「水槽立ち上げ時に白いフワフワしたものがある」「水カビの対処方法がわからない」と悩んでいませんか?
アクアリウム経験者であれば、誰しもが悩んできたことでしょう。
適切な対応をすれば、発生の防止・駆除は可能です。この記事では「水カビが発生する原因」「水カビ発生防止方法」「水カビ駆除方法」などを紹介しています。
水槽立ち上げを失敗しないためにも、ぜひ最後までご覧ください。
アイキャッチ画像出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/24843147
水カビが発生する原因
https://twitter.com/shureneko_zakka/status/1361458975187693568
水カビが発生する原因は、「水槽内の栄養が豊富すぎる」です。水槽内に栄養分となるものがなければカビも繁殖はできません。
水カビの栄養分となるのは、魚の餌・排泄物になります。これら水カビの栄養分が過剰になる原因は以下の通りです。
- 餌の食べ残し
- バクテリア不足により、分解が間に合っていない
- 水槽内の循環が悪い
餌の食べ残し
餌の食べ残しが水槽内に溶け出すことで、水中の栄養分が豊富になります。
2〜3分以内で食べ切れる量をあげましょう。食べ残しは、スポイトなどで取り除いてください。
水槽立ち上げ中でパイロットフィッシュを入れている場合は、特に餌のあげ過ぎに注意しましょう。
食べ残しには、以下の商品のようなスポイトが便利です。1つ持っておいて損はないでしょう。
バクテリア不足により、分解が間に合っていない
カビの栄養分になるものは、バクテリアによって分解されます。バクテリアが十分に繁殖している場合は、水カビは発生しません。
生物ろ過が間に合っていない可能性があるので、ろ材を追加・ろ材の目詰まりのチェックなどを実施しましょう。ろ材本来の機能が発揮できていない場合は、メンテナンスをしてください。
水槽立ち上げ中であれば、バクテリア不足により水カビが発生しやすいので、以下のような栄養が豊富になることは避けましょう。
- 餌の食べ残し
- 水換えをしていない
- 栄養系ソイルを使用している
- 水草のための栄養添加
ろ材でおすすめなのは、エーハイムのサブストラットプロです。ボール状のろ材で、濾過槽の隅々まで入れられます。水質に影響も与えず、広い表面積を有している、高性能なろ材です。
水槽内の循環が悪い
水槽内の循環が悪く、止水域があると、水カビの栄養分(餌の食べ残し・排泄物)が溜まります。
バクテリアによる分解も間に合わず、水カビが発生しやすい状態です。そこから水カビが広がっていく可能性もあるでしょう。
止水域ができないように、水流を調整しましょう。水槽内で止水域になりやすい場所は以下の通りです。
- 水槽の角
- レイアウト素材の周囲
- 吸水口・排出口から遠い場所
ブラックウォーターなどの水質調整剤や水草用の液肥の添加をしている場合は、視覚的に水流をチェックできるでしょう。
【立ち上げ時は要注意】水槽内で水カビが発生しやすい物
水カビ対策では早期発見も大切です。水カビが発生しやすい物は把握しておきましょう。
水槽立ち上げ時は、以下に紹介している物を重点的にチェックしてください。
- 流木
- エアーチューブ・ストーン
- ヒーター
- レイアウト素材(石以外)
とくに新しい物を入れた際には水カビ発生に注意してください。新しい物は水カビが発生しやすいです。カビの胞子がついている場合があるので、新しい物は念入りに洗ってから、水槽内に入れるといいでしょう。
水槽立ち上げ時の水カビ発生防止対策を紹介
水槽立ち上げ時の水カビ防止対策は、「水換えの頻度を増やす」「レイアウト素材・道具をよく洗う」「流木のアク抜き」です。
水槽内に栄養分が溶け出している場合、水換えを怠ると水カビが発生しやすくなります。水換えの頻度を増やして水カビ発生を防止しましょう。
水槽内に入れる道具やレイアウト素材に、カビの胞子がついている可能性があるので、よく洗ってから水槽内に入れましょう。
流木のアクが水カビの栄養分になるので、適切な処理をしてから水槽に入れましょう。詳しくは次の項目にて説明しています。
水槽立ち上げ時に流木を入れる際には要注意!
