「仕事を辞めたい」と思ったことがある人は約9割という調査結果があります。(参考: Biz Hits 働く男女1,000人アンケート調査)
もはや「仕事を辞めたい」と思うのは働く人にとっては当然の感情と言っても過言ではありません。ですが、コロナ禍の今、いざ辞めるとなるとためらってしまう人も多いと思います。
この記事では、仕事を辞めたいと思っているあなたが今の仕事を続けるべきか辞めるべきか判断する方法や、続ける際の対処法、辞める際の注意点などを紹介します。
ぜひこの記事を最後まで読んで、「仕事を辞めたい」と思ったときにとるべき行動を知って、明るい未来につなげてくださいね!
(アイキャッチ画像出典: https://www.pakutaso.com/20191223360post-24996.html)
仕事を辞めたい理由
仕事を辞めたいと思う主な理由は以下の4点です。大部分の人がこの中のいずれか、もしくは複数に当てはまるのではないでしょうか。
- 人間関係
- 給与や福利厚生などの待遇面
- 労働環境
- やりがいがない
人間関係
まず、上司や同僚、取引先などとの人間関係に悩みがあり、仕事を辞めたいと思っている人が多いです。パワハラやセクハラ、いじめなどを受けている人もいるかもしれません。
そこまでではなくてもなんとなく居心地が悪いとか、うまく溶け込めないといった人も「辞めたい」と思う可能性が高いです。
給与や福利厚生などの待遇面
手取りが少なく生活に余裕がない、責任の割に給与が安い、他社と比べて福利厚生が充実していない、など待遇に不満があって辞めたいと思っている人も多いです。
特に身近に同じような仕事をしている人がいる場合には、どうしても自分の待遇と比較してしまうケースがあります。
労働環境
残業が多すぎて休みが取れない、毎日残業で睡眠不足、といった労働環境への不満も仕事を辞めたいと思う大きな要因です。
働き方改革やワークライフバランスが叫ばれる中、特に残業や休日出勤の多さを不満に思っている人は多いです。
やりがいがない
今の仕事にやりがいを感じない、という人もいると思います。毎日同じことの繰り返しで退屈している人や、自分が本当にやりたいのはこんな仕事ではない、と思っている人もいるのではないでしょうか。
やりがいのある仕事ややりたいと思う仕事をすることができなければ、仕事を続けるモチベーションも失ってしまいかねません。
「仕事を辞めたい」のは甘え?
「仕事を辞めたい」というと条件反射的に「それは甘えだ!」と指摘する人がいます。ですが、「辞めたい=甘え」ではありません。
もちろん理由によっては甘えと評価されても仕方ないケースもあります。一方で、甘えなどではなく、明らかに人間関係や労働環境が劣悪な場合など、辞めるべき環境にいる人もいます。
なぜ仕事を辞めたいと感じているのかを突き詰めて考えてみると、自分が辞めたい理由が甘えかどうか分かります。
仕事を辞めたい理由を書き出してみる
先ほど紹介した「辞めたいと思う理由TOP4」について、もう少し深掘りしてみましょう。
ポイントは「書き出す」ことです。頭の中で考えているよりも、言語化することで冷静な分析ができます。
人間関係
具体的に誰との関係が、なぜ悪いのかを考えてみましょう。あからさまに無視をされたり悪口を言われたりしているケースもあれば、あなた自身の性格に原因があるケースもあります。
給与や福利厚生などの待遇面
あなたが望む待遇と今の待遇にギャップがある場合は、どちらが正当な待遇なのかを調べましょう。同業他社の求人を何社かチェックしてみると、自分の仕事の相場感が分かりますよ!
