「不動産投資のために、市街化調整区域を購入しようと思っている!」
このように考えている人は、少し立ち止まってみましょう。市街化調整区域には土地や税金が安いメリットがある一方で、デメリットも存在します。
初期費用が安いという理由だけで購入を検討している場合、トータルで見るとマイナスになってしまうことも!メリット・デメリットを把握した上で、購入を検討するようにしてくださいね。
この記事では、市街化調整区域の特徴やメリット・デメリット、市街化調整区域かどうか確認する方法について紹介します。不動産投資に興味がある方は、ぜひ最後まで読んでくださいね。
出典:https://pixabay.com/ja/photos/アーキテクチャ-家族の家-1836070/#content
不動産投資では市街化調整区域を買ってはいけない?!
不動産投資は、家賃収入(インカムゲイン)と転売時の売却益(キャピタルゲイン)の2つをもとに収益を得る投資方法です。
市街化調整区域は不動産としての価値が低いため、キャピタルゲインが見込めず、避ける投資家も多くいます。そのため、”市街化調整区域は、買わない方が良い”という話が出回っています。
しかし、市街化調整区域を除外して物件を探すと、すでに不動産投資で収益を出している人が良い物件を抑えているため、掘り出し物件が見つからないのも事実です。
市街化調整区域であっても、メリット・デメリットを把握し、不動産投資として購入するに値する物件かどうか条件と照らし合わせながら考えれば、必ずしも避ける必要はないでしょう。
そもそも市街化調整区域とは何?
そもそも市街化調整区域とは、どのような区域が知っていますか?簡潔に説明すると、「市街化を抑制すべき地域」のことです。
つまり、住宅や商業施設などの建物を、積極的に建設しない地域のことを指します。
分かりやすく説明すると、田んぼが広がっているような地域であり、都市計画区域により都道府県知事が選定しています。
特別な事情を除いて、基本的には土地を人が住むために工事することが禁じられている地域です。
市街化調整区域と市街化区域は別もの?
不動産投資をまだ始めていない方や始めたばかりな人は、「市街化調整区域」と「市街化区域」は同じような意味合いを持っていると思っている場合が多々あります。
しかし、実際は反対の意味を持つ言葉です。市街化調整区域は新たな住宅や商業施設を建設できないのに対し、市街化地域は市街地の再開発が積極的に進められる区域のことを指します。
インカムゲインやキャピタルゲインの数値も異なってきますので、不動産投資を行う上のなら、しっかりと覚えておきましょう。
不動産投資で市街化調整区域を購入するメリット
キャピタルゲインが見込めない市街化調整区域ですが、不動産投資を行う上でメリットもあります。
- 土地を安く購入できる
- 固定資産税が安い
- 都市計画税がかからない
土地を安く購入できる
市街化調整区域は市街化地域に比べて、土地の価格が場合によっては1/10と安いため利回りがとても良いです。
土地購入の費用を抑えられ、その分建物に資金を回すことができるため、戸建て住宅や一棟貸し出しのアパート・マンションを貸し出す場合には、インカムゲインでの収益が見込めるでしょう。
固定資産税がやすい
市街化調整区域は市街化区域に比べて、固定資産税も安い傾向にあります。
税金を減らすことができるので市街化区域に比べ、支出を減らし、利益を増やすことも可能です。
都市計画税がかからない
市街化区域には都市計画税「固定資産税評価額×税率(上限は0.3%)」がかかりますが、市街化調整区域には都市計画税がかかりません。その分、余計な支出(税金)を払う必要はなくなります。
なお、都市計画税は自治体によって異なるので、詳しく知りたい方は自治体のホームページを確認するか、直接確認すると良いでしょう。
不動産投資で市街化調整区域を購入するデメリット
市街調整区域の物件を購入する際のデメリットは、以下の通りです。
- 建物を建設できない
- 銀行からの融資を受けづらい
- インフラが整備されていないことがある
