この記事は、「犬の正しい怒り方がわからない…」「犬を叱りすぎてしまった、どうしよう?」と頭を抱えている方にピッタリです。
犬が悪いことをすると、ついついカッとなって怒ってしまいますよね。筆者も、昔飼っていたコーギーに対して怒鳴ってしまった経験があります。
この記事を読むことで、「怒る」と「叱る」の違いや、犬に対する間違った怒り方・正しい叱り方などを知ることができます。また、シチュエーション別の叱り方についても解説していますよ。
愛犬との関係性が壊れてしまわないためにも、ぜひ本記事を参考に、正しい叱り方をマスターしてくださいね。
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犬の怒り方ではなく叱り方を覚えよう!
犬がいけないことをしたとき、あなたは怒っていませんか?「怒る」とは、腹立たしい気持ちや感情をぶつけることです。
犬はあなたの感情のままに怒られても、怯えてしまいます。それどころか、防衛本能から噛み付いてくることも。
このように、怒ることはあなたと犬の関係性を崩しかねません。愛情を持って正しいことを教えてあげることが「叱る」といえます。
「怒る」と「叱る」の違いをはっきりと認識した上で、愛犬に接しましょう。
やっていない?間違った犬の怒り方4つ
犬に対して間違った怒り方をしていると、さまざまなトラブルが発生しかねません。間違った怒り方で、愛犬との関係にヒビが入るのは避けたいものですよね。
知らないとついついやってしまいがちな間違った怒り方は、以下の通りです。
- 名前を呼ぶ
- 荒々しく大きな声をあげる
- 時間が経ってから怒る
- 暴力を振るう
これらの怒り方がなぜ間違っているのか、詳しく見ていきましょう。過去に一度でも経験がある方は、要チェックですよ。
名前を呼ぶ
「〇〇、ご飯だよ」「〇〇、お散歩に行こうか」「〇〇、こっちにおいで」
このように、犬とコミュニケーションを図るときは名前を呼ぶことがほとんどです。しかし、怒るときに名前を呼んでしまうと、犬は「怒られる」としか思えなくなります。
要するに、自分の名前を呼ばれることで何か嫌なことが待っていると認識してしまうのです。
そのため、犬がいけないことをしたときに名前を呼ぶことは、間違った怒り方といえます。
荒々しく大きな声をあげる
大切なものを壊された、部屋を散らかされた、噛まれてムカついたなど、感情的に怒ってしまうことはありますよね。
ただ、感情に任せて大きな声で怒鳴ることは、犬に恐怖心を植え付けてしまいます。また犬は、身の危険を感じると防衛本能から噛み付くことがあるのです。
怒鳴られたことがトラウマとなり、それ以降上手にコミュニケーションを図れなくなる可能性があるため、注意しましょう。
時間が経ってから怒る
犬は時間が経ってから怒られても、何に対して怒られたのか理解できません。なぜなら犬は、短期的なことを数秒で忘れてしまうからです。
あなたが嫌なことを思い出し、ぶり返して怒ってたとしても、犬はただ単に「いじめられた」と思ってしまうのです。
したがって、犬が悪いことをしたらその場ですぐ叱ることを習慣化しましょう。後から怒りが込み上げてきても、グッと我慢です!
暴力を振るう
何度叱っても言うことを聞かない場合は、もちろん体罰が必要となってきます。しかし、過度な暴力は動物虐待になりかねません。
あまりに強い力で頭を叩いたり、思い切り蹴り飛ばしたりすると、犬はあなたを「怖い人」と認識して心を閉ざしてしまいます。本当に愛犬が好きなら、暴力を振るうことはないでしょう。
一時の怒りの感情に身を任せて暴力を振るえば、あなたもきっと、後悔しかねませんよ。沸き起こる怒りに蓋をして、一度冷静になるよう心がけてくださいね。
怒り方は知らなくていい!犬の正しい叱り方3つ
そもそも、犬に対して叱る回数は少ない方が好ましいです。それでも、犬との暮らしにおいて叱る場面はあるでしょう。
犬が悪いことをしたときには、以下のポイントを頭に入れて叱るようにしてくださいね。
- 褒めると叱るの黄金比率は9:1
- 悪いことをしたらその場ですぐに叱る
- 指示を聞いたら必要以上に褒める
愛犬と上手に付き合っていくためにも、きちんと理解しておくことをおすすめします。一つ一つ詳しく解説していくので、一緒に見ていきましょう。
褒めると叱るの黄金比率は9:1
人にも同じことがいえますが、叱られてばかりでは犬も嫌な気持ちになり、やる気をなくしてしまいます。
悪いことをしても長い間叱るのではなく、メリハリをつけて叱るようにしましょう。9割は褒め、1割は叱るイメージが好ましいです。
というのも、犬はあなたから褒められると、大きな満足感を得ます。「もっと褒めてもらえるように頑張るぞ!」と思うことで、同じ過ちを繰り返さなくなるのです。
悪いことをしたらその場ですぐに叱る
前にも述べましたが、犬は数秒前のことをすぐに忘れてしまいます。そのため、いけないことをしたらその場ですぐに叱るのがモットーです。
「ダメ」「いけない」などと、少し大きめの低い声で叱るのがコツですよ。
叱るときはピシッと、ケジメのある叱りをするように心がけてください。それが、あなたのためにも愛犬のためにもなるのです。
