「アニマルセラピーとは何のこと?」「アニマルセラピーってどんな効果が期待できるの?」と疑問を抱えていませんか?
動物番組などで、アニマルセラピーは人を癒やす効果があるとよく耳にしますが、それ以外のことを知らない方が多いのではないでしょうか。
本記事では、アニマルセラピーのいいところだけではなく注意点も解説しながら、期待できる8つの効果や適任な動物の種類も詳しく紹介していきます。
効果や注意点をしっかりと理解することで、前もって危険性も回避することが可能です。大切なパートナーを守ることにも繋がりますので、ぜひ最後まで読んでくださいね。
アイキャッチ画像出典元:https://www.photo-ac.com/main/detail/4293724?title=%E4%BA%8C%E4%BA%BA%E3%81%AE%E5%A5%B3%E6%80%A7%E3%81%8C%E6%8A%B1%E3%81%8F%E4%BA%8C%E5%8C%B9%E3%81%AE%E5%AD%90%E7%8A%AC&searchId=1622319620
アニマルセラピーとは
アニマルセラピーとは、動物と触れ合いながら人の心を癒やし、生活の質を維持または向上を目指した治療法のことをいいます。
動物と触れ合うことで、心が落ち着いたり、ストレスが軽減したと感じたり、不思議と元気が出てきたりした経験が一度はあるのではないでしょうか。
もともと海外で発祥したもので、日本だけではなく世界各国で実施されています。パートナーとして犬や猫、馬、イルカ、ウサギなどの情緒が安定していて賢い動物が多く選ばれているのです。
さらに、アニマルセラピーは2つの種類に分けることができ、以下で詳しく説明します。
- 「動物介在療法(AAT)」
- 「動物介在活動(AAA)」
「動物介在療法(AAT)」
人間の医療現場で、患者の状態に合わせて治療目的を設定して、心や身体、社会的機能の向上を目指す補助療法のことです。
医師や看護師、心理療法士などの医療従事者が主導のもとに動物ボランティアと協力して行われます。
「動物介在活動(AAA)」
生活の質や心の安定を向上される目的として行われます。特別な治療結果は期待せずに、高齢者施設や障害者施設、介護施設などで行われる癒やし目的や教育的な意味で行われていることがほとんどです。
アニマルセラピーは病院や老人ホームでも行っている
近年では精神科や老人ホームなどの施設でも導入されているところもあり、さらに、ペットと一緒に入れる老人ホームも全国に約130施設ほどあります。
日本ではまだまだ取り入れている施設は少ないのですが、そうした施設では資格を持った専門のアニマルセラピストがセラピードッグの教育を受けた専門の犬と一緒に訪問し、実施しているのです。
今の精神科では科学的証拠が実証されていませんが、期待できる効果が多数報告されているため、今後さらに導入されることでしょう。
アニマルセラピーを活用した期待できる8つの効果とは
アニマルセラピーは、動物の接し方や命の重さを教えるとともに、人に何らかの形でいい効果を与えてくれます。
実例として、ペットを飼っている人は飼っていない人より年間約20%も病院へ行く回数が減ったというデータがあり、海外ではペットの影響によって3,000億円もの医療費が削減されたデータもあるのです。
さらに、施設で長期に渡り生活している高齢者や障害者は、アニマルセラピーと触れ合うことで会話や笑顔が増えたという調査結果もあります。
以下、8つの効果も期待されるからこそ、世界各地でもアニマルセラピーが高く評価されている理由かもしれません。
- ストレス解消
- リラックス効果
- 意欲の活性化
- 感情表現が豊かになる
- 運動量の向上
- 病気の回復
- 社会性の改善
- コミュニケーションの促進
アニマルセラピーに期待できるうつ病改善とは
近年、現代病としてうつ病が問題となっていますが、アニマルセラピーはうつ病に対しても役に立つとされています。
例えば、犬や猫と一緒に生活することで、ストレス解消や精神を安定させる効果が期待され、毎日世話をすることで規則正しい生活を送りやすくなるでしょう。
また、睡眠障害や食欲不振などの身体的症状の改善にも繋がったという方が多くいるため、うつ病を抱える人にとってペットを迎えることは、改善に向けての第一歩にも繋がります。
アニマルセラピーの注意点2つとは
アニマルセラピーは、動物と接することで改善を目指すため、注意点も把握しておく必要があります。
全ての人がアニマルセラピーを利用できるとは限らず、動物にとっても大きな負担になるため、以下2つの注意点をしっかりと理解しておきましょう。
