初めて犬を飼って、とても楽しい毎日を送っていると思いますが、しつけはいつからしたらいいのだろうと悩んでいることと思います。
しつけは家族のためはもちろんのこと、愛犬のためにもなる大切なことです。
この記事では、犬のしつけはいつからするべきか、どんなことをすればいいか紹介しています。
ぜひ最後まで読んで、しっかりとしつけができるようになりましょう!
(アイキャッチ画像出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/4019797)
犬のしつけはいつから?
犬のしつけはいつからするべきなのでしょう?犬のしつけは、生後2~3ヶ月を過ぎてからから始めるのがいいとされています。
生後2~3ヶ月は、犬の社会化期と言われていて、脳の発達がまだ進んでおらず、しつけをしても理解しにくいと言われています。2~3ヶ月の間は、しつけよりも愛情を注ぐことを意識してみましょう。
迎え入れてすぐは、名前を覚えさせたり、体を触らせてもらえるようにしたりと、簡単なことから始めていきます。
犬それぞれでしつけを覚える早さも理解のしやすさも変わってきます。犬のペースに合わせてしつけていきましょう!
いつからどんなしつけをするの?
では、犬のしつけはどのような順番でやっていくのか、ステップごとに紹介します。
- 家に慣れてもらう、名前を覚えさせる
- トイレトレーニング、アイコンタクトをとる
- 体に触ることに慣れさせる
- 歯磨き、ブラッシング
- ハウス、おすわり
- 待て、甘噛み
家に慣れてもらう
犬を迎え入れてすぐは、犬も環境の変化で落ち着きがなかったり、ご飯を食べなかったりします。
まずは家に慣れてもらうことから始めましょう。犬を引き取るときにおもちゃや毛布を譲り受けていれば、犬と一緒にそれらをケージに入れてください。
そこが自分の場所だと認識してもらえれば、他のしつけにもいかせますよ。お気に入りの物があれば、少しずつ落ち着きますし、環境にも慣れてきます。
元気な子であれば、初日から走り回ったり遊びたがったりします。犬のペースに合わせて相手をしましょう。
名前を覚えさせる
一番最初に犬に覚えてもらうことは、自分の名前です。いい名前をつけてあげましょう。
犬に名前を覚えさせる時に重要なのは、呼び方を統一することです。例えば、太郎という名前をつけたとします。その時に、太郎だけでなく、太郎ちゃん、たろくん、たーすけ、など名前を派生させてはいけません。
飼い主は同じ名前を言っているように思いますが、犬からすると別の名前となり反応しなくなります。名前を呼ぶときは、なにか一つに統一させましょう。可愛いあだ名は家族やお友達の間で話すときに使ってくださいね。
なかなか名前を覚えない時は、名前を呼んで反応したらたくさん褒めたり、ご褒美のお菓子をあげたりしましょう。
トイレトレーニング
トイレトレーニングも重要なしつけです。早めに始めましょう。トイレトレーやペットシーツでトイレをするように促します。上手にできれば、たっぷりと褒めてくださいね。
トイレトレーニングをしっかりとしておかないと、家のあちこちでトイレをしてしまいます。
犬はマーキングをする習性があるので、一度トイレをして臭いが残っているところに繰り返しトイレをしがちです。
あらかじめトイレに排泄物の臭いをつけておいたり、トイレ以外のところでした場合は臭いを消したりしましょう。もしトイレに失敗しても怒らないようにしてください。ゆっくり焦らず覚えてもらいましょう。
アイコンタクトをとる
しつけをするうえでも、一緒に生活していくうえでもアイコンタクトをとることは大事です。アイコンタクトがしっかりできるということは、犬が飼い主を信用している証になります。
アイコンタクトをして、こちらに注目させることで初めて指示を聞かせられます。散歩中に道路に飛び出しそうになったり、他の犬に威嚇したりしていることろを止め、興奮状態を抑えることにも繋がるんです。
名前を呼んで、こちらを向いたらご褒美をあげましょう。できるようになれば、おやつに注目している時や、遊んでいる時に名前を呼んでみます。
どんな時にでも名前に反応し、こちらを向くようにさせます。それがアイコンタクトのしつけです。なかなか根気のいるしつけですが、いざという時のためにも習得させましょう。
体に触ることに慣れさせる
犬の体を触って、スキンシップをとることも大事なしつけです。飼い主との絆を深めることはもちろんのこと、日々のお手入れや病院での診察が楽になります。
なかなか体に触らせてもらえないと、暴れ回るところを抑えてブラッシングをしたり診察をしたりすることになります。
他にも、毎日体を触ることで体の異常を見つけやすかったり、トリミングにも安心して連れていけたりします。
