スマホをWi-Fiルーターのように使用して、ネット接続を行うテザリングですが、やり方が分からなければ、その便利な機能を使いこなせずに困ってしまいますよね。
この記事では、テザリングの設定方法とメリット・デメリット、テザリングをする際の注意点から、テザリングにおすすめな携帯キャリアまで徹底的に解説しています。
最後まで読めば、きっと外出先でもテザリングを使ってネット利用ができるようになるので、ぜひ読んでみてくださいね。
(アイキャッチ画像出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/1491143)
テザリングするために事前申し込みは必要?
契約している携帯キャリアによっては、テザリング機能を利用するために申し込みが必要となる場合があります。
三大キャリアの場合、docomoであれば申し込み不要ですが、auやソフトバンクであれば事前に申し込みが必要となりますよ。
また、auやソフトバンクでは契約プランによっては月額料金が発生することもあります。詳しくは下記リンクにて各社のホームページを確認してみてくださいね。
- docomo:公式ホームページこちら
- au:公式ホームページはこちら
- ソフトバンク:公式ホームページこちら
格安SIMの場合は多くのキャリアで事前申し込みや月額料金は不要となりますが、使用するスマホによってはテザリング不可の場合もあるので、事前に確認しておきましょう。
テザリングのやり方と必要なもの
テザリングのやり方としては、Wi-Fi接続、Bluetooth接続、USB接続の3種類があります。
- Wi-Fi接続
- Bluetooth接続
- USB接続
Wi-Fi接続は、Wi-Fi機能を使ってパソコンなどの端末とスマホを接続する方法で、パソコンなどの端末はWi-Fiに対応したものにする必要がありますよ。
また、Bluetooth接続もBluetooth機能を使った接続方法となるため、パソコンなどの端末はBluetoothに対応したものにする必要があります。
USB接続については、USBケーブルを使ってスマホとパソコンを有線接続する方法となるため、出先の場合USBケーブルの持参が必要で、パソコンにもUSBポートが必要ですよ。
また、スマホがAndroidの場合は、MacのパソコンでUSB接続でのテザリング設定はできませんのでご注意ください。
テザリングの詳しいやり方(iPhone)
それでは、ここからはテザリングの具体的なやり方について説明します。
iPhoneの場合、いずれの接続方法でも、先にインターネット共有の設定が必要となりますのでご注意ください。
- iPhoneの「設定」画面を開く
- 「モバイル通信」>「インターネット共有」の順に選択、または「インターネット共有」を選択する
- 「ほかの人の接続を許可」をONにする
インターネット共有の設定が完了したら、それぞれの接続方法ごとに設定を続けましょう。
まずは、以下にてWi-Fi接続の設定手順についてまとめました。
- iPhoneの「設定」画面を開く
- 「モバイル通信」>「インターネット共有」の順に選択、または「インターネット共有」を選択する
- Wi-Fiのパスワードとネットワーク名(「Wi-Fiで接続するには」の部分に記載された「コンピュータまたはその他のデバイスのWi-Fi設定で“○○”を検索できるようにします」の○○の部分)を確認する(パスワードは変更可能)
- パソコンなどの端末で、上記のネットワーク名で接続し、上記のWi-Fiのパスワードを入力する
次に、Bluetooth接続の手順ついて説明します。Bluetooth接続をする場合は、最初の1回のみペアリング設定を行う必要がありますよ。
ペアリング設定後は、iPhoneのBluetooth機能をONにして、パソコンなどの端末側の設定をすれば接続可能となります。
- iPhoneの「設定」画面を開く
- 「Bluetooth」を選択する
- 「Bluetooth」をONにして、iPhoneの画面をそのままにする
- パソコンなどの端末にて設定画面を開き、BluetoothをONにする
- パソコンなどの端末にてデバイスの追加画面を開き、「iPhone」を追加する
- パソコンなどの端末にiPhoneに表示されたものと同じパスコードが表示されれば、接続をクリックする
- iPhoneにて「ペアリング」をタップする
- メニューバーの「Bluetooth」アイコン、または「コントロールセンター」画面の「Bluetooth」をクリックする
- 「iPhone」を選択する
- 「ネットワークへ接続する」をクリックする
- メニューバーの通知アイコンが表示される部分にある「Bluetooth」マークのアイコンをクリックする
