「Wi-Fiルーターは一度設置してしまえば、使い続けられる」そう思っていませんか?実はルーターは、定期的に交換する必要があります。
今回は、ルーターを交換すべき理由と、新しく買い替える際の注意点について説明していきます。
知らずに古いルーターを使い続けると、通信速度が遅くなるだけでなく、個人情報が漏れてしまう可能性もあります。そうならないためにも、ぜひ最後まで読んでください。
出典:https://pixabay.com/ja/vectors/%e3%83%ab%e3%83%bc%e3%82%bf%e3%83%bc-%e7%84%a1%e7%b7%9a-%e9%80%9a%e4%bf%a1%e7%b6%b2-%e7%b9%8b%e3%81%8c%e3%82%8a-157597/
ルーターの交換時期と目安
ルーターを含めた精密機器の寿命はおよそ5年ほどと言われていますので、それぐらいの時期を目安に定期的に交換する必要があります。
とは言っても、交換するのが面倒でついつい使い続けてしまう場合もありますよね?
しかし、寿命以外にも下記のような理由から定期的にルーターを交換した方がよいです。
- 通信規格
- セキュリティ
以上の2点のルーターを定期的に交換した方がよい理由について、次章以降でそれぞれ詳しく説明していきます。
ルーターを交換した方がよい理由①通信規格
まず、ルーターを交換した方がよい理由の一つに、通信規格があります。
この通信規格は2~6年単位で新しいものが出てきて、規格によって通信速度が異なります。
2021年9月現在、普及している通信規格は全部で5種類あります。下記がその通信規格になります。上に行くほど最新のものになります。
- 規格:11ax 最大通信速度:9.6Gbps
- 規格:11ac 最大通信速度:6.9Gbps
- 規格:11n 最大通信速度:800Mbps
- 規格:11g 最大通信速度:54Mbps
- 規格:11a 最大通信速度:11Mbps
表の最大通信速度を見ての通り、もし、11n以前の規格を使用していた場合、最新の11axに変えるだけで、10倍以上最大通信速度が速くなる計算になります。
GbpsはⅯbpsの1000倍になります。つまり、9.6Gbps→9600Mbpsになります。
ちなみに11axの最大通信速度の9.6Gbpsとは、2時間の映画(2GB)を2秒足らずでダウンロードできる計算になります。
最大通信速度の9.6Gbpsは規格上の値であり、実際使うときの通信速度は、回線と通信機器の最大通信速度によります。
ルーターを交換した方がよい理由②セキュリティ面
続いて、ルーターを交換した方がよいもう一つの理由として、セキュリティの問題があります。
ルーターは他人から情報を盗まれたり、電波のタダ乗りをされないよう、暗号化して電波を発信しています。
このセキュリティの規格も2~5年ごとに新しい規格が開発されていていて、今は暗号化方式がAESのルーターが最新のものになります。
もし、古いルーターを使い続けていると、解析ソフトによって暗号化が解かれてしまい、クレジットカードなどの大事な個人情報が流出してしまうことなどが考えられます。
ただの不具合?交換を検討する前に試しておくべきこと
ここまで、ルーターを交換した方がよい理由について説明してきました。
しかし、ルーターを購入してまだ2,3年ほどしかたっていないのに、通信が遅いという場合、ただの一時的な不具合や、問題がルーター以外にあるかもしれません。
ルーターの交換を検討する前に、以下のことを試してみましょう。
- ルーターの再起動
- 接続台数の確認
- 中継機を増やす
ルーターの再起動
「通信速度が遅い」「うまくWi-Fiにつながらない」、そういった症状の場合はルーターを再起動することで、解決することがあります。
電源を切った後、一分ほどたってから電源を入れなおし、起動後三分ほど待ったら再起動完了です。
接続台数の確認
ルーターに繋いでいる機器が多いことによって、通信速度が落ちている場合があります。
自分や家族が、それぞれどれくらいの機器をWi-Fiについないでいるか、確認してみましょう。
接続している機器が多すぎる場合、普段使わないような機器については、必要な時以外にはWi-Fiにつながないようにしましょう。
中継機を増やす
「場所によって通信速度が遅い」という悩みの場合には、中継機を導入することにより、解決する可能性があります。
メーカーが公表しているカバー範囲以内であっても、遮るものがあったりする場合は、電波が届きにくくなることがあります。
