土地活用の中でも比較的ローコスト・ローリスクで始めやすいと言われているのが駐車場経営です。
遊休地となっている土地や空き家になっている土地を持っているが、特に何もせずそのままの状態になってはいませんか?
この記事では、自分で駐車場経営をするにはどうしたらよいのか、経営していくうえでのメリット・デメリット、注意点など詳しく載せています。ぜひ最後まで読んでみてくださいね!
出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/3197162?title=%E8%87%AA%E5%8B%95%E8%BB%8A%E3%80%80%E3%83%9F%E3%83%8B%E3%83%81%E3%83%A5%E3%82%A2%E5%86%99%E7%9C%9F%20
駐車場経営とは
駐車場経営とは、遊休地を駐車場として活用し運営することです。駐車場を利用した人から利用料金を徴収することで収入が得られます。
立体駐車場のような大掛かりなものを除くと初期費用があまりかかりません。アパート経営などの費用がかかりやすいものと比べると、始めやすい土地活用と言えます。
また、日々必要な管理業務については運営管理会社に委託することができるため、管理の手間もさほどかかりません。
駐車場経営の種類
駐車場経営には以下の2種類があります。それぞれ詳しく見てみましょう。
- 月極駐車場経営
- コインパーキング経営
月極駐車場経営
月極駐車場はいわゆる青空駐車場と呼ばれるタイプで、駐車する場所を確保したい個人や法人と契約を結び、月ごとに賃料を徴収する駐車場経営です。
設備を整える必要がなく、初期費用をおさえて始められる点が魅力です。
駐車場の近くに勤めている人や周辺に住んでいる人から借りられることが多く、長期的な契約になりやすいです。
コインパーキング経営
コインパーキング経営は、時間制で駐車料金を徴収する駐車場経営です。近くの施設の利用客などから需要が見込め、多くの人が利用するほど収入が上がっていきます。
ただし、精算機などの駐車場機器を導入する必要があり、その分の初期費用がかかってしまいます。
駐車場がオープンするまでの流れ
駐車場がオープンするまでの流れを以下に順番に挙げました。土地の確認や管理方法の決定、駐車場の工事などやるべきことが多くあります。
また、一番始めに行う「駐車場経営に適した土地なのか確認する」の判断基準は、「障害物がなく駐車場に入りやすい」、「車一台が止められるスペース(2.5m×5.0m)が確保されているか」などが挙げられます。
それらを確認することで使いやすい駐車場かどうかを判断します。
いざというときにあせらずしっかりできるよう、あらかじめ流れを確認しておきましょう。
- 駐車場経営に適した土地なのか確認する
- 経営する駐車場の種類(月極駐車場かコインパーキング)を決める
- 駐車場経営の管理方法を決める
- 駐車場経営が得意な管理会社に相談する
- 周辺地域の市場調査と収支計画を策定する
- 駐車場管理会社とパートナー契約を結ぶ
- 駐車場の工事を開始する
- 集客をして駐車場経営をスタートする
月極駐車場の経営で儲かるコツ
初めての駐車場経営はうまくいくのか不安でいっぱいになりますよね。そこでまずは、月極駐車場の経営で儲かるコツを以下に2つ挙げました。それぞれ詳しく見てみましょう。
- オープン時に駐車場の利用契約者を募集する
- 駐車場を常にメンテナンスする
オープン時に駐車場の利用契約者を募集する
月極駐車場の場合、契約者がいなければ収入は0となってしまいます。そのため駐車場の看板を目につくように設置したり、周辺のお店などにチラシを配ったりして利用契約者を募集することが重要です。
また、利用契約者の募集を不動産業者に委託することも可能ですが、この場合は手数料が発生します。
駐車場を常にメンテナンスする
駐車場内のごみ拾いや草むしり、設備の修繕などメンテナンスを怠らないようにしましょう。
月極駐車場の場合、設備が少ないので修繕費用は抑えられます。また、駐車場内を清潔に保つことで、犯罪や放置車両などのトラブルを防ぐことに繋がります。
コインパーキングの経営で儲かるコツ
次に、コインパーキングの経営で儲かるコツを以下に2つ挙げました。それぞれ詳しく見てみましょう。
- オープン時に告知をする
- 定期的な市場調査を行う
オープン時に告知をする
コインパーキングは多くの人により利用されることで収益につながります。
ですので、周辺のお店や住居にチラシを配ったり、のぼり旗を設置してしっかり告知をしましょう。
定期的な市場調査を行う
近隣に新しくコインパーキングができたり、近隣のコインパーキングが値下げをすると大きく影響を受けます。そのため、定期的に市場調査を行い料金設定の検討をすることが大切です。
しかし、素人が戦略的に料金設定をすることは至難の業ですので、コインパーキングで駐車場経営を行う際は管理会社に委託する方法が一般的と言われています。
駐車場経営のメリット
