未経験の仕事への転職を考えていて、志望動機をどう書いていいかわからないという人はいませんか?
「未経験の仕事への転職では実績を武器にできない」と思っていませんか?そんなことはありません。どんな仕事や職場でも必ず必要とされる汎用的なスキルがあります。
この記事では、本業で採用担当もしているぼくが、具体的な志望動機の書き方のテンプレートや魅力的な志望動機の例、NG例も交えて解説します。
ぜひ最後まで読んで、あなたの魅力がしっかり伝わる志望動機を書いてみませんか?
(アイキャッチ画像出典: https://www.photo-ac.com/main/detail/23633718#goog_rewarded)
未経験者に企業側が求めている3つのポイント
まずは企業が未経験者に対して求めているのはどんなことかを考えていきましょう。企業がどんなことを求めているのかを意識すると、採用担当者に響く志望動機になり、採用確率がグッと高まりますよ!
- 自社ニーズとのマッチング
- 応募職種に関する知識やスキルの有無
- 社会人としての最低限の経験
自社ニーズとのマッチング
まずはなんと言っても自社が求める人材とマッチしているかどうか、という点です。その企業や業界について詳しく調べ、どのような人材が必要とされているかを考えましょう。
必要とされる人材と自分の強みを比較し、どういった点で自分がその企業に貢献できるのかを深く検討しましょう。
応募職種に関する知識やスキルの有無
パソコンスキルやビジネスマナーなど、業種が違っても必要となる汎用的なスキルは多くあります。メールのやり取りやプレゼン作成、文書作成など、自分はどれくらいのレベルまでできるのかを明確化しておきましょう。
社会人としての最低限の経験
完全な仕事未経験者の募集を除き、一度でも企業勤めをしたことがある応募者に対しては、当然ですが社会人としての最低限の経験を求めています。
ビジネスマナーや部署内、他部署との円滑なコミュニケーション能力などがそうです。
志望動機を書き始める前に
志望動機を実際に書き始める前に考えておくべき2つのポイントを紹介します。
- 転職しようと思ったきっかけを考える
- 応募する企業のどこに魅力を感じたのか考える
転職しようと思ったきっかけを考える
転職しようと思った理由を明確にすることで、転職活動をぶれない軸を持った状態で進めることができるようになります。
また、自己分析を行うことで、自分に合った仕事を選択でき、応募した企業でのミスマッチを防ぐことにもつながります。
応募する企業のどこに魅力を感じたのか
「なぜその会社でなければならないのか」を明確に伝えるために、その企業だからこその魅力を伝える必要があります。
業務内容だけでなく、風土や価値観などを理解したうえで、なぜその企業に応募しようとしているのかを具体的に志望動機に落とし込むと、企業にもいい印象を与えることができます。
志望動機の適切な文字数は?
志望動機の文字数については、およそ300〜400字程度が望ましいです。採用担当者も人間なので、あまりに長いと読む気にならなかったり、あまりに短いとやる気を感じられなかったりします。
実際に、文字数が多すぎると言いたいことのポイントが伝わりにくく、少なすぎると意欲がないように見えるので、30秒〜1分程度で読める程度の文字数にするのがオススメです。
以下で紹介するテンプレートを使えば、大体300〜400字程度になりますので、ぜひ参考にしてみてください!