福利厚生についても、新聞やネット記事で話題になっている会社と比べると見劣りするケースが多いですが、話題になる会社は珍しいから話題になるので、その会社が特殊なケースかもしれません。
労働環境
どれだけ一生懸命に働いても定時間内に終わらない仕事量なのか、自分の効率が悪いために残業や休日出勤が増えているのかを考えてみましょう。
特に周りの同僚は定時退社できているといった場合には、あなたに業務負荷が偏っているか、あなたの効率が周りと比較して悪いかを考えることで原因が見えてきます。
やりがいを感じない
やりがいを感じないのはなぜでしょうか。具体的には、「年功序列で頑張っても昇進のチャンスがない」「ひいきされている人だけが昇進し、自分は正当に評価されていない」などが考えられます。
また、仕事内容が自分がやりたいことと違う、自分のキャリアプランが見えない、など、会社があなたに求めることと自分がやりたいこととにギャップがあると、モチベーションが下がりやすいです。
仕事を辞めたいときに辞めるかどうかの判断ステップ
辞めたい理由を書き出したら、以下の2つのステップで検討していきましょう。
辞めるメリットとデメリットを書き加えてみる
書き出した辞めたい理由の横に、辞めた場合のメリットとデメリットを書き加えてみましょう。
メリットは「今の仕事に関する悩みから解放される」ことです。人間関係に関する悩みがある人は、嫌な上司に会わなくて良くなる、などがメリットですね。
一方で、デメリットもしっかり検討しましょう。「収入がなくなる」や「再度就職活動が必要になる」などがデメリットになるでしょう。
メリットとデメリットを書き出したら、両者を比較しましょう。辞めるメリットがデメリットを上回っていれば辞める理由になりえます。
辞めたい理由も含めて比較する
メリットがデメリットを上回っている場合でも、辞めることがあなたの不満の解消につながらないケースがあります。
例えば、人間関係がうまくいかないのがあなたに原因があるケースでは、退職したとしても、次の会社で同じような不満を抱えてしまうことが予測できます。
この場合は退職するのではなく、今の会社にいながら自分の性格を変える努力をする方がリスクが少ないと言えます。
逆に「辞めることで悩みが完全に解決することが明確」で「辞めるメリットのほうが大きい」場合には、退職を現実的に考えると良いでしょう。
辞めるべき理由
辞めるべき理由とはどのようなものでしょうか?ここで紹介するようなケースに当てはまる場合には、辞めても良い、もしくは辞めるべきです。
- 精神的、肉体的に限界を感じている場合
- 会社や自分の将来に期待が持てない場合
- 前向きな理由がある場合
精神的、肉体的に限界を感じている場合
今の仕事が原因で心身に影響が出ている場合には、退職を検討しましょう。健康でいてこそいい仕事ができるという事を改めて認識しましょう。
肉体的には若いうちは何とかなるかもしれませんが、無理をし続けていると将来大きな代償を払う可能性があります。
会社や自分の将来に期待が持てない場合
会社の経営状態が思わしくなく、近いうちに倒産してしまうかもしれないといった状態も会社を辞めるべき理由になります。むしろその会社で働き続けると、突然無収入になるリスクがあり、危険です。
また、今の職場ではどう頑張っても自分のキャリアアップができず、自分の将来に期待が持てない場合も辞めるべき理由です。成長したいのにできないという環境は大きな苦痛を伴います。
前向きな理由がある場合
他にどうしてもやりたいことがある、そしてそれは今の職場では達成できない、という場合にも今の仕事を辞めるべきです。
辞めるべきではない理由
一方で、辞めるべきではない理由も存在します。それは、大きな悩みが無いのになんとなく辞めてしまうなど、理由が不明確な場合や、今の会社の仕組みや制度を使って環境を改善できる見込みがある場合などです。
- 動機が不明確な場合
- 今の会社の仕組みや制度で改善できる場合
- 通勤がつらいなどの安易な理由の場合
動機が不明確な場合
辞めたい動機が不明確な場合、退職は考え直しましょう。なんとなく辞めたいから辞めると、転職活動でうまく退職理由の説明ができず苦労したり、同じような理由で転職を繰り返してしまったりするかもしれません。
「本当に辞めたいのか」「辞めた後はどうするのか」をもう一度考え直しましょう。
今の会社の仕組みや制度で改善できる場合
今の会社の仕組みや制度を使って、環境を改善できる可能性がある場合にも、退職はオススメできません。疲労感を感じる場合など、休職制度があればいったん休んで様子を見ることも可能です。
特に、今までと働き方がわかっていないのに疲れを感じる、という場合には、加齢による場合もあるので、注意が必要です。
通勤がつらい、などの安易な理由の場合
「朝早いのがつらい」とか「満員電車での通勤がつらい」などの安易な理由の場合も退職は考え直しましょう。このような理由は、「甘え」と評価されても仕方ありません。
社会人として時間を守って行動することは普通のことであり、満員電車もみんながその時間に通勤しているからで、あなただけが特別につらいことをしているわけではありません。
辞めたいと思っていた仕事を続けるときの対処法
ここまで紹介した辞めたい理由の分析を通して、今の仕事を続けることを決断した人もいるかもしれません。そうした人は今の会社でどうやったら自分の不満を解消できるかを考えてみましょう。
ここでは、今のつらい状況を改善し、あなたの不満を解消するためにできることを紹介します!
- 上司に相談する
- スキルアップを目指す
上司に相談する
待遇面や仕事内容に不満がある場合には、上司に相談してみましょう。自分の気持ちを正直に伝えてみましょう。部下の不満を解消するのは上司の仕事の1つです。
どうしても今の部署の雰囲気が合わない、仕事内容がどうしても合わない、業務負荷が高すぎるといった場合は、配置転換や異動、業務分担の変更などを検討してもらえるかもしれません。
スキルアップを目指す
今後キャリアアップしていくために身につけるべきスキルを教えてもらったり考えたりして、そのスキルを獲得することに全力を尽くすのもオススメです。
特に今の仕事内容が難しくてなかなかうまくいかない、という人にオススメです。難しい仕事は誰にとっても難しいものです。そこであなたが1つ壁を超えるとどうなるでしょうか?
きっとその先には、多くの人に頼りにされ、生き生きと輝きながら仕事をしているあなたがいるでしょう。仕事内容がつらいというケースは、スキルアップを通じて改善されることが多いです。
今の仕事内容が難しいと感じているあなたは逆にチャンスです!みんなが苦手な仕事を得意にして、今の職場で存分に活躍しましょう!
