油汚れによるシミがついてしまった時の正しい落とし方をご存知でしょうか。食事の時や仕事などで、食べ物をこぼしてしまったり、仕事上油汚れがひどくついてしまう方もいると思います。
油汚れはなかなか通常の洗濯でも落ちないですし、お気に入りの服が外で着れなくなってしまうのは悲しいですよね。
今回は、油汚れの種類と、それぞれの落とし方についてお伝えしますので、ぜひ最後まで読んでみてください。
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服につく油汚れとシミの種類
服についたシミは「水溶性」「油溶性」「不溶性」の三種類に分類でき、シミの種類によって染み抜きの方法が異なります。
そのため、まずはシミの性質やシミの原因となる物質を理解しましょう。服につくことが多いシミの性質やシミの原因となる物質の例は以下のとおりです。
シミの種類 | シミの性質 | 物質の例 |
---|---|---|
水溶性 | ・水に溶けやすい ・水や洗剤で洗うと落とせる場合が多い |
・コーヒー ・紅茶 ・ジュース |
油溶性 | ・水には溶けないが油に溶けやすい ・油分を多く含む洗剤を使うと落とせる場合が多い |
・カレー ・揚げ油 ・化粧品 |
不溶性 | ・水や油にも溶けにくい ・研磨作用のある洗剤(歯磨き粉など)で擦ると落とせることがある。 |
・泥濡れ ・墨汁 |
上記のうち服の汚れは「油溶性」のシミに該当することが多いかと思われます。軽い油汚れは、水と洗濯洗剤を使用した洗濯方法で落とすことができます。
しかし、食品由来の油汚れは、油を多く含んでいるため、通常の洗濯では落としきることができません。食品由来の油汚れを綺麗に落とすためには、洗濯する前に適切な方法で下洗いすることが大切です。
油汚れによるシミの落とし方(応急処置)
服についた汚れは、時間経過に伴って服の繊維に染み込むため、洗い落とすのが難しくなります。
着用していた服に油汚れがついた場合には、なるべく早めに染み抜きを行いましょう。今回は外出先でも可能な染み抜きの応急措置についてお伝えします。
- 油汚れを拭き取る
- 水で濡らしたティッシュやハンカチで汚れを叩く
- 応急措置をした部分を洗い流す
油汚れを拭き取る
服についた油汚れをティッシュやハンカチなどで拭き取ります。この時にこすると汚れが服の繊維に染み込んでしまうため、軽く叩くようにしてティッシュやハンカチに汚れを染み込ませるイメージで拭き取りましょう。
水で濡らしたティッシュやハンカチで汚れた部分を叩く
ティッシュやハンカチを水で濡らし、汚れた部分をまた叩くようにして拭き取りましょう。石鹸などがある場合には、水と一緒にティッシュやハンカチに染み込ませて叩くようにしましょう。
汚れが広がらないように、汚れの周辺部から中心に向かって叩くようにします。
応急措置した部分を洗い流す(石鹸を使用した場合)
水のみで応急措置した場合には、そのまま乾燥させれば完了です。石鹸などを使用した場合には、応急処置した部分を水で洗い流してから乾かしましょう。その後、通常の洗濯を行ってください。
洗濯表示で自宅でシミ抜きをしてもいいか確認
上記の応急処置後、自宅で洗濯を行うときは、事前にシミの種類と、シミ抜きをしたい衣類の素材をしっかり確認しておくことが大切です。
その服に合ったやり方で染み抜きをすることで「うまく汚れが落ちない」「洗剤を使った跡が残ってしまう」などのトラブルを効果的に予防できます。
そのため、洗濯機にて洗う場合には、家庭での洗濯が可能かどうか洗濯表示をみて確認しましょう。洗濯ができない代表的な素材としては、ニットなどが挙げられます。
軽い油汚れによるシミの落とし方
食べ物による軽い油汚れの場合、台所で使う食器用洗剤を利用した染み抜きを試してみましょう。仮に上記の応急処置をできなかった場合にも効果的です。
- 油汚れがついた服をぬるま湯につける
- 油汚れに食器用洗剤をつけて歯ブラシで部分洗いする
- 水で洗い流す
油汚れがついた服をぬるま湯につける
洗濯する際の温度が高いほど油汚れを落としやすくなりますが、逆に高温すぎると服の繊維を傷つけてしまいます。洗濯表記の推奨温度を確認し、適切な温度のぬるま湯に服をつけましょう。
油汚れに食器用洗剤をつけて歯ブラシで部分洗する
油汚れの部分に食器用洗剤をつけ、歯ブラシでこすります。油汚れが周囲に広がらないように、細かくこするようにしましょう。
水で洗い流す
食器用洗剤をつけたところを水で洗い流し、いつもどおりの洗濯方法で服を洗いましょう。洗濯後は服を乾かし、油汚れの落ち具合を確認してください。
頑固な油汚れによるシミの落とし方
食器用洗剤を利用した方法で落としきれなかった場合や、頑固な油汚れを落としたい場合は、漂白剤を使った方法を試してみましょう。
- 洗面器などに洗浄液を作る
- 服をつけおきする
- つけおきした服を洗濯する
洗面器などに洗浄液を作る
洗面器などに油汚れが十分に浸かる程度のぬるま湯と洗濯用洗剤と酸素系漂白剤を入れ、混ぜてください、漂白剤を使用するため、ゴム手袋を使用するのがおすすめです。
