「今の仕事を辞めたいと思い始めたけど何をすればいいか分からない」「実際に転職した人はどのような行動をしたのだろう」という不安をお持ちの方は多いのではないでしょうか。
仕事を辞めるという大きな決断にはとても勇気がいりますよね。覚悟が決まらず、結局行動できない人も多いと思います。
この記事では転職をするべきなのか判断するところから退職までにやってほしいことを5つ紹介します。
- 本当に仕事を辞めていいかどうかの確認方法
- 転職に向け在職中にやった方がいいこと
- 退職後に受けられる給付金の紹介
「転職=悪」と見る時代は終わりました。今は自分にあった仕事や生き方を見つけていく時代です。
転職は人生を変えるチャンスです。転職を成功させたい方はぜひ最後までご覧ください。
(アイキャッチ画像出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/22152102)
最終確認!なぜ仕事を辞めたいのか頭の中を整理する
さっそくですがあなたの意志の最終確認をしましょう。転職という大きな決断をするには強い意志が必要になります。そのためには頭の中を整理することは必要不可欠です。
そしてその判断が正しいと言えるのかどうかを確認し、自分の考えや覚悟を決めていきましょう。
- なぜ辞めたいのか紙に書き出す
- 書き出した悩み事を「嫌なもの順」に並べる
- 「自分」に原因があるか「他人」に原因があるか分ける
まずはこの方法で自分の頭の中を整理していきます。ここでしっかり自分を客観的に見る時間を作ることで、解決法が出てきたり転職への決意がより一層強まると思います。
正しい判断をして身体も心も守り、今までの苦しい生活とはお別れしましょう。
①なぜ辞めたいのか紙に思いを書き出す
まずはなぜ辞めたいのか紙に思いを書き出してみましょう。紙に書くことによって、自分が何に対して悩みを抱えているのかはっきりさせることができます。
これは頭の中を整理することにも繋がり、本当に辞めてもいいのかどうかの正しい判断に繋がります。
書き方に決まりはありません。不満や悩み、感情など殴り書きでも構いませんので、とにかく心の中のモヤモヤを全て書き出してみてください。
まずは、自分が何に悩んでいるのか原因をはっきりさせることが正しい判断に繋がります。
②書き出した悩み事を「嫌なもの順」に並べる
次に書き出した悩み事を「嫌なもの順」に並べてみましょう。嫌なものに順位をつけて並べることにより、自分は何が一番嫌なのかを理解し、頭の中をさらに整理することができます。
この方法を試すと、意外と自分のことを客観的に見れていないことに気付くと思います。
嫌なものの順位が分かるとその対策にも繋がり、仕事を辞めたほうがいいかの判断材料にもなるのです。
まずは自分が何にストレスを感じているのか、感じやすいのかを把握することが転職先を選ぶ時にも役に立つでしょう。
③「自分」に原因があるか「他人」に原因があるか分ける
順位が決まったら、次にその順位を「自分」に原因があるものなのか「他人」に原因があるものなのか分けてみましょう。
言い方を少し変えると、「自分で解決できるものかなのか、そうではないか」になります。
というのも、自分は変えられますが他人は変えられません。人間関係や職場環境など自分ではどうしようもないことに悩んでいる場合はすぐに転職を考えましょう。
一度、身体や心を壊すと一度きりの人生を棒に振ってしまう可能性もあります。会社は守ってくれないので自分の身は自分で守る意識を持つことも大切です。
仕事を辞めていい悩みなのか、そうではないのか
紙に書き出すと自己分析ができ、悩みを順位付けにより客観的に見ることができます。そうなると気になるのが、これは転職した方がいい悩みか、しない方がいい悩みかです。
もちろん、本当に苦しい状況であれば間違いなく転職を選びましょう。
しかし、万が一自分に原因がある場合、次の転職先でも同じ悩みを抱えてしまう可能性があるので注意が必要です。
すぐ行動!転職した方がいい悩みを5つ紹介
転職した方がいい悩みの例を5つ紹介します。当てはまる場合は転職を考えましょう。
- 上司や同僚とうまくいかないなど、人間関係で悩んでいる
- 労働時間など、労働環境が悪い
- 会社の社風や経営が不安定
- いじめを受けたり、正当な評価を受けられない
- 1年以上働いてみて自分に合わないと感じる
これらの悩みは他人に原因があるもので、自分では解決することが出来ません。
特に人間関係や残業が悩みである場合、「うつ病」になってしまう可能性が高いです。先ほども言いましたが、会社は守ってくれないので自分で転職の準備を計画的に進めていきましょう。
ちょっと待って!転職しない方がいい悩みを4つ紹介
転職しない方がいい悩みを4つ紹介します。これらに当てはまる方は転職しない方がいい可能性があります。
- 給料が安い
- 寿退社をするとキャリアが途絶える
- 介護
- 働きたくない
