各種メディアで家計の見直しの特集があるとき、「格安SIM」という言葉を見かけたことはありませんか?
「格安」という言葉からはお得さを感じつつも、「サービスが悪いんじゃないか」「本当に安くなるのか」とネガティブなイメージも持ってしまいますよね。
本記事では格安SIMとはいったい何なのか、本当に安くなるのか、メリット・デメリットもあわせて紹介していきます。
(アイキャッチ出典:https://www.pakutaso.com/20210906268iphone-13-sim-3.html)
格安SIM(シム)とは?
格安SIMとは、大手通信キャリア(auやdocomoなど)よりも料金プランを安く提供している事業者が発行するSIMカードのことです。
SIMカードというのは、契約者の情報が書き込まれているICチップのようなものです。大手通信キャリアでしか契約したことがない人は馴染みがないと思いますが、スマホには必ずSIMカードが挿さっています。
SIMカードは簡単に差し替えできるので、条件さえ満たせば今持っているスマホで格安SIMを使用することも可能です。
どうして「格安」なの?
格安SIMを提供している事業者はMVNO(仮想移動体通信事業者)と呼ばれています。(これに対して大手通信キャリアはMNOと呼ばれています)
MVNOは大手通信キャリアの通信回線を借りることでサービスを提供しており、設備の管理コストがありません。また基本的にオンライン販売で提供されているため、実店舗にかかる人件費や維持費が削減されています。
そのため、MVNOは大手通信キャリアよりも安い料金プランを提供できているのです。
格安SIMのメリットとは
大手通信キャリアから格安SIMに乗り換えたときのメリットを3つ紹介します。
- なんと言っても安い
- プランの内容がシンプルでわかりやすい
- 格安SIMによってはお得なオプションがある
なんと言っても安い
情報通信市場のリサーチ会社であるMM総研によれば、2021年7月時点で下記のような調査結果が出ています。
■スマートフォン月額利用料金はMNO4社 5,351円、サブブランド 3,331円、MVNO 2,049円
引用:株式会社MM総研
(https://www.m2ri.jp/release/detail.html?id=502)
つまり格安SIM(MVNO)は大手通信キャリア(MNO)と比べて、月額約3,000円ほど安く利用することが出来るのです。
年額にすると約36,000円も通信費の削減が出来る計算になります。
スマートフォンは今や私達の生活になくてはならないものなので、出来る限りお得に利用したいですよね。
プランの内容がシンプルでわかりやすい
大手携帯キャリアでは契約時に、オプションメニューやセット割りを勧められることが多いくありませんか?
中には「○か月後に有料になるので無料期間中に解約して」と言われていたものの、解約を忘れていつのまにか料金が上乗せになっていたなんてことも…。
格安SIMにも割引やキャンペーンが存在しますが、複雑な内容はありません。公式HPの料金プランを見るだけで、月額料金の見積もりがたてやすくなっています。
格安SIMによってはお得なオプションがある
例えばLINEMOは、LINEでのトーク・音声通話・ビデオ通話にかかるデータ使用量がカウントされません。LINEでこれらの機能をよく使う人にはうれしいオプションですよね。
またBIGLOBEでは「エンタメフリー」という有料オプションがあり、Youtubeなど21のサービスのデータ使用量を無制限にできます。外出先で対象サービスを多用する人には必須のオプションですね。
このように自分の使い方にあった格安SIMを選べば、より毎月の通信費を削減することができるでしょう。
格安SIMのデメリットとは
次に、格安SIMに乗り換えたときのデメリットを5つ紹介します。
- 通信速度が安定しない
- キャリアメールが使えない
- LINEの一部機能が使用できない
- 無制限の電話かけ放題オプションがないことも
- 自前の店舗がない
通信速度が安定しない
格安SIMは大手通信キャリアから一部の通信回線を借りているため、周辺エリアで同回線の使用者が多いと通信速度が不安定になることがあります。
特に通勤通学・昼休みの時間帯は通信速度が低下しやすい傾向にあります。
