巷で話題の「格安SIM」とはどのようなサービスか知っていますか?なんと言っても安さが魅力で、docomoやau等の大手通信キャリアに比べると通信料が半額以下で、年間で約5万円を節約することも可能です。
しかし、大手通信キャリアより半額以上安いため、サービスの質での不安や「大きな落とし穴があるのではないか」と心配になってしまいますよね。
本ページに訪れた皆様は、携帯代を安くしたいと考えている方が多いのではないでしょうか。ここでは、格安SIMが安い秘密やメリット・デメリット、乗り換える際の注意、契約する会社選びのポイントまで解説します。
記事を全て読んでいただけると、格安SIMについて理解ができ、家族や友人と話せるレベルになりますので、是非最後まで読んでくださいね。
(アイキャッチ画像出展:https://pixabay.com/ja/photos/呼び出す-sim-カード-セル-71170/)
格安SIM(シム)とは?
まず、SIMについて説明します。SIMとは、スマホの中に必ず入っているICカードの事で、契約した通信キャリアから発行され、電話番号や利用者の情報が入っています。
SIMが無ければ、普段使っているスマホは電話機として使用する事が出来ません。つまりは、電話番号を持っているのはスマホではなく、SIMカードなのです。
そのSIMの中でも、大手通信キャリア(NTTドコモ、KDDI、Softbank)と比較して毎月の利用料金が「格安」なのが、格安SIMです。
ちなみに、格安SIMを提供している会社は、「MVNO(Mobile Virtual Network Operator/仮想移動体通信事業者)」と呼ばれています。
格安SIMは何で「格安」なの?怪しくはないの?
大手通信キャリア(NTTドコモ、KDDI、Softbank)は、回線を繋ぐ為にアンテナや基地局といった通信設備の設置、維持に投資をしています。
一方で、格安SIMを取り扱う会社「MVNO」は、大手通信キャリアの回線を借りており、アンテナや基地局への設備投資や維持費が掛からない為、安くサービスを提供できるのです。
また、MVNOは実店舗が少ない分、人件費が抑えられている為、安価なサービスが出来るという訳です。
格安SIMが安い理由には、しっかりとした根拠がありましたね。なので、安心してお使いいただけますよ。
大手キャリアと比べて格安SIMは繋がりにくい?通信速度は?
格安SIMは大手通信キャリアの回線を借りて利用していることから、電波の繋がりやすさは、大手通信キャリアと全く変わりません。
例えば、Softbankの回線を利用している格安SIM(MVNO)の場合、繋がりやすさはSoftbankと同じですので、安心してお使いいただけます。
しかし、通信速度には注意が必要です。格安SIMは、MVNOが大手通信キャリアから借りた回線を利用者間で分け合う仕組みとなっております。
契約した格安SIMにもよりますが、混雑しやすい場所(都市部や駅構内)や時間帯(通勤・通学時間帯、お昼休み、夜間)によっては、大手キャリアと比べて、通信速度が遅くなりがちという事を把握しておきましょう。
安いだけじゃない!格安SIMのメリットとは?
格安SIMの仕組みについて説明してきましたが、ここで格安SIMのメリットを3つ紹介します。
- 通信料が大手通信キャリアの半額以下
- 料金体系が大手通信キャリアと比べてシンプル
- 通話プランが自由自在に選べる
通信料が大手通信キャリアの半額以下
格安SIMの最大の魅力は、なんといっても名前の通り料金が安いことです。
現在、大手通信キャリアでスマホを使っている皆さまの月々の携帯代は8,000円では足りず、スマホ本体の料金も割賦で支払っている場合、10,000円を超えてくるのではないでしょうか。
しかし格安SIMの大半は、月々1,000円〜3,000円で使用する事が出来ます。さらに1,000円以下で使用出来るプランもあります。
仮に、大手キャリアに月々8,000円に払っていて、格安SIMで月々の支払い料金が4,000円になった場合、1年間で48,000円もお得になっちゃいます!
