あなたは「愛犬が「待て」をなかなか覚えてくれない」と困っていませんか。
一生懸命しつけをするうちに、あなた自身が疲れてしまうこともありますよね。
今回は、犬に「待て」を覚えさせるしつけ方について紹介します。
この記事を読めば犬のしつけのコツを知り、あなたの愛犬が「待て」を覚えてくれるので、ぜひ最後までご覧ください。
アイキャッチ画像出典:https://unsplash.com/ja/%E5%86%99%E7%9C%9F/KFJuCzJiQYU
犬に「待て」をしつける理由
「待て」は、飼い主が「よし」と合図を出すまで動きを止める指示です。
犬に「待て」をしつける理由は、以下の2つです。しつけを行う前に理解しておきましょう。
- 犬の身の安全を守るため
- 犬の感情を抑えるため
犬の身の安全を守るため
犬に「待て」を教える理由の1つ目は「犬の身の安全を守るため」です。
犬は視界に入ったものに興味を持ち、信号待ちや道路を横断する前に飛び出してしまう可能性があります。
「待て」は犬を一度座らせて動きを止められるので、自動車やバイクへの飛び出しを防げます。
犬が車に轢かれるリスクを減らすためにも「待て」は必ず教えましょう。
犬の感情を抑えるため
犬に「待て」を教える理由の2つ目は「犬の感情を抑えるため」です。
犬は感情のまま動くので、見知らぬ人や犬に興奮し、飛びかかってケガをさせる可能性があります。
犬に「待て」を教えると、自分の気持ちよりも飼い主の指示や、自分が置かれた状況を受け入れられるようになります。
犬の感情をコントロールし、わがままやかんしゃくを抑えましょう。
犬が「待て」ができない原因
「待て」ができない原因は、犬によって違います。犬が「待て」ができない原因は主に3つです。
- おすわりを覚えていないから
- 犬にとって誘惑が多い環境にいるから
- 「待て」を誤って学習しているから
あなたの愛犬が「待て」ができない原因を知ることで、取るべき対処法が分かります。
犬が「待て」を覚えない原因を探り、しつけの方法を工夫してみましょう。
「おすわり」を覚えていないから
あなたの愛犬が「おすわり」を覚えていない場合は「待て」より先に教えましょう。
犬が立った状態よりも、座った状態で「待て」をさせた方が犬の動きを制御しやすくなります。
犬が「おすわり」をすると、畳まれた後ろ足がブレーキとなり、犬が突然動き出す可能性が少なくなります。「おすわり」の後に「待て」を教えましょう。
犬にとって誘惑が多い環境にいるから
「待て」の最中に体が勝手に動いてしまう場合、犬にとって誘惑が多い環境にいる可能性があります。
人や遊具が多い公園でしつけを行うと、犬が周りの人や物に興味を持ち、途中で動いてしまいます。
最初は静かな部屋で、飼い主と1対1になれる環境を用意しましょう。愛犬の好きなおもちゃが目に入らないように片づけておくのも有効です。
「待て」を誤って学習しているから
飼い主が動くとついてきてしまう犬は「飼い主が動いたら『待て』を終了する」と誤って学習しています。
犬に正しい動作を身につけさせるには、犬のしつけを行う際に「飼い主が犬にしてほしい行動を取ったら褒める」ことを繰り返しましょう。
そのため「待て」をしつける場合には「待てと言われて犬が動きを止めた後に、よしと言われたら動き出す」という動作ができたら褒めるようにしましょう。
犬が「待て」に成功する度に褒めると、正しい形の「待て」を自発的に覚えます。
したがって、「待て」を誤って学習している犬に対しては、成功する度にたくさん褒めましょう。
犬の「待て」のしつけの時に用意するもの2つ
「待て」をしつける時に用意するものは、静かな環境とご褒美のおやつです。
先述した通り、犬は視界に入ったものに対して興味を持つことがあります。最初は静かな室内や庭など、物が少なく気が散らない場所でしつけをしましょう。
ご褒美のおやつは「待て」が成功した時に犬に与えます。愛犬が好きなおやつやカリカリフードを用意しましょう。
