「アパート経営を始めてみたいけど、仕組みが分からない…」「アパート経営って何から始めたら良いんだろう」
アパート経営は魅力的ですが、仕組みが分かりにくいですよね。なので、この記事では、アパート経営の仕組みやマンションとの違い、他にもメリット・デメリットに加えて経営を始める際の流れなどを紹介していきます。
そのため、アパート経営に興味のある方や、アパート経営を始めるにあたって一通りの流れを知りたい方は、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
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アパート経営の仕組みって?どうやって収入を得るの?
アパート経営とは、所有しているアパートの各部屋を貸し出し、入居者から家賃収入(インカムゲイン)を得ることが目的の不動産事業です。
また、アパート購入額・建築額に対しての年間収益割合を「利回り」と言います。利回りは%で表現されますが、この%が高ければ高いほど、効率の良い投資でしょう。
なお、一般的な利回りの計算方法ですが、年間の家賃収入を物件価格で割ると求めることができます。例えば、購入したアパートの価格が3,000万円で、家賃収入が300万円なら利回りは10%です。
しかし、利回りはあくまでも指標のため、注意が必要です。ここまで仕組みを紹介しましたが、これを踏まえた上で、次章からはアパート経営とマンション経営の違い、アパート経営のメリットやデメリットを紹介します。
アパート経営とマンション経営って何が違うの?
アパート経営は、マンション経営と比べて建物の規模が小さいため、マンションよりも運営や建築コストが低めです。しかし、その分、マンションは戸数が多く、アパートよりも儲けは多い特徴があります。
加えて、アパートとマンションの建物自体の区別ですが、明確な線引きはありません。なお、一般的に、アパートは、軽量鉄骨造や木造で高さが2~3階建てまでのものを指します。
一方で、マンションは、重量鉄骨造や鉄骨鉄筋コンクリート造で高さが3~4階建て以上のものを指します。
そのため、イメージ的には、横に長い建物で、こじんまりとした印象を受けるのがアパートです。また、縦に長い建物で、丈夫な印象を受けるのがマンションといえるでしょう。
アパート経営のメリット
アパート経営では、以下のメリットがあります。それぞれ詳しく紹介していきますね。
- 安定した収入を得られる
- 相続税や固定資産税の節税になる
- 生命保険代わりになる
安定した収入を得られる
先述したように、アパート経営は、部屋を貸し出し、家賃収入を得ることが目的の不動産事業です。なので、入居者がいる限り、毎月安定した不労所得を確保できます。
また、アパートなどの不動産は現物資産のため、経済変動に強いのです。この点が、経済変動の影響を受けやすく、安定しづらい金融資産との違いといえます。
そのため、アパート経営は、入居者さえ安定すれば、収入も安定し、長期運用ができます。加えて、この安定した収入は、アパート経営を行うにあたって最大の魅力といえるでしょう。
相続税や固定資産税の節税になる
相続税は、土地よりもアパートなどの建物の方が最大で約50%ほど安くなります。
また、固定資産税についてですが、更地にアパートを建てると「住宅用地の特例」で、土地に課される固定資産税は、本来課せられる税の6分の1となる優遇措置を受けられます。
そのため、特に元々土地を持っている方は、アパート経営を行うと、相続税と固定資産税の節約になるのです。
生命保険代わりになる
アパート経営では、一般的に住宅ローンを組む際、「団体信用生命保険」に加入します。
団体信用生命保険は、病気や事故などでローンの返済が困難になった際、保険会社が代わりに、金融会社に対してローンを返済してくれる保険です。
これにより、家族にローン返済という負荷をかけずに、アパートという現物資産を残すことができます。さらに、毎月家賃収入も得られる点もあります。
そのため、アパート経営をおこなっておくと、生命保険の代わりになるのです。
アパート経営のデメリット
アパート経営は魅力的なメリットが多いですが、以下のようにデメリットもあるのです。1つずつ取り上げて紹介していきますね。
