新しい家族として犬を迎えた時にしつけはいつからすればいいのか悩むと思います。先に結論をお伝えすると、「犬のしつけは迎え入れたその日から」してください。急に言われても・・・となりますよね。
この記事では、子犬を迎え入れて飼い主デビューをされる人向けに書いています。しつけの必要性や、しつけをする方法、注意点を紹介します。ぜひ最後までご覧ください。
- 犬のしつけが必要な3つの理由
- 3つのコミュニケーション
- 基本のしつけ方法4つ
- やってはいけない3つのしつけ方法
(アイキャッチ画像出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/907374?title=子犬の顔%20アップ&searchId=4104437125)
そもそも犬のしつけは必要?覚えておきたい3つの理由
「しつけ」って何だか大変そうだし、できたらやりたくないのが本音ですよね。しかし、しつけをしないと飼い主も犬も悲しい思いをしてしまいます。その3つの理由をお伝えしていきます。
- 他人の迷惑にならないようにする
- お互いの存在がストレスにならないようにする
- 犬の命を守る
他人の迷惑にならないようにする
ご近所トラブル件数が毎年増える一方となっています。特に多いのが「鳴き声」と「噛む」ことですが、それらは犬のしつけによって解決することをご存知でしょうか。
しつけをすることで、「今は吠えちゃダメなんだ」「何でも噛んではダメなんだ」と学んでいきます。
隣人トラブルが起きて話が大きくなると、引っ越さなくてはならない可能性も出てきますので、隣人関係を良好に保つためには犬のしつけは必須となります。
お互いの存在がストレスにならないようにする
同じ空間で過ごすので居心地が悪いとお互いにストレスになってしまいます。すでに確立されている、人の生活スタイルに犬を迎え入れますので、自由奔放にはいきません。
残念ながら「犬がいうことを聞かない」と暴力を振るってしまう飼い主もいます。これはしつけを怠った飼い主の責任です。
そうならないためにも、やっていいことダメなことを犬に覚えてもらい快適に暮らしていきましょう。
犬の命を守る
楽しいはずの散歩中に、事故に遭ってしまう可能性もあります。飼い主が油断していた隙に飛び出して車に轢かれてしまい命を落とす事故が多数起こっています。
正しいしつけがされていたら、たとえ危険な目に遭いそうになった時でも「まて!!」で防ぐことができます。
しつけをすることで、少しでも悲しい事故が起こらないようにするのが飼い主の役割でもあり責任なのです。
犬のしつけはいつから?【ズバリ!今から!】
2019年6月より動物愛護法が一部改正され、それにより家族として迎えられるのは生後8週齢(生後56日以上)からとなりました。
生後〜8週齢までは母犬や兄弟犬の中で犬社会性を学び、8週齢以降は飼い主さんが人間社会性を教えていくことになります。
犬が成長する社会化期は9〜12週齢で、迎え入れてから4週間ほどしかありませんので計画的にしつけをすることをお勧めします。
もちろんピークを過ぎた12週齢以降もしつけは可能ですが、恐怖心や警戒心、個性が出てきて9〜12週齢ほどスムーズにしつけられない可能性が高いので、迎え入れた日から少しずつしつけをしていきましょう。
【今ではあり得ない!!】昔の犬のしつけ方3選
あなたが想像するしつけは正しいでしょうか。昔のしつけをしようとしていませんか。
時代が移り変わるにつれて、犬に求める役割や意識が変わっています。昔は当たり前でも今では時代遅れで、あり得ないこともあります。
犬のしつけが初めてという方も、昔のしつけを確認してそのようにならないように注意しましょう。
- 番犬として吠えるようにしつける
- 体罰は必要
- ゲージに入れるのはかわいそう
番犬として吠えるようにしつける
昔は番犬として外で犬を飼っている家が多く、不審者が近寄らないように見張る役割をさせていました。
番犬は吠えないと意味がないので、吠えること=いいことと認識されていました。
吠えることに対してしつけをしないため、その結果「人を見たら吠える犬」がたくさん存在してしまい、近隣トラブルが多く発生した原因となってしまいました。
暴力は必要
昔は人間が上であることを犬にわからせる主従関係を作っていました。犬を力で支配していたのです。
