最近よく耳にする「格安SIM」とはどんな意味なのでしょうか。
僕も最初に格安SIMと聞かされたときはピンとこなかったし、「聞いた事はあるけど”SIM”の意味が分からない」って方も多いかと思います。
この記事を最後まで読めば、格安SIMについて聞かれたときに簡潔に答えられたり、格安SIMのメリットやデメリットを理解した上で、契約する際のポイントを抑えることができますよ。
(アイキャッチ画像出典:https://pixabay.com/photos/smartphone-technology-communication-1284501/#content)
格安SIMの「SIM(シム)」とは
ここで言う「SIM」とはSIMカードの事で、上の画像のような小さなチップのことを指しています。
「SIMカード」とは、携帯電話を購入したときに発行される、電話番号等の情報が入っているカードのことです。
SIMカードを携帯に装着していない場合、Wi-Fi通信やアプリは使用することができますが、電話回線を使った通話やSMS、データ通信を使用することはできません。
まさに、「携帯電話の心臓」と言っても差し支えない重要なパーツです。
格安SIMとは
簡潔に言えば、「格安SIM」とは”格安”で契約できるSIMのことです。
ここでの”格安”とは携帯会社の中でも大手と呼ばれている「au」「SoftBank」「docomo」よりも月額料金が格段に安いという意味ですね。
そして、格安SIMを提供している会社のことを「MVNO」と言い、逆に上記の3社のような大手携帯電話会社のことを「MNO」と言います。
それでは、なぜその「MVNO」が「MNO」よりも格安でSIMを提供できるのかについて次の項目で解説していきます。
よく間違えるのが「格安SIM」と「格安スマホ」です。格安スマホとはMVNOで購入できる格安のスマホのことで、格安SIM(カード)とは違うので注意してください。
なぜ「MVNO」は”格安”でSIMカードを提供できるのか
その答えは、「MVNO」が自前の通信設備を持たずに、大手携帯電話会社から通信設備をレンタルしているためです。
携帯電話会社が通信サービスを提供するには、アンテナや基地局といった通信設備を整えるための費用や、通信設備の維持費といった莫大なお金がかかります。
そこでMVNOは、通信設備をレンタルし、大手携帯電話会社が利用している回線を利用することでサービス運営にかかるコストを極力抑えているのです。
結果として、MVNOは大手携帯電話会社より格段に安い価格でSIM(カード)を提供することを可能にしています。
格安SIMを契約できるMVNOの例
格安SIMを提供している代表的な会社(MVNO)の例はこちらです。
UQ mobile / LINE mobile / 楽天モバイル / mineo / Y! mobile / BIGLOE / IIJmio / U-mobile / イオン mobile 等
特にUQ mobileは各サイトで最もおすすめされていた格安SIMで、CMもよく流れていますよね。
実際はこの他にも多くのMVNOが存在しており、それぞれサービス形態や料金プランなどに違いがあります。
おすすめの格安SIMを探すときは比較サイトなどを参考にしてみるといいですよ。
格安SIMのメリット
MVNOが提供する格安SIMは、大手携帯電話会社のものにまったく引けを取らないサービスを提供しています。
それでは次の、格安SIMの4つのメリットについて見ていきましょう。
- 月額料金が安い
- 料金プランが豊富
- 電話番号を引き継げる
- 契約期間の縛りがゆるい
格安SIMのメリット①月額料金が安い
先ほどもご紹介した通り、MVNOは設備費用などを極力抑えているため、格安でサービス提供を行っています。
大手携帯電話会社では約5000円~10000円以上の月額を支払う必要があるプランでも、格安SIMに乗り換えれば半額以上安くすることが可能です。
格安SIMのメリット②料金プランが豊富
自分に合った料金プランを好きなように選べるのも魅力の一つです。
「通話はLINEで済ませる」という方や「外出先でもゲームをしたいからデータ通信量は多い方がいい」という方もピッタリのプランを探すことができます。
プランによっては最低限のデータ通信量で価格も最低限に抑えられるものもあるので、節約したい方にもおすすめです。
格安SIMのメリット③電話番号を引き継げる
格安SIMに乗り換える際、MNO(モバイルナンバーポータビリティ)という制度を使って、今あなたが使っている電話番号をそのまま引き継ぐことができます。
電話番号が新しくなることによって、電話帳やLINEの連絡先が全て消えてしまうという事態を防ぐことができますね。
引き継ぐ際には「転送料」や「MNP新規契約手数料」といった手数料が必要です。
格安SIMのメリット④契約期間の縛りがゆるい