通信速度を少しも落としたくないという人は、格安SIMへは乗り換えないほうが良いでしょう。
とはいえ、通信速度の低さが致命的であることはMVNOも理解しており、随時通信回線の増強が行われています。格安SIMを選ぶときは、通信速度の対応が頻繁に行われているかをチェックするとよいでしょう。
キャリアメールが使えない
キャリアメールとは大手通信キャリアが提供している電子メールのことです。
auなら「@au.com」、docomoなら「@docomo.ne.jp」といったメールアドレスが該当します。
ただ、キャリアメールを使用している人は年々減ってきています。メールアドレスが必要な場合は、Yahoo!メールやGmailなどのフリーメールを使用すれば不便は感じないでしょう。
LINEの一部機能が使用できない
格安SIMでLINEを使用する場合、ID検索や電話番号検索が出来ません。
友達追加をしたい場合は、自分や相手のQRコード読み取り機能を使うとよいでしょう。
無制限の電話かけ放題オプションがないことも
格安SIMでは5分や10分の電話かけ放題オプションがありますが、無制限のかけ放題オプションは用意されていないことがほとんどです。
通話先が友達ならLINEなどの通話アプリを使用することで代用はできますが、仕事で使用する場合は難しいですよね。その場合は、かけ放題オプションがある大手通信キャリアを利用したほうがよいでしょう。
自前の店舗がない
格安SIMを展開しているMVNOは、低価格の料金プランを提供するために自前の店舗を持っていないことがほとんどです。
その分、チャットやメールなどオンラインでのサポートが充実しています。何かあれば公式HPから気軽に問い合わせすることが可能です。
格安SIMに乗り換えるときの注意点とは
格安SIMに乗り換えるときに、知っておくべきポイントも紹介しますね。
- MNPのときは数日間スマホが使えない可能性がある
- 乗り換え先の通信回線
MNPのときは数日間スマホが使えない可能性がある
MNPとは電話番号を引き継いだまま通信キャリアを変更する手続きのことです。
格安SIMはオンライン上での契約が基本です。契約してから新しいSIMカードが届くまで数日間のタイムラグが生じます。MNPをした場合、使用中のSIMカードでは電話とデータ通信が利用できなくなります。
データ通信はWifi環境があれば問題ありませんが、電話が出来なくなると困る人もいると思います。そのような人は即日発行ができる格安SIMを選ぶと良いでしょう。
中でもビックカメラが提供する「BIC SIM」は、格安SIMの中でも珍しく店舗での受付が可能です。即日発行も出来るので、電話が不通になる時間を限りなく減らしたい人にはオススメです。
乗り換え先の通信回線
大手通信キャリアで契約時にスマホも同時購入した場合、そのスマホには契約時の通信キャリアの通信回線しか使用できないような設定がされています。(これをSIMロックといいます)
例えばauならauの通信回線のみ、docomoならdocomoの通信回線のみ使用できるといった具合です。
格安SIMに乗り換えるときにスマホ本体を継続使用する場合は、以前使用していた大手通信キャリアと同じ通信回線を提供している格安SIMを選ぶ必要があります。
乗り換え時に通信回線も変更するときは、SIMロック解除という手続きが必要になります。その場合は、乗り換え前の通信キャリアの店舗に相談しにいきましょう。
最後に – 格安SIMをオススメできる人
以下のどれかの条件に当てはまる場合、格安SIMへの乗り換えをオススメできます。
- 大手通信キャリアを使用していて、通信費を抑えたいと考えている
- 毎月のデータ使用量が10GB以下
- 通話は主にLINEやその他アプリの機能を使用していて、電話番号を使った通話時間が少ない
- 大手通信キャリアの分かりづらいプランに辟易している
ちなみに大手通信キャリアでは契約期間外での解約時に違約金が発生します。数年前まではその金額は10,000円を超えていましたが、今は約1,000円に下がっています。
これぐらいの金額なら、契約期間を気にせずいつでも格安SIMへの乗り換えができますね。
今使っているスマホの料金プランを再度確認して自分のライフスタイルと合っていないと思ったら、格安SIMへの乗り換えを検討してはいかがでしょうか。