ルーターの近くだと問題なく通信できるという場合には、中継機の導入を検討しましょう。ルーター本体を交換するよりも安く済みます。
交換するルーターの選び方①基本機能
この章からは、Wi-Fiルーターの選び方について説明していきます。
せっかくルーターを交換する以上、今現在販売されているルーターで、最も自分に合うものを選びたいところです。
そこで、この章ではルーターを選ぶ際にチェックしておくべき基本機能について、説明していきます。
- 規格
- 通信速度
- 接続台数
- カバー範囲
規格
ルーターを交換した方がよい理由でも説明しましたが、新しい規格へ変更できることも、ルーターを交換するメリットです。
今現在販売されている規格はほとんどがこの2つのうちのどちらかになります。これらの規格より以前のものを使っている場合、交換によって通信速度が大幅に速くなるでしょう。
- 11ac(Wi-Fi5):主流の規格
- 11ax(Wi-Fi6):次世代の規格
現在ではまだまだ11acの方が主流の規格で、11axに対応している機器もWiFiルーターも少ないです。
選定のポイントとしては、今現在(2021年)から2~3年前に購入したスマホやパソコンを使っている場合には、11acで十分です。
しかし、近い将来スマホを買い替えたり、家族が増えて機器の接続台数が増えそうな場合は11axを検討しましょう。
通信速度
Wi-Fiルーターの通信速度は、「○○○+○○○Mbps」や「○○○+○○○+○○○Mbps」と表現され、この2つないし、3つの数字の合計が、そのWi-Fiルーターの最大通信速度になります。
数字が2つと3つがあるのは、バンド(通路)の数が異なるからです。バンドが2つのものをデュアルバンド、3つのものをトライバンドと言います。
- デュアルバンド:バンド(通路)が2つあるWi-Fiルーター
- トライバンド:バンド(通路)が3つあるWi-Fiルーター
選定のポイントとしては、通路の数が多いほうが通信の渋滞が起きにくく、重くなりにくいです。なので、家族が多い場合や、タブレットやPCを複数台接続する場合は、トライバンドのものを選ぶとよいでしょう。
接続台数
接続台数とは、Wi-Fiルーターに接続可能な機器の総数のことです。これもルーターを選定する際に非常に重要になります。
自分が接続するであろう機器の台数はもちろん、家族全員の機器の数を把握する必要があります。
選定のポイントとしては、今後接続する機器が増えることも考え、余裕を持った接続台数ルーターを選びましょう。
カバー範囲
最後に、建物の広さや間取りに合ったWi-Fiルーターを選ぶポイントです。
1ルームや1LDKまでの場合は、カバー範囲は気にする必要はありません。ただし、2LDKや2階建て以上の建物の場合、必ずカバー範囲をチェックしましょう。
基本的には商品ページの推奨利用環境の項目などに、記載されています。
交換するルーターの選び方②便利機能
続いては、あると便利なWi-Fiルーターの機能について、紹介していきます。いろいろとこだわりたい方はチェックしましょう。
- ビームフォーミング
- MU-MIMO
- メッシュWi-Fi
ビームフォーミング
ビームフォーミング機能付きのWi-Fiルーターを使うと、電波が途切れにくく、通信が重くなりずらいメリットがあります。
通常、電波は360°一律に飛ばしています。しかし、ビームフォーミング機能は電波を使用している機器の距離と方向を自動で測定し、電波を使用している場所に集中して電波を飛ばすことができます。
これにより、快適かつ高速でWi-Fiを利用することができます。
MU-MIMO
MU-MIMO対応のWi-Fi-ルーターの場合、複数の端末を同時に接続しても、通信速度が落ちないメリットがあります。
従来は2台以上一つのWi-Fiルーターに接続した場合、順番に信号のやり取りを行っていましたが、MU-MIMO対応のWi-Fiルーターは、同時に通信を行えます。
メッシュWi-Fi
メッシュWi-Fiルーターは、専用の中継器を使うことにより、広範囲をカバーすることができるようになります。
メッシュWi-Fiのシステムは、メッシュWi-Fiルーター本体と、メッシュWi-Fiの中継器の2種類から構成されます。
メッシュとは網目を意味し、その名の通り、電波の届きにくい場所にも中継器を置くことで、網目のように隅々まで広範囲をカバーできます。
レンタルルーターの場合は無料で交換がほとんど!
