触れ合い動物園や乗馬体験などで人気のポニー。おとなしい性格と容姿のかわいさから馬好きの間ではペットとしても愛されています。
ポニーの飼育は簡単にできるものなのか、気になりますよね。「はたして自分に飼えるのか」「どんなお世話が必要なの?」と、あなたの頭も疑問でいっぱいになっていませんか?
ポニーの飼育はけっして楽なものではありません。ですが、どんな動物でもペットとして飼う以上、多かれ少なかれ大変な部分はあるものですよね。
この記事ではポニーの生態や種類と、ペットとして飼うために必要な情報をまとめています。詳しく知ることで、ポニーを迎えるための準備ができますよ!ぜひ最後まで読んでくださいね。
(アイキャッチ画像出典:https://www.pexels.com/ja-jp/photo/5036596/)
ポニーをペットとして迎える前に生態を知っておこう
ポニーとは馬の分類のひとつで、体高が147cm以下の馬の総称です。「ポニー」という種類の馬がいるわけではありません。(※馬の体高は首と背中の境「き甲」の高さ)
- サラブレッドなどは軽種
- クォーターホースなどは中間種
- シェトランドポニーはポニー
- ばん馬などは重種
ポニーはその小さな体に似合わず力が強く、泥炭の運搬や農耕馬として飼育されていた歴史があります。現在では品種改良によって、より小さなポニーも誕生し、愛玩用や乗馬として親しまれています。
牧草や穀類を食べますが、牧草に含まれないミネラルを補給するため塩を摂取する必要があります。寿命は20〜30年と長いので、最期まで面倒をみる覚悟が大切になりますね。
ペットとして飼えるポニーの種類
一口に「ポニー」といってもその種類はさまざま。下にまとめた4種類のポニーは日本で見ることができ、飼育できるポニーです。
どれも可愛いポニーですが、種類ごとに違った魅力があります。それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう!
- シェトランドポニー
- ファラベラ
- ハフリンガー
- 日本在来馬
シェトランドポニー
シェトランドポニーはイギリスのシェトランド諸島原産の馬。体高は100cm前後ですが、がっしりとした体格で力があり、炭鉱での泥炭の運搬用や農耕馬として飼育されていました。
1年を通して涼しい気候の中で育ったシェトランドポニーの冬毛は寒さに強く、ふさふさとした豊かなたてがみと、個体によりさまざまな色の被毛を持つのが特徴です。
穏やかな性格で人慣れしやすい個体が多く、飼いやすい種類といわれています。
ファラベラ
アルゼンチン原産のファラベラはポニーの中でも小さな種類で、体高は70cm前後と大型犬とほぼ変わらない大きさの馬です。
品種改良を重ね現在の大きさになっていますが、アメリカに渡ったファラベラは小型の馬同士の繁殖で、より小さくなり「アメリカンミニチュアホース」として人気を集めています。
その小ささから乗馬には適しませんが、盲導馬にもなれるほどの知能の高さとぬいぐるみのような愛くるしい姿に目が離せません。
ハフリンガー
イタリア、オーストリア、ドイツなどが原産のハフリンガー。体高は130cm前後で、ポニーの中では大きな種類です。
ハフリンガーは栗色の被毛に淡い色のたてがみが美しく、その姿は牧場の中でもひときわ目を引きます。乗馬用のポニーとして乗馬クラブや牧場で見ることができます。
幅広の体と筋肉質な肢が特徴で、パワーもあるため農耕馬としても活躍しています。
日本在来馬
日本では古くから乗用馬や荷物の運搬役として馬が活躍してきましたが、近代化の中で種類が減り、現在は8種類のみが残っています。
- 道産子(どさんこ)
- 木曽馬(きそうま)
- 御崎馬(みさきうま)
- 野間馬(のまうま)
- トカラ馬(とからうま)
- 宮古馬(みやこうま)
- 与那国馬(よなぐにうま)
- 対州馬(たいしゅうば)
日本馬事協会の調査によると、現在日本国内で1,570頭の日本在来馬が飼育登録されています。
希少な在来馬を守る保護活動が行われており、観光乗馬やホーストレッキング、ホースセラピーなど活躍の場も増えています。
ペットにするポニーはどこで購入する?