- 動物アレルギーや感染症のリスク
- 怪我をする可能性がある
動物アレルギーや感染症のリスク
医療機関や老人ホームなどの高齢者施設では、免疫機能が低下している方が多くいます。
また動物アレルギーも同じで、触れ合うことや同じ空間にいるだけで、身体に何かしらの悪影響を与える可能性や感染症を発症するリスクもあるのです。
怪我をする可能性がある
不特定多数の方と触れ合うことは、動物にとっても大きな負担となり、中には動物に対して隠れて意地悪をする方もいます。動物によっては噛みついたり、引っ掻いたりする場合もあるのです。
犬の場合であれば、セラピードッグとしての訓練を行い、合格した犬のみが活動できるため、そういった怪我の心配はないかもしれません。
しかし、状況に応じて全くないとは断言できないため、しっかりとした判断が必要です。
アニマルセラピーに適した動物とは
アニマルセラピーは性格が社交的な子であり、健康管理がしっかりとできて、しつけもされている子であることが前提になります。
犬、猫、小動物のうさぎやモルモットなどが挙げられ、以下簡単に説明します。
犬…ペットとして一般的でしつけができ、人が好きで友好的な性格が多いため。
猫…大きさでも座っている人の膝の上に乗りやすく、撫でやすいため。
うさぎやモルモットなど…攻撃性が低く、抱っこしやすいため。
アニマルセラピーに適していない動物もいるので注意
個体の性格によっても異なりますが、抱っこができないような活発的な動物のフェレット、しつけができないトカゲやカメなどの爬虫類は、あまり適していません。
小動物であったとしても「かわいいから」という理由で、どんな動物でもなれるわけではないのです。
さらに、爬虫類といったカメやトカゲは、昆虫を食べることから苦手意識が強い方も多いでしょう。向き不向きをしっかりと把握しながら、アニマルセラピーの種類を選ぶ必要があります。
アニマルセラピーを受けるにはどうすれば?
アニマルセラピーを行っている事業団体やボランティアが自治体と連携して、セラピー犬などと触れ合えるイベントを開催しているところがあります。
ほとんどのイベントは、病院や介護施設を訪ねて行われていることが多いです。住んでいる地域の広報誌やインターネット上で掲載している場合もあるため、まずは情報を確認してみましょう。
ただし、近年新型コロナウイルス感染症が動物にも感染することが分かっているため、イベント開催が激減しているので注意してくださいね。
アニマルセラピストという資格がある
アニマルセラピストはアニマルセラピーを通じて、人と人のコミュニケーションを円滑にするために、知識や技術を学べる学校があります。
以下、2校を費用と合わせて紹介していきますので、参考にしてみてくださいね。
アニマルセラピーこころサポート協会|動物介在セラピスト受講生募集
費用 | 検定費用:8,000円、テキスト費用:4,800円、通学講座費用(講師代含む):20,000円 |
---|---|
講座内容 | アニマルセラピー概要、セラピーの効果等、認知症・リハビリ・精神障害・知的障害・発達障害についてや犬の生体管理・健康管理・グルーミング、基本のしつけ・セラピードッグの資質、各現場でのコミュニケーションの取り方 など |
一般社団法人 国際セラピードッグ協会|イベント情報の受講生対象イベント
費用 | 初級訓練会:4,000円、中級訓練会:4,800円、上級訓練会:5,700円 |
---|---|
講座内容 | 愛犬をセラピードッグにしたい、セラピードッグのトレーニングに興味があるまたは愛犬と楽しく基本的なトレーニングをしたい向けに歩行や同足歩行の訓練、ベッドマナーなどを行う。 |
まとめ【アニマルセラピーとは病気の改善に繋がる】
アニマルセラピーとは、動物との触れ合いながら人の心を癒やし、生活の質を維持させたり向上を目指した治療法のことです。
もともとは海外で発祥し、パートナーとして犬や猫、馬やイルカ、ウサギなどの情緒が安定していて賢い動物が多く選ばれています。
さらに、アニマルセラピーは科学的な根拠は実証されていないものの、以下8つもの効果が分かっています。
- ストレス解消
- リラックス効果
- 意欲の活性化
- 感情表現が豊かになる
- 運動量が上がる
- 病気の回復
- 社会性の改善
- コミュニケーションの促進
アニマルセラピーと共に活動するアニマルセラピストという職業もあり、自分のペットをアニマルセラピーにできるでしょう。ただし、大切なペットを守るためにも性格を考えながら、訓練を行うようにしてくださいね。