志望動機の書き方テンプレート
具体的に志望動機を書いていく際に使えるテンプレートを紹介します。
- 前職では「○○○」という業務を担当しておりました。
- 「×××」という理由から、この職種への転職を決意しました。
- 「△△△」で得た経験を、「□□□」にも活かしていきたいと考えております。
- 素直な気持ちで何事にも積極的に取り組みますので、面接の機会をいただけますよう、何卒よろしくお願いいたします。
1で前職での業務内容に触れながら、2で未経験職種への転職のきっかけを記載します。その企業ならではの志望動機を伝えましょう。
3でアピールできそうな過去の経験やスキルを記載し、4で熱意ややる気を伝えましょう。
では、実際にそれぞれの項目を記載するポイントを以下で紹介していきます。
未経験者が志望動機を書く際のポイント
上記テンプレートを使って実際に志望動機を書いていく際に注意すべきポイントを4つ紹介します。
- 転職の目的や志望動機を明確にする
- 転職先にマッチした具体的な経験やスキルを盛り込む
- 仕事への積極性や適応力をアピールする
- 未経験を補うために取り組んでいることをアピールし、キャリアビジョンを伝える
転職の目的や志望動機を明確にする
「志望動機を書き始める前に」の項でも紹介した通り、転職の目的や志望動機を明確にしましょう。また、どの企業でも使えるような志望動機は、採用担当者に響きません。
「なぜ数ある企業の中からその企業を選んだのか」、「その企業の何に魅力を感じたのか」を明確に記入しましょう。
転職先にマッチした具体的な経験やスキルを盛り込む
「転職先にマッチした」自分の経験やスキルを「数字を用いて」盛り込みましょう。転職先が求めている人材像を考え、その企業にマッチした自分の経験やスキルを盛り込んでいきます。
前職での経験や実績を踏まえ、自分がその企業でどのように貢献できるかを具体的に記載しましょう。実績などを記載する際には、数字を用いると伝わりやすくなります。
前職で何を学び、どのような実績を上げたのか、そしてその経験をどう活かそうと思っているのか、といった採用担当者が知りたい情報を具体的に記入することがアピールとなります。
未経験でも自分の経験やスキルとの共通項は必ずあります。その企業がなぜ未経験者を求めているのかを考え、自分の経験やスキルと照らし合わせてアピールできるポイントを探しましょう。
仕事への積極性や適応力をアピールする
未経験ですので、即戦力は求められていないことを踏まえ、仕事への積極性や適応力をアピールしましょう。
「何事にも積極的に取り組み、吸収していきたい」という積極性、素直さが伝わるような表現を心がけてみてください。
未経験を補うために取り組んでいることをアピールし、キャリアビジョンを伝える
未経験者は自ら主体的に学び、行動する姿勢を伝える志望動機が必要となります。「通信講座を受けている」「資格取得を目指して勉強している」「書籍で自習している」など、取り組んでいることをアピールしましょう。
また、入社後の具体的なキャリアビジョンも伝えられるように考えておきましょう。あなたがその企業に入社して活躍している姿を具体的にイメージしてもらうためです。
未経験者が志望動機を書く際の注意点
一度志望動機を書いてみた後、以下で紹介する3つの注意点を意識しながら、読み直してみましょう。
- 納得感を与えられるか
- あなたがどのようにその企業に貢献できるかが表現されているか
- 後ろ向きな理由になっていないか
この3点は志望動機を書いている最中には意識しづらいポイントですので、一度書き終えた後に読み直してみるのがオススメです。
納得感を与えられるか
未経験職種への転職活動の成功のカギは、「採用担当者に納得感を与えられるか」という点にあります。転職したい業界・企業・仕事についてよく調べ、今までの自分の経験や学び、転職理由と紐づけることが大切です。
また、未経験でも取り組んでいこうという、仕事への意欲やスタンスを伝えることも必要です。
あなたがどのようにその企業に貢献できるかが表現されているか
自分の経験やスキルについて、しっかりと分析できていなければ、どのように貢献できるかを表現するのは非常に難しいです。
また、理想論や自分の勝手な意見を押し付けるだけでは貢献をアピールすることはできません。その企業の弱点や改善できる点などをあげ、どのように解決できるかを分析し、実行できるというアピールが必要です。
どのように貢献できるかを具体的に表現できれば、自分を客観視し分析できる能力と問題解決能力のアピールにつながります。
後ろ向きな理由になっていないか
前職のネガティブな情報を発言するのは避けましょう。採用担当者が、自社でも同じような不満を持たれるかもしれないという印象を与えかねません。
