「所有している土地の税金が高いんだけど、どうにか節税できないの…?」「空き家を持っているけど、何か有効活用できないの…?」
土地を所有しているだけで、使ってもいないのに納税しなきゃいけない。この現状に不満を抱く方も多いのではないでしょうか。こういった方々の間で注目を集めているのが「土地活用」です。
本記事では土地活用とは何か、そのメリット・デメリットや土地活用の目的別での土地活用方法、またあなたの所有する土地条件に適した土地活用方法にはどのようなものがあるのかを紹介します。
上手に土地を有効活用できれば、節税につながるだけでなく収入アップの可能性も。ぜひ最後までこの記事を読んで、土地活用への第一歩を踏み出してくださいね!
アイキャッチ画像出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/5057840?title=%E7%AE%A1%E7%90%86%E7%89%A9%E4%BB%B6%E7%9C%8B%E6%9D%BF(%E9%9D%92)&searchId=2087519174
土地を有効活用する「土地活用」
余った土地を有効活用したい、そう考えているあなたに知っていただきたい「土地活用」。
土地活用とは、土地所有者が資産を増やしたり、保全することを目的として低利用地・未利用地を今より有効に活用することを指します。
しかしながら「土地活用」と一口に言っても、その方法はさまざまです。
初期費用にかけられる金額がどのくらいなのか、また短期で大きな利益を上げたいのか、長期で安定した利益を上げたいのかによって適した土地活用方法は異なります。
土地活用のメリット
まずは土地活用を行うメリットを紹介します。土地活用のメリットとして挙げられるのは以下の3つです。
- 新たな収入源となる
- 節税対策になる
- 将来的な資産になる
土地活用の大きなメリットとなるのが、新たな収入源になり得るということ。土地に合った適切な土地活用ができれば、収入を増やすことが可能です。
また所有しているだけで課税される税金も、土地活用を行うことで節税できます。
他にも、所有しているだけでは負担になる土地が、活用することで立派な資産になるというメリットが挙げられます。ですので世代を超えて収入を生み出す資産を受け継いでもらうことも可能です。
土地活用のデメリット
土地活用には上述のようなメリットがありますが、もちろんメリットばかりではありません。
土地活用のデメリットはこの1つ。失敗して借金だけが残るリスクがあるということです。
軽い気持ちで無計画に土地活用を始めてしまった場合、経営がうまくいかず赤字続きで利益が出ない、なんてことになりかねません。
闇雲に土地活用を始めるのではなく、土地活用に関する知識を身につけ、徹底的にリサーチして情報収集を行った上で計画的に土地活用を始め失敗リスクを抑えることが大切です。
土地の有効活用方法①収益性を重視
ここからは重視したいポイント別の土地活用方法とそのメリット・デメリットを紹介していきます。
まずは収益性を重視した土地活用方法です。土地活用を通して高収益を得たい方には、以下3つの土地活用がおすすめです。
- マンション経営
- コンビニ経営
- ガレージハウス
マンション経営
マンション経営は人気の土地活用の1つであり、鉄筋コンクリート造りのマンションを建てる土地活用方法です。
比較的広めで、人通りの多い都市部に土地を持つ方にオススメ。初期費用は高いですが、融資は長く受けられます。
- 高収益を得ることが可能
- 節税対策になる
- 安定した家賃収入による不労所得が見込める
- 建物の法定耐用年数が長く、融資を長く受けられることが多い
- 初期費用が高い
- 空室リスク※サブリース(一括借り上げ)ならリスクをおさえて毎月一定額を得られます
- 部屋数が多いため集客の広告宣伝費も高い
- 併設駐車場やその他丁寧な管理が必要
コンビニ経営
コンビニ経営でも高収益を得ることが期待できます。ただし土地条件として、交通量の多い道路沿いである必要があります。
またコンビニ経営には、店舗の建物を土地オーナーが建築しコンビニ業者へ賃貸する「リースバック方式」とコンビニ業者へ土地を定期借地するだけの「事業用定期借地方式」の2種類があります。
相対的には事業用定期借地方式の方が有利な場合が多いですが、経営方式についてはコンビニ業者との交渉によって決定することになります。
- 初期投資額を抑えつつ、高収益を目指せる
- 長期的な収入を見込める
- 節税効果が低い(住居系の建物で適用される税金の優遇措置適用外)
- 契約期間が10~30年と長く、土地活用方法の途中変更は不可
ガレージハウス
ガレージハウスとは車庫付き住宅のことで、雨の日に濡れることなく家の出入りができる点や車が好きな人にアピールできる賃貸物件です。
