近年、携帯電話の月額料金の安さから注目を集めている「格安SIM」。
今回は格安SIMとは何なのか、また安くなる仕組みや格安SIMのメリット・デメリット、また契約の流れについて説明していきます。
(アイキャッチ画像出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/1598517?title=%E6%A0%BC%E5%AE%89%E3%82%B9%E3%83%9E%E3%83%9B&searchId=276409845)
格安SIMとは? そもそもSIMって何?
格安SIMとは、大手の携帯電話会社よりも格安の月額料金で携帯電話を利用できるサービスのことです。
SIM(シム)とはいわゆる「SIMカード」というICカードのことを指します。SIMカードには加入者を特定するためのIDや電話番号が記録されており、スマホなどの通信機器に挿入されています。
スマホでのインターネット通信や通話を可能にしているのが、このSIMカードなのです。SIMカードが挿入されていなければ、基本的には携帯電話を利用することができません。
スマホを新たに買い換える際は、旧スマホのSIMカードを取り出して新しいスマホに挿し直すだけで以前と同じ電話番号を利用することができます。
格安SIMはなぜ安い?月額料金が格安になる要因とは
格安SIMでは大手携帯電話会社に比べて月額料金が大幅に安くなりますが、安くなる理由は主に2つあります。
- 通信回線に関する設備の維持費や設営費などの費用がかからない
- 実店舗が少なくテナント料や人件費を削減できる
ということが挙げられます。以下で詳しく説明していきたいと思います。
通信回線に関する設備の維持費や設営費などの費用がかからない
これまでの一般的な大手携帯電話会社(docomo, au, ソフトバンク)は、携帯電話サービスを提供するために必要な通信回線設備を所有しています。
しかし、格安SIMを提供している会社(通称MVNO)は通信回線設備を持っておらず、大手キャリア(docomo, au, ソフトバンク)から通信回線の一部を借りて利用しています。
通信回線設備の維持には莫大な費用がかかるため、安く借りることにより設備の維持費や設営費の負担をなくし、コストを抑えています。
これによって格安料金でのサービス提供を可能にしているのです。
実店舗が少なく人件費を削減できる
上記の通り、格安SIMを提供している会社はまとめて「MVNO」と呼ばれています。
MVNOは大手携帯電話会社に比べて実店舗が非常に少ないのです。
実店舗数を必要最小限に抑えることで、テナント料や人件費などのコストを削減しています。
このようなコスト削減も格安SIMの安さの要因の1つとなっているのです。
格安SIMのメリット・デメリットとは
これまでの大手携帯電話会社の月額料金よりも圧倒的に安いことから注目を浴びている格安SIMですが、
安さ以外にもメリットが存在する一方、やはりデメリットも存在するのが現状です。
格安SIMのメリット、デメリットについて以下で詳しく見ていきましょう。
格安SIMのメリット
まずは格安SIMのメリットについて説明していきます。メリットを詳しく知りたいという方は参考にしてください。
- 月額料金の安さ
- 契約途中でもプラン変更可
月額料金の安さ
なんといっても最大のメリットはやはり「月額料金の安さ」です。
家計サービス「Zaim」を提供する「Zaim」のデータによると、現在の大手3大キャリア(docomo, au, ソフトバンク)の月額利用料金の平均は約12300円です。
一方、格安SIMの平均月額料金は約3550円であり、両者には3.5倍もの差があるのです。このデータを見ても、格安SIMの月額料金の安さは一目瞭然でしょう。
格安SIMに変更することで月々の固定費がかなり安くなるため、家計にも少し余裕が生まれるのではないでしょうか。
契約途中でもプラン変更可
大手携帯電話会社では、2年以内の契約変更の場合はたいてい解約金が必要となります。しかし、格安SIMでは最低契約期間が6ヶ月など短い期間であったり、最低契約期間が設定されていない会社も存在しています。
そのため格安SIMを契約した場合、契約途中でも手軽にプラン変更ができ、契約解除も簡単に行えます。
なので、「やっぱりデータ通信料の上限をもう少し上げたい……」といった場合でも解約金なしですぐに対応することができるのです。
このように、自分のスマホ利用状況に応じてプランの見直しが簡単にでき、月額料金をさらに抑えることが可能となるのが格安SIMの魅力の1つでもあります。
