近年、認知度が高まっており市場拡大が見込まれている「トランクルーム経営」。
小さな土地でも始められる土地活用であるため、興味を持つ人が増加している一方、「初期費用はいくらかかるんだろう…」「失敗しそうで怖い…」といった不安を拭えない方もいるのではないでしょうか。
本記事では、トランクルーム経営に適した土地の条件や経営方式、トランクルーム経営までの大まかな流れ、初期費用及び維持費、経営のメリット・デメリットや失敗談について紹介しています。
ぜひ記事の内容を熟読してトランクルーム経営の基礎知識を身につけ、土地活用開始の第一歩を踏み出してくださいね!
アイキャッチ画像出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/5036556?title=%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%AF%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%83%A0&searchId=1105924417
トランクルーム経営とは
トランクルーム経営とは、土地にコンテナハウスと呼ばれる建物を建設し、収納スペースとして貸し出すことで収益を得る事業のことです。
近年では、「自宅の収納スペースが足りない」という一般家庭における需要が増大しており、特に都市部において高い需要があります。
一方で、トランクルーム経営を行っている業者はまだまだ少ないのが現状です。
そのため、今後拡大が見込めるビジネスであり、初期費用も比較的少額であるため経営初心者でも参入しやすい市場であるといえます。
トランクルーム経営のメリット
次にトランクルーム経営のメリットを紹介します。トランクルーム経営のメリットとして挙げられるのは主に以下の3点です。
- 小さな土地でも経営を始められる
- 土地の場所に関わらずある程度の需要が見込める
- 初期費用や修繕費、管理費が比較的少額
トランクルーム経営は賃貸住宅の経営等とは違い、広い土地を必要としません。
またトランクルームの経営は、都市部や住宅街、オフィス街だけでなく田舎でも需要が拡大している事業であり、土地条件に関わらず利用者を多く獲得できる可能性が高い、という特徴を持っています。
またコンテナハウスを建設するだけですので、初期費用を安く抑える事ができる上、修繕や管理にもそれほどお金がかかりません。初心者でも始めやすいのがトランクルーム経営であるといえます。
トランクルーム経営のデメリット
続いては、トランクルーム経営のデメリットを紹介します。トランクルーム経営のメリットとして挙げられるのは主に以下の3点です。
- 賃貸住宅経営に比べて収入が少ない
- 節税効果が低い
賃貸住宅経営の場合、マンションなどの高層建築物を建てることができるため、貸し出せる部屋数も多くなります。ですので、居住者を増やすことができれば高収益を得ることが可能です。
一方でトランクルーム経営の場合、低層のコンテナハウスを建てることになるため収益に限界があり、また賃料も賃貸住宅に比べて安いため収入が少なくなってしまいます。
加えて節税効果が低いこともトランクルーム経営のデメリットとなります。トランクルーム経営では住宅用地の特例による固定資産税や都市計画税の優遇措置を受けることができません。
また土地だけでなく、トランクルームそのものに固定資産税が課税されることになるため、納税負担は増加してしまう可能性があります。
トランクルーム経営ができない土地/適した土地の条件
土地活用の1つとして注目されているトランクルーム経営ですが、経営を計画するにあたってまず最初に確認しておかなければならないことがあります。
それは「トランクルーム経営ができる土地・適した土地なのか」ということです。
トランクルーム経営ができない土地
建築基準法では、建てても良いとされている建物の用途が用途地域によって制限されています。
そのため、自分の所有する土地を活用して経営することを考えている方は、まず用途地域の制限を確認しておくことが必要です。
トランクルーム経営における建物の用途は、「倉庫業を営まない倉庫」に該当します。
倉庫業を営まない倉庫の用途地域と建築制限の関係は下表のとおりです。
用途地域 | 倉庫業を営まない倉庫 |
第一種低層住宅専用地域 | ✖ |
第二種低層住宅専用地域 | ✖ |
第一種中高層住宅専用地域 | ✖ |
第二種低中高住宅専用地域 | △:2階以下かつ1,500平米以下 |
第一種住居地域 | △:3,000平米以下 |
第二種住居地域 | ○ |
準住居地域 | ○ |
田園住居地域 | △:農産物等を貯蔵するものに限る。 |
近隣商業 | ○ |
商業地域 | ○ |
準工業地域 | ○ |
工業地域 | ○ |
工業専用地域 | ○ |
どの用途地域に該当するか、というのは各都道府県によって異なります。
MapExpertというサイトでは都道府県別の用途地域マップを確認することができますので、ご自身の所有する土地の用途地域をぜひ一度確認してみてくださいね!
