失業給付をもらうために必要な求職活動。客観的な確認のため、定められた範囲での実績作りが不可欠です。
初めて失業給付を申請した人は「求職活動って何?」「実績作りって大変そう」「あまり動き回りたくない」などと考えてしまいます。これを読むあなたも同じような、疑問や感情を抱いているのではありませんか?
本記事では求職活動についての解説と、実績作りとして簡単にできる職業相談やインターネットによる求人応募について紹介しています。
どれも最初から知っておかないと損をする内容ばかりですので、ぜひ最後まで読んでみてください!アイキャチ画像出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/2423142
求職活動に実績作りが必要なわけ
失業保険はできるだけ早い再就職を支援する国の制度です。支給されるお金は「求職者給付」と呼ばれ、失業の状態にあると認定された人のみに支払われます。
失業の状態と認定される条件は次に挙げる3つです。すべての条件を満たす必要があります。
- 積極的に就職しようとする意志があること
- いつでも就職できる状態にあること
- 積極的に仕事を探しているのに現在就職できていないこと
つまり最初の条件にある「積極的に就職しようとする意志があること」を判断するために、一定範囲の就職活動実績を示す必要があるわけです。
求職活動実績として認められるもの
次に一定範囲の就職活動実績とは、どういったものなのか見ていきましょう。求職活動実績として認められるものは次の8つとなります。
- 求人への応募
- ハローワークでの職業相談、職業紹介
- ハローワークが行う講習、セミナーの受講
- 許可や届出のある民間機関による職業相談、職業紹介
- 許可や届出のある民間機関による求職活動関係のセミナー受講
- 公的機関による職業相談
- 公的機関による講習、セミナーの受講、個別相談が可能な企業説明会の受講、参加
- 再就職のための国家試験、検定など資格試験の受験
許可や届出のある民間機関とは、人材紹介サービスを行っている事業者のことです。具体的にいうと「リクルートエージェント」や「doda」などが挙げられます。
公的機関とは「独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構」や地方自治体(県や市町村)のことです。
求職活動実績として認められないもの
逆に求職活動実績として認められないものを具体的に挙げるとしたら、次の3つとなります。
- ハローワークや新聞、インターネットによる求人情報の閲覧
- 転職サイトへの登録
- 知人に仕事紹介の依頼
ただ単に情報を閲覧しただけでは実績として認められません。転職サイトの利用は登録だけでなく、応募まで済ませた時点で求職活動実績となります。
一見して求職活動と思える行為でも、定められたもの以外は実績とならないので注意しておきましょう。
実績作りとしておすすめ【職業相談】
求職活動の実績作りでもっともおすすめなのが、ハローワークで行う職業相談です。認定日には必ず管轄のハローワークを訪れる必要があるので、そのときに一緒に済ましてしまいましょう。
原則として期間内に2回以上の求職活動実績が必要となりますので、これで残りは1回となります。職業相談は管轄のハローワーク以外でも行えるため、地理的な条件が合えばもっと楽に実績作りができるのも利点です。
実績作りとしておすすめな職業相談ですが、同じ日に2回相談しても1回分しか認められない点には注意しておきましょう。同じ日で実績を2回作るには、それぞれ別の方法が必要です。
求職活動実績作りのための相談はタブー?
職業相談は仕事に就きたい人に対して、相談という形で支援を行う窓口です。実績作りのためだけに利用するのは、職員の方に申し訳ないと感じてしまう人もいるでしょう。
ですが職業相談は実績作りの手段としてしっかりと認められています。また相談する内容は早期に就職を成功させるための質問やハローワークの求人についてとなりますので、後ろめたいことにはなりません。
ハローワークの職員側も相談に対して深く追求したり、揚げ足を取ったりすることはないので安心して利用してください。
職業相談の実例集
実績作りとしておすすめな職業相談ですが、相談内容について悩んでいる人が多いのも事実です。ここで実際に職業相談を行った私の相談例をいくつか挙げるので、ぜひ参考にしてみてください。
- 自分が探している職種がハローワークにあるのか知りたい
- 自分が探している職種についてうまく検索する方法を知りたい
- ハローワークが行うセミナーについて知りたい
- 未経験職種に対する自己PRの書き方について知りたい
- ハローワークが行う職業訓練について知りたい
- 面接で退職理由を聞かれたときの対処方法を知りたい
- 履歴書や職務経歴書の書き方を知りたい
- 履歴書や職務経歴書の添削をお願いしたい
職業訓練は応募できる時期が限られるので、早めの相談がよいでしょう。履歴書や職務経歴書の書き方、添削などは数回お願いする必要が出てきますので、相談内容としておすすめです。
自宅で簡単?実績作り【インターネット応募】
職業相談と並んで簡単にできるのが、インターネットを使った求人応募になります。スマホやPCを使って求人サイトに登録し、情報を入力するだけで応募できるので、短時間での実績作りが可能です。
求職活動実績として必要な情報は、応募した日時や企業名、利用した求人サービス名のみになります。応募の結果を記載する欄がありますが「連絡待ち」と記入してもよいので、認定日前日に応募する荒業もありです。
インターネット応募は求職活動実績作りの中で、唯一自宅でできるものですが注意しておかなければならない点もあります。
企業側は実績作りのためとは思わない
当たり前のことですが、求人サイトに載せている企業側は本当に人材を欲しています。あなたからの応募に対して、しかるべき時間を割いて対応してくれるでしょう。場合によっては面接の機会まで設けてくれます。
基本的な考え方として、実績作りを目的とした安易な応募は慎むべきです。企業から連絡が来ても面接辞退をすることで、求職活動の実績のみを作り出せますが、あまりにも常識を無視した行動といえます。
お互いが無用な時間を避けるためにも、応募するなら自分が希望する職種だけにしておきましょう。
求職活動実績作りでの注意点
ここでは求職活動実績作り全般で、注意しておくべきことを解説します。まずは求職活動実績が必要な期間についてです。期間は前回の認定日当日から、今回の認定日前日までとなります。
つまり認定日当日に行った職業相談は、次の期間の実績として計算されます。求職活動実績が1回足りない状態で認定日を迎えて、その日に実績作りを行っても「失業の状態」と認定されないので注意が必要です。
また記載した求職活動実績に対しては、事実確認が行われることもあります。噓の記載は不正受給とみなされる場合もありますので、絶対にやめておきましょう。
不正受給となった場合、支給停止やこれまで受給した金額の返還、および2倍相当の納付命令を受け、最悪詐欺罪で処罰を受ける可能性もあります。
求職活動の実績作りは難しくない
求職活動の実績作りは、就職したい人が行う常識的な行動の範囲です。この記事で紹介した簡単な実績作りの方法を選んだとしても、定められた範囲の中ですのでまったく問題はありません。
おすすめはやはり職業相談を2回行うことですが、地理的な問題や期日が迫っている場合はインターネット応募も織り交ぜて対処していきましょう。
求職活動を進めていく上で実績作りに悩んだときは、再度この記事を読んでみてください。職業相談の実例集もあとで見ることで、何かしらのヒントになる可能性もあります。
求職活動の実績作りは難無くこなして、その分自分に合った仕事探しに注力しましょう。