最初の触り方
いきなり触るとびっくりしますし、触られたくない場所もあります。首の下から少しずつ触りましょう。
触るときは真上から触らないでください。怖がったり嫌がったりして、触られるのがいやになることもあります。
また、口周りを触れるようにしておくと、歯磨きがしやすくなり歯周病の予防にも繋がります。口周りは敏感で、嫌がる犬も多いです。おやつを少し丸めた手に乗せて、自然と口周りにあたるようにします。
慣れてきたら
慣れてきたら、こちらから触ってみて、嫌がることなく触らせてくれたらご褒美をあげましょう。
最後に、指に犬の好きなペースト状のおやつをつけ、なめている間に歯茎に触ってみます。ここまでできれば、なにもせずに触っても大丈夫でしょう。
歯磨き
口周りに触らせてくれるようになれば、歯磨きに挑戦してみましょう。いきなり歯ブラシで磨くのではなく、はじめはガーゼや歯磨きシートを使います。
歯ブラシは刺激が強く、はじめに歯ブラシで磨くと、嫌がって歯磨きをさせてもらえなくなる可能性もあります。
触っていくことの延長線上で、指にガーゼや歯磨きシートを巻き、少しずつ磨いていきます。磨かせてくれたら、ご褒美も忘れないようにしましょうね。
歯ブラシを使う前に
歯ブラシに慣れてもらうためにも、磨く前に歯ブラシで遊ばせてみてください。得体の知れないものを口に入れられると人間でも嫌ですよね。実際に遊ばせることで、歯ブラシは怖いものじゃないと認識させましょう。
歯ブラシで遊ばせる場合は、飼い主が歯ブラシの柄を持ってあげてください。歯ブラシが折れて、飲み込んでしまうこともあります。
歯ブラシ自体に嫌がる素振りがなければ、歯を磨く前に口周りを歯ブラシで触ってみましょう。こするのではなく、優しく触れてくださいね。それにも慣れたらいざ歯磨きです。
歯ブラシで磨くときは
最初は1秒でも構いません。歯に歯ブラシを当てられたというだけで大きな進歩です。少しずつできる時間を伸ばしていきましょう。ご褒美あげてくださいね。
歯ブラシは濡らすだけでも汚れを落とせますが、犬用の歯磨き粉も使ってみてください。よりキレイになるのはもちろんのこと、味がついているものもあるので、歯磨きを嫌がる子にもおすすめです。
間違っても、人間用の歯磨き粉は使用しないでください。犬が人間用の歯磨き粉を口にしてしまった場合は、すぐに病院へ連れて行ってください。
ブラッシング
体に触らせてくれるようになれば、ブラッシングに挑戦してみましょう。ブラッシングは、見た目をよくするだけでなく、病気や傷にいちはやく気付け、リラックス効果もあります。
毛が短い種類の犬でも、換毛期になればかなりの量の毛が抜けます。そのままにしておくと家中が毛だらけになるのでこまめにブラッシングをしましょう。
ブラッシングを嫌がる場合
体は触らせてくれるのに、ブラッシングは嫌がる子がいます。その場合は、ブラシに対して恐怖感を持っている可能性があるので、ブラシは怖いものじゃないと教えてあげましょう。
ブラシを置き、50cm程離れたところにおやつを置きます。おやつを食べたら、少しずつブラシとおやつの距離を縮めていきましょう。最後はブラシの上におやつを置きます。
ブラシはおやつが置いてあるところだとわかってもらえれば、恐怖感がなくなり、ブラッシングをさせてもらえるようになりますよ。
ハウス
いろんなしつけができるようになれば、ハウスのしつけをしてみましょう。ただクレートの中に入るだけでなく、中で落ち着いて過ごせるようになるのが理想です。
ハウスができるようになると、外出しやすくなったり、病院にも連れて行きやすくなったりします。雷や来客で落ち着かない時や、災害時の避難にも使えるので、しっかりと覚えさせましょう。
ハウスのしつけの始め方
普段からクレートを家の中に置いておき、いつでも入れる状態にしておきます。この時、家族の姿が中から見える所に置くほうが、犬も安心しやすくなります。
しつけのはじめは、おやつを使って中へ誘導します。無理に押し込むことはしないでください。はじめは入口の近く、警戒心が薄れてきたら、どんどん奥へおやつを置きます。中にはいいものがあると思わせましょう。
中に入るのに慣れてきたら
難なく中に入れるようになれば、ハウスの掛け声と共におやつを中へ入れる素振りをします。この時、ハウスの掛け声は統一させてください。ハウス、入って、などをバラバラに使うと混乱してしまいます。
中に入り、おやつがないことに気付くと方向転換をします。前を向いたらご褒美をあげてください。ハウスと言われて中へ入り、正面を向くという流れを覚えさせましょう。
慣れてきたら、扉を閉めます。この時、嫌がる前に開けることを心掛けてください。おやつやおもちゃに夢中になっている隙に扉を閉め、出してとアピールされる前に開けます。