流木はアク抜きをしてから水槽内に入れましょう。アクが水カビの栄養分になります。すでに水カビが付着している場合は「沸騰処理」がいいでしょう。
流木のアク抜き方法から紹介していきます。アク抜きを行なう前に、流木はこすり洗いをしてください。こすり洗いをしてから、以下の方法を行なうのをおすすめします。
- 水に1ヶ月程度さらす
- アク抜き剤を使用
- 煮沸処理
- 活性炭を使用
すでにカビが付着している場合は、ブラシで水カビをこすり落としてから、鍋などで1時間程度煮ます。その後、水道水(飼育水はダメ)に3日程度さらします。水槽に戻す前に中和剤を入れて、塩素などを抜きましょう。
水槽立ち上げでの水カビ駆除方法
すでに水槽内に水カビが発生している場合は、広がる前に駆除しましょう。水カビを駆除する方法は2通りあります。
「水カビを食べてくれる生体を入れて駆除してもらう方法」「物理的に除去して、発生しにくい状態を作っていく」の2通りです。
水槽立ち上げ時では、生体を入れられる状態ではない場合もあります。水槽の状態に合わせた対応をしてください。詳しくは次の項目で説明していきます。
【駆除方法その①】水カビを食べてくれる生体
https://twitter.com/1cmtansuifugud1/status/1579829071743422464
水カビを食べてくれる生体は「ヤマトヌマエビなどのエビ類」「オトシンクルス」「プレコ」「貝類」などは水カビを食べてくれます。
ヤマトヌマエビの処理能力は高いですが、水草を入れている場合は、水草を食べてしまう場合もあるので、注意が必要です。ミナミヌマエビも水カビを食べてくれます。
オトシンクルスやプレコも水カビを食べてくれますが、水槽立ち上げ途中であれば、入れるのは避けたほうが良いでしょう。
魚をまだ入れる段階になっていない場合は、石巻貝やラムズホーンなどを入れるといいでしょう。ただし、ラムズホーンは繁殖しやすいので注意してください。
【駆除方法その②】物理的な除去・換水
水槽立ち上げすぐで、水ができていない場合は、物理的な除去と換水を行なうしかありません。
物理的な除去方法としては、ピンセットやブラシで水カビを取っていきます。水カビが残っていると、そこからまた増えるので、しっかり取り除きましょう。
水を排出しながらブラシなどで擦り、水カビを水槽外に出していきましょう。水カビを水槽内に拡散してしまったら、逆効果になります。水換えをしながらの水カビ除去がおすすめです。
物理的な除去が完了したら、定期的な換水は必ず行いましょう。水槽内に栄養分が過剰になっていない環境を作るのが大切です。
どうしても水カビが無くなら場合はリセット
ここまでで、紹介してきた方法で水カビの除去は可能ですが、どうしても水カビが無くならない場合は水槽をリセットしましょう。
水槽をリセットする際には、水カビが生えていた物はしっかりと処理をしましょう。煮沸できるものであれば、煮沸するといいでしょう。出来ない場合は、水道水でしっかり洗ってください。
カビの胞子が残っていいれば、再度立ち上げを行っても、同じことの繰り返しになってしまします。
水カビが及ぼす水槽への悪影響
水カビが魚に寄生する(水カビ病)ことは、基本的にありません。ただし、魚に擦り傷などがあり、粘膜が弱くなっている部分に感染する場合はあります。
水カビ病にかかってしまった魚を放置すれば、徐々に衰弱して死んでしまうでしょう。ピンセットやスポイトで付着している水カビを除去したり、メチレンブルーなど魚病薬で薬浴させたりする必要があります。
水カビが繁殖してる場合は、水槽内に栄養分が豊富にある場合なので、苔が増える可能性もあります。鑑賞性も低下しますし、臭くなる可能性もあるでしょう。
水カビができる水槽環境は魚にとっても良くはないので、しっかり改善していく必要があります。
水槽立ち上げで水カビを防止するアイテム
水カビ発生防止に効果的なのは、水槽に入れる物の洗浄と換水です。換水が面倒で、間隔が広くなると水槽内に栄養分が過剰になり、水カビも発生しやすくなります。
換水でおすすめなのがプロホースです。底床材の間にある排泄物なども吸い出せるので、水カビの栄養分を排出できます。
プロホースに、通常のホースを接続して、ベランダの排水溝や屋外に伸ばすと、さらに換水が楽になります。
吸水は、マーフィードの浄水器がおすすめです。水道の蛇口につないで、浄水器を通した水を水槽に入れるだけでなので、吸水も楽に行なえます。
水槽立ち上げ時の水カビ防止・駆除方法を徹底解説:まとめ
水カビが発生する原因は「餌の食べ残し」「バクテリア不足により、分解が間に合っていない」「水槽内の循環が悪い」などが要因になります。
水槽内で水カビが発生しやすいものがあります。水カビが発生しやすい物はチェックしておきましょう。水カビが広がる前に、早期対応が大切です。
水カビが発生してしまっている場合は「生体に駆除してもらう」「物理的な除去・換水」どちからを行いましょう。
水カビ防止の基本は水換えです。マーフィードの浄水器があると水換えが楽になります。持っていない方は、下記リンクから購入しましょう。この記事が水カビの対処方法の参考になれば幸いです。