行き過ぎたしつけとして犬の頭を叩いたり、蹴ったり、口元を手で掴むといったマズルコントロールが正しいしつけとされており、その行為が堂々と行われていました。
その結果、犬はストレスを溜め続け凶暴化になるか、人に懐かず脅える犬になっていました。今となっては考えられませんが、犬は犬としてではなくモノのように扱われていたのです。
ゲージに入れるのはかわいそう
少し前までは「狭い所に閉じ込めるのはかわいそう」と留守中でもゲージに入れず、いつでもどこでも自由に過ごせるようにしていました。
そして犬が家中を自由に遊んで散らかしてしまうと、帰ってきた飼い主が怒るという悪循環が続いていたのです。
特に子犬は飼い主が見ていないところで危険な遊びや何でも拾い食いしてしまうので注意が必要です。
犬のしつけはいつから?【3つのコミュニケーション】
しつけを始める前の犬とのコミュニケーションは、しつけの吸収力に大きく関わってきます。しかも、そのコミュニケーションによって3つのしつけができてしまうのです。まずはここから始めていきましょう。
- 触れる・抱く
- 甘噛みの対応
- アイコンタクト
触れる・抱っこ
触れることから始めますがいきなり触るのはマナー違反です。人が焦ると犬も警戒してしまうのでゆっくり落ち着いて行動しましょう。
まずは手をグーにして手の甲の匂いを嗅がせます。犬でいう自己紹介ですので、嗅いでいる間はじっと待ちます。そして犬の横に行き体の側面から触ります。口・耳・尻尾・足先などは触られると嫌がるので避けましょう。
抱っこは正面からではなく犬の横から抱き上げるようにしましょう。犬の背中に負担がかからないよう、地面と背中が平行になるようにします。下すときは犬の足がしっかり地面についているかを確認してください。
散歩をするようになると危険な場面もあります。その場合は抱っこをして愛犬を守ってあげなくてはなりません。その時のためにもお互いに抱っこに慣れておきましょう。
甘噛みの対応
子犬は噛みつき欲求が強いうえに、歯の生え替わり時期や遊んでほしかったり甘えたいときに甘噛みをします。いつか他人を噛んでしまわないように日頃から教えていきましょう。
まずは噛みつき欲求を満たすことから始めます。犬用の噛んでもいいおもちゃを準備し、甘噛みしてきたらそっとおもちゃを渡します。音がするおもちゃは興味を惹きやすいためおすすめです。
おもちゃより人の手を噛むことが好きな犬もいて、そのままだと「人を噛んでもいいんだ」と覚えてしまいます。その場合は苦い成分が入っている噛みつき防止スプレーを手にふりかけると味を嫌がって噛まなくなります。
もし強く噛まれたら痛いと言い、別の部屋へ行き少し経ってから部屋に戻ります。おとなしく待っていたら褒めましょう。すると「噛んだらいなくなってしまう」「おとなしくしたらいいことがある」と覚えていきます。
アイコンタクト
アイコンタクトはただ見つめるだけではなく飼い主に注目させることで、犬を落ち着かせる効果があります。アイコンタクトができている=信頼関係ができているということです。
まず、おやつを1つ持ちます。犬の名前を呼び、気をひいたら褒めながら握っていたおやつを与えます。そしてもう1つのおやつを持ち、飼い主自身の顎の下に持ってきます。犬が目で追って自然と目が合ったら成功です。
動作する→ほめる→おやつを与えるの流れですが、どの場面も最初に名前を呼ぶようにして毎日繰り返すことによってアイコンタクトが自然にとれるようになります。
犬は人の目だけではなく表情も見ていますので、しつけするときは「楽しい」と思ってもらえるようにできるだけ笑顔で行いましょう。
犬のしつけはいつから?【実践!!基本のしつけ4つ】
それでは、本格的なしつけに移ります。この4つのしつけ方法は今後必ず必要になってくるものですので、焦らず確実に教えていきましょう。
- トイレトレーニング
- おいで
- おすわり
- まて
トイレトレーニング
まずはトイレの位置やスペースを決め、犬用ペットシートを敷きましょう。最初は広範囲に、慣れてきたらシートの枚数を減らしていきます。
排泄したくなるタイミングは、起床時や食事後、散歩や運動の後です。犬がそわそわしたタイミングを狙ってトイレスペースに誘導してみましょう。
シートの上で排泄できたら撫でたりおやつをあげて褒めてあげてください。そうすると「ここで排泄すれば褒めてもらえる」と覚えていきます。