扉を閉めても嫌がる素振りがなければ、中にいる時間を伸ばしてみましょう。中でゆっくりと過ごし、眠るようになれば慣れた証拠です。家の色々な所で試し、場所ではなくハウスの中が安心できると思わせましょう。
おすわり
犬に覚えさせる芸で一番イメージがあるのがおすわりだと思います。これも立派なしつけです。おすわりを覚えさせることで、待てのしつけに繋がります。根気よく覚えさせましょう。
まずはおやつを握り、手の中におやつがあることを犬に気付かせます。犬の真上におやつを持っていくと、おしりを床につけます。この形がおすわりです。
おやつはおしりが床についている時にあげましょう。繰り返しできるようになれば、おしりが床についた瞬間におすわりと声掛けします。
立っている状態でおすわりと言い、座ってくれれば成功です。もし座ってくれなければ、おしりがついた瞬間におすわりということを繰り返してみましょう。
待て
待てができるようになると、興奮状態の犬を落ち着かせたり、急に飛び出したりすることを防げます。待てをするときは、おすわりの状態が一番待ちやすいので、おすわりができるようになってから覚えさせましょう。
まずはおすわりをさせます。はじめは1~2秒座っていたら、よしと言っておやつをあげます。だんだんと時間を伸ばしていき、1分くらい待てるようになるといいでしょう。
この時、途中で立ってしまったらおやつはあげず、はじめからやり直します。何回も立ってしまう場合は、時間が長すぎる可能性があるので短くしましょう。
家でできるようになれば、公園やドッグランといった違う環境でもできるようにさせるといいですね。
甘噛み
犬を飼ううえでよく悩みの種になるのが甘噛みです。ケガをする可能性もあるので、甘噛みを始めたら早めにしつけましょう。
甘噛みは、歯の生え始めや生え変わりの時期に増えてきます。歯茎がかゆくなったり、違和感があるところを噛んで解消しようとします。
また、犬はなんでも噛んで確認します。人間の赤ちゃんも、なんでも口に入れる時期がありますが、それと似たようなものです。
甘噛みをしている時期は、人間の手だけでなく、家のものも噛む傾向にあるので、危険なものは犬の届かない所に置くか、ゲージやカバーを使って噛まれないようにしましょう。
甘噛みのしつけ方
甘噛みをされた時は、叩いたり無理に引きはがしたりしないでください。甘噛みをされたら、手は後ろに組み犬から見えないようにします。
代わりにおもちゃをたくさん噛んでもらいましょう。ロープ状のおもちゃを使って引っ張り合いをするのがおすすめです。
手と噛む場所の位置が近いと、誤って噛んでしまうこともあります。ロープの端と端であれば、そのような心配も少ないです。
噛んでいいものをたくさん噛んで発散させれば、甘噛みをされることも少なくなりますよ。
犬のしつけをする時の注意点
犬をしつけるには、かなりの時間や労力がかかります。人間も負担になることなので、犬にも当然負担になります。
以下の注意点をしっかりと守り、正しいしつけをするようにしましょう。
- アイコンタクトをしっかりする
- しつけは長時間やらない
- 名前を読んだ直後やトイレ中に怒らない
- 失敗しても怒らない
- おやつをあげすぎない
アイコンタクトをしっかりする
しつけ以外の時でも、アイコンタクトはしっかりととるようにしましょう。
目線が合っていない状態で声をかけても、犬は自分に言われていると思いません。
伝わらなければ、できることもできなくなるので、アイコンタクトをとってから声をかけるようにしましょう。
しつけは長時間やらない
しつけを長時間すると、犬に大きな負担がかかります。しつけ自体を嫌がるようになると、他のしつけもできなくなります。
だらだらとやらずに、手短にテンポよくやりましょう。犬も気分が乗らない時もあるので、その時は無理にしなくても構いません。
名前を読んだ直後やトイレ中に怒らない
名前を呼んだ直後に怒ると、名前を呼ばれると怒られると思うようになります。そうなると名前を呼ぶだけで嫌がるようになってしまいます。
トイレ中も、トイレをしていることを怒られていると勘違いして、トイレをしなくなるのでやめましょう。
失敗しても怒らない
失敗したからと怒ると、失敗した行為自体を嫌がるようになります。失敗した場合は、ご褒美をあげずに知らんぷりをすることを徹底してください。
ちゃんとできたらご褒美がある、できないとなにもないと認識してもらうようにしましょう。
おやつをあげすぎない
ご褒美でおやつをあげることが多いと思いますが、おやつの食べすぎは人間と同じで肥満に繋がります。
もしあげすぎたと思ったら、食事を少し減らして調節してくださいね。