料金体系が大手通信キャリアと比べてシンプル
大手キャリアと契約した時を思い出してみてください。大手キャリアの料金体系は非常に分かりづらく、店員に勧められたままよく分からないプランに入ってしまったという経験はありませんか。
一方で格安SIMは、一目見ればプランが理解できるようになっています。月々使用できるデータの容量ごとにプランが決まっています。自分がどれだけ1ヶ月の間にデータ容量を自身が使っているか確認してみましょう。
InstagramやYoutube等の動画アプリをWi-Fiに繋がない状態で沢山使用しなければ、5GBで多くの方が許容できる範囲内と言えるでしょう。
通話プランが自由自在に選べる
大手キャリアでスマホを契約した場合、電話かけ放題のプランに入る事が必要な場合があります。しかし、実際はLINE等の無料通話アプリを使っていて、かけ放題の意味がなく高い金額を支払っている場合があります。
格安SIMの場合は、緊急の時の為に電話番号は欲しいけれど、日常ではあまり電話をしない人にぴったりな、かけ放題プランなしで電話できるプランを契約する事も可能です。
また、データ通信オンリーのプランもあり、電話は全てLINE電話を利用しているという人には、さらに安く契約する事が出来ます。
注意しよう!!格安SIMのデメリットとは?
事前に気をつけるべき、格安SIMのデメリットを3つ紹介します。
- キャリアメール、SMSが使えない
- LINEの年齢認証が使用できない
- 店舗でのサポートが受けづらい
キャリアメールが使えない
格安SIMでは、キャリアメールが使用できません。キャリアメールというのは、「~@docomo.ne.jp」や「〜@softbank.ne.jp」といったアドレスのメールの事です。
キャリアメールがないと困る方は、格安SIMに変更する前にYahoo!メールやGmail等のフリーメールに移行をしておきましょう。
LINEのID検索が使用できない
LINEの年齢認証は各キャリアのユーザーページ(My Softbank、My au、My docomo)でしか行えない為、LINEのID検索が使えません。
しかし、QRコードやふるふるを使う事で、LINEの友達追加が出来ますので、大きなデメリットとは言えないでしょう。
また、格安SIMではキャリアが提供する、キャリア決済サービス等も使用できなくなりますが、特に大きなデメリットにはなりません。
店舗でのサポートが受けづらい
格安SIMが安い理由の部分で少し触れましたが、格安SIMを取り扱っているMVNOは、人件費を抑え実店舗が少ないため、店舗に実際に行って、店員さんから直接サポートを受けづらくなっています。
ですので、問題があった場合、公式サイトやインターネットの情報で解決する必要があります。知り合いで格安SIMを使っている人に質問するのも良いでしょう。
インターネットの情報のみで問題を解決できる方や、近くにMVNOの店舗がある場合は、こちらも大きなデメリットではないでしょう。
格安SIMに乗り換える際に機種変更は必要?
結論から言うと、機種変更は必要はありません。ですが、事前に端末のSIMロックを解除した後、格安SIMに入れ替え、スマホでAPN設定が必要です。SIMロック解除に関しては、次項で説明をします。
もちろん、格安SIMに変更する際に新しいスマホ本体に変える事も出来ます。その場合は、格安SIMを契約したMVNOで購入するか、家電量販店やネットでSIMフリーのスマホを購入すれば問題ありません。
APN(Access Point Name)設定とは、端末でデータ通信をする為に必要な設定です。APN設定を行わないと、SIMを入れてもネットに接続する事が出来ません。
APN設定は非常に簡単に設定する事ができますので、安心してくださいね。ちなみに、大手通信キャリアでは初めからAPNが設定されています。
SIMロックとは?どうやって解除すれば良いの?
「SIMロック」とは、スマホを契約した大手通信キャリア以外のSIMカードをスマホを入れても、端末にロックがかかっている為、そのままでは使用できない状態の事です。
例えば、Softbankで購入したiPhoneに、格安SIMをそのまま入れても、電話およびデータ通信はできません。その為に、事前にSIMロックの解除が必要です。
SIMロック解除は、携帯ショップに持ち込むと3,000円掛かりますが、各キャリアのユーザーぺージから行うと手数料が発生しません。解除の手順は難しくないので、まずはご自身で試してみる事をおすすめします。
また、現在契約している大手通信キャリアと変更後の格安SIMが同じ回線を使用している場合、SIMロック解除が不必要な場合がありますので、そこも確認しておくと良いでしょう。
格安SIMに乗り換えた時の引き継ぎに関して
格安SIMは、通信料が大手キャリアの半分以下という事でとても魅力的ですが、乗り換えた際に「データが消えないか心配・・・」や「設定を引き継ぐのが手間だなぁ」とお考えの方もいるのではないでしょうか。
ここでは、格安SIMに乗り換えた時の引き継ぎの際に、事前に知っておきたい4つのポイントについて解説します。
- 現在お使いのスマホをそのまま使う場合
- 機種変更をする場合
- 電話番号はどうなるの?