トランクルーム経営に適した土地の条件
トランクルーム経営に適している土地の条件として挙げられるのは、以下の3つです。
- 土地の間口及び前面道路の幅員が6m以上
- オフィスビルやマンションが近隣にある
- 車が通りやすい
トランクルーム経営を行うにあたって、コンテナなど大きなものを運び込む必要があるため間口や前面道路の幅員が6m以上ある土地であることは必須条件です。
また車を使った荷物の持ち込み・持ち出しがあることを考慮し、車の通りやすい場所で経営を行うのがベストでしょう。
加えて、収納スペースを必要とする人の多いオフィスビルやマンションの近くで経営を行うことができれば、トランクルーム利用者を多く獲得でき経営成功率を高めることができます。
トランクルームの経営方式
トランクルームの経営方式には、大きく分けて「一括借り上げ方式」と「管理委託方式」の2種類が存在します。
- 一括借り上げ方式
コンテナハウス設置後、トランクルーム業者に一括で貸し出す - 管理委託方式
管理のみトランクルーム業者に委託し、利用者とのやり取りはオーナー自身で行う
一括借り上げ方式
一括借り上げ方式は、自分のトランクルームを一括で貸し出し、経営を業者にやってもらう方式です。経営主体は業者であるため、運営・管理の手間はかかりません。
貸し出す部屋数等によって金額は異なりますが、稼働の有無に関わらず業者からの固定賃料をもらえるため安定した収入を得ることができます。
一方で、一括借り上げ方式では業者が低稼働のリスクを背負ってくれる分、維持費としての手数料が割高になります。そのため高稼働状態であったとしても高収入は期待できません。
ですので、一括借り上げ方式は「リスクを避けて安定した収入を得たい」という方におすすめです。
管理委託方式
管理委託方式は、集金や清掃など最低限の業務管理のみトランクルーム業者に委託し、利用者とのやり取り等はオーナー自身で行う方式のことです。経営主体はオーナーであるため、経営の手間がかかります。
安定した収入は得られませんが、利用者との直接契約となるため上手に経営できれば高収入を得られるかもしれません。
維持費としては管理費のみを支払えばよいため、業者に払う手数料は一括借り上げ方式より安く済みます。しかし、空室リスクはオーナーが背負うことになるため、経営に失敗するとあなたの負担が大きくなるでしょう。
そのため、管理委託方式は「リスクを負ってでも高収入を得たい」「自分で経営したい」という方におすすめしたい方法です。
sトランクルーム経営を始めるまでの流れ
トランクルームの経営を開始するまでの大まかな流れとして、まずは契約を考えているトランクルーム業者に相談するところから始まります。
複数の業者に相談し、管理のしっかりとした信頼できる業者を選ぶようにしましょう。
業者に相談すると、現地調査が行われて事業計画を立案してもらうことが出来ます。
事業計画を確認し、業者を決定したら契約を締結してコンテナハウスの準備や着工を行い、それが完了すると経営開始となります。
トランクルーム経営の初期費用・維持費
トランクルーム経営に際してかかる費用は、主にコンテナハウスの建設費です。その他の初期費用としては、防犯カメラや換気設備などが挙げられます。
経営規模にもよりますが、平均的なトランクルーム経営の初期費用は300万円程度です。
しかしながら既存の空室を活用する場合、初期費用を100~200万円に抑えることも可能ですので、比較的少額で経営を開始することができます。
維持費として挙げられるのは電気代や警備費などですが、賃貸住宅経営などに比べれば維持費はほとんどかかりません。
トランクルーム経営の収益性・利回り
トランクルーム経営における利回り相場は、15%~25%程度と言われています。
利回りは「1年間の収入÷初期費用」で求めることができますが、トランクルーム経営の場合は初期費用が比較的安いため、その分利回りが高くなるのです。
またトランクルーム経営の特徴として、修繕費などのランニングコストが低いということも挙げられます。
利回りの良さやランニングコストの低さを考慮すると、収益性の高い事業であると言えるのではないでしょうか。
トランクルーム経営における失敗例
トランクルーム経営を行う際、トランクルームの建築確認申請を行う必要があります。この申請には、トランクルームがJIS鋼材で作られている等の一定の要件を満たしていることが必要です。
しかしながら、初期費用を抑えるため中古コンテナを購入したために要件を満たすことが出来ておらず、申請が通らなかったという失敗例があります。
あるいはコストを抑えるためにセキュリティを下げて経営した結果、不法投棄などの問題が発生し問題となり、改善後も風評被害により事業を継続できなくなったケースもあります。
このような失敗がないよう、トランクルーム業者とよく相談して経営を進めていくようにしましょう。
まとめ:トランクルーム経営は初心者におすすめ!
今回は、トランクルーム経営に適した土地の条件や経営方式、トランクルーム経営までの大まかな流れ、初期費用及び維持費、経営のメリット・デメリットや失敗談について紹介しました。
上述の通り、トランクルーム経営は広い土地を必要とせず初期費用も少額で済む上、経営管理も委託することが可能です。そのため経営初心者にはうってつけの土地活用であるといえます。
土地活用業者の中には、無料相談を実施している業者も多くあります。トランクルーム経営を検討しているのであれば、まずは土地活用業者のサイトにアクセスして無料相談を依頼してみましょう!