「今住んでいる家はいくらで売れるのだろうか?」はじめての不動産売却は不安しかなくて、また大きなお金が動くので絶対に失敗はしたくないですよね。
不動産を売る時にまず何から始めたらいいのか、売るまでの全体の流れや、少しでも高く・早く売れるコツなど、知っておきたい基本知識をわかりやすく解説していきます。
ひとつひとつていねいに解決していけば難しいことはありません。この記事を読んで、不動産売却を成功させましょう。最後までお付き合いくださいね。
(アイキャッチ画像出典:https://pixabay.com/ja/illustrations/%E5%85%A8%E7%B1%B3%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%82%BF%E3%83%BC%E5%8D%94%E4%BC%9A%E5%8A%A0%E5%85%A5%E8%80%85-%E4%B8%8D%E5%8B%95%E7%94%A3-3261160/)
不動産売却をする理由
不動産売却をする理由はさまざまなです。その理由は以下のとおりになります。
- 住み替えをする
- 生活費に充てる
- 借入金の返済
- 相続税の支払い
- 資産整理
- 転勤・転職
- 近所のトラブル
一番多い理由は住み替えで、家族構成が変化して部屋を増やしたい、または使わない部屋ができたので掃除しやすい小さい家に引っ越ししたいなどがきっかけです。
また不動産を相続したが相続税の支払いにしたり、転勤・転職、近所のトラブルなど予期してなかった理由で不動産売却をしなくてはならないケースも。
借りていたローンの支払いが困難になったり、生活費用に充てたいといった金銭的なことなど理由もさまざまです。
不動産売却の方法
不動産売却の方法には、不動産会社が売り手の仲介に入る方法と、直接不動産会社が買取りする方法の2種類あります。それぞれについて説明します。
仲介に入る方法
仲介は不動産会社に物件の買い手を探してもらう方法です。希望の金額で売却できたら住み替えを考えたい、先に新居へ引越ししたのでじっくり売却したい方におすすめします。
不動産会社は売り主の希望金額に基づき、ネットワークや広告を利用して購入者を探すため、買取に比べて高い金額で売れるのがメリットです。
すぐに買い手が見つかるとは限らないので、その都度価格や条件を見直して広告をする必要があります。買い手が見つかったら仲介手数料を支払います。
買取りする方法
買取は売却したい物件を不動産会社に買い取ってもらう方法です。早く確実に現金化できて、引き渡し時期も相談できます。広告も出さないので近所に知られずにすみますね。
すぐに住み替えや資金計画が立てやすくなりますが、買取価格が相場より低めに設定されることが多いので高く売りたい人には向かないでしょう。
不動産売却にかかる諸費用
不動産売却するには不動産会社への仲介手数料や税金などそれぞれ諸費用ががかかります。手取り金額は、売買価格から諸費用を引いた金額です。諸費用について解説します。
仲介手数料 | (売買価格※×3%+6万円)+消費税 ※売買価格400万円超の場合 |
登記費用 | 住所変更や抵当抹消費用の際の登記免許税、司法書士への報酬 |
その他 | 印紙代は売買価格のよりますが、「1,000万円を超え5,000万円以下」であれば、売買契約書1部につき1万円の収入印紙が必要 |
必要に応じてかかる費用 | 引越し費用など |
不動産取引の仲介手数料は、宅地建物取引業法によって上限が設定されています。
不動産売却の流れ①複数の不動産会社の査定を受ける
どんな流れで売却を進めていけばいいのか順番に解説していきます。一番最初にやることは、不動産会社にいくらで売れそうなのか査定を受けておきましょう。
ここで重要なのが、複数の不動産会社に査定を依頼して比較をすることです。不動産会社には得意分野と得意エリアがあり、それぞれの「強み」を持っているので確認しておきます。
不動産会社によって、100万円以上も査定額に違いが出るケースも。また査定を受けたら金額だけでなく、査定の根拠や販売戦略などの説明内容もしっかり聞いておきましょう。