駐車場経営のメリットを以下に2つ挙げました。順番に詳しく見てみましょう。
- 少ない初期費用から始められる
- 狭い土地でも経営可能
少ない初期費用から始められる
アパート経営のように建物が必要ないので、少ない初期費用で始められます。駐車場の運営をサポートをしてくれる管理会社と契約を結べば、土地以外の初期費用を0にして始めることも可能です。
狭い土地でも経営可能
自動車を止められるスペースがあれば、住宅に向かないような狭い土地でも経営が可能です。高い稼働率が見込める街中の狭い土地などを活用して収益につなげるのは、駐車場経営ならではの方法と言えます。
駐車場経営のデメリット
次に、駐車場経営のデメリットを以下に2つ挙げました。それぞれ見てみましょう。
- 税金の負担が大きい
- 土地の利用効率が低い
税金の負担が大きい
駐車場経営は税制上の優遇がなく、固定資産税も満額が課税されます。税金分は経費として引かれ所得税負担は減りますが、それだけ利益を出しにくくなります。
また、アパート経営で相続が発生した時は相続税が大幅に圧縮される場合がありますが、駐車場経営ではその対象外となってしまいます。
土地の利用効率が低い
土地を1フロア分でしか活用できない駐車場経営は、アパートやマンションと比べると活用できる面積が小さくなってしまいます。ですので、アパート経営ほどの収益力は期待できないでしょう。
駐車場経営にかかる税金
駐車場経営をする上でどのような税金がかかるのか5つのポイントにわけました。それぞれ詳しく見てみましょう。
- 土地を所有しているだけで発生する固定資産税
- 市街化区域内の土地で課せられる都市計画税
- 土地や建物以外の資産に課せられる償却資産税
- 課税事業者の場合に課せられる消費税
- 事業売上がある場合に課せられる所得税・住民税・個人事業税
土地を所有しているだけで発生する固定資産税
固定資産税は、土地や建物など固定資産を所有していれば誰にでも課せられる税金です。駐車場経営の場合は、土地のみが課税対象となります。
土地が住宅用地として使用されていれば軽減措置が適用されますが、駐車場は更地扱いとなるので軽減措置適用の対象外となり注意が必要です。
市街化区域内の土地で課せられる都市計画税
都市計画税は、市街化区域内に土地や建物を所有している場合に課せられる税金です。
所有している土地が市街化区域内の場所にあるのかわからないという場合は、各市町村が発行している都市計画図で確認することができます。
土地や建物以外の資産に課せられる償却資産税
償却資産税は、土地や建物以外の事業用資産に課せられる税金です。駐車場経営では、精算機やロック板が対象の資産となります。
課税事業者の場合に課せられる消費税
事業所得が1,000万円を超える場合は課税事業者とみなされ、売上に対して消費税が課せられます。
しかし、課税事業者かどうかは2年前の売上をもとにして判断されます。ですので、資本金を1,000万円未満にして経営を開始した場合、事業開始から2年間は消費税がかかりません。
事業売上がある場合に課せられる所得税・住民税・個人事業税
所得税・住民税・個人事業税の3つは、課税事業所得と呼ばれる売上から経費や控除を差し引いたものに一定の税率をかけて計算された税金です。
駐車場経営の際、立体駐車場以外でなおかつ10台以上の規模でなければ個人事業税は非課税となります。
駐車場経営で注意すべきポイント
駐車場経営で注意すべきポイントを以下に3つ挙げました。それぞれ見てみましょう。
- 駐車場の形態と立地
- 保守的な収益予想
- 実質利回りで考える
駐車場の形態と立地
どこでどのような形態で運営をしていくのかが駐車場経営の成否を左右します。
住宅地では月極駐車場の需要が多く、商業施設の周辺ではコインパーキングの需要が多いという基本を押さえておかなければなりません。
保守的な収益予想
収益を多く見積もってしまい思うように稼げないといった後悔をするケースも少なくありません。そのため、あらゆるリスクを想定して駐車場経営をするか判断してください。
管理会社に予想の収益プランを出してもらっている場合は甘い設定で想定されていることもあります。あまりうまくいかない場合でも収益が見込めるのか見極められるようにしましょう。
実質利回りで考える
駐車場経営は、投資した金額に対してどれくらいの割合の収益が得られるかが重要になってきます。
管理会社から提示されたプランでそのまま進めるのではなく、どの程度の利回りなのかしっかり確認するようにしましょう。
しっかり理解して堅実な駐車場経営を!
駐車場経営は、アパート経営と比べると管理の手間が少なく手軽に始められます。基本的な運営方法や費用相場、管理についてしっかりおさえておけば、初心者でも堅実な運営を行っていくことが可能です。
ただし、競合と差をつけることが難しい面もありますので、管理会社選びや駐車場の立地、料金設定には慎重になる必要があります。
この記事を読んで駐車場を運営する上でのメリット・デメリットや注意点をしっかり理解し、ぜひ駐車場経営を検討してみてはいかがでしょうか。