労働環境が良くないなどの理由で仕事を辞めたいと思っても、何をどうすればいいかが分からなければ、なかなか仕事を辞める決心がつかないですよね。
この記事では、仕事を辞めたいという理由の中でも、退職をおすすめできる理由と退職をおすすめできない理由の事例をまとめました。
また、退職する場合にスムーズに行動できるよう、退職の流れや円満退職するためにするべきことについても説明しています。
この記事を読めば、仕事を辞めることに対する不安がきっと解消されるので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
(アイキャッチ画像出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/23785299)
仕事を辞めたいと思ったらまず行うべきこと
仕事を辞めたいと考えるときは、何かしらネガティブなことで頭がいっぱいになってしまい、なかなか冷静には判断できません。
ですので、先走って退職せずに、まずは仕事を辞めたい理由を具体的に書き出し、それが自分だけで解決できるのかとそうでないのかの基準で分けることから始めてみてください。
分けてみた結果、人間関係や労働時間の悩み等、自分だけで解決できないことが主な仕事を辞めたい理由となることもあるでしょう。
その場合は、まずは会社の上司等の周囲に相談してみて、それでも解決できないと判断できたなら、転職を考えることをおすすめしますよ。
退職をおすすめする仕事を辞めたい理由4点
「職場環境が悪い」「給料が少ない」等、仕事を辞めたいと考える理由はたくさんあると思いますが、退職をおすすめできる理由とおすすめできない理由が存在します。
以下にて退職をおすすめする状況を4点にまとめましたので、当てはまる場合はぜひ退職を検討してみてくださいね。
- 人間関係の悩みがある
- 長時間労働
- 会社の社風が合わない・経営が不安定
- 1年働いたが、仕事内容が自分に合っていない
人間関係の悩みがある
例えば、集団で無視されたり、必要以上の叱責を受けたり、身体的な暴行を受けたりといった、いじめ行為は心身に多大なストレスを与えます。
また、あからさまないじめではなくとも、新人が上司や先輩に相談しにくい等、孤立させてしまう雰囲気を醸し出す職場もこういった悩みを引き起こします。
こういった悩みが部署移動等をしても改善しない場合は、自身の心身の健康を守るためにも、退職を検討することが賢明ですよ。
長時間労働
仕事量に比べて社員数が少ないことが常態化する等の影響で、社員の長時間労働がなければ成り立たない会社もあると思います。
せっかくやる気があってもオーバーワークで体を壊してしまっては、仕事の効率が下がることにもつながり、退職することも頭によぎるのではないでしょうか。
長時間労働の場合は、まずは会社の上司に仕事量を減らせないか相談しましょう。その上で改善されない状況が続くのならば、退職を検討してみてくださいね。
会社の社風が合わない・経営が不安定
例えば、男女差別が常態化した社風だったり、新しい挑戦を認めない社風だったりで、会社の社風が自分と合わないと感じる人もいるでしょう。
また、会社の経営が不安定の場合は、給料や残業代が支払われなくなる等して、最悪の場合リストラや倒産に陥ることも起こりえます。
仕事に対するモチベーションを維持したり、自分の生活を守ったりするためにも、「会社の決定だから従うしかない」と諦めず、退職することを考えましょう。
1年働いたが、仕事内容が自分に合っていない
1年間同じ職場で働けば、会社の方針や仕事内容も把握できるようになり、この会社が自分に合っているかどうか等が判断できるようになるでしょう。
上司に相談したり、部署移動をしたり等をしても、現在の仕事のやりがいや、自身の将来像が見えてこない場合は、転職することで早めにケジメをつける決断力も必要となりますよ。
退職をおすすめしない仕事を辞めたい理由4点
前述にて退職をおすすめする状況について説明しましたが、反対に退職をおすすめできない状況もあります。
以下にて退職をおすすめしない状況を4点にまとめましたので、退職をして後悔しないためにもよく考えてみてくださいね。
- 寿退職
- 家族の介護
- 給料が安い
- 働きたくない
寿退職
結婚生活や子育てに負担が掛かるため、仕事との両立は不可能と考えて、結婚を機に退職を考えるという人もいますよね。
しかし、仕事を辞めると職歴が途絶えるため離職期間ができてしまい、また子育てをする場合は仕事に費やせる時間も限られてくる場合もあります。
そのため、生活が落ち着いた後に正社員として再就職しようと思っても、離職期間の長さやフルタイム労働の難しさを理由に再就職が難しくなることがありますよ。