レンタルルーターや、モデム一体型のONUなどを使用している方は、新しいものを購入しなくても、無料で交換してもらえる場合があります。
上で紹介したWi-Fiルーターの選び方のポイントを踏まえたうえで、自分に合うルーターと交換してもらえるのであれば、その方が断然お得です。
まずは、レンタルしている回線業者やプロバイダに問い合わせるか、ホームページを調べてみて、交換可能か確認してみましょう。
おすすめのルーター①【一人暮らし向け】
紹介してきたWi-Fiルーターの選び方を踏まえて、使用環境に合わせておすすめの商品を2つ紹介していきます。
まず、一人暮らしの方向けにおすすめのWi-Fiルーターは、バッファローの「BUFFALO WiFi-ルーター WSR-1500AX2S/NBK 」です。以下がスペックになります。
BUFFALO WiFi-ルーター WSR-1500AX2S/NBK | |
料金(amazon) | 6,980 円 |
規格 | 11ax(Wi-Fi6) |
通信速度(周波数帯:通信速度) | 5.0 GHz:1201 Mbps、2.4 GHz:300Mbps |
接続台数 | 12台 |
カバー範囲 | マンション:3LDK 、戸建て:2階建て |
備考 | MU-MIMO、ビームフォーミング |
こちらのWi-Fiルーターは価格が非常にリーズナブルな上、最新規格のax対応に加え、機能も必要なものは最低限そろっているモデルになります。
また、ルーターを交換した方がよい理由でも説明したセキュリティ面も、暗号化方式AESに対応しています。
一人暮らしの方で、Wi-Fiルーターを交換して新しくしたい方に最適なモデルです。
おすすめのルーター②【広い間取り、家族向け】
続いては、大人数でWi-Fiを利用する方向けに、おすすめのWi-Fiルーターを紹介していきます。
私がおすすめするのは、ASUSの「ASUS WiFi-ルーター RT-AX3000」です。以下がスペックになります。
ASUS WiFi-ルーター RT-AX3000 | |
料金(amazon) | 13,800 円 |
規格 | 11ax(Wi-Fi6) |
通信速度(周波数帯:通信速度) | 5.0 GHz:2402 Mbps、2.4 GHz: 574Mbps |
接続台数 | 64台 |
カバー範囲 | マンション:4LDK 、戸建て:3階建て |
備考 | メッシュWi-Fi、MU-MIMO、ビームフォーミング |
こちらのWi-Fiルーター接続台数が64台とかなり多い機種になります。さらにメッシュWi-Fiに対応しているので、別売りの中継器を買えば、電波のカバー範囲を広げることもできます。
このWi-Fiルーターも、最新規格のax対応で、セキュリティ面も、AES暗号化方式なので、新しくルーターを交換するには、適しています。
また、自宅はもちろん、店舗やオフィスで業務用として使うにも十分なスペックです。広い範囲で大人数で使用する方におすすめです。
ルーターは定期的に交換しよう!
今回は、ルーターを交換すべき理由と、新しくルーターを買い替える際の注意点、選定方法、おすすめ商品について紹介してきました。
もしもお使いのWi-Fiルーターが5年以上たって、通信速度に不満を感じているのなら、ルーターの交換を前向きに検討した方がよいでしょう。
最近では、動画サイトもより高画質になり、画像の掲載が多いサイトも増えてきています。今後もより大容量のデータを通信する必要があるでしょう。
インターネット環境でストレスを感じないためにも、ルーターの交換は定期的に行いましょう。