章の有名格安SIM会社はあくまで一例ですが、イメージしやすいよう上記の会社で統一し説明します。例えばソフトバンクのサブブランドといえばY!mobile。こちらは最も有名なのではないでしょうか。
次の例はauのサブブランド、UQモバイルです。テレビCMや、モバイルWi-Fiなどでも有名なのでご存知の方も多いブランドですね。
このように、大手キャリアのサブブランドとして展開されているものがあるため、通信品質を保ちつつも低価格を実現し、高い料金設定というデメリットを克服しているのです。
知っておきたい!格安SIMのメリット・デメリットとは
ここまで、格安SIMの概要や安さの秘密について解説してきました。ちょっと魅力的に思えてきた方も、中にはいるかもしれませんね。そこで、事前にきちんと知ってほしいのがメリットとデメリットです。
良い点ばかりに目がいきがちですが、きちんとデメリットや注意点も知ったうえで本当に乗り換えが必要かどうかを冷静に判断できるようにしましょう。
格安SIMのメリット
こちらはある程度、これまでの格安SIMに関する説明でも触れているので簡単にまとめます。ポイントはやはり、その名の通り”安さ”ですね。
- とにかく固定費削減が期待できる!携帯代を抑えられる可能性大!
- 現在使っている大手キャリアと変わらない通信速度(SIMによる)
- 使うほどポイントが貯まりスマホ決済時に利用可能(SIMによる)
- 家電量販店などで対応してもらえる(SIMによる)
- 実店舗を持たない会社も多く来店の必要性がないため忙しい人には好都合
格安SIMのデメリット
注意しなければならないのは、やはりこちらのデメリットですね。メリット・デメリットはユーザーである方々の生活背景により感じ方が異なるため、一般的にデメリットと考えられる点を選出します。
- 通信速度や人混みの中での通信安定性が大手に比べ虚弱
- キャリアメール(例:~docomo.ne.jp)が使えない
- 端末と回線の相性あり(例:auやdocomo回線は使えてもsoftbankの回線は使えない!)
- LINEのID検索が使えない(QRコード検索は可)
- 料金の支払い方法がクレジットカード決済限定(SIMによる)
- 通信料は安いが電話料金はやや高め(SIMによる)
- 実店舗がないため対面でないと不安な方には不向き(SIMによる)
いかがでしたでしょうか。現在はキャッシュレス化が進んでいるうえ、LINEのようにメールも電話も無料でできるアプリが発達しています。
そのため筆者同様、格安SIMのデメリットも特に気にならない方は多いかもしれません。しかし固定電話に電話をかけることや、値段よりも速度や安定性をとにかく優先したい方は、検討が必要といえます。
格安SIMとはこんな方におすすめ!
最後にあなたが本当に大手キャリアのままSIMを変更せずスマホを使い続けるべきか、格安SIMに変更するべきかを選択するために、格安SIMがおすすめの方のタイプを以下にまとめました。
- 毎月の固定費をとにかく抑えたい!
- 効率よく貯蓄をしたい!
- ある程度の初期設定なら自分でできる
- 家族割のようなセットプランに加入していない
格安SIMへの変更が適している場合は、会社選びなどについても考える必要があります。ぜひ関連記事も参考にしてみてくださいね。
まとめ
本記事では、「格安SIMとは何か」をテーマに、その特徴や、メリット・デメリット等について解説しました。
情報不足だったりなんとなくなイメージだけだったりすると、人は不安を覚えるものです。今回の記事によりその不安が解消され、格安SIMの仕組みを把握し安心できるモノであると知って頂ければ幸いです。
最後まで読んで下さったあなたは、まさに今こそが、正しいスマホの使い方やプランの見直しをするタイミングだといえるでしょう。生活をより充実させるためにも、一度検討してみてくださいね。応援しています。