駐輪場経営は、初期費用をほとんどかけずに低リスクかつすぐに始められる不動産投資です。
「余っている土地をすぐに利用したいけど、なにかいい不動産投資があればな…」と悩んでいませんか?
所有している土地によって、最適な不動産投資の種類は様々です。
そこで今回の記事では、どのような土地が駐輪場経営に向いているのか?や、駐輪場経営の種類、駐輪場経営のメリット・デメリットを紹介していきます。ぜひ参考にしてください。
(アイキャッチ画像出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/22013499?title=%E9%A7%90%E8%BC%AA%E5%A0%B4%EF%BC%91&searchId=357445564)
駐輪場経営とは?
駐輪場経営とは、遊休地を駐輪場として活用し運営することです。駐輪場を利用した人から利用料金を貰うことで収入が得られます。
立体駐輪場のような大掛かりなものを除くと初期費用があまりかかりません。アパート経営などの費用がかかりやすいものと比べると、始めやすい土地活用と言えます。
また、日々必要な管理業務については運営管理会社に委託することができるため、業務委託すれば管理の手間もさほど掛からないことも特徴です。
駐輪場経営はどのような人向け?
駐輪場経営に向いている人は、現在持て余している土地を早急に活用したい方、または早急に継続収入を得たい方に向いていると言えます。
なぜなら、駐輪場経営は賃貸経営などと違って、規模の大きい建築物を建てる必要がありません。なので、事業をスタートさせる際のコストが少額で済みます。
また、建築物が必要ないためスムーズに経営をスタートさせられます。問題なく手続きを済ませることができれば、1ヶ月以内に経営をスタートさせることも可能です。
そもそも、駐車場や建物を建てることができないような狭い土地を所有されている方は、特に駐輪場経営に向いていると言えるでしょう。
駐輪場経営に適した立地とは?
この章では、どのような立地の土地が駐輪場経営に向いているか解説していきます。向いている土地かどうかを判断するためには、以下のポイントを調べましょう。
- 放置自転車がどれぐらいあるのか?
- 駅から徒歩5分内にあるのか?
- 周囲の駐輪場がどの程度利用されているのか?
- 過去にあったが潰れたことがないか?
放置自転車がどれぐらいあるのか?
駅周辺に放置自転車が多い場合は、自転車の利用量に対して、駐輪場が不足していると考えられます。ちなみに都内で放置自転車が多いとされる駅だと、数十台から数百台に上る駅もあります。
駅から徒歩5分内にあるのか?
徒歩5分以上かかる場合は、あまり駐輪場に適していない土地と言えます。
他の駐輪場がどの程度利用されているのか?
周囲に他の有料駐車場がある場合はどの程度利用されているか調べてみましょう。常に利用者がある場合は、駐輪場に適している土地だと言えます。
過去にあったが潰れたことがないか?
過去に駐輪場ができて潰れている場合は、そこでは駐輪場経営が成り立たない可能性が高いです。必ずチェックしておきましょう。
以上の点を調べて、所有している土地が駐輪場に向いているのか、判断しましょう。
駐輪場の3つの運用形態
駐輪場の経営は大きく分けて以下の3つの運用形態に分かれます。それぞれの特徴について説明していきます。
- 月極駐輪場
- 時間課金制
- 日課金制
月極駐輪場
月極駐輪場は、利用者と個別に駐輪場の契約を行う運用形態になります。
集客に労力を割く必要がありますが、契約数が多くなれば安定して高収入を獲得できます。
時間課金制
時間課金制は、駐輪場の利用時間に応じて課金するタイプの運用形態になります。
個別に契約することなく自由に利用できることから、収益を伸ばしやすいメリットもありますが、周囲の駐輪場の兼ね合いを受け安定性に欠ける側面があります。
日課金制
日課金制は、1日単位の利用料をもらい、自由に利用できる駐輪場として運用する形態になります。
時間課金に比べ客単価はアップするものの、周囲の駐輪場の影響や料金設定をダイレクトに受けることになる運用形態です。
以上の3種類が駐輪場経営の運用形態になります。立地によって使い分けて下さい。
使い分けとしては、奥まった場所にある土地の場合は、毎日利用することを考えると月極駐輪場には適しません。一度限りの利用の場合は土地によるデメリットを受けにくいので、時間課金制や日課金制を検討しましょう。
「自己経営方式」と「業務委託経営方式」2つの経営方法を比較
駐輪場経営は大きく分けて、自分で経営を行う「自己経営方式」と、業者に管理や運営を委託する「業務委託経営方式」の2種類があります。どちらの方式を選択するかによって、収益と手間が大きく違ってきます。
- 自己経営方式
- 業務委託経営方式
以上の2つの経営方式の違いと特徴について、順番に解説していきます。
自己経営方式
「自己経営方式」とは、自分自身で駐輪場の経営を行う経営方式のことです。
自分で管理することで利用数が増えれば収益が増えるメリットがある半面、常に不安定なのがデメリットです。
業務委託経営方式
「業務委託経営方式」は、設備建築、運営、管理、その全てを業者に委託する経営方式です。また、別の呼び方で「一括借り上げ方式」とも呼ばれます。