服をつけおきする
油汚れが洗浄液に浸かるように服をいれ、2時間程度つけおきします。つけおきすることで汚れが浮いてきます。
つけおきした服を洗濯する
つけおきした服を洗浄液から取り出し、いつもどおり洗濯機などで洗ってください、洗濯後は服を乾かし、汚れの落ち具合を確認してください。
作業着などの強い油汚れの落とし方
機械油などがついてしまった作業着や、自転車のチェーンの汚れなどの油汚れには一工夫が必要ですので、お伝えしておきます。
- 作業着をお湯につける
- 汚れ部分をブラシでこする
- 洗濯機で洗う
作業着をお湯につける
作業着についた油汚れは作業着用洗剤と熱の力で分解します。洗面所のバケツなどに60度くらいのお湯と洗剤を混ぜて2時間程度つけおきしましょう。
汚れ部分をブラシでこする
高音のお湯につけておくと汚れが次第に浮き上がってくるので、汚れが残っている部分はブラシで優しくこすって、汚れを落としていきましょう。
洗濯機で洗う
上記の手順である程度汚れが落ちたら、通常どおりの方法で洗濯しましょう。この時に、作業着用の洗剤が、作業着に残っている可能性があるので、洗濯をかける際には作業着のみでかけるのがおすすめです。
クレンジングオイルを使って油汚れを落とす方法
食器用洗剤や、酸素系漂白剤で油汚れが落ちなかった場合、クレンジングオイルを使えば落とせる場合があります。
クレンジングオイルは油分を多く含むメイク・化粧品を落とすためのアイテムなので、その分油汚れにも効果が期待できます。
- 油汚れの部分にクレンジングオイルをつける
- 歯ブラシで油汚れの部分を軽く叩く
- ぬるま湯に入れてもみ洗いする
油汚れの部分にクレンジングオイルをつける
油汚れのある裏側にタオルを敷きます。油汚れがついた部分を上にした状態でおき、クレンジングオイルをつけてください。
歯ブラシで油汚れの部分を軽く叩く
汚れが周囲に広がらないように、周囲から中心にかけて歯ブラシで軽く叩くようにして、汚れを落としましょう。イメージは汚れを叩いて下に敷いたタオルへ汚れを移動させるイメージです。
ぬるま湯に入れてもみ洗いする
クレンジングオイルをつけた部分をぬるま湯に入れてもみ洗いしましょう。クレンジングオイルを落としたら、いつもどおりの洗濯方法で服を洗ってください。
油汚れ用スプレー洗剤での落とし方
上記のような手順をするのが面倒に思う方もいると思います。そういった方のために、本章ではガソリンスタンド御用達の油汚れ落としスプレーをご紹介します。
このスプレーは洗濯機に入れる前に汚れに対してスプレーして洗剤を染み込ませるだけでOKです。他の洗濯物と一緒に洗っても問題ないので、わけ洗いする必要がなく、手間が省けます。
- 2剤を混ぜる
- 油汚れにスプレーする
- 洗濯機で洗う
2剤を混ぜる
箱から出した時は2剤が分離した状態になっているので、まずボトルをよく振って2剤を混ぜましょう。ボトルの液体の色にムラがない状態(全体が青色)になればOKです。
油汚れにスプレーする
スプレーの根元にある「ON」ボタンを押してください。その後油汚れに直接スプレーして、汚れ全体を覆います。スプレーをした後に揉み込むとより効果的です。
洗濯機で洗う
洗濯洗剤を使用して、選択しましょう。市販の洗濯用洗剤や柔軟剤と一緒に使用して問題ありません。そのため、他の洗濯物と一緒に洗うことも可能です。
油汚れ用液体洗剤での落とし方
作業着専用ならではのパワーを発揮する液体洗剤ですが作業着以外にも使用できます。頑固な機械油汚れや、汗・ひしの手強い汚れにも効果的です。また色・柄物にも使用できるため、幅広い服に使用することができます。
- つけおき
- もみ洗い
- 洗濯機で洗う
つけおき
液体洗剤を入れたぬるま湯に1時間程度つけましょう。衣服によっては高温なお湯につけても問題ないですが、ぬるま湯でも十分に効果的なので、ぬるま湯につけるようにしましょう。
もみ洗い
液体洗剤を直付けしてもみ洗いしましょう。泡で洗うように「繊維から泡へと汚れを押し出す」ようなイメージで洗うと効果的です。
洗濯機で洗う
最後にいつもどおり洗濯機で洗いましょう。ただし、作業着用の洗剤はすすぎ1回では落ち切らないことも多いので、念の為すすぎは2回するようにしましょう。
服についたシミは落とせる!!
今回は服についた油汚れの落とし方をご紹介しました。服に着く汚れは油溶性のものがほとんどです。油溶性のものは水だけでは落ちづらく、どうしても洗剤が必要になります。
また、時間がたてば落ちにくくなる傾向にあるので、できるだけ落とした直後から応急処置をおこない、汚れの浸透を防ぎましょう。
どうしても応急処置ができなかった場合には作業着用液体洗剤やスプレー型の洗剤を使用して、汚れを落とすようにしましょう。また自宅で洗濯方法を行う際には必ず洗濯表示を確認するようにしましょう。
場合によってはクリーニングに出す必要があることもあります。シミがついてしまった服でも元どおりにすることはできます。諦めず応急処置と洗濯を行ってシミをしっかり落としましょう。