不動産投資に興味を持ったあなた、自身の年収でローンが組めるか不安に思っていませんか?
不動産投資を始めようと思っても、肝心のローンが組めなければ、あなたの計画は頓挫してしまいますよね。
この記事では、不動産投資ローンを組むために適した年収や条件、年収に不安があってもローンが組みやすくなる対策について解説します。
あなたの不動産投資計画を頓挫させないためにも、まずはあなた自身がローンを組めるかどうか、ぜひこの記事を読んで確認してみてください!
(アイキャッチ画像出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/23050237)
不動産投資ローンと年収の関係
まず、不動産投資のためにローンを組む際、一般的にあなたの年収が高いほど、ローンの審査は通りやすくなります。
理由は、年収が高ければ、ローンの審査をする金融機関は「この人なら、不動産投資がうまくいくいかないに関わらず、返済能力があるから融資しても大丈夫だな」と判断し、審査が甘くなるからです。
また、年収が高ければ高いほど、融資額も高くなる傾向がありますので、年収が高い人ほど不動産投資ローンの審査にとっては有利であることは紛れもない事実です。
逆に、年収が低ければ低いだけ、不動産投資ローンの審査が厳しくなることも事実であることは、先に知っておいてください。
不動産投資ローンが組める年収基準「700万円説」は本当?
不動産投資ローンが組める年収の基準としてよく挙げられるのは、年収700万円という基準です。この基準は本当なのでしょうか?
民間の不動産情報サイトの意識調査(2020年10月実施)によると、実際に不動産投資を行っている投資家の年収は、家賃年収込みで1,000~1,500万円が最も多い26.2%でした。(参考:https://www.kenbiya.com/info/user_anquite_result202010.html)
次いで、700~1,000万円が18.3%、500~700万円が17.7%、500万円未満が12.2%だったことから、家賃収入込みというデータを加味すると、実際の本業の年収はもう少し低くなるはずです。
そう考察すると、年収700万円に到達していない割合が合計で約30%いることから、必ずしも700万円以上の年収がなくても、不動産投資ローンを組めた人は少なからずいるということが想定できます。
年収以外の不動産投資ローンの審査条件とは
では、あなたの不動産投資ローンの申請を審査する上で、金融機関が年収以外で重要視する項目は何か、以下に解説します。
- 資産状況
- 不動産の収益性
- 個人の「属性」
資産状況
所有している資産の有無は、ローンの審査において重要視される項目です。例えば、預金残高以外にも、土地や株式など、現金化できる所有物はすべて資産となります。
たとえ収入によるローンの返済が滞りそうになったとしても、資産を現金化することで返済の足しにできると判断されるため、保有資産は多い方が、審査が通りやすくなるということです。
不動産の収益性
あなたが購入予定の不動産に、はじめから高い収益見込みがあると判断された場合、融資は通りやすくなります。
また、もしもローンの返済が滞ることがあっても、対象の不動産に担保価値があると金融機関から認められた場合は、融資を受けられる確率は上がるでしょう。
たとえ金融機関が判断しなくても、あなた自身が対象の不動産の収益性や担保価値を上手に主張すれば融資が通ることもあるので、その際のアピールはとても重要ですよ!