- 「パーソナルエリアネットワークへの参加」をクリックする
- 「デバイス」画面が表示されるため、「iPhone」を右クリックする
- 「接続方法」を選択する
- 「アクセスポイント」をクリックする
- 子機となるiPhoneの「設定」画面を開く
- 「Bluetooth」を選択する
- 親機となるiPhoneのデバイス名をタップし、通信を開始する(デバイス名は親機となるiPhoneの「Bluetooth」画面に表示あり)
- Androidの「設定」画面を開く
- 「接続済みの端末」を選択する
- ペアリングされたデバイスの「歯車マーク」をタップする
- 「インターネットアクセス」にチェックを入れ、「OK」をタップする
最後にUSB接続の手順について説明します。USB接続の注意点としては、パソコンに最新バージョンのiTunesやFinderがインストールされている必要があることが挙げられます。
Windowsのパソコンを利用していてインストールしていない場合は、Microsoft StoreからiTunesのインストールをしてくださいね。
- パソコンに最新バージョンのiTunesやFinderがインストールされているか確認する
- iPhoneとパソコンをUSBケーブルで接続する
- iPhoneに「このコンピュータを信頼しますか?」という通知が表示された場合は、「信頼」をタップする
テザリングの詳しいやり方(Android)
次にAndroidでテザリングを行う場合の具体的なやり方について説明します。
ますは、以下にてWi-Fi接続の方法について手順をまとめたので、見てみましょう。
- Androidの「設定」画面を開く
- 「ネットワークとインターネット」を選択する
- 「アクセスポイントとテザリング」を選択する
- 「Wi-Fiテザリング」を選択する
- 「ネットワーク名」と「Wi-Fiテザリングのパスワード」を設定する
- 「セキュリティ」を「WPA2」または「WPA3」に設定する
- 「Wi-Fiテザリング」の画面に戻り、スイッチをONにする
- パソコンなどの端末で、上記で設定したネットワーク名で接続し、上記で設定したWi-Fiテザリングのパスワードを入力する
上記のWi-Fi接続のセキュリティについて、「WPA3」は最新の暗号化規格となります。「WPA3」の設定ではうまく接続できない場合は、「WPA2」に設定してくださいね。
次に、Bluetooth接続の手順ついて説明します。iPhoneと同様、Androidの場合もBluetooth接続をする場合は、最初の1回のみペアリング設定を行う必要がありますよ。
ペアリング設定後は、Androidの「Bluetoothテザリング」をONにして、パソコンなどの端末側の設定をすれば接続可能となる点も同様ですね。
- Androidの「設定」画面を開く
- 「接続済みの端末」を選択する
- 「接続の設定」を選択する
- 「Bluetooth」を選択する
- 「Bluetooth」をONにして、Androidの画面をそのままにする
- パソコンなどの端末にて設定画面を開き、BluetoothをONにする
- パソコンなどの端末にてデバイスの追加画面を開き、Androidの「Bluetooth」画面に表示された「端末名」と同じものを追加する
- パソコンなどの端末にAndroidに表示されたものと同じパスコードが表示されれば、接続をクリックする
- Androidにて「ペア設定する」をタップする
- Androidの「設定」画面を開く
- 「ネットワークとインターネット」を選択する
- 「アクセスポイントとテザリング」を選択する
- 「Bluetoothテザリング」をONにする
- パソコンにてメニューバーの通知アイコンが表示される部分にある「Bluetooth」アイコンをクリックする
- 「パーソナルエリアネットワークへの参加」をクリックする
- 「デバイス」画面が表示されるため、Androidの端末名が記載されたアイコンを右クリックする
- 「接続方法」を選択する
- 「アクセスポイント」をクリックする
- Androidの「設定」画面を開く
- 「ネットワークとインターネット」を選択する
- 「アクセスポイントとテザリング」を選択する
- 「Bluetoothテザリング」をONにする
- パソコンにてメニューバーの「Bluetooth」アイコン、または「コントロールセンター」画面の「Bluetooth」をクリックする
- Androidの端末名と同じものを選択する
- 「ネットワークへ接続する」をクリックする
- 親機のAndroidの「設定」画面を開く
- 「ネットワークとインターネット」を選択する
- 「アクセスポイントとテザリング」を選択する
- 「Bluetoothテザリング」をONにする
