新しくルーターを購入して増設したり、回線を変更してモデムやONUが変更になった際、「ブリッジモード」という設定が必要になることがあります。
「ブリッジモード?なんかルーターにそんなスイッチがあったような…」と、そんな感じに思っている人も多いと思います。
ただ、この「ブリッジモード」について、正しく理解していないと、もしかしたら知らず知らずのうちに、使っているルーターの性能が下がっているかもしれません。
今回の記事では、ブリッジモードの役割と正しい利用法について解説していきますので、ぜひ最後まで読んでください。
出典:https://www.ac-illust.com/main/detail.php?id=1225669&word=%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%82%BF%E3%83%BC&searchId=1731890771
そもそもルーターとは?
ブリッジモードを正しく理解するために、まずこの章ではルーターの役割と機能について解説していきます。
ルーターとは複数の機器をインターネットやLANにつなげるための機器になります。複数の機器をつないだ際に、「データ転送でどのルート(道)を通すか」を決める役割を持つので、ルーターと呼ばれています。
また、今では一般的に普及しているWi-Fiルーターの「Wi-Fi」とは、パソコン等の通信機器同士を無線LANで接続して通信する方式のことをいいます。
このWi-Fiルーターを使えば、Wi-Fiにつないだ機器同士の通信と、インターネットへの接続が無線でできるようになります。
ルーターのブリッジモードとは?
ルーターには「ルーターモード」と「ブリッジモード」が存在します。通常、普通に使用する場合はルーターモードに設定されています。
一方、「ブリッジモード」とはルーターの経路選択の役割を無効にする機能です。つまり、前章で説明した「データ転送でどのルート(道)を通すか」の役割を無効にします。
つまり、残った「複数の機器をインターネットにつなげる」機能だけを使うモードです。これは、スイッチングハブと同じ役割になります。
スイッチングハブとは、通信ネットワークの中継装置の一つで、受け取ったデータを接続されたすべての機器に送信せず、宛先などを見て関係する機器のみに送信する機能を持ったもの。
ブリッジモードとアクセスポイントモードの違いは?
ルーターによっては、「ブリッジモード」ではなく「アクセスポイントモード」となっている場合があります。
このアクセスポイントモードとは、無線LANにおけるブリッジモードのことです。
つまり、有線LANの時は「ブリッジモード」、無線LANの時は「アクセスポイントモード」と呼ばれます。
ただし、無線LANの時でも「ブリッジモード」と表現されることがありますので、「ブリッジモード」と「アクセスポイントモード」は同じ意味だと覚えておきましょう。
モデム・ONUとは?
モデムとは、ネット回線のアナログ信号と、パソコンやスマホが理解できるデジタル信号を相互に変換するための装置です。
ここで言うネット回線とは、電話回線やケーブルテレビの回線のことを差します。設置場所としては、壁から出ているネット回線にケーブルで直接接続されています。
また、現在主流になっている光回線では、「ONU」という機器がモデムの役割を果たしています。ONUとは日本語で光回線終端装置と呼ばれ、Optical Network Unitの頭文字を取った略称です。
ONUの役割としては、光回線からの光信号をデジタル信号に変換します。回線からの信号をデジタル信号に変換するということでは、モデムと同じような役割ですが、ONUとモデムは別物です。
- 使っている回線が光回線→ONUが必要
- 使っている回線がADSLやCATV→モデムが必要
モデム一体型
モデムやルーターの機能が一つになった、「モデム内蔵無線LANルーター」や、「ルーター機能付きモデム」などの「一体型」の機器も存在します。
また、「ホームゲートウェイ」といった、光回線のインターネットサービスで使う機器で、「ひかり電話対応ルーター」というものもあります。
特にこのホームゲートウェイには、「ひかり電話」、「モデム(ONU)」、「ルーター」、「Wi-Fi」が一体になっている機種もあるので、知らず知らずのうちに二重ルーターになってしまうことがあります。
ブリッジモードは、この二重ルーターを防ぐ目的で使用されます。次章で詳しく説明していきます。
ブリッジモードで二重ルーターを防ごう
ルーターとしての機能を持つ機器を二重に接続している状態のことを二重ルーターと言います。
なぜ、この二重ルーターを防がなければならないかというと、通信速度が遅くなってしまうからです。
ルーターの機能である経路選択は、1つのルーターごとに行われます。なので、二つのルーターを繋いでいた場合、それぞれで経路選択が行われるため、その分通信が遅くなってしまいます。
では、どういった場面で二重ルーターが実際に起きやすいのでしょうか?次章以降でブリッジモードが必要な場面を2つ紹介していきます。
ブリッジモードが必要な場面①【モデムにルーター機能がある】
二重ルーターになってしまう場面として考えられるのが、モデムやONUにルーター機能が搭載されていて、その先でルーターを繋いでいる場合です。
モデムやONUなど、ルーターよりも上位の機器にルーター機能が搭載されている場合は、ルーター側をブリッジモードに設定します。
これにより、二重ルーターを防ぎ、トラブルなく複数の機器を使うことができます。
ただ、よくわからないという方は、モデム・ONU一体型ルーター1台を利用するのがおすすめです。
ブリッジモードが必要な場面②【ルーターが複数ある】
もう1つ二重ルーターになってしまう場面として考えられるのが、複数のルーターを同一ネットワーク内に設置している場合です。
これはオフィスなどの端末台数が多くて規模の大きいネットワークや、自宅などでルーターを再利用して、電波の届く範囲を延長しようとした時に考えられます。
この場合も、中継機として利用したいルーターをブリッジモードに設定して、二重ルーターを防ぎましょう。
ブリッジモードの設定方法
ブリッジモードへの切り替え手順について、解説していきます。ブリッジモードへの切り替えは、以下の手順に沿って行いましょう。
- ルーターの電源を切っておく
- ルーターをブリッジモードへ切り替え、電源を入れる
- ルーターを起動したら、数分待機する
- 問題なくネットに接続出来たら完了
以上がブリッジモードの切り替え手順になります。切り替えスイッチはルーターの側面または背面に設置されているので、確認してみましょう。
ルーターのブリッジモードを理解し、快適にネットを利用しよう!
今回は、ルーターの設定の一つ「ブリッジモード」について、解説しました。
最近では、ルーター機能が搭載されているONUを回線業者やブロードバンド業者からレンタルや提供されるパターンが多く、知らず知らずのうちに二重ルーターになってしまうパターンもあります。
快適なインターネット環境を作るために、ルーターの設定には十分気を付けましょう。最後までご覧いただき、ありがとうございました。