盗み食いをする猫に困っていませんか?その結果、不適切なしつけ方法をしている場合があります。
そこで、この記事では猫が盗み食いをする理由、盗み食いの危険性から正しいしつけの方法を紹介していきます。しつけの方法は今からでも試せるものになっているので安心して読み進めて下さい。
では、さっそく猫が盗み食いをする理由から紹介していきますので見ていきましょう。
(アイキャッチ画像:https://pixabay.com/ja/photos/猫-ベンガル-ベンガル猫-4345889/)
猫が盗み食いをする理由
そもそも猫がなぜ盗み食いをするのか。その理由は様々ですが、ここでは代表的な理由を紹介していきます。
まず、しつけ方法を知る前になぜ盗み食いをするのかその理由を知っていきましょう。
飢えの経験
飢えの経験をしたことがある猫は食べ物があるうちに食べないといけないという、食べ物に対する執着心が高いです。
例えば、野良猫は飢えを経験している猫がほとんどなので、元野良猫だと本能的に盗み食いをしている可能性が高いです。
そのため、盗み食いは生き抜くために身についた手段の延長であり、ある種仕方がない点も存在します。
味を覚えた
キャットフードだけを与えていたが「少しだけならいいか」という安易な気持ちで人間の食べ物を与えると「とても美味しい」と感じ、味を覚えることがあります。
我々、人間も一度美味しい食べ物を食べるとまた食べたいと思うのは自然のことで猫も同じ気持ちを抱きます。
そして、猫は「飼い主さんが食べているもの=美味しいものなんだ」と認識し、食卓に上がっている食べ物を盗み食いします。
ですので、人間の食べ物を与えてから盗み食いが始まった場合は味を覚えた可能性が高いです。
子猫の時から人間の食べ物を食べていた
食べ物の好き嫌いは生後半年程度で形成されると言われています。
そのため、子猫の時に人間と同じ食べ物を食べて成長した場合、人間の食べ物を好む習性があります。
その結果、飼い主さんが食べているものを食べたいという気持ちが盗み食いを行う原因になっているケースもあります。
好奇心
猫は好奇心旺盛な動物で、新しいものや環境は嫌うけど、見慣れないものを発見したら近寄らずにはいられない難しい性格を持っています。
その性格が食卓の上にある食べ物に意識が向いて気になってしまい、結果的に盗み食いになるケースもあります。
また、思いがけず美味しいかった場合は何度でも盗み食いをしてしまうことはよくあります。
性格
生まれながらの個体差で盗み食いをする猫としない猫に分かれます。
これは、同じ母猫から生まれ同じ環境で成長していても個体差は生まれるものなので生まれつき盗み食いをしてしまう猫もいると認識して下さい。
猫の盗み食いの危険性
盗み食いをする困った猫ちゃんですが、笑って済ましてはいけません。場合によっては猫の健康を害す食べ物や、最悪だと命を落とすこともあります。
そこで盗み食いの危険性についても知っていただければと思います。下記には盗み食いの危険性を説明していきます。
尿石症を引き起こす
練り物や、干物など加工食品には、調味料、添加物、塩分が多く含まれています。
また、野菜類に含まれるリンやマグネシウムなどのミネラルを多く摂取しすぎると結石の原因になり腎臓に負担をかけてしまいます。
そのため、栄養素がキャットフードで十分に足りている中で人間の食べ物を摂取してしまうと尿石症のリスクを高めます。
- かまぼこ
- ちくわ
- ハム
- さきいか
- 鰹節 など
肥満や糖尿病を引き起こす
炭水化物は人間にとっては必要なエネルギーですが、肉食動物の猫は多くの炭水化物は必要ありません。
多量の炭水化物を分解し吸収することは肝臓や膵臓の負担となり、分解がうまくいかず糖尿病や肥満の原因になります。
- ご飯
- パン
- うどん など
- 生クリーム
- アイスクリーム
- ポテトチップス
- ケーキ など
栄養不足
食物繊維の多い野菜を摂取すると、栄養を吸収する消化器官が短い猫はタンパク質やミネラルの栄養分が十分に吸収されず便と一緒に出てしまいます。
また、食物繊維は下痢の原因にもなり腸内環境を悪くし免疫力も低下されるリスクがあります。
その他にも、青魚や生のマグロに含まれる脂肪を摂取しすぎると、酸化を抑えるビタミンEが不足し黄色脂肪症(体の脂肪が黄色く硬くなり炎症が起こる病気)を引き起こす恐れもあります。
- ごぼう
- キャベツ
- 大豆
- コーン
- 白菜 など
猫に絶対に与えてはいけない食べ物
盗み食いの危険性を説明したときに様々な食べ物が出てきました。普段、飼い主さんは食べ物には気をつけているかと思いますが、改めて危険な食べ物を紹介しておきます。
数はかなりあるので、これもダメなんだと思う食べ物も存在するかもしれません。例えば、牛乳なんかはあげてはいけない物という感覚がないかもしれませんが、乳製品はアレルギーを起こす場合があります。