建物を建設できない
市街化調整区域は、原則として新しい建物を建設することができません。そのため、建物を売却するときに苦戦する可能性が高く、キャピタルゲインが見込めない場合もあるでしょう。
なお、都道府県の許可があれば建設は可能ですが、思惑通りの建物を建設できるとは限りません。
銀行からの融資を受けづらい
土地を安く購入できる市街化調整の場合、市場価値が低く、住宅ローンの融資が下りなかったり、融資額が減額する可能性があります。
ですので、あなたが今現在持っている資金で購入できる範囲の建物しか、購入できません。元手が多い人にとっては関係ありませんが、少ない人にとってはデメリットといえるでしょう。
インフラが整備されていないことがある
市街化調整区域は田んぼが広がっているような地域が多いので、電気や上下水道などインフラが整備されていないこともあります。
その場合、人が住めるようにするために、インフラを整備する必要があり、余計な出費がかさんでしまいます。
また、田んぼは低地にあることが多いため水害が起こりやすく、地盤が弱い可能性が高いです。
自然災害の被害が出やすい土地は入居者が集まりにくいので、家賃収入の大敵である空室が発生しやすいので注意しましょう。
不動産投資の重要項目!市街化調整区域で建て替えは可能?
原則として新しい建物を建設できない市街化調整区域ですが、建て替えはできるのかあなたも気になるところですよね。
結論から言うと、建て替えであっても自治体の許可を得なければいけません。増改築やリノベーションであっても同じです。
「リノベーションをして、入居者の募集をしよう」と、考えている方は、1度考え直した方が良いでしょう。既存の建物で利益を得ることができるのか、考えてみてくださいね。
購入予定の市街化調整区域のインフラ状況を確認!
先ほど市街化調整区域のデメリットで、インフラが整備されていない場合があると述べました。事前に確認しておいた方が良いインフラは、以下の通りです。
- 電気
- ガス
- 上下水道
もしインフラ整備をするとしても、自治体からの助成金が支給されることは基本的にないため全て自費になります。
インフラ整備に莫大な金額がかかっても、利益を得ることができるのかどうか、しっかりとシミュレーションを行いましょう。
不動産投資のために市街化調整区域を購入するなら地盤確認が重要
もともと田んぼであった土地は、低地にあるため水害の被害や、地盤が弱いことから地震の被害が起こりやすいです。ですので、購入前に確認をしておきましょう。
土地の契約前ですと地盤調査を行えない可能性があるので、気になる方は役所で浸水被害の記録やハザードマップを調べておくのがおすすめですよ。
自然災害が起きたときに被害が起きやすい地域は、入居率が低く、被害を受けた際には修繕費などで余計な出費がかさみます。
あなたの利益が減少してしまうので、自然災害に弱い地域の建物は、購入しない方が良いでしょう。
市街化調整区域を確認する方法
ここまで、市街化調整区域の特徴について紹介しました。メリット・デメリットを把握した上で購入を検討しますが、そもそも購入予定の土地が市街化調整区域なのかわからないと検討できませんよね。
市街化調整区域かどうか確認する方法は、インターネットで「市町村名 市街化調整区域」と検索すると出てきますよ。
市町村のマップ内に色別で”都市計画用途地域”が表示されているので、自宅にいながら簡単に確認することができるでしょう。
不動産投資に関する市街化調整区域まとめ
不動産投資のための、市街化調整区域について紹介しました。市街化調整区域とは、新しく建物を立てられない地域のことです。
土地や税金が安いというメリットがある一方、建物を新たに建設できず、銀行からの融資が受けづらいというデメリットがあります。
さらに、もともと田んぼだった土地の場合、自然災害に弱いという特徴があります。
不動産投資のために市街化調整区域を購入する予定なら、メリットとデメリットを把握し、利益が発生するのかしっかりとシミュレーションをする必要があるでしょう。