「退職しようと考えているけど、自己都合だと何かデメリットがあるの?」「自己都合で退職するのは悪いことなの?」と考えたことはありませんか?
未だに「自己都合退職は悪だ!」という声を聞くため、自己都合だと今後の転職活動にも影響が出てしまうそうで不安ですよね。でも、自己都合退職をしても全く問題はありません!
本記事では、自己都合退職が問題ない理由やメリット・デメリットを紹介しながら、会社都合との違いや離職までの流れ、注意点、さらに失業保険に関することまで解説します。
自己都合についての知識を得れば、「何をするべきか」をしっかりと理解でき、さらに安心して退職して転職活動にも専念できるようになります。ぜひ、最後まで読んでくださいね。
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自己都合退職をしても転職先で影響することはない!
退職する人のほとんどが自己都合なので、面接などでそれほど問題視されることはありません。そもそも、自己都合退職とは、労働者本人の意思や事情によって退職することです。
また、会社で大きな問題を起こし会社に被害を与えたり、犯罪を犯したりした場合、会社から辞めさせられる懲戒免職や懲戒解雇も、自己都合扱いになります。
そのため、自己都合であっても、面接では必ず辞めた理由を問われるのです。理由によっては、面接官に採用後の仕事に対しての姿勢やメンタル部分で不安感を抱かせてしまいます。
以下で参考理由を紹介しながら、理由によって面接官にどんな印象を与えるかを、詳しく解説していきます。
自己都合退職の参考理由
自己都合退職の理由は、以下のようなことが考えられます。自分がどの理由に当てはまるか考えてみてください。
ただし、あくまで参考例なので、あまり固執しすぎないようにしましょう。
- 残業をしたくない
- 給与が低かった
- 上司と合わなかった
- やりたい仕事ではなかった
- 社風が合わなかった
- 結婚したから
- 親の介護
- 資格取得のため
- 体調が悪かった
- 新しくやりたいことがあった
退職理由によって与える印象
読んだだけだと、マイナスな印象を与える理由で紹介した内容も、「普通じゃない?」と思うかもしれません。
しかし、自分にとっては普通だと思う理由であっても、面接官に与える印象は全く異なるため、以下で詳しく紹介していきます。
マイナスな退職理由 | 与える印象 |
---|---|
残業をしたくない | メンタルが弱い印象がある。少しの残業でも辞めてしまいそう。 |
給与が低かった | どの程度の給与なら満足するのか、新しい会社でも給与に満足できず再び辞めてしまいそう。 |
上司と合わなかった | 今後も相性が合わない人がいれば、辞めるのか?と思われる。 |
やりたい仕事ではなかった | 一緒に仕事ができなさそう。少しでも重い仕事を任せられない。 |
社風が合わなかった | 会社に勤めるのではなく、起業した方がいいのではないかと思われる。 |
プラスな退職理由 | 与える印象 |
---|---|
結婚したから | 一般的な理由であり、特に追求もされない。ただし、会社によっては妊娠などのプライベートな話を追求される場合もあるので注意。 |
親の介護 | 仕方がないと思われる。今後の介護について問われる可能性があるが、ヘルパーをお願いしたなどといった理由があればOK。 |
体調が悪かったため | 体調が悪かった理由を聞かれるが、今は回復したことを伝えればOK。 |
資格取得のため | 何の資格を取ったかを説明すれば、頑張れる人だと好印象になる。 |
新しくやりたいことができた | やりたいことができて、何を得られたかを説明できれば好印象だが、ただ楽しんだだけなら、マイナス印象になるので注意! |
自己都合退職のメリット・デメリット
自己都合退職のメリットとデメリットを知っておくと、自分が退職した時にどんな不利なことが起こるかを把握することができます。
知っていれば役に立つため、しっかりと頭の中に入れておきましょう。
- メリット:転職活動で警戒されにくい
- デメリット:失業給付金の待機期間が長く、給付金が少ない
自己都合退職のメリット
履歴書に「一身上の都合により」と書くだけでよく、転職活動でもほとんどの方が自己都合退職なため、それほど警戒されないところがメリットです。
もちろん、面接で退職理由は聞かれると思いますが、しっかりとした理由があることを伝えれば全く問題はありません。
自己都合退職のデメリット
失業給付金を受けるまでの期間が長く、会社都合に比べて金額が少なく、給付期間も短いところがデメリットです。
給付金を受けるためには、待機期間7日間と、さらに2ヶ月間待たなければ受けられません。そのため、受け取る前に「早く転職した方がいい」と思い、転職する方が多いです。
自己都合退職の場合、会社で行っておくべき準備
自己都合退職の場合、会社の就業規則に沿って期日までに、自らの退職意思を示さなければいけません。
大体の企業が、退職希望日の1ヶ月前までに伝えることが多いです。口頭で退職意思を伝えてから、退職届などの必要な書類を提出するようにしましょう。
また、必ず引き続き資料の作成も忘れずに行ってください。「辞めるからいいや」ではなく、社会人としてのマナーを守りながら、周囲に迷惑がかからないようにしましょう。
自己都合退職の退職までの流れ
自己都合退職の場合、退職までの流れは以下のような形が一般的です。
「何となく仕事を辞めたい」という気持ちで、上司に相談してしまうと引き止められて、「やっぱりやめた」となってしまう場合もあります。
そのため、しっかりと計画を立てた上で、退職に向けて動き出すといいでしょう。
- 退職までのスケジュール決定
- 上司に退職意思や時期の相談
- 退職届を提出
- 業務の引継ぎ
退職までのスケジュール決定
転職活動にかかる時間は、約2~3ヶ月といわれています。まずは「いつまでに退職するか」を明確に決めておきましょう。