不動産売却の流れ②媒介契約の締結をする
不動産売却をするためにはまず不動産会社に仲介を依頼し、その時に売り主と不動産会社との間で結ぶ契約を媒介契約といいます。媒介契約には次の3種類ありますので、それぞれ説明していきます。
一般媒体契約 | 専任媒介契約 | 専属専任媒介契約 | |
自己発見取引(自分で買主を見つける) | できる | できる | できない |
依頼できる会社の数 | 複数社に依頼可能 | 1社のみ | 1社のみ |
依頼主への報告(販売活動) | なし | 2週間に1回以上 | 1週間に1回以上 |
レインズへの物件登録 | 義務なし | あり | あり |
一般媒体契約
一般媒体契約は複数の不動産会社に依頼でき、自分で買主を探して直接取引できるのか特徴です。最終的に買主を見つけて売買を成立させた不動産会社だけが仲介手数料を受け取ります。
その一方で不動産会社からの販売報告の義務がないので状況が把握しずらしく、レインズ(※詳細は後述)への登録義務がないため情報を広く流通させることが難しくなります。
専任媒体契約
専任媒介契約は、一般媒介契約とは異なり契約を結べる不動産契約は1社のみです。自分で買主を探すことができる直接取引は認められています。
レインズへの登録が義務付けられ、依頼主への情報報告も2週間に1回と決められています。専任媒介契約は、不動産会社1社の販売力頼みになるので慎重に選びましょう。
専属専任媒体契約
専属専任媒介契約は、専任媒介契約と同じく契約を結べる不動産契約は1社のみですが、自分で買主を探すことができる直接取引は認められていません。
レインズへの登録が義務付けられ、依頼主への情報報告も1週間に1回と決められています。3つの媒体契約の中で1番手厚いサポートが受けられ、比較的早く売れやすいのが特徴です。
専属専任媒介契約も、不動産会社1社の販売力頼みになるので慎重に行う必要があります。また知人が買ってくれる可能性がある場合、直接取引ができないので「専任媒介契約」を選びましょう。
※レインズ(指定流通機構)とは、国土交通大臣から指定を受け、運営されている「不動産流通機構標準情報システム」のことです。レインズに登録することにより、全国の不動産会社が情報を見ることができ、買いたい人・借りたい人が探しやすくなります。
不動産売却の流れ③売り出し価格を決めて広告を出す
不動産会社と相談しながら売り出し価格を決めます。少しでも早く売りたいのか、それとも急がないので少しでも高く売りたいのかなどの要望をしっかり伝えましょう。
人気物件であれば、相場より少し高めに売り出しても売れる可能性があります。しかしあまりにも高く価格設定をしたり、競争物件より高いと売れるものも売れません。
販売期間が伸びてずっと売れ残っているイメージがつくとますます売れなくなります。強気の価格設定は不動産会社に相談しながら慎重に決めましょう。
不動産売却の流れ④購入希望者が内覧に来る
販売を開始すると購入希望者が物件を見に来るようになります。購入希望者は不動産のプロではないので見た目の印象に左右されてしまうでしょう。購入希望者が内覧に来た時のコツをお伝えします。
- 徹底的に掃除をする
- 物を減らしておく
- においの対策をする
- 当日は心地よい雰囲気づくりを
- 約束事はしない
徹底的に掃除をしておく
家の顔である玄関の印象はとても重要です。キッチンや風呂などの水回りは特に清潔にしましょう。落ちにくい汚れはプロのハウスクリーニングに依頼してもいいですね。ベランダ、庭も忘れずに掃除をしておきます。
物を減らしておく
物が多くあると部屋が狭く見えてしまいます。不用品を処分して整理整頓しておきましょう。どうしても捨てられない場合はレンタル倉庫など利用すると便利です。
においの対策をする
部屋のにおいはカーテンなどの布製品に付いてるので消臭グッズなど利用しましょう。喫煙者やペットがいる場合は特に念入りに対策しておきます。
当日は心地よい雰囲気づくりを
