「エビの飼育をはじめたけどすぐに死んでしまった」「エビ水槽の立ち上げ方法がわからない」と頭を抱えていませんか?
綺麗なエビに惹かれて飼育をはじめたけど、死なせてしまったという人は多いでしょう。実際に私も失敗した経験があります。
この記事では、エビの飼育を失敗しないための「水槽立ち上げ手順」「エビの飼育に必要なもの」などを紹介しています。ぜひ最後までご覧ください。
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魚とエビの水槽立ち上げは何が違う?
魚よりエビ飼育のほうが繊細です。魚・エビも種類により丈夫さは変わりますが、エビはより注意して水槽を立ち上げなければいけません。
魚では試験薬でアンモニアなど、魚にとって害のある成分が無く、バクテリアが繁殖していれば水槽に入れられます。しかし、エビは水槽内の微生物の増殖も待たなければいけません。
微生物がエビの糞や食べ残しを分解したり、一部はエビの餌になったりします。バクテリアと同じくらい微生物の存在も大切です。
エビ飼育は繊細であるため、魚飼育以上に細かな部分に気をつけなければいけません。
水槽立ち上げで特に注意が必要なエビ
多くの種類がいるエビの中でも特に注意が必要なのが「レッドビーシュリンプ」です。赤と白で綺麗で可愛いエビですが、水温や水質にデリケートで飼育難易度は高くなります。
よくホームセンターなどで売られている「ミナミヌマエビ」「ヤマトヌマエビ」は比較的飼育難易度は低いため、レッドビーシュリンプよりは気を使わないで済みます。
エビの種類によっては、飼育難易度が上がる種類がいるので、飼育前に事前準備はしっかりしておいた方がいいでしょう。
エビ水槽立ち上げに必要なもの
エビ水槽立ち上げで必要なものを紹介していきます。一緒におすすめ商品も紹介します。
- 水槽
- 照明
- ソイル
- ろ過装置
- ヒーター
- エアポンプ
- バクテリア剤
- 微生物の粉
- ミネラル添加剤
- 試薬
- 浄水器
水槽
省スペースで水量も確保できる「30cmキューブ水槽」をおすすめします。
照明
エビ水槽に入れる水草は陰性水草が基本なので、強い光度の照明はいりません。明る過ぎると逆にエビが隠れてしまいます。
ソイル
吸着系または栄養系ソイルを使用します。栄養系だと立ち上げまで時間がかかりますが、エビの飼育繁殖に適したソイルです。
吸着系ソイルは水槽の立ち上げ期間は短くなります。ソイルの吸着限界がくると、有害物質が水槽に放出される現象が起こる場合があります。そのため栄養系ソイルをおすすめします。
ろ過装置
スポンジフィルター・底面ろ過フィルターがおすすめです。底面ろ過フィルターを使用する際にはある程度のソイルを敷く必要があります。
ヒーター
水温を維持するために必須です。これがなければ冬を越すことができません。
エアーポンプ
スポンジフィルター・底面濾過フィルターを使用するため必須になります。エアーポンプは静音性の高いものがおすすめです。忘れずにチューブも買っておきましょう。
バクテリア剤
バクテリアは空気中にも漂っていますが「立ち上げ期間を短くする」「立ち上げの失敗確率を減らす」ためにも使用をおすすめします。すでに飼育している水槽があれば、その水槽の水を用いる方法もあります。
微生物の粉
微生物が豊富な水槽は稚エビの生存率や親エビの活性度にも変化が出てきます。
ミネラル添加剤
エビの殻はミネラルやマグネシウムからできています。不足していると、脱皮不全などを起こすでしょう。水質チェックをしながら決められた分量を添加してください。
浄水器
飼育水はカルキを除去する必要があります。カルキ抜き剤を使用すると不純物が混ざるのでおすすめしません。少し値段は高いですが、水換えの手間も減るのでおすすめです。
エビ水槽のおすすめろ過方式
エビ水槽ではスポンジフィルター・底面フィルターをおすすめします。外部式や上部式はおすすめできません。
外部式や上部式フィルターでは稚エビが吸い込まれしまう場合が多くあります。そのため、吸い込まれる心配のないスポンジフィルターや底面フィルターがいいでしょう。
もし外部式や上部式を使用される場合は、給水口に目の細かいスポンジをつけるなどして、吸い込まれない対策をしてください。
エビ水槽のおすすめソイル3選
エビ水槽で使用するソイルでおすすめは「アマゾニアソイル」です。しかし、ADA特約店でしか購入ができないため、入手が難しいです。そのため、ネットで買えるおすすめソイルを紹介していきます。
ソイルは吸着系と栄養系がありますが、栄養系ソイルの方がエビ飼育には適しているので、栄養系ソイルのおすすめを紹介します。
吸着系ソイルでおすすめなのは「水草一番サンド」「海老ぶる(ブルカンパニー)」「リベラソイル」です。
エビ水槽の立ち上げ方
エビ水槽の立ち上げ方法を紹介していきます。エビ水槽では水を回す期間が大切です。焦らずに行きましょう。
- 水槽にソイルを敷く
- 飼育水を入れる
- スポンジフィルターを入れる(底面ろ過フィルターの場合はソイルを敷く前に設置)
- 水だけでろ過器を回す
- 水草を入れる
- エビを入れる
水槽にソイルを敷く
底面ろ過フィルターを使用する人はソイルを敷く前に設置しておいてください。ソイルを敷いてからではめんどくさいです。
ソイルの種類・敷く厚さで水を回す期間が変わってきます。後ほど詳細は説明します。
飼育水を入れる