- 子機のAndroidの「設定」画面を開く
- 「接続済みの端末」を選択する
- ペアリングされたデバイスの「歯車マーク」をタップする
- 「インターネットアクセス」にチェックを入れ、「OK」をタップする
- Androidの「設定」画面を開く
- 「ネットワークとインターネット」を選択する
- 「アクセスポイントとテザリング」を選択する
- 「Bluetoothテザリング」をONにする
- iPhoneの「設定」画面を開く
- 「Bluetooth」を選択する
- Androidの端末名をタップし、通信を開始する
最後にUSB接続の手順について説明します。前述しましたが、Androidの場合はMacのパソコンでUSB接続でのテザリング設定はできませんので注意しましょう。
- AndroidとパソコンをUSBケーブルで接続する
- Androidの「設定」画面を開く
- 「ネットワークとインターネット」を選択する
- 「アクセスポイントとテザリング」を選択する
- 「USBテザリング」をONにする
- Androidに「USBをファイル転送に使用しますか?」という通知が表示された場合は「はい」をタップする
各やり方のメリット・デメリット
ここまでテザリングのやり方について説明しましたが、それぞれのやり方にはそれぞれのメリット・デメリットがあります。
以下にて、それぞれのメリット・デメリットを表にしてまとめましたので、用途に合わせて接続方法を選びましょう。
メリット | デメリット | |
Wi-Fi接続 |
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Bluetooth接続 |
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USB接続 |
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テザリングのやり方を試しても接続できない時の対処法8点
テザリングの設定をしてみても、うまく接続できないことがあるかもしれません。
その場合は対処法を試す必要がありますが、その前にまずは以下のことを確認してみましょう。
- テザリングオプションの申し込み有無
- スマホ自体のネット接続可否
前述しましたが、契約中のキャリアによっては申し込みしなければテザリングできない場合があります。テザリングオプションに申し込み済みかどうかを確認しましょう。
また、スマホ自体がネット接続できなければ、テザリングした端末もネット接続できなくなるため、その場合も一度契約中のキャリアへ確認してみてくださいね。
上記のことを確認しても、まだ原因が分からないという場合は、以下にてそれぞれの接続方法ごとに対処法を計8点にまとめましたので、ぜひ試してみてください。
- 端末のWi-Fi接続を一旦オフにして、改めて接続し直す
- テザリング設定を再設定する
- スマホと端末を近づける
- 他にBluetooth接続している端末があれば、接続を切る
- ペアリングの設定をやり直す
- 端末側のWi-Fi接続を無効にする
- USBケーブルの接触不良がないか調べ、替えのケーブルがあれば交換する
- 端末側のUSBポートが複数ある場合は、別ポートに接続する
また、対処法を試しても上手くいかないという場合は、Wi-Fi接続からUSB接続に変えるなど、別の接続方法を試すこともおすすめしますよ。
テザリングする際の注意点3点
便利なテザリングですが、利用するにあたり気を付けなければならない点もあります。
以下にて、注意点3点をまとめましたので、利用する前に確認してくださいね。
- データ使用量の上限に達しやすい
- スマホのバッテリーが消耗しやすい
- セキュリティ対策をする必要がある
データ使用量の上限に達しやすい
スマホのデータ使用量に上限がある場合は、テザリングで通信量が増えるため、長時間使用すると上限に達し通信制限がかかる可能性が高まります。
長時間の使用が見込まれる場合は、データ使用量にどれくらいの余裕がありそうかを考慮しましょう。
スマホのバッテリーが消耗しやすい
前述したとおり、Wi-Fi接続ではバッテリーの消費が激しいため、スマホが充電切れを起こしやすくなります。
テザリングをする場合は、バッテリーの持ちの良いスマホを使うことをおすすめしますよ。
また、USB接続であっても、充電しながらのスマホの使用となるため、バッテリーに負荷が掛かりやすくなるという点にも注意が必要です。
セキュリティ対策をする必要がある
Wi-Fi接続やBluetooth接続の無線接続の場合、セキュリティ対策をしないと誰でもスマホの回線が利用できる状態となる可能性があり、大変危険です。