- 空室と家賃滞納のリスクが高い
- 自然災害の影響を受けやすい
- アパートの老朽化で収益が減少する
空室と家賃滞納のリスクが高い
アパート経営での収入は入居者からの賃料のため、空室が多いと収入も減少します。加えて、入居していても家賃滞納者がいる場合、滞納の分だけ収入も減少するので、結果的に赤字経営となるリスクが高いです。
そのため、まず空室については、アパート設備を充実させるなどの空室対策を練っておく必要があります。
また、家賃滞納に関しては、入居者が家賃滞納をした際、全額保証を受けられる家賃滞納サービスに加入しておくと、経営不振を回避できますよ。
自然災害の影響を受けやすい
アパートを含めて建物は、台風や津波などの自然災害の影響を受けやすく、簡単に倒壊してしまうことがあります。
また、自然災害でアパートが損失した場合、多額の修繕費が必要となったり、場合によってはアパート経営ができなくなったりすることもあります。
そのため、事前に火災保険や地震保険といった自然災害に対する保険の加入が必要です。これらの保険に加入しておくと、アパートに対して一定の補償が受けられます。
加えて、自然災害の影響を受けにくい丘などの高い土地を選ぶと、自然災害の影響を最小にできます。なお、自然災害の影響を受けやすい川などの水辺の土地は、できるだけ避けましょう。
アパートの老朽化で収益が減少する
アパートなどの建物は年数経過とともに老朽化しますが、老朽化すると入居者の確保が難しくなります。入居者が確保できないと、収入は得られないので、仕方なく家賃を下げることになり、結果的に収益が減少します。
とはいえ、老朽化は避けられないので、定期的にリフォームやリノベーションなどの対応が必要です。このように、ここまで、アパート経営とマンション経営の違い、メリットやデメリットを紹介してきました。
そのため、ここからは実際にアパート経営を始めるにあたって必要な事前準備や、確認すべきポイントに加えて、アパート経営を始める際の流れを紹介していきますね。
アパート経営を始めるにあたって必要な事前準備2つ!
アパート経営を始めるにあたり、必要な事前準備として、以下の2つが挙げられます。前もって準備を進めておきましょう。
- ターゲットを絞ってニーズを見極める
- 資金計画を立てる
①ターゲットを絞ってニーズを見極める
アパート経営では、アパート自体が地域の需要に合っているかどうかが成功と失敗の分かれ道です。そのため、ターゲットを絞ってニーズを見極めることが必要不可欠といえます。
例えば、学生が多い地域で、学生をターゲットにする場合、比較的に家賃を低めにし、ネット環境を整えるなどが挙げられます。このように、前もってターゲットを絞り、ニーズを見極めておくことが重要です。
②資金計画を立てる
ターゲットとニーズの設定完了後は、ニーズに沿ったアパートを購入・建築するには、どのくらいの費用がかかるのかを見積もり、資金計画を立てましょう。
なお、資金計画を立てる際は、維持費(光熱費・修繕費など)も含めると、より実際的な費用が分かりますよ。
しかし、どういったものにどれほど費用がかかるのか予想が難しいですよね。そのため、資金計画を策定する際は、資金計画策定のプロであるファイナンシャルプランナー(FP)に相談しましょう。
どのようなことにどれほど費用がかかるのかがはっきりと分かる上に、しっかりとした資金計画を立てられるので、急な出費(修繕費など)にも対応できます。
アパート経営開始前に確認しよう!失敗回避のポイント7つ
アパート経営開始後に失敗しないためにも、開始前の段階で以下のポイント7つを確認しておきましょう。
- ターゲットのニーズと設備は一致しているか
- 資金計画は現実的か
- 利回りは適切か(目安は5%超え、最低でも3%は切っていないか)
- 立地は適切か(周囲に他のアパートがないか、地盤は弱くないかなど)
- 信用できる管理業者か(管理を委託する場合のみ)
- 信用できる建築会社か(新築アパートを建設する場合のみ)
- 信用できる不動産屋か(中古アパートを購入する場合のみ)
7つのポイントのうち、どれか一つでもクリアしていない場合は、そのクリアしていない部分を再検討してみてくださいね。
アパート経営を始める際の流れって?
