心の癒しにアニマルセラピーを利用したいけど、効果や問題点など分からない事が多いと不安になってしまいますね。動物の癒し効果は計り知れないものがありますが、課題や問題点を念頭におくことも大事になります。
この記事では、アニマルセラピーの概要と期待出来る効果、問題点について解説します。是非最後までご覧下さい。
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アニマルセラピーとは
アニマルセラピーとは、動物とふれあいストレス解消や心身の癒やしを得るセラピーのことです。
アニマルセラピーは「動物介在療法」の(AAT)と「動物介在活動」の(AAA)と「動物介在教育」(AAE)の3種類になります。
- 動物介在療法 (AAT)
- 動物介在活動 (AAA)
- 動物介在教育 (AAE)
動物介在療法
AATは、病院などの医療機関で医師や作業療法士などと一緒に患者さんの状態に合わせておこなわれる治療方法の一つです。
動物介在活動
AAAは、老人ホームなどへの慰問活動で動物をなでたり、動物への声掛けをしたりすることで運動や話をする活動を指します。
動物介在教育
AAEは学校で行われる教育活動の1つです。動物について知ったり、触れ合ったりすることで、動物福祉などを学ぶことを目標としています。
アニマルセラピーは日本独自の造語であり、内容についてはAATとAAAで異なることは覚えておきましょう。
アニマルセラピーの期待できる効果
動物と触れ合う事で心の病気や体の不調が改善される事がよく見られます。こうしたことから精神的・身体的なリハビリとして、介護施設や医療施設で取り入れられています。具体的には以下のような効果が期待できます。
- 身体的な機能の向上
- リラックス、感覚刺激や反応の改善
- 病気の回復
- 神経や筋肉組織のリハビリ
- 自信と意欲の向上
- 感情表現が豊かになる
- 自尊心、責任感などの肯定的な感情が芽生える
- 子どもの情操教育(達成感、幸福感)
- ストレスの軽減や社会性の改善
- 身体的、経済的な自立を促進
- コミュニケーションの促進や言語機能の低下を防ぐ
アニマルセラピーの問題点1 資格は持つべき
ここから話が変わってアニマルセラピーの問題点について話していきます。上記の内容を見てわかるようにアニマルセラピーの効果は絶大です。この効果を最大限に発揮する為に問題点を理解していきましょう。
まず、アニマルセラピーには、基本的に資格は必要ではありません。えっ?と思うでしょうが、資格がなくてもいいのです。正確には、必要ではないがアニマルセラピーを行うなら持つべき資格です。
人との接し方や動物のお世話、アニマルセラピーをする上でのルールとマナーなどの知識は必要なので、施設に導入もしくは利用するならば知識があるという証明になるため資格保持者の団体を利用しましょう。
アニマルセラピーの問題点2 ケガの可能性
アニマルセラピーの効果は期待できますが、動物によってはケガをさせてしまう可能性があります。噛みつきやひっかきなどのケガへの注意が必要です。そのため基本的なしつけや行動の制御ができていることが前提です。
また、人が動物にケガをさせてしまう場合もあります。認知症患者が動物と判断できず叩いてしまったり、高齢者の方は動物も持ち上げようとして落とてしまう事があるので、セラピストや施設の職員が寄り添いましょう。
アニマルセラピーの問題点3 動物アレルギー
動物アレルギー、もしくは動物に対してトラウマがある人、動物が嫌いな人にも注意が必要です。動物と関わる中で過去に嫌な思いやつらい経験をして、それが現在のトラウマとなってしまっている人もいると思います。
動物アレルギーであれば、動物と触れ合うことで何かしらの身体的な悪影響があります。場合によっては、精神面の悪化や吐き気・ふるえ・多汗などの症状やパニックをきたす可能性があります。
動物アレルギーやトラウマがある人には無理に動物と接することは避けた方がよいでしょう。
アニマルセラピーの問題点4 感染症のリスク
アニマルセラピーを行う場合人畜共通感染症に注意しましょう。日本の場合人畜共通感染症はおよそ30種類もあると言われています。なかには重い症状につながる場合もあるので十分に気をつけて下さい。
医療施設や高齢者向けの施設ともなれば、免疫機能が低下している人が多くいます。そのようななかでの感染症のリスクは十分に考えられるので、消毒や換気といった衛生面に配慮しましょう。
特に高齢者向けの施設では加齢によって免疫機能が低下してしまっている人が多くいるので、感染症には十分に注意しながらセラピーをする必要があります。
アニマルセラピーの問題点5 適した動物がいる
アニマルセラピーに適している動物は社交的な性格な動物となります。人見知りが激しい動物や臆病な動物はストレスを抱えてしまいがちなため、あまり適さないでしょう。
そして感染症のリスクから健康管理がしっかりとできている動物、しつけが出来ていて行動をコントロール出来る動物が適しています。
また、アニマルセラピーには適していない動物ももちろん存在します。その個体の性格などによっても違いますが、一部の小動物や爬虫類はアニマルセラピーには向かないとされています。
アニマルセラピーの問題点6 動物に負担がかかる
アニマルセラピーでは、動物にストレスを与えないようにすることも重要です。ストレスによる負担が大きければ大きいほど、動物も身体的な悪影響を受けます。動物側へのストレスについても考慮しなければなりません。
人間もストレスを感じ疲労するように、動物もストレスを感じ疲労します。動物のストレスは疲労に真摯に向き合わなければアニマルセラピーはできません。しっかりと動物側のケアも考えながら実施する必要があります。
アニマルセラピーの資格取得金額と利用料金
ここからは、実際問題資格を取るのにいくらかかるのか?利用するのにいくらかかるのか気になるお値段を紹介します。金額は地方や施設、団体によって変わるので、参考程度で覚えて下さい。
資格は民間の団体や専門学校、通信講座で取得できます。民間の団体や通信講座では約30万円、専門学校では約150万円になります。資格を取るだけなら通信講座でいいですが実習経験がある専門学校がよいでしょう。
次に利用料金について紹介します。こちらは、利用する動物の数によって変わってきます。動物1匹だと約15000円、2匹だと約20000円、3匹だと約25000円になります。その値段に交通費がかかります。
各地方にアニマルセラピーを扱っている動物愛護団体やボランティアがあります。導入前の利用や一時的に利用したいのであれば、各ホームページを見て連絡を取ってみるとよいでしょう。
まとめ アニマルセラピーの問題点
アニマルセラピーは心のリハビリと言われているように、笑顔や会話が、行動力が増す等精神的な健康をもたらしてくれます。
ですが、利用するにあたりケガや感染症、アレルギーのリスクもあり、動物に負担がかかっている可能性があります。
その為、利用や導入をする際は有資格者を配置しておく事が望ましくなります。この記事を読んでアニマルセラピーの素晴らしい効果や問題点が理解でき、利用や導入について前向きに考えて頂けたら幸いでございます。