視能訓練士について知りたいけれど、知名度の影響かあまり詳しく載っていなくて困っている。そんな悩みを抱えていませんか?
眼科医や看護師の方が情報が多いので、その気持ちよくわかります。そんな方達のために、この記事では、視能訓練士についていろいろと掘り下げて解説しております。
この記事を読めば、視能訓練士になるにはどうすればいいのか、という対策法がわかるようになります。ぜひ、最後までご覧ください。
出典元:https://www.pakutaso.com/photo/2143.html
視能訓練士ってどんな仕事?
視能訓練士とは、視機能の検査や視能矯正などを行う眼科医のパートナーを務める人のことを指します。目っていうのは、複雑な器官のため多くの検査や治療、訓練などが必要になります。
よって、眼科医だけではできることに限界があります。そこで、視能訓練士が眼科医をサポートするためにいろんな業務を担っています。
視能訓練士は国家資格が必要なため、専門技術職扱いとなります。視能訓練士が行う業務は、主に4つです。
- 視能矯正
- 視機能検査
- 検診業務
- ロービジョンケア
視能矯正
視能矯正とは、弱視や斜視の症状がある人に対して症状を改善する訓練を行うことです。こうした訓練は、主に視覚が発達中の子どもに対して行います。
視機能は成長に伴って発達するものですが、弱視では視機能の成長が止まってしまうので、物をはっきりと見ることができません。そのため、視能矯正によって視力の向上を目指します。
斜視は、左右の目の方向がずれてしまう状態なので、目の正しい方向に直すことを目指します。訓練内容は、眼科医と視能訓練士がともに計画を立てて管理し、指導を進めていきます。
視機能検査
視機能検査は視能訓練士の中でも一番知られている仕事内容です。いろいろな検査器具を用いて、目の状態や視力などを視能訓練士がチェックしていきます。主に5つの視機能検査があります。
- 視力検査
- 眼圧検査
- 屈折検査
- 視野検査
- 目底検査
このように、視能訓練士が行う視機能検査は多岐にわたりますが、このような検査は、医師が的確な診断や治療をする際には欠かせない事です。
つまり、視能訓練士がいろいろな検査を行う事で、目の異常や病気を知ることができ、目の健康が守られています。
検診業務
視能訓練士の仕事内容には、保健所や学校で行われる検診にも含まれてきます。その中でも、保健所で行われる3歳児健診や学校の就学時検診、病院などで行われる成人のための生活習慣病検診などがあります。
ロービジョンケア
このロービジョンケアとは聞きなれない言葉だと思うのですが、眼疾患や怪我によって視機能が低下し、日常生活に支障をきたす可能性のある人のケアをすることです。
サポート内容は、歩行訓練や身体障害者認定や障害年金、補助具の給付などの手続き、相談、助言などが挙げられます。
乳幼児からご高齢の人まで幅広い人のケアが対象になり、細かいサポートが必要になります。
視能訓練士に向いている人
第1に、医療ミスを起こさない正確さとマメさのある人です。一つでも検査の結果を間違えてしまうと、重大な医療ミスに繋がってしまいます。少しでも面倒だと感じてしまうとミスになってしまうため、大切な適正です。
2つ目に、根気強く続けられる力を持った人です。視力が衰えてきたご高齢の患者さんに対して、経過が横ばい状態になることもあります。それでも患者さんを焦らさずに励ましていくような姿勢をもつことが重要です。
3つ目は、コミュニケーション能力の高い人です。視能訓練士は幅広い年齢層の人に対応しなければなりません。眼科医にわかりやすく検査結果を伝え、患者さんの緊張をほぐす会話術を持つことも重要な要素です。
視能訓練士に向いていない人
一番向いていない人というのが、極端に子どもに対して苦手意識を持っている人でしょう。
仕事の一つである、子供の斜視・弱視を改善する訓練をするのが業務内容の一つなので、当てはまっていたら厳しいかもしれません。
もう一つに、地道な作業が苦手という人です。この視能訓練士というのは、決して華やかな職業ではありません。
検査や訓練の成果もなかなか現れないことも起こりうるので、人によっては非常に地味な仕事と捉えられてしまう可能性もあります。なので、地味な仕事が苦になる人は向いていない業種かもしれませんね。
視能訓練士の年収は?