個人の「属性」
「属性」とは、ローンを申し込むあなたの勤め先や社会的な地位などに裏付けされる信用力のことです。これは、年収の次に重要な審査項目となります。
なぜなら、金融機関が「この人に融資して、ちゃんとお金が返ってくるのだろうか」を判断するために、あなたの身の上を加味して融資するか否かを判断するからです。
属性の項目としては、一般的に「勤務先」、「勤続年数」、「住宅事情」、「家族の有無」など、様々な種類があります。
これらについては、次の章にて、別途詳しく解説させていただきます。
年収の次に重要な不動産投資ローン審査上の「属性」とは
次に、不動産投資のローン審査における「属性」について、詳しく解説しましょう。
- 勤務先、勤続年数
- 住宅ローンの有無
- 家族の有無
- クレジットカードの契約状況
勤務先、勤続年数
たとえ年収が高かったとしても、フリーランスよりも会社員の方が、収入が安定していると判断されやすいです。
また、勤める会社も中小企業より大企業の方が、ローンを受ける上では有利になりやすいです。
さらに、勤続年数が長いほど、「この人は、今後も安定した収入が見込めるから融資しても大丈夫そうだ」と、金融機関が考える要素になり得ます。
逆に、ローン申請時に勤務先の勤続年数が短すぎると、「安定した収入」というローン審査の基準を満たさない可能性があるので注意が必要です。
住宅ローンの有無
申請用としている不動産ローン以外に、自身の住宅ローンをすでに抱えている場合は、たとえ年収が高くても月の返済額が多くなるため、審査基準を満たさない場合があります。
また、住宅ローン以外にも、自動車購入ローンなど、金額が高いローンの支払いが終わっていない場合も注意が必要です。
審査を受ける際は、少しでも抱えているローンを完済して、身軽な状態で臨みましょう。
家族の有無
独身よりも配偶者がいたほうが、ローンの審査は通りやすくなります。
なぜなら、あなた自身の収入がなくなってローンの返済が滞った場合に、配偶者が保証人になることで返済を継続できる見込みがあるからです。
また、配偶者にも安定した収入があれば、その分世帯の年収は上がるため、あなた個人の年収が700万円以下であっても、夫婦の合計収入額で年収の線引きを簡単にクリアできる可能性があります。
クレジットカードの利用と契約状況
クレジットカードを持っている場合、その支払い状況も属性に大きく影響を与えます。返済が滞っている場合は、当然、あなたの信用力は低く評価されてしまうでしょう。
また、クレジットカードの契約数や利用可能枠が多いと、審査が通りにくくなる可能性があります。
なぜなら、その分クレジットカードで支払える金額の枠が多いため、この人は借金ができる可能性があるとみなされてしまうからです。
年収が低くても不動産投資ローンを受けたい場合の対策
次に、年収に不安があっても不動産投資ローンを受けやすくするために、できる対策を解説します。
- クレジットカードの見直し
- 自己資金を増やす
- 本職の年収を上げる
クレジットカードの見直し
前の章で触れたように、クレジットカードは多くの枚数を持つだけで、「借金ができる枠」として認識されやすいので、必要以上に持たない方が無難です。
そのため、使用していないカードを解約することや、不要な限度額は下げるなどの工夫をすることで、審査が通りやすくなるでしょう。
自己資金を増やす
借り入れるローンの金額を減らすことで、年収が低くても審査に通りやすくなります。そのためには、不動産を購入する際の自己資金を多めに確保しておくことです。
例えば、1,000万円の不動産を購入するために、200万円の自己資金で800万円のローンを組むのと、自己資金500万円で500万円のローンを組むのとでは、後者の方が必然的にローンを組みやすいです。
また、自己資金を増やすことで、最初から可能な限り受けるローンの金額を下げることができれば、ローン返済時のあなたの負担も減るというメリットもあります。
本職の年収を上げる
本職の年収を上げることは、ローンの審査を有利に進めるうえで非常に有効な対策です。
すぐに実現できることではありませんが、いまよりも高年収の仕事に転職して年収を上げ、さらに転職先が大手企業であれば、属性面でもプラスに働きます。
逆に、大手企業からの転職を控えている方にとっては、大手企業に在籍しているうちに不動産投資ローンの審査を行い、借り入れを済ませておいた方が良いです。
不動産投資ローンを組める金融機関
次に、実際に不動産投資のためのローンを組むことができる主な金融機関と、その特徴を解説します。
- メガバンク
- 地方銀行
- 日本政策金融公庫
メガバンク
都市銀行とも呼ばれており、融資を受けるための審査は他の金融機関と比較して厳しめと言われています。