円満退社するために辞める前にやるべきこと
分析を通じて、やっぱり今の仕事を辞めよう!と決意した人もいるかもしれません、難しい決断だと思いますが、退職するとしてもできるだけ気持ちよく今の職場を去りたいですよね。
ケンカ別れのようになってしまうと退職後もずっとモヤモヤした気持ちで過ごすことになりかねません。明るい未来に向かってまっすぐに進めるように、今の職場からの円満退社を目指しましょう。
ここでは円満退社の6つのコツを紹介するので、ぜひ参考にしてみてくださいね!
- 退職願は余裕を持って提出する
- 意思を曲げない
- ネガティブな退職理由は言わない
- 引き継ぎをしっかりする
- あいさつ回りをしっかりとする
- 最終日まで責任を持って働く
退職願は余裕を持って提出する
退職の意思表示については、各企業の就業規則に従うのが最もスムーズです。一般的には退職希望日の1〜2ヶ月前までには伝えるべきです。
引き継ぎにかかる時間や人員調整の時間、有給休暇消化の期間などを考慮したもので、これ以上短いと業務引き継ぎが十分にできず、残された人たちが不満を抱えてしまう可能性が高いです。
「立つ鳥跡を濁さず」と言いますが、退職するにしてもなるべく迷惑をかけないように気を配りましょう。
意思を曲げない
退職の意思を固めたのであれば、その意志は曲げないようにしましょう。退職を切り出すと、引き止められることもあります。そこで煮え切らない言い方をすると、待遇改善を条件に説得される可能性が高くなります。
ネガティブな退職理由は言わない
上司に退職の意思を伝える際、ほぼ確実に退職の理由を聞かれます。このとき、ネガティブな理由をストレートに伝えるのはNGです。
上司の気分を損ねてしまう可能性が高いですし、改善するからと引き止められる可能性もあります。
本当に改善されるのであれば良いですが、多くの場合は口約束で、その後状況が変わったなどの理由で改善されないまま、結局退職時期が伸びただけ、というケースが多いです。
理由はなるべく個人的なものがオススメです。「家庭の都合」や「やりたいことが見つかった」など、上司が引き止めにくい理由を、しっかり説明できるように準備しておきましょう。
引き継ぎをしっかりする
退職するときの役職や、担っている業務量により引き継ぎにかかる時間は異なりますが、1ヶ月程度は考慮しておきましょう。引き継ぎ計画書を作って上司と共有しておくとその後の引き継ぎがスムーズに進められます。
業務内容のリスト化、業務の進め方や退職するタイミングで進行中のプロジェクトなどがあれば、その経緯や退職時の状況の見通しなどもしっかり伝えましょう。
また、取引先の情報の共有もしっかりと行いましょう。その際、相手の性格や立場など、できる限り多くの情報を後任者に伝えてあげると、後任者の負担が大きく軽減されます。
あいさつ回りをしっかりとする
お世話になった上司や同僚、取引先にはきちんとあいさつ周りをしましょう。これまでのお礼と退職予定日、後任者の紹介を行います。
後任者と一緒に行けるとベストですが、都合が合わない場合には、最低限連絡先は共有するようにしましょう。
後任者が決まっていない場合には、当面上司に対応してもらわなければならないので、上司にきちんとお願いをした上で、取引先にもその旨を伝えるようにします。
最終日まで責任を持って働く
退職が決まっているとしても、実際に退職するまではその会社の社員であることは変わりません。最後までしっかりと責任感を持って働いて、良い印象を持ってもらいながら退職しましょう!
仕事を辞めたいときは家族に相談するべき?
仕事を辞めることは人生の中でも大きな決断の1つであり、自分だけの問題に留まらないケースも多いので、家族に相談すべきかどうか迷ってしまいますよね。
相談することで自分1人では気付くことができなかった視点を得られ、選択肢が広がることもあるので、1人で抱え込むのではなく、家族や友人など、誰かに相談することがオススメです。
相談するのも1つの言語化で、相談しているうちに自分の思いが明確になることもあります。
ただし、相談することによって、必要以上に干渉されたり、プレッシャーを感じてしまい、より精神的に追い込まれてしまうこともあります。相談相手は慎重に見極めた上で、相談するようにしましょう。
仕事を辞めたいのは当然!まとめ
ここまで仕事を辞めたい理由や続ける場合の対処法や辞める場合にやるべきことについて紹介してきました。
続ける場合、辞める場合のいずれにしても大事なのは、「不満のある現状を変える努力をすること」です。辞めたいと思っていてこの記事にたどり着いた人は、既に現状を変える努力をしている人だと思います。
ただし、焦りは禁物です。焦って行動すると、冷静に自分の状況を見つめて分析しないままに行動して、後悔するケースが多いです。
どうしても今すぐに辞めなければならない場合を除いて、自分のペースで計画的に行動するように心がけましょう。