ですので、寿退職をする場合は、再就職をしたい業界の情報を収集したり、必要な資格を取得したりすることで、再就職がしやすくなる行動をするように心がけましょう。
家族の介護
家族の介護が必要となり、仕事の両立が難しくなって仕事を辞める人もいます。
しかし、収入がないなか介護の負担が増える状況となるので、ストレスが溜まり体を壊す可能性も高まりますよ。
介護が必要な労働者のための法律として、厚生労働省では育児・介護休業法が制定されており、通算で93日間の休業を最大3回に分けて取得することが可能となります。
ですので、退職する前にまずは上司と相談して、無理なく仕事ができないか模索してみてくださいね。
給料が安い
仕事は給料のみでなく、仕事内容や人間関係等も含めて総合的に判断してやりがいを感じるものです。
そのため、「給料が安い」という理由だけで退職を検討している場合は考え直した方がいいでしょう。
また、転職前の会社よりも給料が高い求人は少ないため、転職先が決まる前に退職すると、収入が途絶えたからと妥協してしまい、結果として給料が下がる可能性も高まりますよ。
ですので、そういった点も踏まえても転職したい場合は、退職の前に時間をかけて転職活動をして、希望を満たす転職先が決まった後で退職することをおすすめします。
働きたくない
特に大きな理由もなく、「仕事がつまらないから」や「ただ働きたくないから」といった理由で会社を辞めてしまうことはおすすめできません。
退職理由が特にない場合は、会社を辞めていざ転職をしようとした際に、「前の会社よりも条件が良い求人が少ない。辞めなければよかった」と後悔することが多いですよ。
退職をする場合は、明確な退職理由を考えたり、自己分析をしたうえで「どういった仕事に就きたいか」等の退職後のプランを考えたりと、退職前に具体的に行動しておきましょう。
退職するまでの流れ
仕事を辞めたい理由を吟味の上、会社を退職すると決めた場合は退職の手続きを進めましょう。
以下にて退職するまでの流れを解説していますので、参考になれば幸いです。
- 転職までのスケジュールを作成する
- 退職意思を伝える
- 退職願を提出する
- 業務の引継ぎを行う
退職の流れ:①転職までのスケジュールを作成する
一般的に、転職活動には約3ヶ月、退職までには1ヶ月から2ヶ月ほどの期間がかかるといわれています。
そのため、いつ頃に退職するかを決めたうえで、今後どう行動するかある程度考え、あらかじめスケジュールを組んでおきましょう。
また、仕事を続けながら就職活動をする場合は、職場の状況として退職して問題なさそうか、繁忙期がいつになるか等も考慮しながらスケジュールを組むことをおすすめします。
そうすることで、現在の職場に迷惑をかける等のトラブルが発生することを避けやすくなりますよ。
退職の流れ:②退職意思を伝える
スケジュールが組めたら、直属の上司に退職の意思を伝えます。一般的には退職日の1ヶ月から2ヵ月前に申告するよう就業規則で定めている会社が多いですよ。
また、退職の意思を早めに申告すれば、会社側もスムーズに退職に伴う人員確保などに時間や労力をかけることができるため、円満退職に繋がりやすいです。
退職の流れ:③退職願を提出する
直属の上司と相談の上で退職日を決め、その後「退職願」を提出しましょう。
退職願の形式は会社の就業規則に定められている場合があるので、会社に確認したうえで作成しましょう。
特に指定がない場合は、インターネットやマナー本に一般的な退職願の書き方の情報が載っているので、そちらを参照したうえで作成してみてくださいね。
退職の流れ:④業務の引継ぎを行う
退職願が正式に受理されたら、すぐに業務の引継ぎを行いましょう。会社側や業務の後任者が今後に問題なく対応できるよう、丁寧に引き継いでくださいね。
また、スムーズに引き継ぐためにも、業務のマニュアルを作成しておくといいでしょう。
電話応対等の実際に対応することが必要な業務は、後任者にも対応させることで流れを覚えてもらうよう心掛けましょうね。
転職活動は仕事をしながらするか、仕事を辞めてからするか
転職活動には、仕事をしながら就職活動を行う場合と、仕事を辞めてから就職活動を行う場合との2つの方法があります。
両者のメリット・デメリットについては下記の表にまとめましたので、よく考えたうえで、自身に合った転職活動を行いましょう。
また、転職活動に不安がある場合は、マイナビエージェントやdoda等といった転職エージェントの利用をおすすめしますよ。
メリット | デメリット | |
仕事をしながらの転職活動 |
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仕事を辞めてからの転職活動 |
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仕事を辞めたい場合、スキルアップは必要?