これらは退職すると後悔する可能性が非常に高いです。結婚したことによる寿退社や介護などは時間が経つにつれ、必要な費用が膨らんでいくので仕事を辞めてしまうと金銭面で後々苦しくなってしまいます。
会社の福利厚生などの制度を利用し、できるだけ退職しない方がいいでしょう。また、辞めたい理由が「給料が低いから」という理由だけで辞めてしまうのはおすすめできません。
厚生労働省の調査によると転職後に給料が1割以上増加した人は約2割で、それ以外はあまり変わらないか若しくは下がったという調査結果が出ています。
転職後の給料の上昇は望めないため、資格を取得や次の転職の準備ができてから退職するといいでしょう。
仕事を辞めたい人がやっておきたい5つのこと
次に仕事を辞めたい人がやっておきたい5つのことを紹介します。これらをやっておくことにより、転職が有利になったり、スムーズな退職に繋げることができます。
- 職場で取れる資格や実績を上げる
- 直属の上司や信頼できる身近な人に相談する
- 自分の仕事の引き継ぎ簿を作る
- お世話になった会社、上司に挨拶をする
- 退職時の手続きを確認しておく
これらの5つは転職を成功させるための下準備にすぎません。自分の決意を決めたらしっかり計画を立てて取り組んでいきましょう。
職場で取れる資格取得や実績を上げる
1つ目の退職前にやっておきたいことは、職場で取れる資格取得や実績を上げることです。
もちろん可能な範囲で構いませんが、これは転職を有利にするための事前準備になり、資格や実績などはアピールがしやすく、応募先企業にとっても目につきやすい場所になります。
もちろん仕事内容に関係ない資格でも構いません。転職に役立つ資格を9つ選びましたので、参考にしてみてください。
- 宅地建物取引士
- 中小企業診断士
- ファイナンシャルプランナー
- TOEIC
- 日商簿記
- 基本情報技術
- 情報処理安全確保支援士
- 危険物取扱者
- 第二種電気工事士
これらは転職する際に強かったり、人気のある資格の中から選んだものです。この他にも転職に役立つ資格はたくさんありますので探してみてください。
それと同時に、今の職場から盗める技術は全て盗みましょう。職場環境が悪くても自身の成長に繋がるものを取り入れておくことでより良い転職に繋がります。
直属の上司や信頼できる人に相談する
2つ目の退職前にやっておきたいことは、直属の上司や信頼できる人に相談することです。
仕事を辞めるという大きな決断をするには大きな勇気が必要です。退職届を出す直前まで迷い、不安になることもあるでしょう。
それを解決するために信頼できる人に相談することは大きな効果をもたらします。
- 自分の考え、想いを正確に伝えられる
- 他人に話すことにより、考えをしっかりまとめられる
- 客観的な視点から思わぬ解決方法が出てくる可能性がある
このように、相談することは自分の考えを周囲に伝えられるだけでなく、考えがまとまったり、客観的な視点からの思わぬ解決法が出てくることもあります。
思い悩むと抱え込んでしまいがちですが、そんなときこそ信頼できる人に打ち明けてみましょう。きっと心強い存在になってくれるはずです。
仕事を辞めたいなら自分の仕事の引き継ぎ簿を作る
いよいよ退職の準備に入ります。3つ目のやっておきたいことは、自分の仕事の引き継ぎ簿を作ることです。
やはり仕事を辞めれば、少なからず周囲への迷惑はかかるものです。引き継ぎ簿があれば、ある程度は後任者自身で業務を把握できるようになります。
引き継ぎ簿で伝えきれない部分は直接作業を見てもらったり説明したりして、後任者へ確実に伝わるよう工夫しましょう。
また退職する際は繁忙期は避け、会社側への負担を軽減する気遣いをすることも大切です。
お世話になった会社、上司に挨拶をする
4つ目にやっておきたいことはお世話になった会社、上司への挨拶です。これはお世辞でもいいので礼儀としてやっておきましょう。
退職理由も実際は不満や文句を言いたいところですが、前向きな内容を話し、余計なトラブルに発展しないようにすることが大切です。
退職理由はトラブル回避のため、不平不満ではなく前向きな理由を話す
不平不満は相手に不快感を与えるだけでなく、場合によっては改善策をもちかけられ、強く止められてしまう可能性があります。また、他の社員へと漏れやすいので安易に言わない方がいいでしょう。
「キャリアアップのためにやりたい仕事がある」など、前向きな退職理由を話しておくのが、トラブル回避につながります。
仕事を辞めたい人は退職時の手続きを確認しておく
5つ目にやっておきたいことは退職時の手続きの確認です。退職日が決まったら、退職にあたりどのような社内手続きや公的手続きが必要なのか、早めに把握しておく必要があります。
就業規則で届出は退職の1ヶ月前までなど決まっている場合があります。期限を守り、計画通りに進めていくことが大切です。
- 退職するために必要な社内手続き
- 健康保険や厚生年金などの公的手続き(転職先が決まっていない場合)