- LINE等アプリのデータはどうなるの?
現在お使いのスマホをそのまま使う場合
SIMカードのみを入れ替える場合は、基本的に全てのデータはスマホ若しくはSDカード内に保存されているので、特別な引き継ぎは必要ありません。
注意するポイントとしては、キャリアメールは使用できなくなりますので、サイト会員登録の際にキャリアメールのアドレスを設定している場合は、事前にGmail等のフリーメールに設定変更をしておきましょう。
機種変更をする場合
格安SIMに乗り換える際に機種変更をした場合、データがきちんと古いスマホから、新しいスマホに移行できるか心配ですよね。
ここでは、iPhone→iPhoneのように同じOS間、iPhone→AndroidのようにOSが変わる場合など、下記4パターンに分けて必要な引き継ぎ作業を説明します。
- iPhone→iPhoneに機種変更する場合
- Android→Androidに機種変更する場合
- iPhone→Androidに機種変更する場合
- Android→iPhoneに機種変更する場合
iPhone→iPhoneに機種変更する場合
古いiPhoneから新しいiPhoneに機種変更する場合は、パソコン(iTunes)やiCloudを使用しバックアップを取る事でデータの移行が可能です。
iTunesを使用して引き継ぎを行う場合は、ほぼ全てのデータのバックアップが取れますので、パソコンがある場合はiTunesを使用される事を推奨します。
パソコンがない場合は、iCloudを使用する必要がありますが、保存できるデータが限られるという点、5GB以上のデータを引き継ぐ場合はお金がかかる点には注意しましょう。
Android→Androidに機種変更する場合
古いAndroidから新しいAndroidへ機種変更する場合は、Googleアカウント、データ移行アプリ、SDカードを使用する事で、バックアップを取る事が可能です。
新しいスマホで、Googleアカウントの設定を行い、バックアップしたデータを読み込む事でデータを引き継ぐ事が出来ます。
iPhone→Androidに機種変更する場合
まず、古いiPhoneでGoogleアカウントを同期し、その後、新しいAndroidスマホで、iPhoneのデータを同期したGoogleアカウントを追加し、同期する事で、連絡先やメモの移行が可能です。
写真・動画に関しては、古いiPhoneで「Google フォト」をダウンロードし、Googleアカウントでサインインをする事で、バックアップするかどうか聞かれますので、バックアップを取りましょう。
その後に、新しいAndroidから「Googleフォト」にログインし、バックアップをしたデータをダウンロードをすれば写真・動画を引き継ぐ事が出来ます。
その他、現在お使いのキャリアが配信している移行アプリが入っている事もありますので、確認してみてください。
Android→iPhoneに機種変更する場合
AndroidからiPhoneへ機種変更する場合は、「iOSに移行アプリ」を使用することで連絡先・画像・ブックマーク・カレンダーなどの基本的なデータの移行を行うことが可能です。
iPhone→Androidに変更する時と同様、現在お使いのキャリアが配信している移行アプリが入っている事もありますので、確認してみてください。
異なるOS間で引き継ぎを行う場合は、同じOS間で引き継ぎを行う場合に比べて手間が増えること、引き継げない要素が増えますので、注意が必要です。
電話番号はどうなるの?
MNP(携帯電話番号ポータビリティ)という制度を利用すると、電話番号そのままでMVNOに乗り換える事が可能です。
手順としては、現在契約しているキャリアから「MNP予約番号」を取得し、有効期限内に予約番号を使用して、移行先のMVNOに申し込みをしましょう。
基本的にはMNPの乗り換えは無料で行う事ができますが、店頭で変更する場合は1,000円以下の手数料がかかる場合があるので気をつけてください。
また、MNP予約番号には有効期限があります。申し込み先のMVNOによっては、有効期限が12日以上残っているものに限り申し込み受付を行う場合という事もあるので、期限には気をつけてくださいね。
LINE等アプリのデータはどうなるの?