失敗した場合は、叱ってしまうと「排泄すると怒られる」と覚えてしまうので、そのときは掃除をして何事もなかったかのように過ごしてください。
おいで
「おいで」はご飯や散歩のときに、遠くにいる犬を呼ぶために使います。覚えると逃走時や災害時に犬の危険を回避することができますのでしっかり教えていきましょう。
犬が違う方を向いているときに明るい声で名前を呼び、おいで!と言います。飼い主の方に来ることができたら褒めておやつをあげましょう。そうすると「おいでと呼ばれて飼い主の方に行けば褒めてくれる」と覚えます。
注意点が、犬は敏感ですのでしつけの環境を変えると、呼んでも来ない可能性があります。家の中でのしつけができるようになったら外でもやってみましょう。
おすわり
犬は楽しくてよく飛びついてきますが、その興奮している犬を落ち着かせるのが「おすわり」です。他人に飛びつくことがないようにしっかり教えていきましょう。
おやつを1つ持ち犬の真上にかざします。おやつが欲しくて上をむき続け、しばらくすると疲れてお尻を床につけた瞬間に「よし」と言って褒めながらおやつをあげます。
できるようになってきたら今度はお尻が床についた瞬間に「おすわり」と声かけをします。何度も繰り返すうちに「おすわり=床にお尻をつくこと」と覚えていきます。
まて
「まて」は犬に今の行動を止めてそのまま我慢するしつけになり、飛び出し事故を未然に防ぐことができます。また、散歩中に他人に近づいて迷惑をかけてしまいそうなときに、犬を制御することもできます。
「まて」はおすわりの状態でどれだけ我慢できるかです。まず、おすわりをさせ「まて」と言います。最初は1〜2秒経過した時点で「よし」と解除の声かけをして、褒めながらおやつをあげてください。
「よし」と言う前に立ち上がってしまったら、おやつはあげず最初からやり直しましょう。少しづつ「まて」の秒数を延ばしていき、できるようになったら「まて=動いたらダメなんだ」と覚えていきます。
一度に何十秒も延ばすとストレスになりますので、2秒ずつ延ばしていずれ1分以上できたら上出来ですので焦らず気長に取り組みましょう。
【要注意!!】やってはいけない犬のしつけ3つ
しつけ中に飼い主が気づかないところで、犬が混乱することや間違ったしつけをしてしまうこともあります。この3つはよくあることですので一緒に確認していきましょう。
- 叱る時に名前を呼ばない
- 犬が吠えたときに犬の元へ行く
- 暴力行為
叱る時に名前を呼ばない
例えば犬の名前がレオで、家のスリッパを持っていってしまったとします。
叱る時に「レオ!ダメでしょ!」と言うと犬は「名前を呼ばれる=嫌なことが起こる」と思ってしまい、それ以降呼ばれることにストレスになったり、脅えたりすることもあるのです。
いっぱい考えて名付けた大切な名前が犬にとって不快になったら悲しいですよね。油断すると思わず名前を言ってしまいますが、意識して気をつけましょう。
犬が吠えたときに犬の元へ行く
犬が吠えたときに、どうしたんだろう?何があったんだろう?と近づいてしまうと思います。
要求吠えで近づいてしまうと「吠える=飼い主が来てくれる」と思ってしまいます。人間の子どもが嘘泣きして親の気を引くのと同じことです。
本当に何かあったのかもしれないので遠くからの確認は必要ですが、要求吠えと判断できたら吠えても反応せずにしばらく我慢してください。
暴力行為
何度しつけをしてもうまくいかなかったり、イタズラばかりが続くと飼い主はストレスが溜まってしまいます。
しかし、犬を叩いたり大きな声で叱るなどの恐怖心を与えるしつけは絶対にしてはいけません。その行為は犬にとって恐怖心となり、逆に信頼関係を失うからです。
信頼関係を失うと、また築き上げるのに時間がかかってしまいます。犬はよく見ていますし、変化に敏感です。
自分でストレスを感じていると思ったら、そのまましつけを続けるのではなく一度しつけから離れて休憩しましょう。
犬のしつけがうまくいかない飼い主の特徴3つ
しつけがいまくいかないときは一度辞めて冷静になりましょう。犬ではなく自分自身に問題があるかもしれません。それでは、しつけがうまくいかない人の3つの特徴を見ていきましょう。
- 心に余裕がない
- 直後ではなく後で叱る
- 長時間やれば覚えると思っている