カルキ抜き剤ではなく、浄水器でカルキを抜いた水を水槽内に入れます。
スポンジフィルターを設置
スポンジフィルターを水槽内に設置し、エアーポンプとも接続しておきます。
水だけでろ過器を回す
エビは入れずに水だけの状態でろ過器を回します。期間としては1ヶ月以上です。長いですが、しっかりやらないとエビが死んでしまいます。
栄養系ソイルで薄く敷いた場合は1〜2ヶ月、厚い場合は2〜3ヶ月を目安にしてください。吸着系では厚さに関係無く、1ヶ月以上は水だけの状態でろ過器を回してください。
水草を入れる
水草をいれて、綺麗な緑色を維持できていたり、新芽が出てきたりしているのを確認してください。浮き草の場合は、根が綺麗な状態になっているかを確認しましょう。
エビを入れる
確実に立ち上がっているかを確認するため、テストシュリンプを数匹水槽に入れてみましょう。
ヤマトヌマエビやミナミヌマエビは比較的丈夫なので、ある程度環境が整っていなくても死ぬことは少ないでしょう。
5匹〜10匹程度のレッドビーシュリンプを入れても問題はありませんが、立ち上がりが完全でない場合は死んでしまう可能性もあります。
水槽立ち上げが成功したあとのエビの水合わせ方法
エビの水合わせ方法は「点滴法」をおすすめします。やり方は難しくないので、ぜひ試してみてください。
- 水温を合わせる
- エアーチューブを設置する
- エアチューブの先(水槽外)を吸う
- 1秒に5滴程度のペースで水が落ちるように調整
- 1時間程度かけて水合わせをおこなう
水温を合わせる
ショップで買ってきた袋ごと水槽の中に入れて水温を合わせる。30分程度で水温は合います。
エアーチューブを設置する
水槽の中にエアーチューブの先端が入っている状態にします。キスゴムがある人はキスゴムを使用しましょう。ない人は洗濯バサミなどでズレ落ちないようにしてください。
もう片方の先端はエビを水合わせする容器に、水が落ちるようにしましょう。温度合わせが終わったらエビを水ごと容器にいれます。
エアーチューブの先(水槽外)を吸う
エアーチューブの先端を吸うと、水槽の水がチューブの中を通って落ちてきます。勢いよく吸うと、水槽の水を飲んでしまうので、気をつけてください。
「一瞬吸ったら離す」くらいの感じで大丈夫です。水が出ていたら、チューブをしばりましょう。
エアーコックがある人は、エアーコックをチューブの間に入れておくと便利ですね。
1秒に5滴程度のペースで水が落ちるように調整
チューブのしばった場所を少しほどいて、1秒間に5滴程度落ちるように調整をしましょう。エアーコックがある人は、エアーコックを少し開いて調整してください。
1時間程度かけて水合わせをおこなう
水合わせは1時間程度かけゆっくいりおこなっていきましょう。エビが落ち着いていない場合は、落とす水の量を少なくしてください。
冬場など水温が下がる場合はヒーターを入れて、水温変化が少なくなるようにしましょう。
容器に水が溜まったら、1/3程度水を捨てます。エアレーションもして酸欠にならないようにしてください。
エビ水槽におすすめの水草3選
エビ水槽におすすめの水草を紹介していきます。陰性水草が基本になります。おすすめ水草以外にも自分好みの水草を入れて楽しむのもいいでしょう。
エビ水槽におすすめの水草は「ウィローモス」「アマゾンフロッグビット」「ミクロソリウム」です。
ウィローモス
エビといえばウィローモスと思う人が多い代表的な水草です。成長が早いため、エビの餌にもなり、隠れ家にもなります。
ライトやCO2添加がなくても育つので、非常に育てやすい水草です。
アマゾンフロッグビット
浮き草の一種です。水槽内の硝酸塩を吸収してくれたり、根がバクテリアの定着場所になるなどメリットが大きい水草です。葉や根の状態で水質を確認できます。
ミクロソリウム
スラッとした細長い葉の水草です。CO2添加や肥料がなくても育てることができる、丈夫な水草です。ソイルに植えないでも、流木などに活着させることもできます。
エビ水槽は水質が命!水質維持のために必要なもの
エビ水槽では水質が命です。魚飼育でも同様ですが、それ以上にエビは繊細なので、水質を気をつけなければいけません。
少し気を抜いただけで、全滅ということもあります。そのため、水質維持に必要なものを紹介します。
水質維持に必要なものはろ過器・水質検査キットこの2つは必ず必要です。ろ過器はスポンジフィルターと底面ろ過器の併用をおすすめします。どちらかが機能しなくなったときの保険になります。
水質検査キットを使用して定期的にチェックしておきましょう。水槽に合った水換えタイミングを知っておくといいでしょう。
失敗しない!正しいエビ水槽の立ち上げ方法を紹介 まとめ
エビは繊細な生き物です。水槽の立ち上げには短くても1ヶ月はかかります。バクテリアだけではなく、微生物の増殖もおこないましょう。
ソイルは栄養系のソイルがおすすめです。吸着系では吸着限界にくると有害物質を放出する場合があります。エビに大ダメージを与えてしまうでしょう。
ろ過器はスポンジフィルターと底面ろ過フィルターをおすすめします。併用することで、そちらかが機能しなくなったときの保険になります。
必要なものをしっかりと準備して、正しい水槽立ち上げを行いましょう。以下に商品のまとめを載せますので、足りないものがあれば準備をしてください。この記事がエビ水槽の立ち上げの参考になれば幸いです。
エビ水槽必需品まとめ