自分の愛犬が暑がっている様子を見て、氷水を与えるという選択肢を考える方は多いのではないでしょうか。
「犬は体温調節が苦手と聞いたことがあるし、自分にできることがあるなら助けてあげたい」「でも愛犬に氷水を与えて、お腹を壊したらどうしよう」など不安が尽きないですよね。
この記事を読めば、犬に氷水を与える時のタイミングや注意点を理解できるので、愛犬の日々の体調管理や、熱中症対策に役立ちますよ。ぜひ最後まで読み進めてくださいね。
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犬に氷水を与えても良いのか?
そもそも、犬に氷水を与えても良いのでしょうか?結論から言うと、犬に氷水を与えても問題はありません。氷は水でできているため害はないです。
しかし氷水の氷の持つ冷たさやツルツルとすべる感触を好む犬や、逆に冷たさにびっくりして触れるのも嫌がる犬もいます。
苦手意識を持ってしまうと、水を飲むのを怖がって水分量が減ることで、脱水症状を起こす可能性があります。
また胃腸の弱さや丈夫さは、人間と同じように個体差があるので、与えすぎによる下痢や嘔吐に注意が必要です。
犬の1日の水分摂取量
まずは犬の1日の水分摂取量の目安を確認しておきましょう。計算式は「犬の体重×0,05ml~0,07ml」です。
5kgの犬であれば5000g×0,05~0,07mlで250~350mlとなります。
与えている食事(水分が多い食事)にもよりますが、これを目安に水分を与える必要があります。犬は体温調節が苦手なため、夏はさらに多く水分を摂る必要があります。
水に浮く氷に興味を示す犬も多く、普段からあまり水を飲まない愛犬の水分量確保のために、氷水を使っている飼い主もいるので上手に活用できると良いでしょう。
犬は体温調節が苦手
先述している通り、犬は体温調節が苦手です。人間は全身に汗腺があるため、汗をかくことで体温を下げることができます。犬はその汗腺が肉球と鼻にしかありません。
愛犬が散歩や、激しく遊んだ後に浅く口を開け、舌を出してハッハッと呼吸しているのを見たことがありますよね。
犬はこの「パンティング」という呼吸法をすることで舌から熱を逃がしています。
しかし人間の体温調節に比べると効率が良いとは言えず、舌を冷やせるという点で氷を使うのは即効性があり、好む犬も多いようです。
愛犬に氷水を与えるタイミングは?
基本的には常温の水を与えるようにし、愛犬が飲みたい時に自由に飲めるようにしておきましょう。氷水は以下のようなタイミングで与えるのがベストです。
- 「寝起き」寝ている間に減った水分を補う
- 「食後」歯についた食べかすを流す
- 「運動後」失われた水分を補う
また散歩でも、特に暑がっている時に利用すると良いでしょう。犬用の携帯ボトルに氷を1、2個目安に入れて与え、様子を見て調節してくださいね。
愛犬に氷水を与える時の注意点
中には氷をガリガリと食べるのが好きな犬や、お腹を壊してしまう犬もいるので、愛犬に氷水を与える時は注意が必要です。
- 室温を調節する
- 氷で事故を起こさないように予防する
①室温を調節する
愛犬に氷水を与える時、室内の場合は室温が極端に寒くならないようにし、ペット用のブランケットを用意してあげると良いでしょう。
愛犬が体の冷えを感じた時に、自分から温まりに行ける環境を用意しておくことが大切です。
②氷で事故を起こさないように予防する
氷水の氷を勢いよくかじって喉に引っかからないように、あらかじめ小さく砕いておくと良いでしょう。
また、舌に氷が張り付いて困ることが私たちにもありますよね。舌に張り付いた時、無理にはがすと痛みを伴います。
愛犬が焦って口の中を怪我しないように、事前に氷全体を水で絡めて濡らしておくことで予防しましょう。
ミネラルウォーターで作った氷の使用は控える
愛犬に与える普段の水は水道水であっても、「自分用にミネラルウォーターで氷を作り置きしているから、その氷を愛犬に与えよう」と思っていませんか?
ミネラルウォーターには犬の尿路結石症の原因となるミネラル類が豊富に含まれています。
ミネラルウォーターで作った氷を犬が口にしても、必ず健康に害をきたす訳ではありませんが、控えた方が良いでしょう。継続的に与える場合は、水道水を利用してくださいね。
愛犬の氷水の量を見極められるのは飼い主だけ
「愛犬の体温調節のために氷水を利用してみよう」と考えていても、あげすぎるとお腹を壊してしまう可能性があるといわれると不安になりますよね。
しかし、適正量を見極めることができるのは飼い主だけです。個体差により変わるためまず氷に抵抗が無いかを少量から試し、様子を見ながら与えましょう。
特に小型犬や子犬は胃腸機能がまだ整っていなかったり、老犬は氷にかぶりついて弱っている歯を傷つけてしまう可能性があるので注意が必要です。
氷水を飲みすぎて体調が悪くなったら
氷水を飲みすぎてしまったり、氷を食べすぎて体調が悪くなってしまったらどうすれば良いのでしょうか。
下痢や嘔吐はもちろん、ぐったりして元気がない、お腹を隠すように丸くなっていたら体調不良の疑いがあります。少しでも気になったら獣医師に相談しましょう。
また氷食症と言って、季節関係なく氷を食べていないと落ち着かない状態になってしまう症状があります。氷を異常に欲しがる場合も獣医師に相談しましょう。
この時どの程度氷をあげたかを答えられるようにしておいてください。
氷水以外に愛犬の体温調節をする方法
先述しましたが、犬は肉球と鼻にしか汗腺が無いため、体温調節が苦手で舌を冷やせるという点で氷を使うのは即効性があり、好む犬も多いです。
しかし氷に抵抗がある犬の場合、氷を使った体温調節は難しく、水分を摂ることが億劫になってしまい、水分不足で脱水症状などを起こす可能性があります。
その場合は愛犬に快適な環境作りをすれば、氷水を無理に使う必要はありません。犬は22℃~24℃前後、つまり人間が少し寒いと感じるくらいがちょうど良いです。
夏の冷房はもちろん、冬も暖房の使い方に気を付けなければなりません。室内で愛犬が寒さや暑さを感じた時、避難できる場所を作ることが大切です。
愛犬のために氷水を上手に使おう
犬にも個体差があり、適量を把握できるのは飼い主だけです。まずは愛犬の体質をしっかりと把握し、氷水は愛犬に合った与え方、タイミングを模索をしましょう。
氷水を好む犬は多く、体温調節だけでなく、水分摂取促進にも役立ちます。特に夏は人間と同じように犬も水分不足になりがちです。
愛犬の為に氷水を上手に使って清潔な水をいつでも飲めるように管理し、愛犬の熱中症や暑さ対策を徹底しましょう。