ポニーは繁殖や販売をしている牧場から購入するのが一般的です。インターネットに情報を掲載していない牧場もあるので、近くの馬牧場に足を運んでみるのも良いですね。
牧場によってポニーの価格もさまざまですし、扱っている種類や、搬送にかかる費用も違います。
下記、ポニーが購入できる牧場を3つご紹介します。お気に入りのポニーが見つかると良いですね!
- スエトシ牧場
- ワールド牧場
- グランドポニークラブ
スエトシ牧場
スエトシ牧場はメディアで話題になったミニチュアホース「そらまめ」がいた牧場なので、ご存知かもしれませんね。
スエトシ牧場では、ポニーを含め馬全般の販売を行っています。購入できるポニーの情報は牧場にお問い合わせください。
スエトシ牧場 | |
住所 | 〒385-0006長野県佐久市志賀31 |
電話 | 0267-68-5210 |
公式サイト | スエトシ牧場オフィシャルサイト(保護されていないページに移動します) |
ワールド牧場
ワールド牧場にいるポニーは主にミニチュアホースで、全頭購入することができます。
牧場の乗馬クラブ、ワールドランチホースクラブ(保護されていないページに移動します)では、乗用馬やロバ、馬具の購入も可能です。
ワールド牧場 | |
住所 | 〒585-0014 大阪府南河内郡河南町白木1456-2 |
電話 | 0721-93-6655 |
公式サイト | ワールド牧場(保護されていないページに移動します) |
グランドポニークラブ
グランドポニークラブでは、在来馬から海外品種まで6種類のポニーから選んで購入することができます。
装蹄や飼育に自信のない方のために、牧場のサポートが受けられる委託オプションがあるので、初めての飼育でも安心です。
Grand pony club(グランドポニークラブ) | |
住所 | 〒326-0051 栃木県足利市大橋町2-1816-2 |
電話 | 080-3557-7123(牧場) |
公式サイト | Grand pony club(保護されていないページに移動します) |
ポニーを選ぶときのポイント
ポニーを選ぶときには、必ず自分の目で見ることを大切にしてください。写真だけでは判断できないことがたくさんあります。
馬の毛艶は健康状態を把握するためにも大切なポイントです。しっかりブラシがかけられているか、皮膚に異常がないかを確認しましょう。
歩き方に問題がないか、蹄や肢に腫れや変形がないかをチェックすることも大切です。蹄の手入れが行き届かないと病気になることがあります。蹄底が清潔に保たれているかも見てください。
人間を嫌がり、怖がるようだと必要なお世話ができずにポニーが体調を崩す原因になってしまうことがあります。触っても嫌がらないか確かめてくださいね。
ポニーの飼育環境を整えよう
ポニーの飼育には馬房が必要です。体高100cm程度のポニーには3m×3mほどの小屋で良いですが、ハフリンガーなどの大きなポニーにはさらに広い小屋を用意する必要があります。
ミニチュアホースならば大型犬用の小屋でも代用が可能。小屋を自作する場合は、風通しを良くするために入り口を大きく取ると良いでしょう。
床はコンクリートだと掃除がしやすいのでおすすめです。冷えるときはゴムマットを敷いてから、おがくずや藁を厚めに敷き詰めると良いですね。
馬は新鮮な草が好きなので、たまに草の生えた牧場で放牧させたりします。庭などに放牧場を作るときはしっかり柵で囲いましょう。住宅地での飼育には許可が必要な場合があるので、自治体に問い合わせてください。
ポニーの飼育に必要なアイテム
ポニーの飼育には、どのようなアイテムが必要なのでしょうか?代表的なものを下にまとめたので確認してください。
- 馬具
- 牧草
- ブラシ
- 蹄の手入れ道具
馬具
ポニーの頭につける無口(無口頭絡)は、曳き手と合わせてポニーを馬房から出すときに使います。
