転職を考えていたり、転職活動をしている人にとって悩みのタネなのが「転職理由をどう答えるか?」ですよね。
面接官にとっては「入社しても同じ理由ですぐやめないか?」を確認するためにしている質問ですが、聞かれる方になると正直に答えて良いのか迷ってしまうもの。
そこで、この記事では転職理由の答え方や、転職理由ごとの伝え方について解説していきます。
「転職理由を正直に伝えていいかわからない」「転職理由をどう伝えたら良いかわからない」という方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
アイキャッチ画像出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/4191391?title=%E9%9D%A2%E6%8E%A5%E3%83%BB%E6%89%93%E3%81%A1%E5%90%88%E3%82%8F%E3%81%9B%E3%83%BB%E3%82%AB%E3%82%A6%E3%83%B3%E3%82%BB%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%B0%E9%A2%A8%E6%99%AF&searchId=3040451864
- そもそもどんな理由で転職してる?転職理由ランキング
- 面接官は相性チェックのために転職理由を聞いている
- 転職理由をうまく伝えるコツ①:ポジティブに変換して伝える
- 転職理由をうまく伝えるコツ②:キャリアプランと一貫させる
- 転職理由をうまく伝えるコツ③:言うこと・言わないことを決める
- 転職理由の答え方①:勤務時間が長くて転職したいとき
- 転職理由の答え方②:給料が低くて転職したいとき
- 転職理由の答え方③:今の職種からキャリアチェンジしたいとき
- 転職理由の答え方④:前職のモチベーションが低かったとき
- 転職理由の答え方⑤:結婚がきっかけで転職したいとき
- 転職理由の答え方⑥:前社の社風が合わなかったとき
- 転職理由のNGな伝え方①:マイナスな内容だけ伝える
- 転職理由のNGな伝え方②:具体的な行動を伝えない
- まとめ:転職理由をうまく伝えて、転職を成功させよう!
そもそもどんな理由で転職してる?転職理由ランキング
そもそも、転職経験者はどのような理由で転職した人が多いのでしょうか?
まずは、dodaが2018年度(2018年4月~2019年3月)の1年間に転職活動をした10万人からとった「本音」の転職理由を見てみましょう。
順位 | 転職理由 | 割合 |
---|---|---|
1位 | ほかにやりたい仕事がある | 14.7% |
2位 | 給与に不満がある | 11.0% |
3位 | 会社の将来性が不安 | 9.7% |
4位 | 残業が多い/休日が少ない | 8.0% |
5位 | 専門知識・技術を習得したい | 5.3% |
6位 | 幅広い経験・知識を積みたい | 4.2% |
7位 | 土日祝日に休みたい | 3.6% |
8位 | U・Iターンしたい | 3.6% |
9位 | 業界の先行きが不安 | 3.5% |
10位 | 市場価値を上げたい | 3.4% |
- 参考:https://www.saiyo-doda.jp/lp/ma/reason/
上記のランキングを見てみると、上位3位が仕事内容、給料、将来性であるのがわかりますね。
やはり、転職を考える理由としては「やりたい仕事ができない」「給料が安い」というのが多いようですね。
一方で、転職の面接ではすべて「本音」の転職理由を話すわけではありません。
次は、dodaが2018年12月に調査した面接で話す「建前」の転職理由のランキングを見てみましょう。
順位 | 面接で話した転職理由 | 票数 |
---|---|---|
1位 | 給料・収入のアップを実現するため | 83 |
2位 | 労働時間の短縮・ワークライフバランスを実現するため | 66 |
3位 | キャリアアップを実現するため | 58 |
4位 | スキルアップを実現するため | 54 |
5位 | 希望する職種・業務に就くため | 51 |
6位 | 業績が好調・将来性のある会社で働くため | 33 |
7位 | 家庭の事情で前職を続けられなくなった | 24 |
8位 | 人間関係がうまくいかなかったため | 19 |
9位 | 体調不良で前職を続けられなくなったため | 18 |
10位 | 社風や企業風土が合わなかったため | 17 |
- 参考:https://doda.jp/guide/reason/
やはり上位の転職理由は仕事内容、給料に関するものが上位になっています。
ここから、転職理由そのものを偽って面接で伝えている人はあまり居ないことが分かりますね。
面接官は相性チェックのために転職理由を聞いている
上記のアンケート結果から、転職理由をそのまま伝えている人が多いのは分かりましたが、そもそも面接官はなぜ「転職理由」を聞くのでしょうか?