犬のしつけはいつからでもできる
しつけは子犬のころにするイメージがありますが、成犬になってからでもできます。
ただし子犬のころとは違い、すでに習慣化されたことを変えるには時間がかかります。
直らないならいいやと諦めるのではなく、犬のためにも家族のためにも根気よく向き合っていきましょう。
子犬ではなく、成犬を保護犬として引き取ることもあると思います。その時も家庭のルールを教えたり、必要なしつけをしたりできますよ。
間違った犬のしつけ方法
しつけの方法はいろいろありますが、間違ったしつけの方法もあります。間違ったしつけをすると、犬が言うことを聞かなくなりますし、関係性が悪化するので気を付けましょう。
- 叩く
- 鼻を掴む
- 仰向けにする
- 睨む
- 褒めない
叩く
人間と同じで、犬も叩かれると恐怖を感じます。叩かれる原因になった失敗だけでなく、行為自体をしなくなります。
例えば、トイレを失敗したから叩かれると、トイレをしたこと自体に怒られたと感じるので、トイレを我慢するようになります。
犬にとってかなりの負担ですし、膀胱炎の原因にもなるので絶対叩かないようにしましょう。
鼻を掴む
犬が吠えたり噛んだりしたときに、鼻を掴むというしつけが昔ありましたが、絶対にしてはいけません。
鼻は容易に触られたくない所ですし、人間の手を怖いものだと認識してしまいます。撫でようとしたら噛まれる原因になりますよ。
仰向けにする
犬が仰向けになるときは、相手に心を許している時と降参するときです。無理矢理仰向けにしたところで、なんの意味もありませんよ。
無理矢理体制を変えて抑えつけることになるので、叩くのと同じ結果になってしまいます。
睨む
睨むという行為は、威嚇することと同じことです。悪いことをしていたらやめますが、あまりいい方法ではありません。
怒るときは、コラ!と一喝しましょう。こちらから睨んでいると、犬が目を逸らします。そっぽを向いているわけではなく、喧嘩したくないという意味です。無理矢理顔をこちらに向かせることもNGです。
褒めない
犬は、褒められて学ぶ生き物です。おやつをあげるだけではなく、よくできたね!と声掛けをしたり、たくさん撫でてあげたりしてください。
褒めずに叱ってばかりいると、いつまでたっても言うことを聞いてくれませんよ。
犬のしつけがうまくいかない時は
何回も繰り返してやっているのに、なかなかできない時もあります。しつけがうまくいかないと焦ると、その焦りが犬にも伝わり、余計言うことを聞いてくれなくなるという悪循環になっている可能性もあります。
初めて飼う人の場合は、より不安や心配なことが多くなってしまいます。気楽に向き合っていきましょう。
どうしてもうまくいかないときは、犬のしつけのプロに頼んでみることがおすすめです。
素人ではわからない犬の心理や行動のくせ、言うこと聞かない原因がわかるかもしれませんよ。
犬のしつけにはしつけ教室がおすすめ
犬のしつけのプロに頼む場合は、しつけ教室がおすすめです。動物病院で行っていることも増えたので、かかりつけの病院でやっていたら試してみてください。ペットショップやドッグランでもやっています。
個人のドッグトレーナーにも頼めるので、行きやすさや相性を踏まえて決めるといいでしょう。犬だけを預けてしつけてくれるところもありますが、飼い主も一緒に参加して学べるしつけ教室がおすすめです。
どんなしつけをしてできるようになったのかがわからないと、いざできるようになっても、できるようになった方法でないと言うことを聞きません。
犬も飼い主と一緒の方が安心できますし、飼い主の言うことを聞いてこそのしつけですよ。
犬のしつけはいつからでも愛情をもって
犬のしつけはいつからするのかについて紹介してきました。もう一度確認して、しつけでやることを確認しましょう。
- 犬のしつけは2~3ヶ月を経ってから行う
- 犬のしつけでやることは、家に慣れてもらう、名前を覚えさせる、トイレトレーニング、アイコンタクトをとる、体にさわることに慣れさせる、歯磨き、ブラッシング、ハウス、おすわり、待て、甘噛み
- 犬のしつけをする時の注意点は、アイコンタクトをしっかりする、しつけは長時間やらない、名前を読んだ直後やトイレ中に怒らない、指示を統一する、失敗しても怒らない、おやつをあげすぎない
- 犬のしつけは成犬になってからもできる
- 間違った犬のしつけの方法は、叩く、鼻を掴む、仰向けにする、睨む、褒めない
- 犬のしつけがうまくいかない時は、焦らず気楽にする
- どうしても犬のしつけがうまくいかない時は、しつけ教室に行く
犬のためにも、家族のためにも必要なしつけ。ぜひこの記事を参考にして、愛犬との素敵な時間を過ごしてください!