転職したい場合は、スキルアップに伴いアピール材料を増やすことが転職を成功させる鍵となります。
例えば、営業成績が上位となるよう努めたり、希望する職種と関連する部署に移動したりと、実績を作ることで実務にてどれくらい貢献できるかを宣伝できるようにしましょう。
また、どういった資格を取得しているかについてもスキルの目安となるので、希望職種に役立つ資格があれば積極的に取得できるよう挑戦することをおすすめしますよ。
円満退職するためにやるべきこと5点
退職するにあたっては、現在の職場に残る同僚にも少なからず影響を与えます。
そのため、円満退職するためには、自分自身にも同僚にもなるべく負担がかからないようにする必要がありますよ。
以下にて、円満退職するために必要なこと5点をまとめましたので、退職する際は注意してみましょう。
- 繁忙期に退職しない
- 直接退職の挨拶をする
- マニュアルをまとめる
- 社内手続きや公的手続きについて調べる
- 退職理由は前向きな内容を話す
繁忙期に退職しない
繁忙期に退職を伝えたり退職日を繁忙期内で設定したりすると、残る上司や同僚に迷惑をかけ、印象も悪くなります。なるべく周りに負担が掛かりにくい時期を選びましょう。
また、繁忙期に退職する旨を伝えた場合は、「忙しいから」という理由で取り合ってもらえない可能性があります。閑散期になるまで待ってから退職の意思を伝えましょうね。
直接退職の挨拶をする
直属の上司に報告し退職願を提出した後は、同じ部署の先輩や同僚等にも自ら報告しましょう。
退職により今後の仕事に影響が及ぶ人もいます。感謝の気持ちが伝わるよう、直接顔を合わせて丁寧に対応することを心掛けましょうね。
マニュアルをまとめる
前述しましたが、後任者へ業務の引継ぎをスムーズに行うために、マニュアルを作成しておきましょう。
マニュアルで伝えきれないところは、直接作業をしてもらったり詳しく説明したりして、後任者が業務を行う段階になってもスムーズに作業できるように気を付けましょうね。
社内手続きや公的手続きについて調べる
現在の職場に迷惑が掛からないよう、必要な手続きを決まった期日までに済ませることができるように、何が必要か早めに調べておきましょう。
社内手続きでの確認事項は、例えば貸与品の返却期限や返却場所、提出する必要のある書類等が挙げられます。
社内手続きについては会社の人事担当者に問い合わせれば確認することができるので、退職する前に確認しておきましょうね。
また、転職先が決まっていない場合は、健康保険や税金関係の手続きは自身で行います。手続きに必要な書類等は自治体のホームページに記載されているので、調べておきましょう。
退職理由は前向きな内容を話す
たとえ退職理由が現在の職場への不満であっても、それを正直に伝えることは止めましょう。
相手に不快感を与えるだけでなく、場合によっては改善策を提案され会社に残るよう言われる可能性もありますよ。
「ライフプランに合った仕事をしたい」や「前々から興味のあった他業種へ転職したい」等といった前向きな退職理由を話しておくことで、トラブルを避けましょう。
会社が人手不足で仕事を辞めたいと言いづらい場合は?
人手不足の会社に勤めている場合、「自分が会社を辞めてしまうと他の社員の負担が増えるのではないか」と思い、退職意思を会社に伝えづらいという人もいるでしょう。
しかし、会社が人手不足であることについては社員に責任はありません。業務の引継ぎさえきちんと行えるのならば、退職しても問題ないという心持ちでいましょう。
また、どうしても退職意思を伝えづらい場合は、先に転職先を決めるのも一つの手段です。
次の職場と入社日が決まっていれば、「それなら仕方ない」と退職に了承してもらえる可能性も高まりますよ。
転職に伴う家族との話し合いについて
転職に伴い給料や勤務時間が変わることがあれば、家族から退職を反対されることもあるでしょう。家族から反対されている場合は、強引に退職することは止めておきましょう。
退職すれば縁の切れる会社と違い、家族とは一生涯の付き合いとなります。
そのため、家族との信頼関係を崩さない為にも、「仕事を辞めたい理由」や「現在の状況」等を説明し、理解と納得をしてもらうことが重要となりますよ。
また、理解を得ることが難しいという場合は、「給料が上がる」「残業が減り、家事・育児の分担を増やせる」等の「家族のメリット」を説得材料にするのも一つの方法です。
仕事を辞めたいと思ってから転職するまでの流れまとめ
仕事を辞めたいと思った場合、まずは辞めたい明確な理由を把握し、その理由が会社を退職しなければ解消できないものなのであれば、転職を検討するようにしましょう。
転職を決断した場合は、いつ頃までに退職するか等といったある程度のスケジュールを決めておき、上司へ退職意思を伝え、業務の引継ぎ等もスムーズに行ってくださいね。
転職するにあたり、金銭面に不安がある場合は仕事を続けたまま就職活動を、面接や入社日の日程調整をスムーズに行いたい場合は退職後に就職活動を行うとよいでしょう。
また、会社を退職するにあたっては、繁忙期を避けたり、自身の業務のマニュアルを作成したりするなど、丁寧な対応をすることで円満な退職ができるよう心掛けてくださいね。