その理由は主に2つに分かれているので、それぞれ解説していきますね。
転職理由を聞く理由①:相性をチェックしているから
面接で転職理由を聞く理由の1つ目は「相性をチェックしているから」です。
例えば前職の退職理由が「社風」であれば、退職理由を聞くことで「どのような社風が合わなかったのか」を確認できます。
このように、前職の「合わなかった部分」を確認することで、自社と同じような環境でやめていないか?自社で活躍できるのか?を確かめられます。
そのため、転職の面接で「転職理由」を質問する理由としては企業と求職者の相性チェックというのが最も大きな理由です。
転職理由を聞く理由②:不満改善の為に行動したかを知りたいから
面接で転職理由を聞く理由の2つ目は「不満改善の為に行動したかを知りたいから」です。
どんな職場でも大なり小なり不満を抱くことはあると思いますが、単に「不満があるから転職する」のではなく、改善のための行動をしたかを知りたいのです。
ただ不満を抱えて転職するだけだと「すぐ辞めてしまう人」というリスクがありますが、改善のために行動していれば「正当な理由」として納得感があります。
せっかく入社した人材が不満を抱えてすぐに転職しないためにも、面接官は「転職理由」を聞いているんですね。
転職理由をうまく伝えるコツ①:ポジティブに変換して伝える
ここまで転職理由を聞く理由について解説してきましたが、では面接官に転職理由を聞かれた時になんと答えるのが正解なのかがわからないと思います。
そこで、転職理由をうまく伝えるための1つ目のコツについて解説していきますね。
まず解説する転職理由をうまく伝えるためのコツは「ポジティブに変換して伝える」ことです。
自分が面接官だったとして、転職理由を聞いて「周りの人間が嫌だった」「仕事がつまらなかった」とネガティブな理由だけを言われると、長く働いてくれるか疑問を持ってしまいますよね。
ネガティブ | ポジティブ |
---|---|
思ってた仕事内容と違った | より実践的なスキルを身に着けたい |
給料が安かった | より高みを目指したい |
人間関係がうまく行かなかった | より向上心に溢れた人と、目的を共有しながら働きたい |
会社の将来性が不安 | 今後会社を成長させる経験をしたい 成長産業で通用するスキルを身に着けたい |
そこで、以上のように同じ理由でもポジティブ・前向きに変換して話すことで大きく印象が変わりますよ。
ネガティブな本音があったとしても、前向きに「〇〇をしたい!」と伝えるように心がければ、面接官に悪印象は持たれないでしょう。
転職理由をうまく伝えるコツ②:キャリアプランと一貫させる
転職理由をうまく伝えるための2つ目のコツは「キャリアプランと一貫させる」ことです。
転職をする際には志望動機として「自らのキャリアプラン」を伝えた後に、その実現の手段として志望していることを伝えるのが一般的です。
そのため、転職理由がキャリアプランと一致していないと「転職理由」と「志望動機」の間に矛盾が発生してしまいます。
そのため、キャリアプランと一貫した転職理由を伝えて、矛盾が起きないように心がけましょう。
転職理由をうまく伝えるコツ③:言うこと・言わないことを決める
転職理由をうまく伝えるための3つ目のコツは「言うこと・言わないことを決める」ことです。
ネガティブなことをポジティブに変換して伝えたのと同じように、面接でわざわざ伝えなくても良い「本音」も存在しています。
例えば「上司と合わなかった」「同僚と関係が作れなかった」というのはどの職場でも起こり得るので、特に不安要素になりがちです。
このように、大きな不安を抱かせるようなことは、わざわざ面接の場で伝えないようにしましょう。
転職理由の答え方①:勤務時間が長くて転職したいとき
それでは次に、転職理由ごとに面接で転職理由を聞かれた場合の答え方について解説していきます。
まず最初に「転勤時間が長くて転職したい」という場合の転職理由の答え方について解説していきます。
勤務時間が長かったのが退職理由の場合は、以下のように答えるのがポイントです。
- 誰が見ても「長い」と感じる労働時間を伝える(12時間など)
- 周囲の労働時間も長く、全社的に労働環境が悪かったことを伝える
- 改善のために行動(増員要請など)をしたことを伝える
勤務時間が長いというだけでは、どの程度長かったのか、本当に過酷な環境だったのかが伝わりにくいです。
そこで、具体的な数字や周囲も同じ状況であったことを伝えることで、相手の理解を得られやすくなりますよ。
転職理由の答え方②:給料が低くて転職したいとき
次に「給料が低くて転職したい」という場合の転職理由の答え方について解説していきます。
給与が低かったのが退職理由の場合は、以下のように答えるのがポイントです。
- 単に「低かった」と伝えるのではなく、具体的な月収や改善の見込みがなかったことを伝える
- 金銭が必要な具体的な事情(両親への仕送り、結婚・出産など)を伝える
- 現在の職場では収入アップが見込めない具体的状況(給与体系、職種での給与テーブルの格差など)を説明する
先程の勤務時間が長かった場合と同様に、具体的な月収や金銭が必要な状況を伝えることで、まず面接官に納得してもらいましょう。