ただし、ローンの金利は低いことが多いため、無事に融資を受けることができれば、月々の負担額を抑えた返済計画を立てることが可能です。
地方銀行
地方銀行は、金利はメガバンクよりは高くはなりますが、審査は比較的緩めであり、年収に不安があってもその他の属性や資産状況を加味して、融資をしてくれることが多いです。
ただし、融資が可能なエリアは限定されており、居住地の隣接地域に店舗がない場合は融資を受けることができない場合があります。
日本政策金融公庫
日本政策金融公庫は、個人事業主や中小企業に融資を行う政府系の金融機関です。
不動産投資を目的とした融資は基本的にNGですが、「不動産事業」としての融資は受けることができます。賃貸経営が目的の場合は、ちゃんと融資の対象として認められますので安心してください。
金利も地方銀行とメガバンクの間ほどなので、ローン借り入れ後も比較的少ない負担額で返済を行うことが可能です。
不動産投資ローンの審査に落ちてしまった場合
上記の金融機関からローンの審査を受け、もしも落ちてしまった場合は、同じ金融機関への申し込みは6か月以上空けましょう。
なぜなら、ローンの申し込み履歴は6か月の間、金融機関に登録されているからです。その状態で申し込んでも、落ちた時の審査の結果が重視されてしまい、再び落ちてしまうことがほとんどです。
どうしても金融機関Aからでないと融資を受けたくないなどの特別な事情がなければ、別の金融機関Bに融資の申し込みをしましょう。
金融機関によって審査基準が異なるので、同じ融資条件でも審査が通る可能性があります。また、借り入れの希望額を下げることや頭金を増やすことも、審査が通りやすくなる対策として有効です。
不動産投資ローンの融資額は、年収の7~9倍が目安
では、実際に不動産投資ローンの融資額は、どれぐらいの額まで借りることができるかというと、その目安は大体7~9倍と言われています。
倍数に開きがあるのは、個人個人の資産状況や属性によって、金融機関の融資額にばらつきがあるからです。
一般的に年間のローン返済額は年収の25%とされており、例えば年収が500万円、金利1%で返済期間35年とすると年間の返済予定額は約120万円となり、借り入れ可能金額は3,500万円と計算できます。
家賃収入の見込みと自身の収入から年間の返済可能額をシミュレートし、実際に不動産運営を開始した後に返済ができるのか、一度試算してみるといいでしょう。(参考:https://www.orixbank.co.jp/personal/house/simulation.html)
年収が安定しない状態の不動産投資ローンは危険!
不動産投資ローンの返済には、不動産からの収入に加えて、あなた自身の年収も非常に重要な要素を占めます。
そのため、運営する予定の不動産からの賃貸料が多く見込めるからといって、本業の年収が安定していないのに不動産投資ローンを組むことは絶対に避けましょう。
不動産投資には、災害や市況などの様々なリスクがあるので、見込みがあるから絶対に成功するとは言い切れません。
もしも見込みが外れた場合でもローンの返済に苦しまないためのセーフティーとして、不動産投資を行う上では本業の年収は必ず安定して確保されている状態をキープしておきましょう。
不動産投資を始めるのに、必ずしもローンが必要ではない
そもそも不動産投資に必ずローンが必要かといえば、そうではありません。ローンはあくまでも金融機関からの借金なので、それがない方が月々の返済に追われることなく、余裕を持った不動産運営が可能となります。
ただし、不動産を購入するための資金を保有していたとしても、購入後に一文無しになることだけは避けましょう。
不動産運営は、維持管理費や予期しないリフォーム代など、思わぬ出費が発生しやすい投資なので、自身の生活を守る資金と一緒に、いざというときに捻出する資金も用意しておくことを忘れないでください。
そのため、十分な備えを用意できない場合は、不動産投資のためにローンを組む方が無難な選択となります。
計画性を持ってローンを活用し、不動産投資を成功させよう!
不動産投資は前述した通り、必ずしもローンが組めなければ、開始できないということはありません。
ただし、ローンを組むことによって自己資金以上の物件を購入でき、いざという出費にも備えることが可能な効率の良い投資ができることは確かです。
ただし、ローンはあくまでも返済できる見込みがある状態で組まなければ、将来的にあなた自身を経済的に苦しめる要素になり得るので、利用の際はあくまでもしっかりと返済できる年収と属性を持ちましょう。
この記事が、あなたの不動産投資にとって少しでも為になれば幸せです。最後まで読んでいただきありがとうございました!