結論から言いますが、視能訓練士の平均年収は350万円程度(正社員の場合)といわれています。
とはいっても、環境やスキル・実力によって収入が変わってくる可能性もあるので、多少の前後はあると言っていいでしょう。
ボリュームゾーンを見てみると、308〜347万円に分布されている割合が多いため、初任給は、300万円行くか行かないかくらいを目処にするといいのかもしれません。
その一方、パート・アルバイトの時給としては、1,323円が平均時給になります。
視能訓練士と眼科看護師の違い
視能訓練士と眼科看護師の主な違いは、医療行為の補助ができるかどうかです。眼科看護師の場合は、医師の指示によって、医療行為の補助もできます。
眼科看護師には一般的な看護師が、眼科に配属されることになります。そのため、業務内容は看護師と同じなんです。
その一方で、視能訓練士は医師に対して医療行為を補助することができません。
視能訓練士の場合、眼科医の指示を受けたとしても前述したことのある4つの業務(「眼科関連の検査」「視能矯正」「検診業務」「ロービジョンケア」)までしか担当することができないのです。
視能訓練士になるための条件
視能訓練士になるためには、視能訓練士の国家資格を取得する必要があります。この試験を受けるための条件は、以下の通りです。
視能訓練関連の課程がある大学で4年以上学んでいる。もしくは、視能訓練士養成学校で1〜3年学んでいる必要があります。
視能訓練士養成学校は、高卒の場合3年間、短大や看護学校保育士養成校などを卒業している場合は、1年間学ぶと、国家試験の受講資格が得られます。
そして、視能訓練士の国家資格を取得した後、希望する医療機関に合格したら、晴れて視能訓練士として就職することができます。
視能訓練士になるために進学する学校探し
さて、視能訓練士になるためには、どういうことをしたらいいかの手順を前の見出しで解説しましたが、この見出しでは早速学校を探しやすくするためのサイトのリンクを用意しました。
このサイトを使って、自分が通える付近にある学校を、ぜひ探してみてください。
視能訓練士養成学校というのは、全国的に数は少ないですが、あらゆる場所に立地されているため、決して通えない場所にあるということはないと思います。
参考サイト:スタディサプリ様
視能訓練士になった人の声
視能訓練士になるために頑張っている人、そして、視能訓練士になってからその後どうなっているのか?というのが載っている、すごくいいサイトから引用したので参考にしてみてください。
生の声や、どんなことに困っていたり、やりがいを感じているのかがいろんなケースを載せため、非常に参考になると思います。
これから視能訓練士を目指している人にとっては、非常に有益な体験談になると思います。
入職したての頃は検査をする事やクリニックの業務を覚えることに精一杯でしたが、最近は少しずつですが患者さんとコミュニケーションを取れるようになってきました。
視能訓練士になって、とても大切だと思うことは「患者さんの年齢や理解力に合わせた伝え方」です。サイト;http://omeme.jp/become/5104/より引用
当院では一般外来の他、様々な専門外来を行っています。患者様の訴えは一人一人違い、前回の来院時と大きく症状が変わっている事もあるため、状態に応じて工夫し検査を行うなど、柔軟な対応をするよう心がけています。
またご年配の方が多く動線に気をつけながら誘導したりと、臨床は学校での実技と全てが違い日々学ぶことばかりです。
上手に検査できない事も多々あり自身の知識・技術不足に悩む事も有りますが、先輩のご指導をいただきながら視能訓練士として早く一人前になれるよう努力していきたいと思います。サイト:http://omeme.jp/become/4923/より引用
視能訓練士として働き始めて9か月が経ちました。
私が勤める総合病院では、毎日、他院や他科からの紹介で様々な患者さんが来院されます。視能訓練士は医師の指示を受け検査を行いますが、単に検査をすればよいという訳ではなく、紹介状の情報をもとに病状を把握し考えながら検査を行うことが重要だと痛感する毎日です。自分の出した検査結果が診断、治療方針を左右し得ることを肝に銘じ、緊張感をもって仕事をしています。
上手くいかないことも多々あり日々学ぶことばかりで大変ですが、視能訓練士はとてもやりがいがある仕事だと感じています。これからも学ぶ姿勢を忘れず努力していきたいです。サイト:http://omeme.jp/become/4454/より引用
どの声も、日頃の苦労や反省、向上心や責任感などが文章から滲み出ていますね。これをみていると、自分も負けていられないという気持ちになりますね。見てとれる通り、やりがいがすごくある職業だと思います。
視能訓練士の将来性について
医療分野全体に言えることですが、昨今の医療機関は、「専門化・細分化」が進んでいます。
社会的なニーズが増加してきた医療分野は、専門の外来が登場するようになり、より専門的な医療を提供できるようになってきました。
視野の分野でも同様のことが言え、視能疾患ごとに専門外来が増加すれば必然的に専門的な視能訓練士の需要も多くなってくることが予想されます。
さらに、介護の分野においても、リハビリテーションが専門化・細分化されれば、介護分野における視能訓練士の需要はさらに高まってくるでしょう。
視能訓練士についてのまとめ
ここまで、視能訓練士について細かくまとめてきましたが、あまり知名度が高くない職業のため、情報が限られたジャンルだと思います。そして、最後におさらいをして終わりたいと思います。
- 視能訓練士の業務は大きく以下の4つに分類される
- 視能矯正
- 視機能検査
- 検診業務
- ロービジョンケア
- コミュニケーション・根気強い・マメな作業が得意な人に向いている
- 年収は平均すると350万円程度
- 将来的にみて需要は高まってくる職業である
以上が、視能訓練士についてのおさらいでした。今後、視能訓練士になりたいと言う人にとってのお手伝いができたら嬉しく思います。
将来性のあり、やりがいのあるお仕事なので今後広まってくるといいですね。