指示を聞いたら必要以上に褒める
悪いことをした犬が指示を聞き、反省したにも関わらず、ダラダラと叱り続けてはいけません。怒られ続けるのは、人も犬もつらいものです。
先ほど説明した、メリハリのある叱りを意識しましょう。注意を聞いたのであれば、目一杯褒めてあげてください。
褒めるときは犬と目を合わせ、ゆっくり撫でてあげると効果的です。撫でるところは、首元や頬がおすすめですよ。
犬に噛まれた!感情的な怒り方は禁物
ここからは、以下4つのシチュエーション別に正しい叱り方を紹介します。
- 噛まれたとき
- トイレを失敗したとき
- 盗み食いや拾い食いをしたとき
- 無駄吠えが多いとき
そもそも犬はなぜ人を噛むのでしょうか?それには、2つの理由があります。
- 自分のテリトリーが侵されそうになったから
- 身の危険を感じて自分を守ろうと攻撃するから
このような理由で噛み付くことがほとんどですが、思い切り噛まれたときはいかなる場合でもきつく叱りましょう。あくまで感情的に怒らず、威厳を持ってピシッと叱ることがポイントです。
中途半端に怒っても効果はなく、噛み癖は治らないどころか酷くなります。また、犬が人より優位な関係になると指示を聞かなくなるので、気をつけましょう。
犬がトイレを失敗した…ぶり返す怒り方はダメ
犬がトイレを失敗したとき、後処理のことを考えると苛立ってしまいがちです。
しかし一旦心を落ち着かせ、冷静にその場ですぐ叱りましょう。犬の鼻先を粗相した場所に近づけ、「ダメ」「いけない」と伝えてください。
もし何度も粗相を繰り返してしまう場合は、言葉で注意したあとに、体罰としてお尻を軽く叩くのが有効的です。
粗相した場所はよく洗い、消臭剤や熱湯で匂いを消しましょう。そうすることで、同じ場所に粗相を繰り返さなくなりますよ。
犬の盗み食いや拾い食いはどうする?
犬が拾い食いする原因は、食べ物を床(地面)に直置きで与えているケースがほとんどです。第一に、食べ物はフードボウルに入れて与えましょう。
もし下に落ちている食べ物を拾い食いしようとしていたら、「ダメ」「いけない」と伝え、鼻先を軽く叩きましょう。
なぜ鼻先を叩くのかというと、犬が痛みを感じる部分は、鼻先・耳・足・尻尾などの末端部だからです。
盗み食いも同様に鼻先を軽く叩くのが効果的ですが、そもそも犬が盗み食いできる高さに食べ物を置かないなど、飼い主の配慮が重要となりますよ。
声を荒げる怒り方はNG!無駄吠え対策は根気がいる
無駄吠えは、近隣トラブルで多い傾向にある鳴き声の一つといえるでしょう。
犬は本来、よく吠えるものです。そのため、無駄吠えを防止するのはかなりの根気が必要となります。
少し心が痛みますが、新聞紙などを丸めたもので顔を軽く叩き、「ダメ」「静かに」などと叱るのが効果的ですよ。
また屋外犬の場合は、少量の水をかけたり、音が出る空き缶などを投げたりしてみましょう。犬は驚きの気持ちが勝り、おとなしくなる傾向にあります。
犬を叱ったあとはどうする?怒りの感情で終わらせない
では、犬を叱った後はどのように対応すればいいのでしょうか?以下2点について解説します。
- 犬を叱った後の対処方法
- 元気がない犬をフォローする方法
どんな状況でも、犬を叱ったあとは褒めて終わるように心がけてください。犬にとってもあなたにとっても、叱ったままで終わってしまうと、心がモヤモヤしてしまうでしょう。
犬はあなたが思っている以上に賢い動物です。叱られて目を逸らす、鼻をペロッと舐めるなどの行動が見受けられたら、しっかり反省している証といえます。
「何度注意しても聞かない」という場合でも、「今度から気をつけようね」と笑顔で終わり、同じ失敗を繰り返したら根気強く叱ることが大切ですよ。
怒りすぎちゃった!元気がない犬をフォローする方法
いくらかわいい愛犬でも、部屋を散らかされたり大切な書類を破られたりすれば、怒りすぎてしまうこともありますよね。
怒られてしょんぼりとした犬が、あなたを遠くから見つめていたことはありませんか?そんなときは、恐怖や不安を抱き、混乱している状態です。
じっと遠くであなたを見つめて、おとなしくしていること自体を褒めてあげましょう。
また、大好きなおもちゃを見せて「遊ぼう!」と誘ってあげると、元気を出してくれますよ。
間違った犬の怒り方は卒業!愛ある叱りを始めよう
この記事では、怒りと叱りの違いをはじめ、犬に対する間違った怒り方や正しい叱り方について紹介しました。もう一度ここで、おさらいしてみましょう。
- 名前を呼ぶ
- 荒々しく大きな声をあげる
- 時間が経ってから怒る
- 暴力を振るう
- 褒めると叱るの黄金比率は9:1
- 悪いことをしたらその場ですぐに叱る
- 指示を聞いたら必要以上に褒める
その他、シチュエーション別の正しい叱り方についても触れています。犬と良好な関係を築いていくためには、あなた自身が「アメとムチ」を上手く使い分けることが大切ですよ。
本記事を機に、間違った犬の怒り方は卒業しましょう。愛犬とこれからも楽しく仲良く過ごせるよう、愛情をもった正しい叱り方をマスターしてくださいね。