その間に、転職サイトに登録したり、転職エージェントなどで履歴書や経歴書を添削してもらう方法もあります。時間を無駄にしないように動くことが転職への近道です。
上司に退職意思や時期の相談
上司には退職する1ヶ月~2ヶ月前までに退職する意思を伝えてください。
法的には退職の2週間前でも退職可能ですが、就業規則上1ヶ月~2ヶ月前までに申告するように定められている会社が多いです。
早めに相談をして、自分が「なぜ辞めたいか」「いつ退職したいか」をしっかりと伝えれば、相手もむやみに引き止めることはしないでしょう。
退職届を提出
退職の意思を伝えたら、上司に退職届を提出します。会社の就業規則を参考に、決められた形式がある場合は規則に則って作成してください。
指定がない場合は、「退職届 書き方」と検索するとフォーマットがでてきますので、探してみましょう。
業務の引継ぎ
現在自分が引き受けている仕事を、次の人が困らないように引き継ぎを行います。口頭ではなく、できればマニュアルを作っておくといいでしょう。
会社によっては退職しても仕事について電話がかかってきます。そうならないために、マニュアルは用意しておいて損はありません。
失業手当(失業保険)を受給するための流れ
退職したら、ハローワークで早めに「雇用保険の基本手当(失業手当)」を申請してください。
雇用保険の基本手当(失業手当)とは、雇用保険に加入していた人が離職後に生活を心配せず、就職活動ができるよう支給される制度のことです。
ただし、育児や病気などですぐに就職できない場合は、給付を受けられないので注意しましょう。
- 会社から離職票を受け取る
- ハローワークにて離職票と求職票を提出
- ハローワークに通いながら求職活動を行う
- ハローワークで失業の認定日に求職活動の報告を行う
以上のことを行うと、失業手当が給付されます。さらに、定期的にハローワークで求職活動報告を行うことになりますので、しっかりと確認してくださいね。
また、必要な書類は以下の通りです。一式用意して持って行けば、手続きもスムーズに行なえますよ。
- 離職票
- マイナンバーカードまたは通知カード
- 本人確認書類(免許証やマイナンバーカードがあれば不要)
- 証明写真2枚(縦3.0センチ×横2.5センチ)
- 印鑑
- 本人名義の預金通称またはキャッシュカード
会社都合と自己都合退職の違い
退職には自己都合の他に、会社都合があります。会社都合とは会社の倒産やリストラといった会社側が原因で辞めざる負えなかった場合のことです。
会社都合退職と自己都合退職の違いについて、以下分かりやすく簡単に表にして詳しく紹介していきます。
2つの違いを表で理解しておけば、万が一の時に会社側が原因だと判断できるため、しっかり覚えておくといいでしょう。
自己都合退職 | 会社都合退職 | |
退職理由 | 転職や結婚、妊娠、病気や介護、懲戒解雇など | 会社の倒産やリストラ、事業所廃止による解雇、雇用期間の雇い止め、いじめや嫌がらせ、給与の未払いなど |
失業給付金 | 受け取るまで2ヶ月7日かかり、給付期間が短く、金額が少ない場合がある
給付日数:90~150日 |
7日後に受け取れ、給付期間が長く、自己都合退職より金額を多めに貰える
給付日数:90~330日 |
国民健康保険 | 通常納付 | 最長2年間減額 |
履歴書 | 「一身上の都合により退職」と記載し、転職先でもあまり気にされない | 「会社都合により退職」と記載し、自分の意思ではなく転職をしていると思われてしまう場合がある |
自己都合退職でも理由によって特定理由離職者になる
特定理由離職者とは、やむを得ない理由により離職した人のことです。以下の理由に該当した場合、自己都合退職ではなく「特定理由離職者」に認定される場合があります。
認定されれば、失業給付金が3ヶ月を待たずして、すぐに受け取ることができます。やむを得ない理由によって退職した場合には、一度確認ハローワークで確認してみてくださいね。
- 健康や心身の障害で仕事ができなくなった
- 妊娠出産で退職し、受給期間の延長措置を受けた
- 有期雇用契約が更新されなかった
- 会社の人員整理で希望退職した
- 親の介護が必要になった など
ただし、特定理由離職者に認定されるには、ハローワークの担当者があなたの状況や事情をヒヤリングし、さらに退職理由を証明する離職票以外の書類が必要になります。
個人の判断で特定理由離職者になれるわけではなく、様々な状況に応じて決定されるため、必ずしもなれるとは限らないのです。
もし、会社から「自己都合で」と言われたら?
もし、会社から明らかに会社都合での退職扱いのはずなのに、「自己都合にしてほしい」と言われた場合、はっきりと断るようにしてください。
相手は「あなたの経歴のため」などと言って、会社都合を自己都合にしようとするかもしれません。退職届は自分の意思や希望により退職したという証明になります。
仮に、威圧的な態度で退職届を提出してしまったとしても、ハローワークで相談することで、失業手当も早めに貰える可能性もあるので、まずは相談することが大切です。
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もちろん、履歴書や経歴書の添削、面接対策、マナーなどもサポート可能です。すべて無料でできるので、不安なことがある場合には相談してみるといいでしょう。
まとめ【自己都合退職は適切な理由を持って行うこと】
自己都合退職は転職において、全く問題はありません。ただし、相手が納得するような好印象を与える前向きな理由を考えておくことが大切です。
さらに、転職への第一歩として、マイナビやリクルートといった転職サイトだけではなく、転職サポートがある「転職エージェント」を利用しましょう。
不安要素となる転職相談や面接対策、履歴書、職務経歴書などの添削などを、転職のプロに相談すると安心して、希望の会社に転職もできますので、ぜひ活用してくださいね。