犬が「待て」を覚えるしつけ方法
静かな環境とご褒美のおやつが揃ったら、しつけを始めましょう。犬に「待て」をしつける方法は以下の通りです。
- 犬がおすわりできる時間を徐々に伸ばしていく
- 犬におやつを見せて「待て」と指示する
- 1~2秒「待て」たら「よし」と合図を出し、おやつをあげる
- 「待て」の時間を延ばす
犬種や年齢によって異なりますが、犬が集中できる時間は約5分です。時間に気を付けてしつけを行いましょう。
また、食後や運動の後は集中力が切れやすく、しつけには不向きです。たくさん寝て元気がある朝のうちや、犬のモチベーションが高い夕食前にしつけを行うとよいでしょう。
この後に、犬が「待て」を覚えるしつけ方法について詳しく紹介します。
しつけ方法①:犬におすわりをさせる
最初に、犬におすわりをさせます。おすわりのしつけ方は、以下の通りです。
- 犬の正面に座り、おやつを見せて注意をひく
- おやつを持った手を犬の頭上にあげる
- 犬のお尻が床についたら、「おすわり」と指示を出す
- 犬を褒めておやつをあげる
おすわりの指示を出す時は、大きな声で1回のみ言いましょう。2回言うと意味が薄れて犬が聞き逃してしまいます。
また、犬への指示の出し方は統一しましょう。「おすわり」の場合「シット」や「座って」などの言い方がありますが、途中で指示の出し方を変えると犬が混乱してしまいます。
家族で指示の出し方が違うのも混乱の原因になるので、必ず1つにしましょう。
しつけ方法②:犬がおすわりできる時間を延ばしていく
犬がおすわりできるようになったら、おすわりできる時間を延ばしていきましょう。
「待て」を教える前に、犬に「動かないで座っていたらおやつが出て褒められる」と学習させることが重要です。
最初は2〜5秒座って待てたら、おやつをあげて褒めてください。5秒座れたら7秒、10秒と徐々に時間を伸ばします。
もし途中で失敗したら、秒数を縮めて再チャレンジしてみましょう。
しつけ方法③:犬におやつを見せて「待て」と声かけする
犬が10秒以上「おすわり」できるようになったら「待て」の指示を犬に出しましょう。「待て」と声かけする時の手順は以下の通りです。
- 飼い主が犬の正面に座る
- ご褒美のおやつを手のひらに1粒乗せる
- 「おすわり」している犬の目線が少し上がる位置に手のひらを下げる
- 犬におやつを見せて「待て」と声かけとジェスチャーをする
3の時に手のひらを犬に近付けると、犬はおやつを食べてよいのか分からず混乱します。手は必ず上下に動かしましょう。
「待て」と言う時は「おすわり」の時と同様に、大きな声で1回のみ言いましょう。指示の出し方は「待て」または「ステイ」のどちらかで統一してください。
しつけ方法④:犬が1〜2秒「待て」たら「よし」と言い、おやつをあげる
犬がおすわりをしている状態で「待て」ができたら「よし」と指示を出し、手を開いておやつをあげます。
最初は1〜2秒おすわりできたら「よし」と指示を出しましょう。急に長時間の「待て」に挑戦すると、失敗して犬が待つことへの嫌悪感を抱く可能性があります。
「待て」ができた時は、犬をしっかり褒めましょう。いつもより多くなでたり、遊んだりすると犬が喜びます。
「待て」に成功する度に褒めると、犬は「『待て』をすると飼い主が褒めてくれる」と学び、次の「待て」の指示を聞いてくれるようになるでしょう。
しつけ方法⑤:犬が「待て」できる時間を延ばす
1〜2秒程「待て」ができるようになった後は、犬が「待て」できる時間を延ばしましょう。
「待て」の時間を延ばす時は、3秒、5秒、7秒と、徐々に延ばします。急に何十秒も待たせると、犬にストレスを与えてしまうからです。
1日2秒ずつ延ばして、1か月で1分「待て」ができるようになるのが理想のペースです。「待て」のしつけは気長に取り組みましょう。
犬がいつでも「待て」ができるようになるしつけ方法3つ
犬が静かな環境下で「待て」を覚えたら、状況や環境に変化をつけましょう。具体的には、以下の方法があります。