- タマネギ・ネギ類
- チョコレートやココア
- コーヒーなどに含まれるカフェイン
- アルコール飲料
- ぶどう・レーズン
- アワビ・サザエ(フェオフォーバイドという物質が危険)
- 生の豚肉
- アボカドの果実、種、葉
- 鳥の骨や魚の骨
- 牛乳
- レバー
猫の盗み食いをしつける方法①:空のキャットフード袋を見せる
猫は理解する能力が長けているので、食べ物を探した結果何も見つからない場合、「ここには食べ物はないんだ」と認識します。
そのため、戸棚にしまってあるキャットフードを狙う猫には、あえて保管してある場所に空っぽのキャットフードの袋だけを置いてみて下さい。
そうすることで、「戸棚に食べ物がある」という認識から「戸棚には食べ物がない」と学習し認識が変わることがあります。その結果、戸棚にしまってあったキャットフードを狙わなくなります。
猫の盗み食いをしつける方法②:霧吹きを使う
実は霧吹きを使うことは猫のしつけには効果的なアイテムになります。「なぜ?」と思うかもしれませんが、その理由は猫は身体が濡れるのを嫌う習性があるからです。
そのため、盗み食いや机の上に登ろうとしている時に霧吹きでシュッとひと吹きすると猫は嫌がり離れていくと思います。
何度も繰り返せば、盗み食いは行ってはいけないんだと認識するようになるので、根気よく霧吹きを使用することは効果的なしつけ方法です。
しつけに霧吹きは効果的ですが、必要以上に吹きかけるのはやめて下さい。嫌がる行為は信頼関係を崩すので、何度もやらず、ひと吹きすれば十分です。
猫の盗み食いをしつける方法③:おろす・揺らす・音を立てる
猫が机の上に登ってきたらとにかく徹底しておろすことを行なって下さい。何度も登ってくるのに対して登ってはいけないと猫に分からせます。
また、猫に見られないように机を揺らしたり大きな音を立てると「机の上は怖い」と思うようになり机の上に乗らなくなります。
何度もおろしたり揺らしたり音を立てたりと根気のいる作業になるかもしれませんが、猫は「やってはいけないこと」と学習するので試してみて下さい。
猫に飼い主さんが揺らしている姿や音を立てている姿は見られないようにして下さい。見られてしまうと信頼関係が壊れる可能性があります。
猫の盗み食いをしつける方法④:人間の食べ物を与えない
人間の食べ物は与えないようにしましょう。人間の食べ物は猫にとって体に害になるといった観点もありますが、与えたことで味を覚え盗み食いをする猫がいるからです。
これは、本記事で紹介した「猫が盗み食いをする理由 味を覚えた」に直接繋がるものになります。猫も一度食べた美味しいものは食べたくなるもので、その結果盗み食いをしてしまうケースは多くあります。
また、もうすでに盗み食いをする猫であっても人間の食べ物を与えるのはやめましょう。より好奇心が増し、人間の食べ物を食べたい欲求が増してしまう可能性があります。
猫の盗み食いをしつける方法⑤:人と猫の食事空間を分ける
しつけの方法とは少しずれるかもしれませんが、盗み食いをなくす対策として、人と猫の食事の空間を思い切って分ける方法は非常に効果的です。
分けてしまうことで人間が食べている机の上に登られる心配がないため、そもそも盗み食いやつまみ食いが発生しません。
様々なしつけ方法を試してどうしても治らない場合は物理的に盗み食いができない空間を作ってしまうのも手段です。
また、部屋を分けるのが不可能なら猫の食事を先にし、猫のお腹を満たした後に人間の食事をすることで盗み食いをなくす方法もあります。
やってはいけないしつけ方法
しつけ方法でやってはいけないことが存在します。それは、叩く、怒鳴る、押さえる、狭いところに閉じ込めるなどの行為です。
猫に苦痛や恐怖を与えるだけで逆効果になる恐れもありますし、飼い主さんとの信頼関係が崩れます。恐怖で支配しているような関係はお互いよくありません。
叱るときはむやみやたらに怒鳴るのではなく、猫にわかりやすいように一貫した態度でダメなものはダメと伝えるよにして下さい。
【まとめ】猫の盗み食いをしつける方法
本記事では、猫が盗み食いをする理由、盗み食いの危険性からしつけの方法まで紹介させていただきました。しつけの方法は5つあるので、最後にもう一度簡単にまとめておきます。
- 空っぽのキャットフード袋を見せる
- 霧吹きを使う
- おろす・揺らす・音を立てる
- 人間の食べ物を与えない
- キャットフードを別室で食べさせる
しつけといってもただ怒鳴るのでは伝えたいことは猫には伝わりませんし、伝わらないどころか恐怖心を与えてしまい信頼関係を崩す場合もあります。
なので、正しい方法で飼い主さんにしかできないより良い信頼関係を創り上げていって下さい。この記事がその手助けになれば幸いです。