収益性が高いだけでなく、車庫面積が建物の延床面積の1/5以下であれば、車庫部分は建築面積から除外されるため固定資産税の税額算定の対象外となり、節税対策にもなります。
- 一般的な賃貸物件より賃料を高めに設定できる
- 節税対策になる
- 市場データが少なく綿密な事前調査が必要
土地の有効活用方法②安定性を重視
続いては「長期的に安定した収入を得たい」という方向けの、安定性を重視した土地活用方法3つを紹介します。
- コインランドリー
- 太陽光発電
- 貸地
コインランドリー
コインランドリーは備え付けの洗濯機で利用者自身が洗濯する形式の店舗ですので、管理者が常駐する必要がなく店舗経営としては始めやすいものの1つです。
ただし、成功するか否かは立地条件にかかっています。住宅地の多い郊外で、生活する上で頻繁に通る道路沿いにある土地が適しています。
- 利用者がリピートしやすく安定性が高い
- フランチャイズ契約が多く開業前後のサポートが充実している
- ランニングコストがかからない
- 初期費用がかかる
- 立地条件が不適切だと利用者が得られない
太陽光発電
使っていない土地が田舎であれば、ぜひおすすめしたいのが太陽光発電です。太陽光パネルで発電した電力を買い取ってもらうことで収益を得ることができます。
太陽光発電は日当たりが良く、周囲に背の高い建物が無い、郊外の広い土地にもってこいの活用方法です。
ただし、周囲に背の高い建物が建てられた場合、日当たりが悪くなり発電できなくなることも考えられます。あらかじめ設置場所は十分検討しておきましょう。
- 最低20年は安定した収入が得られる(国による固定価格買取制度があるため)
- 初期費用は賃貸等の10分の1程度で済む
- 天候に左右されて発電量が安定しない
定期借地
「リスクを背負わず安定収入がほしい!」という方におすすめなのは定期借地として土地を貸し出す方法です。
定期借地とは土地を貸して借主に建物を建ててもらうというもので、マンションやコンビニ、駐車場、資材置き場などさまざまな用途で用いられる可能性があります。
また土地を定期借地契約で貸せば、契約期間中は地代収入が得られ、契約期間終了後は確実に土地が返ってくる仕組みとなっています。
ただし、定期借地契約の期間は最低でも10年以上と定められています。ですので別の土地活用も検討している方にはおすすめできません。
- 安定した地代収入が得られる
- ほぼゼロリスク
- 初期費用の負担なし
- 収益が低い
- 契約期間が長い
土地の有効活用方法③初期費用を重視
次は、初期費用があまり高額でない土地活用方法を紹介します。「高額な初期投資をする自信がない…」という方は検討してみてくださいね。
- 駐車場経営
- トランクルーム経営
駐車場経営
駐車場経営には、コインパーキングと月極駐車場があります。一般的には駐車場管理会社に経営管理を任せることになりますので、初心者でも始めやすい土地活用の1つです。
駐車場経営の方法としては、管理会社に土地を一括借上げしてもらう方法と、自分で機械等を購入して設置し管理を業者に委託する方法があります。
一括借上げ方式であれば機械の設置は管理会社に任せることができ、月極駐車場に関しても土地所有者が負担するのは舗装費用のみであるケースが多いため初期費用が抑えられます。
駐車場経営は商業施設や病院の近く、駅周辺の土地を持つ方にオススメの土地活用です。
- 初期費用が少額で済む
- 狭い土地でも有効活用できる
- 他の土地活用に切り替えやすい
- 管理会社に管理を委託すれば手間がかからない
- 収益性が低い
- 節税効果が低い
トランクルーム経営
トランクルームとは、自宅に置ききれない荷物などを置いておくことができる貸しスペースのことです。
土地にトランクルームを設置してスペースを貸し出す、というシンプルな土地活用ですので、初期費用を抑えることができる上、駐車場経営と同様に初心者でも始めやすい土地活用です。
トランクルームにも、管理会社に土地を一括借上げしてもらう方法と、自分でトランクルームを購入して設置し管理を業者に委託する方法があります。
市場規模が拡大している業界でもあるため、周辺にトランクルームのない土地であればうってつけの土地活用かもしれません。
- 初期費用が少額で済む
- 狭い土地でも有効活用できる
- 比較的場所を選ばず始められる
- 収益性が低い
- 節税効果が低い
土地の有効活用方法④節税対策を重視
続いては節税対策を重視したい方向けの土地活用方法を紹介します。節税を重視した土地活用のオススメは以下の3つです。
- アパート経営
- 戸建て賃貸
- サービス付高齢者向け住宅(サ高住)
アパート経営
アパート経営は人気の土地活用の1つであり、木造や鉄骨造りのアパートを建てて貸し出す土地活用のことを指します。