管理業者から毎月固定の賃料をもらう経営方式なので、収益は安定するメリットはありますが、利用数が増えても収益が上がらない点はデメリットです。
- メリット:利用数が増えれば収益もアップ
- デメリット:収益は不安定
- メリット:固定賃料なので収益が安定
- デメリット:利用者が増えても収益は上がらない
以上が2つの経営方式の違いと、それぞれのメリット・デメリットになります。
駐輪場を個人経営方式でオープンする流れ
駐輪場を個人で経営するにあたって、どのような流れでオープンするのかを解説していきます。
- 土地の整地
- 設備の設置
- 料金設定
- オープン告知・契約者の募集
以上が駐輪場をオープンするまでの流れになります。順番に解説していきます。
土地の整地
まずは土地の整地が必要です。機器を設置する為アスファルト舗装が必須になります。
設備の設置
駐輪ラックや、時間課金制の場合はそれに加えて料金精算機やサイクルゲートの設置が必要になります。また、防犯カメラの設置や各種電気工事なども行います。
料金設定
次に料金を設定します。料金設定をする時は周辺の相場を確認して決めていきましょう。料金が決まったら看板を作成し、駐輪場内に設置します。
オープン告知・契約者の募集
月極駐輪場の場合、契約者がいなければ収入は0となってしまいます。そのため駐輪場の看板を目につくように設置したり、周辺のお店などにチラシを配ったりして利用契約者を募集することが重要です。
時間課金制も同様に、オープンに合わせて告知していきます。周辺のお店や住居にチラシを配ったり、のぼり旗を設置して積極的に告知していきましょう。
以上が個人経営方式で駐輪場をオープンするまでの流れになります。オープン後も、メンテナンスやトラブルの対応はすべて自分で行っていくことになります。
駐輪場を業務委託経営方式でオープンする流れ
続いてこの章では、運営業者へ業務委託した場合の、駐輪場をオープンするまでの流れについて解説していきます。
- 問い合わせ
- 提案
- 契約
問い合わせ
まずは運営会社に電話を入れて、駐輪場経営を検討している旨を伝えます。その後、運営会社が現地の測量及び周辺環境調査を行います。
提案
運営会社が調査結果を元に、最適なレイアウトと料金設定を提案してくれます。
契約
運営会社からの提案内容が気に入れば、契約を締結して完了です。
以上が業務委託経営方式で駐輪場をオープンするまでの流れになります。業務委託経営方式の場合は、契約後の設置工事・運営・管理はすべて委託した業者が行ってくれるのが一般的です。
駐輪場経営と駐車場経営のはどちらが儲かる?
次に駐輪場経営か駐車場経営で悩まれている方のために、2つを比較します。この2つは不動産投資の中でも共通点が多く、どちらの方が儲かるかは判断が難しいです。
そこでこの章では、月極と時間課金制の2つに分けて、それぞれで駐輪場と駐車場がどのような条件ならどちらの方が儲かるかを解説していきます。
月極
月極の場合で両者を比較すると、都心部だと駐車場経営、郊外だと駐輪場経営の方が、儲かる可能性が高いです。
なぜなら、車1台分のスペースに、2段式自転車ラックなら16台分の自転車を止めることができます。
例えば、自転車1台月額3,000円の駐輪料金の場合、3,000円×16台で、1か月で48,000円の収益が出る計算になります。
つまり、その地域の月極駐車場の相場が、48,000円以上なら駐車場経営の方が儲かる計算になります。よって駐車料金が高額になる都心部だと駐車場経営、逆に郊外だと駐輪場経営の方が設けやすいと言えます。
時間課金制
時間課金制の場合、どちらが儲かるかは天候によって大きく左右されます。基本的には雨の日は自転車の利用数が減り、自動車の利用数が増えます。
地域によって天候は様々なので、雨の多い地域や、台風がよく来る場合は、駐輪場よりも駐車場経営の方が儲けやすいと言えます。
以上の2点に加え、駐車場経営と駐輪場経営は、土地の立地、形、広さなどによってもどちらのほうが儲かるのか変わってきます。その土地に住んでいる人の車所有率や、道幅や交通状況、近隣施設なども調べましょう。
駐輪場経営の将来性
美味しいとこだらけの駐輪場経営ですが、この先も儲かるビジネスなのでしょうか?結論から言うと、自転車の保有台数が大幅に減少していかない限りは安泰と言えるでしょう。
ちなみに2019年時点で、日本の自転車の保有台数は約6870万台と、2000年代以前に比べて高い水準を保っています。
特に最近は新型コロナの影響で、電車やバスを利用せず、自転車で通勤や通学をする人が増えています。
これらのことを踏まえて、今のところはまだまだ安泰なビジネスと言えるでしょう。
【まとめ】駐輪場経営で悩んだら運営会社へ相談しよう!
今回は、駐輪場経営における経営方式の紹介と、メリット・デメリットについて解説しました。
駐輪場経営は初期費用や時間を掛けずに始めることができる、リスクの少ない不動産投資です。
ただし、その分大きな収益は望めず、儲かるかどうかはその土地の立地によるところがとても大きいです。
一長一短ある駐輪場経営ですので、なかなか自分では判断が難しいという方は、一度運営会社へ相談してみるのがベストでしょう。