心に余裕がない
飼い主自身の心に余裕がないうえにしつけがうまくいかないと、ストレスになり罪のない犬に八つ当たりしてしまいます。
もし自分に余裕がないと感じたら、その日はしつけを辞めてください。飼い主にとっても犬にとってもマイナスでしかないからです。
直後ではなく後で叱る
何が悪かったのかわからないまま叱られたら悲しいですよね。それは犬も同じですし、感情もあります。
問題が起こった直後ではなく後から「さっきのダメだよ」と伝えても犬は覚えていませんし、理解もしません。起こった直後にしつけをするのが基本です。
忙しいとそうなってしまいがちですが、しつけのタイミングを逃してしまうのでしっかり犬と向き合いましょう。
長時間やれば覚えると思っている
人もそうですが、犬も一度にたくさんのことは覚えられません。しかも長時間となると集中力もなく飽きてしまいますので逆効果になる可能性が高いです。
しつけなければ・・・という気持ちが強く、嫌がっている犬をしつけても効果はありません。最初から一気にしつけるのではなく、少しずつ計画的に教えていきましょう。
【重要!!】犬のしつけがうまくいく3つのポイント
しつけがうまくいくためには犬との信頼関係がとても重要です。そのポイントが3つありますので見ていきましょう。
- しつけは短時間
- 犬の状態を把握する
- 日頃からコミュニケーションをとる
しつけは短時間
犬のしつけがうまくいくポイントとして「短時間のしつけ」が挙げられます。飼い主がしつけのONとOFFの切り替えをしっかりとして、犬にしつけに集中させると効果が上がります。
飼い主も犬も楽しみながら、短時間でグッとしつけに集中して、終わったら笑顔で褒めておやつをあげるのが一番効果があるのです。
犬の状態を把握する
犬にも調子が悪いときやサボりたいときがあります。なんかいつもと違うと感じたら、思いきってその日のしつけを辞めましょう。
逆に、犬がノリノリの日はいつもより多くしつけをしてみたり、新しいしつけにチャレンジしてみるのもいいでしょう。
犬が嫌がってしまってはしつけが成り立ちませんので、その日の犬の状態を見て判断していきましょう。
日頃からコミュニケーションをとる
しつけばかりでは犬も疲れてしまい、ストレスも溜まってしまいます。しつけ以外の時間も積極的に犬とコミュニケーションをとり、信頼関係をどんどん大きくしていきましょう。
コミュニケーションがとれていると今後のしつけが楽になる可能性もありますので、楽しみながら遊びましょう。
犬のしつけがうまくいかない時の3つの対処法
お互いにいくら頑張ってもダメな場合もあります。落ち込む必要はありませんし、飼い主も犬も悪くありません。しかし、しつけの必要性がわかっているとこのままではいけませんよね。
大丈夫です!うまくいかないのはよくありますし、そのためにプロがいるのです。対処法を紹介していきますね。
- ペットショップや動物病院で相談する
- 無料相談サイトで相談する
- プロのドックトレーナーにしつけの依頼する
ペットショップや動物病院で相談する
まずはお近くのペットショップや行きつけの動物病院で相談しましょう。実際に飼い主と犬の関係を見てもらえるので、解決案をくれる可能性が高いです。
無料相談サイトで相談する
ペットショップや行きつけの動物病院に相談しづらかったら、無料相談サイトがありますのでそちらで相談する方法もあります。同じような悩みが寄せられているはずですので、何かヒントが見つかるかもしれません。
プロのドッグトレーナーにしつけの依頼をする
最終手段としてドックトレーナーにしつけの依頼をしましょう。有料ですし金額も様々ですが、プロですので確実にしつけしてくれます。
自分自身が「しつけが苦痛」だったり「もう嫌だ」と感じたら思いきってプロにお願いしましょう。お住まいの地域周辺で探し、連絡してみましょう。
【まとめ】犬のしつけはいつから?
どの犬でも生後56日以上経過していないと迎え入れることができないので、犬のしつけは迎え入れたその日から始めていきましょう。
「しつけ」は大変ですしうまくいかないときもあると思いますが、これからお互いに快適に暮らしていくために必要なルールです。
犬を家族に迎え入れると生活が明るくなりますし、癒されて笑顔も増えていきます。たくさんの愛情を注ぎ、楽しみながらしつけをしてくださいね。