- 会社からの貸与品の返却、その手続き
主な手続きはこの3つになります。健康保険や年金、税金関係の手続きは転職先が決まっていない場合は自分で行う必要があります。
スムーズな退職をするには必要な手続きを決められた期日までに済ませるのが大前提です。退職日直前まで慌てないよう、必要となる行動をあらかじめ調べておきましょう。
仕事をすぐに辞めたい!退職したときに受け取れる失業給付金
いますぐにでも仕事を辞めたいけど、お金がないからやめられない。そんなあなたに退職したときに受け取れる失業給付金を紹介します。
それが雇用保険の「求職者給付」です。これは労働者が失業したときの給付や、再就職を手助けする保険です。
しかし、自己都合による退職の場合は求職の申込から7日間が待機期間に加え、原則2ヶ月の給付制限期間がありますので注意しましょう。
この待機期間に就職した場合は、再就職手当の支給を受けられる場合がありますので、住居所を管轄するハローワークへご相談ください。
失業給付金の受給要件
まずは失業給付金の受給要件について見ていきます。受給要件のハードルは低く、満たすことができる方は多いと思います。
- 雇用保険の被保険者として、離職日から遡って2年の間の最低12ヶ月以上働いた期間がある
- ハローワークにて求職の申し込みを行い、再就職(労働)の意思があり、能力もあるのに就職できない状態にある
※破産など会社都合などによる退職、または自身の病気、妊娠出産、セクハラなどによる退職は、離職日から遡って1年間に、被保険者期間が通算して6か月以上ある場合でも可能
この二つを満たすことが受給条件になります。要するに、12ヶ月以上勤務したことのある人がハローワークに求職の申し込みをすればいいということです。
自分が当てはまるのかどうか不安な方は、ハローワークに問い合わせをしてみてください。(クリックするとハローワークの公式ページが開きます)
給付金を受けるために必要な提出書類
次に、給付金を受けるために必要になる提出書類を確認しておきましょう。
- 会社からもらう離職票(全部)
- 個人番号確認書類(※マイナンバーカード)
- 写真2枚(最近の写真、正面上半身、タテ3.0cm×ヨコ2.5cm) 又はマイナンバーカード
- 本人名義の預金通帳又はキャッシュカード(一部指定できない金融機関があります。ゆうちょ銀行は可能。)
※マイナンバーカードをお持ちでない方は、(1)個人番号と(2)身元(実在)確認書類両方をお持ちください。詳しい説明はコチラのハローワークの公式ページをご確認ください。
以上が必要になる提出書類です。離職票は退職してから2週間ほどで届きます。もし届かなければ、前職の会社かハローワークで手続きが滞っている可能性があります。まずはハローワークに相談してみましょう。
給付金額はどのくらいになる?
正確な給付金額は住居所を管轄するハローワークに提出いただく離職票に基づき計算します。
今回はおおまかな平均月額給付金額を紹介します。先ほどお伝えしましたが、自己退職の場合はハローワークへの求職の申込から7日間の待機期間に加え、原則2ヶ月の給付制限期間があるので注意が必要です。
月額給与の総支給額 | 平均的な給付金額 |
15万 | 月額11万 |
20万 | 月額13.5万 |
30万 | 月額16.5万 |
ちなみにおよその計算式は、(離職日前6ヶ月の給与の総支給額の合計÷180)×給付率です。給付率は離職時の年齢、賃金により、45%~80%になります。
その他詳しい説明につきましては、コチラの厚生労働省のページをご覧ください。(クリックすると雇用保険のQ&Aのページが開きます)
まとめ:仕事を辞めたい人は退職準備を入念にしよう
仕事を辞めたい人は退職の準備を入念に行いましょう。仕事を辞めるという大きな決断にはやはり大きなメリットと大きなデメリットが伴います。
その為、デメリットを打ち消すことができるメリットと確かな覚悟を持つことが何より重要です。紹介した方法をまとめますので、もう一度振り返ってみましょう。
- 紙に悩みや思いを全て書き出し、頭の中を整理し、自分の意見をまとめる
- 可能な人は同時並行で転職を見据え、資格や実績を手に入れる
- 家族や直属の上司、信頼できる人に相談し、覚悟を決める
- 自分の仕事の引き継ぎ簿を作り、周囲の負担を軽減する
- お世話になった会社、上司に挨拶をする
- 退職時の手続きに漏れがないように確認する
- 失業給付金の申し込みをし、次の人生の新たな一歩を踏み出す
以上が転職を成功させるためにやっておきたいことです。転職という大きな決断をすることは簡単なことではありません。
しかし、決断ができずに仕事の悩みを抱え込むと、自分の身体や心を壊してしまう可能性もあります。そのようなことになっていたり、なりそうであればすぐに仕事を辞めましょう。
仕事よりも大切なものを見失ってはいけません。少しでも転職しようか迷っている方の背中を押すことが出来れば嬉しく思います。