格安SIMのデメリット
ここまでは格安SIMのメリットを紹介してきましたが、「メリットを耳にすることはよくあるけど、デメリットはないの?」と思われている方も多いと思います。
そんな方は以下で格安SIMのデメリットについて説明していきますので、ぜひご覧ください。
また格安SIMへの乗り換えを検討している方は、乗り換え後に後悔することがないようデメリットについてもしっかりと理解しておきましょう。
- データ通信速度の不安定さ
- キャリアメールが使えない
- 店舗でのサポートが受けにくい
データ通信の速度の不安定さ
データ通信速度は、MVNOが大手携帯電話会社から借りている通信回線の量に依存しています。そのため、借りている回線が少ないMVNOは一般的に大手携帯電話会社よりもデータ通信速度が遅い傾向にあります。
またデータ通信の速度は、通信回線の利用状況による影響も受けます。なので、時間帯によっては通信回線の利用者が多く、速度が低下する可能性があります。
しかし近年では格安SIMの通信速度もかなり改善されてきています。
キャリアメールが使えない
格安SIMにおいては、大手携帯電話会社が提供しているキャリアメール(docomo.ne.jp, ezweb.ne.jp, softbank.ne.jp)を利用することができません。
しかし、Gmailなどのフリーメールを使うことで問題なく対応できます。
格安SIMに乗り換える際、キャリアメールでサイトなどの利用登録を行っている場合は
メールアドレスの登録情報をフリーメールのアドレスに変更しておきましょう。
店舗でのサポートが受けにくい
格安SIMではテナント料や人件費などのコストを削減しているため
実店舗数が少なく、店舗でのサポートが受けにくくなっています。
しかし、その代わりサイト運営に力を入れており、サイトが充実しているので
不明点などはネットを通して調べたり、問い合わせをすることができます。
現在使っているスマホのメールアドレス・電話番号は引き継げる?
現在使っているスマホでキャリアメール(docomo.ne.jp, ezweb.ne.jp, softbank.ne.jp)を利用している場合、格安SIMではこのメールアドレスを引き継げません。
そのためGmailなどのフリーメールを代わりに利用する必要があります。
一方、携帯電話番号は既存のスマホで利用中のものを引き継いで利用することができます。ただし、携帯電話番号を引き継ぐにはMNP(ナンバーポータビリティ)転出手続きが必要となり、手数料が発生してしまいます。
しかし、新規の電話番号を発行する場合はこれら手続きの手間や費用がかからないため、格安SIMへの乗り換えの際には新たな電話番号を取得するのも1つの手であるといえます。
格安SIM契約までの流れ
ここまでは、格安SIMとは何なのか、また月額料金が安くなる仕組みや
格安SIMのメリット及びデメリットについて解説してきました。
ここからは格安SIM契約の流れについて、簡単に説明していきます。
格安SIMの会社(MVNO)を選ぶ
まずは自分のスマホの利用状況に応じて、自分に合った適切な格安SIM会社(MVNO)を選びます。
MVNOが決まったら、契約手続きに必要なもの(本人確認書類など)を確認し、用意しておきましょう。
スマートフォンを選ぶ
現在使用しているスマートフォンを利用する場合、契約予定のMVNOでの動作確認が済んでいるスマホである必要があります。
そのため、自分の所有しているスマホが動作確認済みのものであるかどうか確認しておきましょう。
新規のスマートフォンを購入する場合は、契約する予定のMVNOで購入するようにしましょう。
そうすれば格安SIMに対応したスマホを購入することができます。
格安SIMを申し込む
格安SIM乗り換えの用意が整ったら、契約に関する申し込みを行います。
ご自身のスマホ利用状況に合わせて料金プランを選び、オプションを追加するなどしてカスタマイズしてください。
あなたが必要とするサービスを必要最小限の料金で受けることができるようになります。
まとめ:格安SIMの契約を検討してみては?
今回は格安SIMについて、安くなる仕組みやメリット・デメリット、契約の流れなどを説明してきました。
格安SIMに乗り換えて自分のスマホ利用状況に応じたプランで契約することで、現在の携帯月額料金の何倍も安い料金で携帯電話サービスを利用することができるようになります。
また家族全員の契約プランを見直せば、家計の固定費をかなり削減することができます。
これを機にぜひ、あなたに合った契約プランを探してみてはいかがでしょうか。