日本一高い山、富士山への登山は一度はやってみたいことの1つですよね。「でも、どんな服装で登ればいいんだろう」と悩んでいませんか?
3,776mの高さを誇る富士山は登山者に大人気の山ですが、やはり過酷な環境です。
この記事では、富士山登山をするときの服装を、登り始め、山頂付近、下山時に分けてそれぞれ紹介していきます。
人生の思い出に残る富士山登山ができるよう、この記事を最後まで読んで、準備をしっかりしていきましょう!
(アイキャッチ画像出典: https://www.photo-ac.com/main/detail/22990095#goog_rewarded)
登山時に意識しておくべき富士山の概要
まず、登山をするにあたり、意識しておくべき富士山の概要を紹介します。富士山への登山は大変人気のあるアクティビティですが、過酷な環境であるということは意識してしっかり準備を整えましょう。
富士山の標高は3,776mで、ご存知の通り日本最高峰の山です。山頂の気温は一年を通じて東京より平均約22度低く、5月頃から雪解けが始まりますが、9月頃には再び雪が降り始めます。
平均風速は夏季で8m/s、冬季で20m/sです。一般的に風速1m/sで体感気温が1度下がるので、0度の環境で20m/sの風が吹くと、体感気温は-20度になります。
平均気圧は638hPaととても低いため、水は約88度で沸騰し、登山の際には高山病発症リスクが高くなります。
【5合目(登り始め)】富士山登山の服装
富士山には5つの登山ルートがありますが、どのルートも登り初めは5合目の登山口となります。少し肌寒く感じる程度の薄着でスタートするのがオススメです。(5つの登山ルートは記事の最後に載せています!)
登り始めは勢いよく元気に登ることができ、汗もかきやすいので、速乾性の高い化繊のTシャツやズボンを着用しましょう。
半袖半ズボンという方も見かけますが、山の上は普段よりも日差しが強く、特に6合目を過ぎたあたりからは日光を遮るものがなくなってくるので、紫外線対策の意味でも、長袖長ズボンをオススメします。
登山を進めるにつれて気温はどんどん低下します。休憩をすると身体も冷えるので、寒さを感じ始めたらすぐに羽織れるウインドブレーカーやフリースを準備しておきましょう。
【山頂登頂時の服装】富士山登山の服装
山頂付近は真夏でも平均気温が6度程度で、天候によってそれ以上に寒さを感じることもあります。
「富士山山頂からご来光を見たい」という人もいると思いますが、日の出前は真夏でも気温がマイナスになるので、更なる防寒対策が必要となります。
オススメの服装は登山用のレインウェアです。山の天気は変わりやすく、雨が降ったときにも役に立ちますし、防寒・防風にも優れているので、富士山登山の際には必須アイテムと言えます。
【下山時】富士山登山の服装
富士山登山では、下山をするときの服装にも気をつけましょう。吉田ルートや御殿場ルートなど登山道と下山道が違い、噴火でできた火山砂利の道を下っていくルートもあります。
その際、砂利が靴の中に入るのを防ぐため、スパッツを着用することをオススメします。また、風が吹くと砂埃が舞いますので、サングラスやマスクで対策をしておくのも有効です。
下山していると徐々に気温が上がって汗ばんできますが、紫外線対策を万全にするためにも、登り初めと同様に半袖・半ズボンは避けるのが賢明です。
富士山登山で服以外に必要なグッズ6選
服装以外で富士山に登山するときに必要なグッズを6つ紹介します。
- リュック(ザック)
- ザックカバー
- ヘッドライト
- 登山靴(トレッキングシューズ)
- 飲み物
- ゴミ袋
リュック(ザック)
様々な種類がありますが、オススメは20−30リットル程度の容量の大きめのデイパックです。中の荷物はビニール袋等で小分けにして取り出しやすくしておきましょう。
ザックカバー
雨が降ったときにリュックやザックの中に雨が侵入するのを防ぐ防水カバーです。富士山の天気は突然変わることがあります。非常にコンパクトに収納でき、負担にはならないので、是非持っていきましょう。
ただし、100%の防水ではないので、携帯電話やデジカメなどの壊れやすい電子機器や着替えの服などは個別にビニール袋に包んでおきましょう。
ヘッドライト
ご来光を見るために夜明け前に登山する場合には、ライトが必須です。両手を開けられるヘッドライトやクリップタイプのライトを選びましょう。100円ショップでも明るいヘッドライトを買うことができます。
雨具(レインウェア)
富士山では、強い風によって横や下から雨が吹き付けてくることも珍しくありません。上下セパレートタイプのレインウェアを準備しましょう。登山用のレインウェアは比較的軽く、強靭で破れにくく作られています。
登山靴(トレッキングシューズ)
履き慣れた歩きやすい靴を選びましょう。運動靴やスニーカーでも大きな問題はありませんが、運動靴などは登山靴に比べて疲れやすく、捻挫などの怪我の可能性も高くなりますので、オススメは登山靴です。
飲み物
最低1リットル程度は用意しておきましょう。山小屋や山頂での販売もありますが、500mlのペットボトルで400−500円程度の価格となります。
ゴミ袋
世界遺産にも登録されている富士山ですが、ゴミ問題が大きな課題です。自分で出したゴミは持ち帰りましょう。また、汚れた服用にもゴミ袋があると便利です。
富士山登山で服以外にあると便利なグッズ9選
ここからは、富士山登山の際にあると便利なグッズを9個紹介します。
- おやつ
- トイレットペーパー
- タオル数枚
- 小銭入れ
- 耳栓
- 手袋・グローブ
- ウェットティッシュ
