「保育士が退職するために、どんな手続きが必要か知りたい」「退職手続きに不備が見つかって、辞められないではないかと不安」などの悩みを抱えていませんか?
保育士の現場はアットホームと言われているように、一部の職員同士の仲が良く、辞められる雰囲気ではないと感じてしまい、本当に辞められるのか不安ですよね。
そもそも、今の職場を退職することは問題ありません。しかし、ほとんどの先生が重要な書類の提出できなかったり、不備が多かったりして、退職までに手続きが間に合わない方が多いのも事実です。
本記事では保育園で約2年間事務をつとめながら、さまざまな退職トラブルの処理をしていた筆者が、退職するまでの流れや必要書類・手続きについて、詳しく紹介します。
- 退職の意思を決める
- 退職を園長または主任に申し出る
- 退職日の決定
- 引継ぎ作業
- 給与・手当の受け取り確認
- 退職(退職証明書の発行)
今回紹介する内容は円満退職だけではなく、スムーズな転職活動や新しい上司とのより良い関係作りにも繋がりますので、ぜひ最後までお読みください!
(アイキャッチ画像出典元:https://www.photo-ac.com/main/detail/4211942?title=%E3%83%96%E3%83%AD%E3%83%83%E3%82%AF%E3%81%A7%E9%81%8A%E3%81%B6%E7%94%B7%E3%81%AE%E5%AD%90)
【保育士が退職するまでの手続き1】退職の意思を決める
まずは、本当に退職するべきかを考えましょう。どんな理由で辞めたいと思ったのかを、事前に整理しておくと、「あのとき辞めなければよかった」と後悔せずにすみます。
退職理由を明確にしておけば、園長や主任にどう伝えれば良いかがわかるので、ぜひ以下の退職理由例を参考にしてくださいね。
- 職場での人間関係
- 仕事へのモチベーションやストレス
- キャリアアップを目指したい
上記の理由はあくまで参考なので、自分の理由を明確にしておくと、本当に辞めるべきなのか、それとも辞めずに残るべきなのかが見えてきます。
仕事は楽しいけど、人間関係が苦痛で辞めたいと考えているのなら、改善方法がないのかを考えてみましょう。
しかし、人間関係が原因であるなら仕事を休んでみたり、主任や先輩に相談したりすることをオススメします。とはいえ、保育士として成長したいなら、転職するのも良いですよ。
【保育士が退職するまでの手続き2】園長または主任に申し出る
考えがまとまり保育園を辞める選択をしたら、主任または園長に最低1〜2か月前(就業規則による)までに退職を申し出ます。
しかし、保育士は3月末退職が基本であるため、12月頃に来年度に向けて話し合いの場を設けているところがほとんどです。
保育の現場は人手不足であるため、必ずといって良いほどに引き止められます。気持ちが揺らがないように、「なぜ辞めたいのか」を明確にしておきましょう。
また、園によっては口頭だけでなく、上記画像のような退職届を提出する場合もあります。退職届は、検索エンジンで「退職届 テンプレート」で検索すると出てきますので、参考にしてくださいね。
【保育士が退職するまでの手続き3】退職日の決定
次に退職日を園長と相談して決定します。保育園の退職は、3月31日が基本です。
年度の途中退職は、担任や副担任が突然抜けることになります。園への迷惑だけではなく、園児たちにも大きな負担になるため、極力避けた方が良いでしょう。
3月31日は保育園にとって、園児たちの進級や卒園などの切り替え時期であるため、スムーズに退職できます。
とはいえ、法律上はいつ辞めても問題はありません。しかし、幼い子どもたちの気持ちを考慮することも、保育士として大切なことなので、自分でもう一度考えてみてくださいね。
【保育士が退職するまでの手続き4】引継ぎ作業
保育園に限らず、どの職場でも退職前に引継ぎ作業を行います。保育園では、主に以下のようなことをまとめておくと良いでしょう。
- 受け持っている園児の情報(性格や食事、アレルギー、トイレトレーニング状況など)
- 日報(日々の保育園での記録)
- 親御さんの対応方法
他にも保育の方針や行事なども、場合によっては共有する必要があります。しかし、一番重要なのは上記の内容なので、覚えておくと円満退職にも繋がります。
「もう辞めるから…」と適当に済ませてしまうことは、大好きな子どもたちを危険にさらしてしまう可能性がありますので、引継ぎはしっかり行ってくださいね。
【保育士が退職するまでの手続き5】給与・手当の受け取り確認
可能であれば、給与や手当を最後に受け取れるのか受け取れないのかを、確認しておきましょう。
忘れてしまいがちなのが、残業代や休日出勤手当、有給休暇といった未払いの給与です。もらえるものは、必ずもらっておきましょう!