パスワードを複雑化したり、使わない時はスマホ側でテザリングの接続を切ったりして、きちんとセキュリティ管理をしましょうね。
テザリングにおすすめの携帯キャリア
テザリングは基本的にはどのキャリアでも利用可能ですが、使用用途に合わせておすすめのキャリアは異なります。
以下にて、データ使用量の観点からおすすめする携帯キャリアをまとめましたので、参考になれば幸いです。
高速で無制限にテザリングを使いたい人におすすめのキャリア
自宅でもインターネット開通工事を行わず、ネット接続はスマホとテザリングのみで行うという場合は、無制限でテザリングが使用可能なキャリアをおすすめします。
無制限にテザリングの使用が可能なキャリアは、三大キャリアではdocomo(5Gギガホ プレミアプランのみ)だけです。
また、楽天回線エリア内であれば、楽天モバイルも無制限でデータ使用が可能となるのでおすすめですよ。
- docomo:公式ホームページはこちら
- 楽天モバイル:公式ホームページこちら
1Mbps程度の低速なら支障がない人におすすめのキャリア
1Mbpsの速度では、パソコンで作業するのは難しいですが、スマホであれば高画質の動画や写真の多いWebページの閲覧以外なら比較的スムーズに作業可能です。
データ使用量が上限を超えても通信制限が1Mbpsの速度となるキャリアもあるので、パソコンをあまり使わない人はそういったキャリアでテザリングすることをおすすめしますよ。
また、サブブランドのUQモバイルやワイモバイル、三大キャリアが直接提供しているahamoやLINEMOは、他の格安スマホに比べ通信品質が優位となります。
通信制限が1Mbpsとなるプランは、上記の通信速度が安定しやすいキャリアでも提供されています。ぜひ下記の公式ホームページより確認してみてくださいね。
- UQモバイル(くりこしM/Lプランのみ):公式ホームページはこちら
- ワイモバイル(シンプルM/Lプランのみ):公式ホームページはこちら
- ahamo:公式ホームページはこちら
- LINEMO(スマホプランのみ):公式ホームページはこちら
カウントフリーオプションのあるキャリア
カウントフリーとは、特定のアプリやサイトを利用する際に、その通信量をデータ通信量として全くカウントしない、またはほぼカウントしないサービスのことです。
このオプションに申し込めば、特定のサービスを利用する際にはデータ通信量として計上されないため、余った分のデータ通信量をテザリングで使用できますよ。
カウントフリーオプションがあるキャリアとしては、例えばBIGLOBEモバイルやリンクスメイト、OCNモバイルONEが挙げられます。
- BIGLOBEモバイル:公式ホームページはこちら
- リンクスメイト:公式ホームページはこちら
- OCNモバイルONE:公式ホームページはこちら
月々のデータ使用量にムラがある人はpovo2.0がおすすめ
テザリングを使う頻度がまちまちで、通信量にムラがある人はpovo2.0がおすすめです。
povo2.0は基本料金が0円で、トッピングという独自のシステムで使いたい分だけのデータ量を購入できるので、不定期にテザリングを使うという人に合ったキャリアとなりますよ。
povo2.0:公式ホームページはこちら
モバイルWi-Fiルーターを使う方がいい場合もある?
上記のテザリングをおすすめするキャリア以外でスマホを利用している場合は、外出先ではテザリングでなくモバイルWi-Fiルーターを利用するのも一つの手段となります。
モバイルWi-Fiルーターとは、月額料金と使用可能なデータ通信量が決まったモバイル型の通信機器で、長時間利用してもバッテリーの消耗が低いことがメリットに挙げられますよ。
スマホの契約内容やデータ通信量にもよりますが、一般的には短時間のネット利用であればテザリングを、長時間の利用であればモバイルWi-Fiルーターを使うことが多いです。
ただ、モバイルWi-Fiルーターを使うには新たに契約する手間が掛かるので、まずは手軽にテザリングを使ってみて、もし使い勝手が悪ければ検討するといいでしょう。
テザリングのやり方まとめ
テザリングをするためには、auやソフトバンクなど、契約している携帯キャリアによっては事前に申し込む必要がある場合があります。
テザリングの接続方法はWi-Fi接続、Bluetooth接続、USB接続の3種類があり、スマホとパソコンなどの端末でそれぞれ設定することで接続が可能となりますよ。
使用するデータ通信量やバッテリーの消耗量の観点から、一般的にテザリングは外出先で短時間ネットを利用するのに適した接続方法となります。
テザリングの接続方法にはそれぞれメリット・デメリットがあり、また、テザリングに適したキャリアや契約プランもあるので、自分に適したテザリング設定をしてみましょう。