散歩や、牧場などでつないでおくときにも必要になるので用意しましょう。
乗用馬の場合はポニーが人を乗せられるまでに成長したら、専門家に相談しながら鞍などを揃えましょう。
牧草
ポニーの主食は牧草で、主にチモシーを与えます。食いが悪いときや、痩せていくときは栄養価の高いアルファルファや燕麦などを与えます。
牧草を入れる飼葉桶と、水を入れるための水桶またはバケツも用意しましょう。ミネラル補給のための塩も忘れずに準備してください。
ブラシ
ブラッシングは愛馬とのスキンシップに欠かせません。マッサージの効果もあり、毎日の健康チェックにもなります。
プラスチックブラシは汚れが落としやすく、毛ブラシは仕上げに使います。用途に応じて揃えてくださいね。
蹄の入れ道具
蹄の手入れは馬の健康に大きく関わります。日々のお手入れでは蹄底から細菌などが入らないよう鉄爪(てっぴ)などで詰まった泥を掻き出しましょう。
冬などの乾燥によって蹄にひびがはいることがあります。お手入れのときには蹄油を塗布し乾燥を防いでください。
ペットのポニーの世話と散歩の仕方
ポニーのエサは1日に2〜3回に分けて乾牧草を与えます。ふすまや大麦などの穀類を混ぜても良いですね。ミネラル補給用の塩は、馬房に鉱塩ブロックを設置するか、牧草に混ぜて与えてください。
馬房の掃除は毎日する必要があります。ポニーを外に出してフンや食べカスを片付けましょう。水桶の水も毎日換えて、新鮮な水が飲めるようにしておく必要があります。
ブラッシングと裏堀などの蹄の手入れは、毎日することでコミュニケーションになりますし、馬のストレス発散や異変に気づくきっかけにもなるので欠かさずしてください。
放牧地がない場合は、運動不足にならないよう毎日1時間程度の散歩が必要です。道草を食むのも散歩の楽しみですが、果樹園などの近くの草には農薬がかかっていることがあるので注意してくださいね。
ペットとしてポニーを飼うならかかりつけ獣医は必須
ポニーをペットとして飼うときには必ずかかりつけの獣医さんを見つけましょう。近くに動物病院があるからと安心していても、大型動物を診られる医師が在籍していないことがあります。
定期的な診察や予防接種はポニーの健康を維持するために必要です。見つけられない場合は近くの乗馬クラブや牧場、役所や家畜保健所に問い合わせてみると良いでしょう。
馬を診てくれる獣医さんはとても少ないので、ポニーを飼うと決めたらまず獣医師探しから初めても良いくらい重要度は高いですね。
蹄のお手入れを依頼する
馬の蹄は第二の心臓ともいわれるほど馬にとって大切なものです。蹄のお手入れはポニーの健康を守るために欠かせません。
蹄の溝に泥やフンが詰まったままになっていると、細菌が入ったり腐ったりすることがあるので、詰まりを掻き出しきれいに洗って清潔に保つ必要があります。
蹄は人間の爪と同じく毎日伸びているので、定期的に削らなくてはいけませんが素人ではなかなか難しいもの。慣れないうちはケガをさせてしまいそう!と不安になると思います。
もし削蹄ができないと感じたら、蹄のプロ、装蹄師さんに依頼しましょう。装蹄師さんも見つからない場合は役所や牧場などに問い合わせ、可能であれば紹介してもらいましょう。
ペットのポニーと楽しく暮らすために
ポニーの寿命は20~30年と長く、最期のときまで飼育する覚悟を持って迎える必要があります。
購入にあたっては自分の目でしっかりとポニーを見て、健康な個体を信頼のできる牧場などから譲り受けましょう。品種や価格、搬送方法などを納得した上で購入したいですね。
清潔で広い馬房や、放牧、散歩など、小動物に比べるとお世話が大変ですが、愛らしいポニーとの生活はきっとあなたの暮らしを豊かにしてくれます!
適切な飼育環境を整え、いざというときや健康維持のために、馬を見られる獣医師や装蹄師さんを探しておきましょう。