- 医薬品
- 日焼け止め
おやつ
チョコレートやパン、飴などの糖質が多いものが登山時の疲労回復に役立ちます。軽く、かさ張らず、日持ちするタイプのものを選んでおきましょう。
トイレットペーパー
山小屋やトイレに備え付けのものがありますが、かさ張るものでもないので、念のため少量をリュックの奥に忍ばせておくと安心です。
タオル数枚
汗拭き、防寒、日差し除けなど、何かと便利なのがタオルです。数枚持っておくと色々な場面で役に立ちますよ。
小銭入れ
トイレのチップ用等に100円玉で1,000円程度入れた小銭入れを普段使いの財布とは別に取り出しやすいところに入れておくと便利です。
耳栓
山小屋に宿泊して翌朝ご来光を拝むために出発する場合など、周りが騒々しいと眠れないという方は100円ショップのものでもいいので持っておきましょう。十分な休息が富士山登山のコツです。
手袋・グローブ
登山中の怪我防止や頂上での防寒用に手袋があると安心です。使い捨ての軍手などでもいいでしょう。
ウェットティッシュ
水道が常に近くにあるわけではなく、手を洗えるタイミングが少ないので、ウェットティッシュは少量あると重宝します。
医薬品
いつも使っている薬や絆創膏、下痢止め等、体調に不安がある方は持っておくだけでも安心です。
日焼け止め
富士山は日差しがとても強いので、男性女性問わず日焼け止めを塗っておくと有効です。
登山初心者には登山服・グッズのレンタルがオススメ
「全部を揃えるのはちょっと大変だな…」という人にオススメなのが、登山服や靴、グッズをレンタルしてくれるサービスです。
登山グッズは安くないので、富士山登山以外に登山の予定がない人や、これから登山を始める人が最初にお試しで使ってみるのにとっても便利なサービスです。
「服装はこだわりがあるから靴だけ借りたい」という人や「全部まとめて必要なものを揃えたい」という人など、必要なものだけ借りることもできますよ!
グッズレンタルがセットになっているガイド付きツアーもあるので、「富士山に登ってみたいけど不安…」という人にはオススメです。
余談: 富士山の5つの登山ルート
余談にはなりますが、富士山の登山ルート5つを紹介しておきます。
富士山には4つの登山口があり、そこから5つの登山ルートが山頂に繋がっています。ルートによって登山口の標高や登山道の距離が違います。
登山口の標高が低いほど、山頂までの距離が長く時間もかかるので、それだけ体力が必要となります。
5合目の標高 | 富士山山頂との標高差 | 標準タイム(登り) | 標準タイム(下り) | |
富士宮ルート | 2,380m | 1,396m | 5時間10分 | 3時間30分 |
吉田ルート | 2,305m | 1,471m | 5時間55分 | 3時間10分 |
プリンスルート | 2,380m | 1,396m | 6時間00分 | 2時間55分 |
須走ルート | 1,970m | 1,806m | 6時間55分 | 3時間00分 |
御殿場ルート | 1,440m | 2,336m | 8時間20分 | 3時間30分 |
プリンスルートは、現在の天皇陛下が2008年に富士山登山をされた際にご利用されたルートからこの名で呼ばれています。
この中で初心者にオススメのルートは、「登り: 富士宮ルート、下り: プリンスルート」もしくは「吉田ルート」です。
人気のシーズンには少し混雑しますが、初心者には登りやすく、トイレや山小屋などの施設も整っています。
余談2: 富士山登山ができる時期と初心者にオススメの時期
さらに余談とはなりますが、富士山登山ができる時期と初心者が富士山登山をするのにオススメの時期を紹介します!
富士山登山ができる時期
富士山の登山道が開通しているのはおおむね毎年山梨県側が7月1日から9月14日、静岡県側が7月10日から9月10日の約2ヶ月間です。
これ以外の期間はまったく登山できないというわけではなく、十分な経験と知識、技術を持った方の登山は禁止されていませんが、万全な準備をしない登山は禁止されています。
「富士登山のための安全ガイドライン」では、万全な準備をしない登山の禁止、登山計画書の提出、携帯トイレの持参といった3つのルールを設定しています。シーズン外はトイレや救護所、山小屋も閉鎖されます。
シーズン外での登山もルールを守れば可能ですが、危険度が非常に高くなるので、特に初心者の場合には登山道が開通している時期にチャレンジするようにしましょう。
初心者にオススメの富士山登山時期
富士山の登山道が使える時期の中で、ベストシーズンは「梅雨が明けた7月下旬から8月中旬」です。7月中旬までの梅雨の時期は、足元も滑りやすく危険度が増すため、梅雨が明けてからの登山がおすすめです。
また、最初に紹介した通り、9月頃から雪が降り始めることもありますので、初心者の場合は遅くとも9月初旬までの時期を選ぶようにしましょう。
また、ベストシーズンとはいえ、台風等で天候不良の可能性があります。登山道が整備されているとはいえ、天候が悪いときには中止という選択肢もしっかり持っておきましょう。
富士山登山に必要な服についての解説まとめ
富士山登山を快適に楽しむためには、服装が非常に大事です。必要なアイテムをしっかり確認し、見た目だけではなく、機能もチェックしておきましょう。
「こんなに必要とは思っていなかった」という人には、レンタルサービスもとっても便利です。必要なアイテムを自分で購入するよりも安価に準備できるので、登山初心者でも安心ですよね。
今年の夏は自分に合った装備を揃えて、富士山登山にチャレンジしてみましょう!日本一高い山の上から見る絶景が今から楽しみですね!