アパート経営は住宅用地の特例による優遇措置によって節税効果を得られるだけでなく、適した場所に競争力のある建物を建てることができれば、安定的な高収益が得られる可能性もあります。
駅周辺エリアや住みやすい環境、都市部に通勤しやすい場所に土地をお持ちの方にぜひオススメです。
- 節税対策になる
- 安定した高収益が得られる
- 初期費用が高い
- 空室リスクあり
戸建て賃貸
賃貸用の一戸建てを建てる土地活用は、世帯数が少なくなるものの基本的に賃貸アパート・マンション経営を建てるのと同じ考え方です。
そのため住宅用地の特例による優遇措置を受けることができ節税対策になる上、収益性も良い土地活用方法といえます。
戸建て賃貸は競合がまだ少ないので、賃貸経営を有利に進めやすいのが特徴です。
戸建賃貸はファミリー層などに特に人気ですので、駅周辺や住みやすい環境に土地をお持ちの方は検討してみてください。
- 節税対策になる
- 収益性が高い
- アパートやマンションよりも建築費が抑えられる
- 小さな土地でも始められる
- 1世帯しか貸し出せないため空室期間は収入ゼロ
- 場所によってはニーズが少ない
サービス付高齢者向け住宅(サ高住)
サービス付高齢者向け住宅は、入居者の安否確認や生活支援サービスが受けられる高齢者向け賃貸住宅です。
比較的郊外であっても利用者を獲得することができますが、床面積などに規定があるためある程度広めの土地が必要です。
- 要件を満たせば税制優遇措置や補助金を受けられる
- 相続税を節税できる
- 社会貢献になる
- 床面積、設置設備に規定があるため初期費用が高くつく
- 広大な土地が必要
有効活用方法を選ぶ際のチェックポイント
土地を有効活用するにあたって、活用方法を選ぶ際にあらかじめチェックしておくべきポイントがあります。
このポイントを押さえて土地活用方法を選ぶことで、失敗リスクをグンと減らすことができますので、必ずチェックしてくださいね。
土地活用方法を決める前に最低限知っておいていただきたいのは、以下の4点です。
- 管理の容易性
- 土地の用途規制
- 需要
- 建築費、初期費用
まず、管理にどの程度手間がかかるのか、管理を委託できるのかといった点は要チェックポイントの1つ。どの土地活用を行うかによって、随分と管理の難しさは変わってきます。
また土地の利用用途については、法律によってその土地にどういった用途の建物が建てられるのかある程度決められており、用途規制の具体的な内容は各自治体によって異なります。
メタウェアリサーチが提供するMapExpert.netにある「用途地域マップ」から全国の用途規制を調べることができますので、土地活用方法を選ぶ前にご自身の所有する土地の用途規制を調べてみてくださいね。
またその土地における土地活用の事業内容の需要や、建築費・初期費用についてもしっかりとリサーチした上で総合的に判断して土地活用方法を決定するようにしましょう。
所有する土地条件に適した土地活用方法は?
あなたが有効活用したいと考えている土地は、どのような土地でしょうか?
その土地について、アクセスの良さや土地の広さがどの程度なのか、少し思い浮かべてみてください。
所有する土地の条件によっても、適する土地活用方法は異なります。以下では、アクセスと土地の広さの違いによる適切な土地活用方法の一例を表にまとめました。
適切な土地活用方法 | ||
アクセス\広さ | 広い | 狭い |
良い |
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悪い |
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実際に土地活用方法を決定する際には徹底したリサーチを行う必要がありますが、まずは思い浮かべた土地条件に合った土地活用方法にどのようなものがあるのか、ざっくりと把握しておきましょう。
適した土地活用方法を絞り込む際にもぜひ、上の表を参考にしてくださいね。
まとめ:所有する土地条件と活用目的に適した土地活用を選ぼう
今回は土地活用とは何か、そのメリット・デメリットや土地活用の目的別での土地活用方法、またあなたの所有する土地条件に適した土地活用方法にはどのようなものがあるのかを紹介しました。
土地活用方法には紹介しきれないほどさまざまなものがありますが、その1つひとつに特徴があり、所有する土地やその環境ごとに適した土地活用方法は異なります。
あなたの所有する土地周辺の状況について徹底的に情報収集し、ニーズに応じた土地活用を行うことができれば、節税対策だけにとどまらず新たな収入源を確保することも夢ではありません。
ぜひ今回紹介した内容を参考にしつつ、土地条件や周囲の環境、あなたの土地活用目的を明確にして最適な土地活用を選んでくださいね!