中古アパートで経営を始めるか、新築アパートで経営を始めるかによって、流れが異なります。そのため、それぞれ分けて紹介しますね。
まず、中古アパートで経営を始める際の基本的な流れは、以下です。
- アパートを探す
- 購入の申し込みをする
- 住宅ローンの事前審査を受ける
- アパートの重要事項説明を受ける
- 売買契約を締結する
- 手付金の支払いを行う
- アパートの管理会社を選定し、契約を行う(管理を委託する場合のみ)
- 住宅ローン本審査にてローン契約を結ぶ(審査にかかる時間は2週間~1か月ほど)
- 決済および引き落としを行う
次に、新築アパートで経営を始める際の基本的な流れは、以下です。
- 建築会社に土地の相談をする(アパート経営ができる土地か確認)
- 建築会社とアパートの建築計画をつくる(自分のイメージと一致しているか確認)
- 建築計画がまとまったら建築会社と契約をする
- 金融機関や銀行からローンを借りる(自己資金が足りない場合のみ)
- アパートの管理会社を選定し、契約を行う(管理を委託する場合のみ)
- 再度、建設計画について建設会社と打ち合わせをする
- アパートの建設が始まる
- 建設完了後、アパートが引き渡される
ここまで、アパート経営を始めるにあたって必要な事前準備や、確認すべきポイント、加えてアパート経営を始める際の流れを紹介しました。
しかし、実際にアパート経営を始めるとなれば、アパートを中古にするか新築にするかで迷われる方もいらっしゃるのではないのでしょうか。
そのため、ここからは中古アパートと新築アパートとではどのような特徴や違いがあるのかを紹介しますね。
中古アパートの特徴とは?
中古アパートの特徴は、以下です。なお、注意点として、築年数が経てば経つほど家賃は安くなっていきます。
- 購入価格が安い
- 建築費用がかからない
- 利回りが高い
- 老朽化が早く、維持費がかかりやすい
中古アパートは、新築とは違って購入価格が安くなる上に、建築費用もかからないため、購入にあたって出費を抑えられる点があります。
また、先述したように、利回りは、年間の家賃収入を物件価格で割ると求めることができますが、中古アパートは物件価格が安いので、必然的に利回りが高くなるのです。
しかし、老朽化が早いために、自然災害に見舞われた際の損失や耐震補強の面で維持費がかかりやすいでしょう。
新築アパートの特徴とは?
新築アパートの特徴は以下です。なお、アパート建設期間の目安ですが、木造で2~3階建てであれば5ヵ月ほど、鉄筋コンクリート造で4~5階建てであれば8か月ほどです。
- 維持費を安く抑えられる
- アパートのデザイン性が高く、入居者を確保しやすい
- 利回りが安定しにくい
- 建築費用がかかる
新築アパートは、中古アパートとは違って、老朽化が進んでいないため、維持費を安く抑えられます。また、デザイン性も最新なので、入居者が決まりやすいです。
しかし、建築費用が高いこともあり、利回りを計算した際に利回りが低くなりがちです。そのため、中古アパートよりも利回りが安定しにくい点があります。
自分のイメージに合うアパートで経営を始めてみよう
アパート経営の仕組みやメリットにデメリット、加えて始めるにあたって必要な一通りの流れについて紹介しました。
なお、アパート経営を始めるにあたり、できるだけ初期費用を抑えて、安定した利回りを求める場合は中古アパートが良いでしょう。
また、多少費用がかかってもデザイン性を求めていたり、長期的な維持費を抑えたかったりする方は、新築アパートが良いといえます。
あなたのイメージに合ったアパートで、理想のアパート経営をぜひ始めてみてくださいね。