- おやつを持たずに指示を出す
- 犬から距離をとってみる
- 外で指示を出す
家の中と比較すると、外出先は犬の興味を引くものが多く存在するので、いかなる状況でも「待て」ができるようにしつけましょう。
おやつを持たずに指示を出す
犬が30秒ほど「待て」ができるようになったら、おやつを持たずに「待て」と指示を出してみましょう。
おやつを持たずに教える時も、最初は1〜2秒の短時間から始め、3秒、5秒と徐々にできる時間を増やしていきます。
おやつをあげずにしつけを行う場合は、おやつをあげる時よりも大げさに褒め、犬のモチベーションを上げてください。
犬から距離をとってみる
犬から離れていても「待て」ができるようにするために、おすわりしている状態から一歩ずつ後ろへ下がってみましょう。
犬から距離をとった後、犬が動き出す前に飼い主が動く前の位置に戻り「よし」と言い、おやつをあげます。犬が慣れてきたら、前後左右にも動いてみましょう。
しつけを繰り返すうちに、少し遠いところから指示を出しても「待て」ができるようになります。
外で指示を出す
犬が家の中で「待て」ができるようになったら、外で「待て」のしつけに挑戦しましょう。
外でのしつけは、玄関の前、近所の歩道、公園に行く途中の道、公園が見える道と少しずつ誘惑を増やすと効果的です。
環境の変化に伴い、犬は緊張して「待て」を失敗するかもしれません。しかし「待て」は外出先で効果を発揮するので、気長にしつけを続けましょう。
犬が「待て」を覚えるしつけのコツ2つ
犬のしつけのコツを押さえると、愛犬がよりスムーズに「待て」を覚えてくれます。犬が「待て」を覚えるしつけのコツは以下の2つです。
- 長時間しつけを続けない
- 楽しみながらしつけをする
「待て」のしつけは、犬の集中力や気持ちを尊重し、様子を見ながら行いましょう。
長時間しつけを続けない
1つ目のしつけのコツは「長時間しつけを続けない」ことです。「待て」のしつけには集中力が必要なので、長い時間しつけを続けると犬にとって負担になります。
「待て」のしつけは動きがなく、集中し続けなければならないので、犬はあまり好きではありません。
1回のしつけにかかる時間を短くし、1日数回に分けてしつけを行いましょう。
楽しみながらしつけをする
2つ目のコツは「楽しみながらしつけをする」ことです。理由は、犬は人の声や表情の変化を敏感に感じ取るからです。
飼い主が夢中になって指示の声が大きくなったり、真剣な表情になったりすると、犬が委縮してしまうので、しつけを行う際は意識して声と表情を柔らかくします。
もし犬が失敗したとしてもったり焦ったりせず、成功したら褒めてあげましょう。
【まとめ】犬の安全を守るには「待て」のしつけが必要
「待て」は犬の身の安全を守り、他の人や犬に迷惑をかける可能性を減らすことができます。
犬が道路に飛び出したり、興奮して飛びかかったりしないためにも、必ず「待て」を教えましょう。
犬が「待て」ができない原因は以下の3つです。原因を知ることで、取るべき対処法が分かります。
- おすわりを覚えていないから
- 犬にとって誘惑が多い環境にいるから
- 「待て」を誤って学習しているから
犬に「待て」をしつける時には、静かな環境とご褒美のおやつを用意しましょう。犬が「待て」を覚えるしつけの方法は以下の通りです。
- 犬におすわりをさせる
- 犬がおすわりできる時間を徐々に伸ばしていく
- 犬におやつを見せて「待て」と指示する
- 1~2秒「待て」たら「よし」と合図を出し、おやつをあげる
- 「待て」の時間を延ばす
犬が静かな環境下で「待て」ができるようになったら、状況や環境に変化をつけましょう。
「待て」のしつけのコツは「長時間しつけを続けないこと」と「楽しみながらしつけをすること」です。
犬の集中力や気持ちを尊重し、楽しみながらしつけを行いましょう。
- 名前:宮島桃香
- 連絡先:monaca.anidoor@gmail.com