近年では、残業代や有給消化について騒がれるようになり、有給が残っている場合には買い取ってくれる園もあります。そのため、必ず辞める前に確認しておくと良いですよ。
【保育士が退職するまでの手続き6】退職(退職証明書の発行)
いよいよ退職日になったら、退職証明書を発行してもらいます。退職証明書には、退職日や勤務期間、業務内容などが記載されます。
今後の転職や確定申告などの手続きで必要になるため、大切に保管しておきましょう。また、離職票の他にも、以下の書類が渡されます。
- 雇用保険被保険者証
- 年金手帳
- 源泉徴収票
- 健康保険被保険者資格喪失証明書
- 離職票
さらに、退職日当日は以下のものを返却します。忘れてしまうと後日返しに行かなければいけないので、気をつけてくださいね。
上記以外にも園から支給されているものは、しっかりと返却するのがマナーです。
最終日でもあるので、園長に限らず主任や保護者への挨拶も行い、最後まで社会人として取り組んでくださいね。
保育士が退職後に行う手続き一覧
退職後は、再就職先が決まっていない場合には、以下の手続きを行いましょう。わかりやすく、一覧表で確認できるようにしましたので、参考にしてくださいね。
雇用保険 | ハローワークで雇用保険給付申請の手続きを行います。
条件を満たせば、給付金を受け取れますので、まずは最寄りのハローワークに問い合わせましょう。 |
健康保険 | 保育園の健康保険証は退職日まで使用できますが、それ以降は使用できません。
使っている健康保険の任意継続をするか、国民健康保険への手続きが必要になりますので、最寄りの役所で手続きしましょう。 |
年金 | 勤務していれば、給与から天引きという形で支払われていましたが、退職したら自分で国民年金への手続きを行い、支払わなければいけません。
そのため、最寄りの役所で忘れずに手続きしてくださいね。 |
退職した日から日にちを開けずに新しい職場に勤務する場合は、上記の手続きは必要ありません。
たとえば、3月31日に退職し、4月1日から新しい勤務先に入社した場合は、上記の手続きは不要になります。
しかし、3月31日に退職して、新しいところの入社日が5月1日なら、税金や保険の支払い問題が生じてしまうため、上記の手続きを行ってくださいね。
転職先も保育士をしたい方へ【オススメ転職サイト2社】
保育士として再就職したい方は、以下2つの転職サイトがオススメです。
- 保育のお仕事
- マイナビ保育士
上記のサイトは、保育士の求人のみしか掲載されていません!余計な情報がなく、働きたい地域や希望条件を選択して、希望に沿った求人を探せます。
せっかく持っている国家資格なので、もしまだ子どもたちと関わりたいと思っているなら、ぜひもう一度チャレンジしてみてくださいね。
リクルートグループが運営する『保育のお仕事』
大手リクルートグループが運営している保育士の転職サイトです。
全国の求人情報が掲載されており、希望条件に合わせて検索でき、とりあえず登録しておけば、最新の求人情報が登録したメールアドレスに届くサービスもあります。
探さずにオススメ求人を見られますので、今現在お仕事をしていて、時間がない方にも非常に探しやすいサービスです。
マイナビが運営する『マイナビ保育士』
マイナビが運営する保育士の求人サイトで、全国の保育園、幼稚園、認可保育所、認可外保育施設などの求人情報が見られます。
転職支援サービスもあり、キャリアアドバイザーによるカウンセリングや、転職成功のためのアドバイスなどが受けられるので、初めての転職でもスムーズに進められます。
すべて無料で対応してくれますので、今後の転職方法で不安があるなら受けてみると良いですよ。
保育士が再就職・転職時に必要書類の種類一覧
保育士として再就職先が決まったら、以下の書類を新しい保育園に提出しなければいけません。
漏れがあると、忙しい新学期に慌てて用意しなければいけなくなり、保育園側にも迷惑がかかってしまうため、しっかりと用意しておきましょう。
- 保育士免許
- 雇用保険被保険者証
- 扶養控除等申告書
- 健康保険被扶養者異動届
- 給与振込届出書
- 前の会社から返却後に転職先に提出する書類
- その他保育園によって求められる書類一式
保育園によっては、上記以外の書類も必要となることもあります。先方に聞いても失礼にはならないので、1人で悩まず聞いてみるのも良いでしょう。
先生が事前に書類を用意しておくだけで「この方はしっかりしている」と思われ、今後の仕事面での印象も良くなるので、ぜひやってみてくださいね。
まとめ【保育士の円満退職は書類の手続きが重要】
保育士として退職するのは、一般企業とはちょっと異なるイメージがありますが、基本は一緒です。
- 退職の意思を決める
- 退職を園長または主任に申し出る
- 退職日の決定
- 引継ぎ作業
- 給与・手当の受け取り確認
- 退職(退職証明書の発行)
上記の流れを予め把握しておけば、退職時の手続きがスムーズに進み、余裕を持って転職活動ができるようになります。
保育士の資格は、苦労して取得した資格であり、一生ものの資格です。ぜひ資格を活かす活かさないにしても、後悔のない転職をしてくださいね。