格安SIMは解約違約金や解約期間の縛りがゆるいこともメリットの一つです。
ほとんどの大手携帯通信会社だと契約期間(縛りの期間)が2年と長く、2年以内に解約すると解約料金がかかってしまいます。
しかし、MVNOなら縛りの期間が約半年〜1年間と短く、プランによっては縛り期間がないものもあります。
格安SIMのデメリット
月額料金が安くて、プランも豊富で縛りの期間も短い格安SIMにも、当然デメリットはあります。
それでは次の、格安SIMの3つのデメリットについて見ていきましょう。
- 初期設定は自分でしなくてはならない
- キャリアメールが使えない
- 通信が大手より安定しないことがある
格安SIMのデメリット①初期設定は自分で
MVNOは実店舗が少ないのが特徴で、契約はネットから行うパターンがほとんどです。
契約から設定まで、電話サポートやチャットサポートを受けながら自分でやらなくてはなりません。
また、トラブルが起きたときや契約内容に関わる相談をするときも電話やメールが中心です。
「契約時や相談時に対面で話せないのは不安」という方にとってはデメリットに感じられるかもしれません。
格安SIMのデメリット②キャリアメールが使えない
大手携帯電話会社に契約していると、その会社独自のメールアドレスを無料で取得することができます。
例)「docomo.net.no」「softbank.ne.up」等
初期設定などが必要ないため、最初から簡単に利用することができるキャリアメールですが、MVNOでは受け取ることができません。
しかし現在、「Gmail」のような無料で入手できるメールアドレスの方がよく使われているので、“キャリアメールが使えないこと”がデメリットと呼べるかはあなた次第です。
格安SIMのデメリット③通信が大手より安定しないことがある
MVNOは大手携帯会社から通信設備をレンタルしているため、回線網が限られています。
回線が混み合うお昼休憩の時間や夜は通信が安定しないこともあるようです。
また、大容量のゲームなどをプレイするときにも通信が遅くなる恐れがあります。
格安SIMを選ぶ上でのポイント
自分に合った格安SIMを選ぶ上で、押さえておきたいポイントは次の3つです。
- 通信回路の種類を選ぶ
- 自分が使いたいプランがあるのかを選べる
- 通信速度を確認する
格安SIMを選ぶポイント①通信回路の種類を選ぶ
先ほど、「MVNOは大手携帯電話会社から通信設備をレンタルしている」とお伝えしました。
ということは、格安SIMで利用する回線は携帯電話会社のものということになります。
そのため、docomoの回線やsoftbankの回線など、自分が好きな回線を使っている格安SIMを選ぶことができます。
ただし、大手携帯電話会社で購入した携帯にはSIMロック*がかかっており、携帯を購入した会社の回線しか利用することができないので注意が必要です。
携帯電話を購入した会社によって、他の通信会社の回線を利用できないようにかけられている”制限”のことを指します。他の会社の回線を使いたい時は、SIMロックの解除をするか、家電量販店などで購入できるSIMフリーの端末を使うのが一般的です。
格安SIMを選ぶポイント②使いたいプランがあるか
「電話はLINE電話で済ませるのでかけ放題などのサービスはいらない。でもデータ量はたくさん欲しい。」
「電話はLINEで済ませるし、データ量も少なくして最も安いプランに契約したい。」
といった、あなたの希望に合うプランを提供している格安SIMを選ぶようにしましょう。
ちなみに、自分が毎月使用するデータ量の平均や、キャリア通話を使う頻度を考慮すると決めやすくなります。
格安SIMを選ぶポイント③通信速度を確認する
MVNOによって使っている回線が違うため、通信速度には差があります。
快適な速度で利用したいのであれば、通信速度に定評のある格安SIMを選ぶようにしましょう。
【格安SIMとは】:まとめ
今回は格安SIMや関連するワード等についてお話して参りました。最後に、格安SIMに関して簡単にまとめると次のようになります。
- 格安SIMとは ▷ MVNOにて契約できる格安のSIM(カード)のこと。
- MVNOとは ▷ 格安SIMを提供している携帯電話会社のこと。
- MNOとは▷「docomo」「au」「SoftBank」等の大手携帯電話会社のこと。
- 格安のワケ▷MVNOが通信設備を持たずにMNOからレンタルしているため。
格安SIMに契約すれば、毎月の高い携帯電話料金に悩まされることもなくなるでしょう。
また、ここまで格安SIMについて理解したのであれば、格安SIMについて全く知らない友人にも簡潔に説明できるはずです。
もし、格安SIMに契約を考えるなら、上記で解説しているメリットやデメリット、格安SIMを選ぶ上でのポイントを参考にすると良いですよ。