ネガティブな状況を自分なりにポジティブに変えたいという言い換えができると好印象になります。
- 退屈な作業が多かった → 地道な作業を効率化することで無駄をなくしたい
- 残業が多かった → 効率よく働いて成果を出したい
- 人間関係がうまくいかなかった → 積極的なコミュニケーションでチームワークを深めたい
このようにネガティブな表現はポジティブな内容に言い換えて表現していきましょう。
未経験者にありがちなNG志望動機例
未経験者の志望動機でよくあるNGの例を2つ紹介します。何がNGなのか、考えながら読んでみてください。
前職では、中小企業で一般事務の仕事をしていました。営業職に興味を持ち始めたのがきっかけで、貴社へ応募しました。
未経験の分野なので、どれだけ貴社のお役に立てるかわかりませんが、根気強さには自信があります。精一杯頑張ります。
私はこれまで食品メーカーで営業職として働いてきました。しかし、親しい友人が働いていることもあり、最近事務職への興味も湧いてきました。
詳しい業務内容はわかっていませんが、営業での経験をできる限り活かして一生懸命頑張ります。
いかがでしょうか。2つとも内容がとても抽象的で、「どんな仕事をしてきたのか」「どんな成果をあげたのか」そして「どういう形で貢献できるか」について全く触れられていません。
あなたが採用担当者だったとしたら、この志望動機を見て、わざわざ時間を割いて面接の機会を作ろうと思うでしょうか。
魅力的な未経験者の志望動機【営業職から事務職へ】
ここからは採用担当者から見て、魅力的な志望動機を紹介します。まずは営業職から事務職への転職を考えている場合の例です。
- 前職では「営業職として、顧客訪問や電話営業活動」を担当しました。また、営業マニュアルの作成や進捗管理システムの構築などにも関わり、顧客訪問件数25%アップ、電話営業での成約率40%アップなどの実績を残しました。
- 「営業の自分の努力が数字で現れる点にやりがいを感じてはいましたが、マニュアル作成や管理システムの構築などに関わった経験から、営業担当者の業務を支える事務職に魅力を感じるようになった」という理由から、この職種への転職を決意しました。
- 「実際に営業活動を行う中で感じた難しさと面白さから」得た経験を、「わかりやすい商品説明資料や営業マニュアルの作成を通じて」「営業と事務がチームになって仕事を進めるという御社のスタイル」にも活かしていきたいと考えております。
- 素直な気持ちで何事にも積極的に取り組みますので、面接の機会をいただけますよう、何卒よろしくお願いいたします。
いかがでしょうか。実際に挙げた成果が具体的に記載され、どうして未経験の事務職に転職しようとしているのかも明確ですよね。また、具体的にどのような形で貢献しようと考えているかも具体的に記載されています。
魅力的な未経験者の志望動機【事務職から営業職へ】
続いて、事務職から営業職への転職を考えている場合の魅力的な志望動機の例です。
- 前職では「一般事務職として、3年間、営業担当者のサポート」をしておりました。
- 「お客さまが抱えている問題や課題に対して、わかりやすく適切な提案ができるような資料作成を担当しており、営業担当者を通じて、お客さまに貢献できているというやりがいはありました。その中で、直接自分自身でお客様と向き合い、一緒に問題や課題を解決していきたい」という理由から、この職種への転職を決意しました。
- 「あなたなら、欲しいサービスを伝えなくても準備してくれる」とのお言葉を営業担当者からいただきました。こうした「相手の立場になって考え、提案できる能力」を「お客さまに寄り添った営業を掲げて業績を上げている貴社」でも活かしていきたいと考えております。
- 素直な気持ちで何事にも積極的に取り組みますので、面接の機会をいただけますよう、何卒よろしくお願いいたします。
こちらの例も具体的なエピソードを織り込んで、自分のどんな経験・スキルをどう活かしていきたいかが明確になっています。そしてそのスキルがその企業とどうマッチングするのかも明確です。
まとめ
未経験の仕事に応募するときの志望動機の書き方をテンプレートや例文を含めて紹介しました。
「なぜわざわざ未経験の職種にチャレンジするのか」「これまでの経験をどう活かして貢献していくのか」という点を具体的に織り込んでまとめていく必要があります。
志望動機はあなた自身の状況や応募する企業によって違います。複数企業に応募することが多いと思いますが、多少面倒でもそれぞれにあった志望動機を書かなければなりません。
今回紹介したテンプレートや例文を参考にしながら、あなたの魅力がしっかりと伝わる志望動機を書いていきましょう!