また、その上で今後も会社の給与体系や評価システムから収入アップが見込めない事情を説明すれば、転職理由として筋が通っていて納得してもらいやすいでしょう。
転職理由の答え方③:今の職種からキャリアチェンジしたいとき
次に「今の職種からキャリアチェンジしたい」という場合の転職理由の答え方について解説していきます。
キャリアチェンジしたいのが退職理由の場合は、以下のように答えるのがポイントです。
- 現在のキャリアに限界を感じている理由を伝える
- 現在のキャリアで行った試行錯誤を伝える
- 仕事への価値観を伝える
- 今後のキャリアで実現したいことと、その理由を伝える
ただ理由もなくキャリアチェンジしたいと伝えても、面接官からすれば「なんで?」と思ってしまうのが現実です。
そこで、自分が仕事に対して持っている価値観・こだわりや、今後実現したいことを述べることで、その実現のためにキャリアチェンジするという説得力をもたせられます。
なので、まずは自分の仕事への価値観・こだわりやキャリアプランを話し、最終的に実現のために御社を選んだという流れで話しましょう。
転職理由の答え方④:前職のモチベーションが低かったとき
次に「前職のモチベーションが低かった」という場合の転職理由の答え方について解説していきます。
モチベーションが低かったのが退職理由の場合は、以下のように答えるのがポイントです。
- 今の職場でモチベーションが低い理由を説明する
- モチベーション向上のために取った自分自身の行動を伝える
- どのような環境であればモチベーションが高まるのか、過去の経験を交えて説明する
モチベーションが低いことが転職理由の場合、環境を変えただけでモチベーションが高まるのか疑問に思う面接官が多いでしょう。
そこで、自分のモチベーションが高まる状況・環境を説明し、その後に現状のギャップ、改善しようとした行動を伝えることで、納得感を与えられます。
転職理由の答え方⑤:結婚がきっかけで転職したいとき
次に「結婚がきっかけで転職したい」という場合の転職理由の答え方について解説していきます。
結婚がきっかけの退職理由の場合は、以下のように答えるのがポイントです。
- 結婚したから会社をやめたと伝えず、結婚によって転居などが発生し、状況が変わって転職したいと伝える
- 結婚をきっかけにライフスタイルが大きく変わり、職場を変える必要があると伝える。
まず、転職理由を「結婚」と正直に伝えたとしても、転職で不利になることはありません。
しかし、単に結婚したから転職したいと伝えると、環境が変わるたびに転職するという印象を持たれる可能性があるので「結婚+α」の理由を伝えるようにしましょう。
転職理由の答え方⑥:前社の社風が合わなかったとき
最後に「前社の社風が合わなかった」という場合の転職理由の答え方について解説していきます。
社風が合わなかったのが退職理由の場合は、以下のように答えるのがポイントです。
- 自分がどのように仕事をしたいのかを伝える
- 現在の職場の社風から、目標を達成しづらい現実を伝える
- 現在の職場の社風を改善しようと行動し、改善できなかった経験を伝える
- 自分の仕事の価値観から、求める社風・達成目標を伝える
社風が合わないという転職理由は、そのまま伝えると「他責思考」だと受け止められる可能性があります。
そこで、単に「社風が合わない」と伝えるのではなく、具体的にどのような環境なのか、どう行動して改善できなかったのかを伝えて、納得感を与えるようにしましょう。
転職理由のNGな伝え方①:マイナスな内容だけ伝える
これまで転職理由をうまく伝えるポイントについて解説してきましたが、逆にNGな伝え方も存在しています。
転職理由のNGな伝え方の1つ目は「マイナスな内容だけ伝える」です。
仮に自分が面接官だったとして「前の職場はここが嫌だった」「こんな人が嫌だった」と言われても、採用したくはなりませんよね。
転職理由を伝える際には、必ず「嫌だった部分」だけではなく「これからこうしたい」という前向きな理由をいれるようにしましょう。
転職理由のNGな伝え方②:具体的な行動を伝えない
転職理由のNGな伝え方の2つ目は「具体的な行動を伝えない」です。
転職理由ごとの伝え方でも「具体的な行動」を伝えるように述べましたが、これは面接官にとって非常に重要な評価項目です。
もし入社した後に不満があったとして、文句しか言わずにすぐに転職活動を始めてしまうリスクがあるからです。
そこで、前職の環境を改善しようとした「具体的な行動」を伝えることで、面接官に「この人は投げ出さずに努力した」という印象を与えられますよ。
まとめ:転職理由をうまく伝えて、転職を成功させよう!
この記事では、転職理由のランキングや転職理由の質問意図、答え方について解説してきました。
転職面接で必ず聞かれる「なぜ転職するのか」という質問は、ネガティブな内容を伝えると評価が下がってしまうので要注意です。
ただ単にネガティブな動機を伝えるのではなく、改善のためにした行動やこれからしたいことを話すことで、悪印象を持たれないようにしましょう。
また、転職の理由別に転職理由の伝え方についても解説をしたので、ぜひポイントを覚えて「印象の良い」転職理由を答えられるようにしておきましょう。