当日はできるだけ明るい時間で心地よい雰囲気づくりにしましょう。収納も含めてすべて見学してもらえるようにしておきます。エアコンなどで快適な室温に調節しておくのも大切です。
案内は基本的に不動産会社にお任せします。売却理由など、予想できる質問の答えは準備しておきましょう。物件のアピールポイントなどの情報をまとめておくことも効果があります。
約束事はしない
見学中に「エアコンや照明などどうするのか」または「値引きについて」応じる約束などはしないようにしましょう。「家族と相談してからお返事します」と言っておくとトラブルになりません。
内覧して気に入ってもらえたら「貸付証明書」がもらえるので、詳細な条件の交渉に進みます。決まらなかった場合には、理由を確認して次の内覧まで対策をしましょう。
不動産売却の流れ⑤買主が決まったら売買契約を結ぶ
買主が決まって引き渡しの条件に合意したら売買契約を結びます。売買契約は、売り主・買主・担当の不動産会社が集まって重要事項説明をし、十分内容を確認してから署名捺印します。
売買契約の時点で、物件価格の数パーセントの手付金を受領して、残金は引き渡し時に受け取るのが一般的です。
住宅ローンが残っている場合は売買契約で確定した「引き渡し日」を銀行に連絡しておきます。住宅ローン返済と同時に抵当権抹消の手続きが必要なので、銀行に必要書類を準備してもらいましょう。
不動産売却の流れ⑥残代金の受領と物件の引渡し
引き渡しは、買主が住宅ローンを借り入れる金融機関などで行われるのが一般的です。売り主・買主・不動産会社・司法書士などが集まって残代金の受領をします。
現金ではなくその場で買主から売主に残代金を振り込んでもらうことがほとんどです。受領を確認したら、売り主に鍵を渡し、引き渡しが完了します。
当日中に司法書士が登記申請手続きを行って、不動産の登記事項証明書(登記簿謄本)に売買の事実を記載してもらいます。
不動産売却の流れ⑦売却の翌年に確定申告をする
不動産を売却した翌年に確定申告をします。確定申告が必要なのは、売却益がある場合と、売却損の損益通算を受けたい場合です。
売却益がある場合
不動産を売却して利益が出ると、所得税・住民税がかかります。またマイホームを売却する場合「3,000万円の特別控除」という特別控除があります。
要件を満たせば、3,000万円までの利益は非課税になりますので安心してくださいね。
売却損がある場合
売却損がある場合は、給与所得などにかかる税金が還付される場合があります。売却損の損益通算ができるのは次の2つのケースです。
マイホームの買い替えで、売却損が出たケースと、住宅ローンが残っているマイホームを売却して、売却損が出たケースです。
この制度を利用したい場合も確定申告が必要なので、税務署等に相談してみましょう。
不動産売却にかかる期間を確認する
不動産を売却の流れを解説してきましたが、買い手が見つかるまでの期間がどれくらいかかるのか確認してスケジュールを立ててみましょう。
売り出しから売買契約まで、マンションは最短で3~4ヶ月、一戸建て・土地で6ヶ月かかります。これに不動産会社を選ぶまでの期間や売買契約から引き渡しまでの期間が1ヶ月以上必要です。
中古マンションは一戸建てよりも早く売れます。人気物件は1ヶ月で買い手が見つかることもありますが、築数30年以上や駅から離れた物件では売却期間は長くなるかもしれません。
一戸建てや土地は、測量や隣との土地の境界で話し合う必要がある場合、マンションよりも時間がかかります。余裕を持ったスケジュールを立てていきましょう。
不動産売却のまとめ
不動産を売却するまでの流れはイメージできたでしょうか?不安を解決して、今まで住み慣れた愛着ある家を満足した気持ちで売りたいですよね。
面倒な手続きがいろいろとあり、売却までに数ヶ月から半年以上もかかりますが、不動産会社の担当者と共にひとつずつ行動していけばきっと上手くいくはずです。
良質な不動産会社を見つけることが不動産売買の成功の条件です。少しでも早くより高く売却できて、次の人生のステージがもっと豊かになりますように。