LINEの場合、LINE内で引き継ぎが行えるので、事前に設定をしておけば、基本的に全て引き継げます。
しかし、異なるOSで機種変更した場合(例:iPhone→Android)は、トーク履歴やコイン残高を引き継ぐ事が出来ませんので注意が必要です。大切なトークは別途バックアップを取っておきましょう。
その他アプリに関しましては、各アプリにて引き継ぎ方法が異なるので、引き継ぎたいアプリがある場合は、事前に引き継ぎ方法をチェックしておく事をおすすめします。
どのMVNOと格安SIMを契約すれば良い?3つのポイント解説
現状、格安SIMは様々なMVNOがサービスを提供しているので、どこのMVNOを選べば良いのか迷ってしまいますよね。ここで紹介する3つのポイントに注目して、MVNOを選ぶようにしてみてくださいね。
- 1ヶ月間に利用するデータ量
- 自身のスマホの使い方とプランが合っているか
- どの大手通信キャリアの回線を利用しているか
1ヶ月間に利用するデータ量
まずは、あなたが1ヶ月間にどれくらいデータ通信量を使用しているか把握しましょう。キャリアページの利用明細や、端末の設定画面からチェックが可能です。
なぜ自分のデータ通信量を把握する必要があるかと言うと、格安SIMはデータ容量の区分が細かく設定しており、月々に使用出来るデータ容量で月額料金が決まってきます。
MVNOによってデータ容量の区分が異なるなので、各社見比べて、最適なプランを見つけましょう。月々のデータ通信量と利用用途の目安を下に記載しますので、目安にしてくださいね。
メールの確認やLINEの連絡のみを利用する場合 → 1GB以下
SNSやネットサーフィンを日常的に利用する場合 → 3GB〜7GB
Youtubeやオンラインゲームを日常的に利用する場合 → 10GB以上
自身のスマホの使い方とプランが合っているか
格安SIMでは、あなたのスマホの使い方に合わせて細かいプランを選択可能です。必要のない機能を削除する事で、大手通信キャリアをより安い価格を実現しています。
例えばY!mobileでは、データ容量を3つのプランの中から選んだ後、月額料金に770円を追加する事で、国内通話10分かけ放題を追加できます。
プランを選ぶ際に大切な事は、自分が使わない機能が料金プランにはいっていない事を確認してみましょう。
どの大手通信キャリアの回線を利用しているか
格安SIMを契約した際に、機種変更しない場合に大きく関わってくる内容になります。
先ほども説明した通り、現在契約している大手通信キャリアとは別の通信回線を使っている格安SIMを利用する場合は、「SIMロック解除」の手続きが必要です。
ですが、SIMロックの解除が必要ない場合があります。例えば、auで購入したスマホにau系のMVNOのSIMカードを入れれば、SIMロック解除が不要になります。
契約予定の格安SIMがどこの回線を利用しているか確認する事で、SIMロックを解除する手間が省けるので、こちらも事前にご確認してみてくださいね。
格安SIMとは?安い理由は?まとめ
格安SIMとは、docomoやauなど大手通信キャリアと比べ、大幅に安い料金で利用できる通信サービスのことです。大手キャリアの回線を利用し、設備投資や人件費を抑えている為、通信料が安くなっています。
格安SIMに変えた際の引き継ぎに関しても、データに関してはバックアップ、電話番号に関してはMNP制度を利用する事で、ほぼ全てのデータを引き継ぐ事が出来ます。機種変更しない場合は、アプリも引き継げます。
料金が安い事によって、何か大きいデメリットがあるのではないかと心配されていた方もいるのではないかと思いますが、そんな事はなく、金額的メリットが大きいのが格安SIMの魅力です。
仮に、現在の月々の携帯料金が8,000円で半額になった場合、1年あたり48,000円もお得になります。今お使いの携帯料金が高いと感じている方は、格安SIMに乗り換える事を検討してはいかがでしょうか。