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臨床開発モニター(CRA)の仕事内容や年収・転職できるのか徹底解説

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臨床開発モニター(CRA)って聞いたことはあるけど、どんな仕事をしているのかわからないですよね。私も最初は、「治験をする人なのかな」と思っていました。

この記事ではそんなあなたの疑問を解決するため、やりがいや具体的な内容、転職できるのかなど、臨床開発モニターについて徹底解説しています。

臨床開発モニターのについて理解し、仕事の流れをイメージできるようになっているので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。

(アイキャッチ画像出典:https://pixabay.com/ja/photos/%e9%8c%a0%e5%89%a4-%e8%96%ac-%e6%b8%a9%e5%ba%a6%e8%a8%88-%e5%81%a5%e5%ba%b7-%e8%a1%9b%e7%94%9f-5979099/)

臨床開発モニター(CRA)とは

臨床開発モニター(CRA)とは、新薬製品化のための治験(臨床開発試験)の進捗を管理する仕事です。仕事内容は、治験が正しく行われているか確認するモニタリング業務や、症例データの収集などがあります。

CRAに関連するワードとして、CROとCRCが挙げられます。

CROは開発業務受託機関。治験を受託している機関のことで、CRCはCROの一員となって働きます。

一方、CRCは治験コーディネーターを指し、医療機関の立場から医師や関係部署と協力して、患者をサポートします。CRAは製薬会社の立場から治験を管理する点で、CRCと異なります。

臨床開発モニター(CRA)の仕事の流れ

CRAの主な役目は、治験が治験実施計画書に則って正しく進行しているか確認することです。ほかにも、治験を行う医療機関や医師の選定、契約手続き、報告書の作成など、多くの業務があります。

CRAの仕事の流れを、治験の開始から終了まで順番に解説していきます。

治験開始前

  • 医療機関・医師の選定
  • 実施依頼・契約の締結

治験実施中

  • モニタリング業務
  • 報告書の作成

治験終了時

  • CRF・治験薬の回収
  • 担当医師への終了報告

治験開始前

治験開始前は、「医療機関・医師の選定」と「実施依頼・契約の締結」をします。

医療機関・医師は、対象医薬品の分野の実績や時間的余裕などを基準に判断します。

実施依頼・契約の締結は、製薬メーカーの用意した治験実施計画書(プロトコール)を基に、医療機関に説明し、合意が得られたら完了です。

プロトコール
「被験者の人権の保護、安全の保持及び福祉の向上を図り、治験の科学的な質及び成績の信頼性を確保する」ことができるよう治験依頼者の実施に関する必要な事項を定めた文書のこと。
引用:https://www.cmichci.com/service/smo05/GCPLetter201502.pdf)

治験実施中

治験実施中は、「モニタリング業務」と「報告書の作成」をします。治験の進捗を管理するのが、CRAの最も重要な仕事です。

プロトコールに違反なく治験が進められているか、副作用はないかなど医師へヒアリングします。

症例報告書(CRF)の回収も行います。カルテのようなもので、被験者のあらゆるデータが記載されています。医師が記載したデータと照合して間違いがないか確認するのも仕事です。

報告書は、CRFに記載漏れがないかチェックし、医師からのヒアリング内容や業務内容を記載します。用法や容量が守られているか、治験除外基準に該当していないかもチェックしなければなりません。

治験終了時

治験終了時は、「CRF・治験薬の回収」と「担当医師へ終了報告」します。

すべての被験者へ投与が終われば、治験はほぼ完了です。CRFや治験薬を回収し、記載漏れなどの不備がないことも確認します。最後に、担当医師へ終了報告をしたら治験完了です。

臨床開発モニター(CRA)の1週間のスケジュール

「CRAって大変そう……」と思った方もいるのではないでしょうか。CRAの業務は内勤と外勤に分かれる点が特徴ですが、土日休みの会社が多くなっています。

以下の表は臨床開発モニター(CRA)の1週間のスケジュール例ですので、ぜひ参考にしてみてください。

月曜日 火曜日 水曜日 木曜日 金曜日
8:00 直行 直行(飛行機移動) 出社 直行 出社
9:00 A大学病院 CRFチェック 市立B病院 CRFチェック
ミーティングなど
10:00
11:00 B大学病院
12:00
13:00
14:00 報告書の作成や会議
15:00 帰社して内勤
16:00
17:00
18:00 直帰(飛行機移動) 退社 退社
19:00 退社 直帰
20:00

 

医療機関を訪問する外勤と、報告書の作成などをする内勤に分かれます。遠方へ外勤する際は直行直帰が多く、内勤はパソコン作業がほとんどです。

外出時は事前にアポイントを取っていくため、一日のスケジュールが立てやすいのがポイントです。

治験の立ち上げ期は医療機関への訪問が多いため外勤の割合が多く、逆に治験がないときは内勤が多いなど、治験の状況によってスケジュールは変わります。

臨床開発モニター(CRA)に転職するには

CRAに転職するために必要な資格はありませんが、医学や薬学の知識があるといいでしょう。知識の豊富な薬剤師や看護師などの職種は転職しやすいのが現状となっています。

企業所属とCRO所属の違い

CRAが働く場所として、企業(製薬メーカー)とCROがあります。どちらも仕事内容に大きな違いはありません。

製薬メーカーは自社開発の治験薬にのみ携わります。CROを活用している場合、CROの管理業務をすることもあり、モニタリング以外の業務もあるのが特徴です。

CROは自社以外の治験業務も請け負うため、さまざまな治験薬に触れることができます。モニタリングが主な仕事になるため、専念できるでしょう。

英語力は必要?

CRAになるために英語力は必須ではないですが、持っていた方がいいでしょう。

製薬会社と担当する治験が国内なら英語は使いませんが、国際共同治験の場合をする際に必要になります。文書だけでなく、日常的な会話や医療英語もマスターしなければならないため、高いスキルが求められます。

独立行政法人医薬品医療機器総合機構によると、2018年度(10月まで)の治験計画届出件数のうち国際共同治験の割合は55%でした。(https://www.pmda.go.jp/files/000227251.pdf#page=10)

国際共同治験の割合は年々増しているため、英語の需要も高まっていくかもしれません。

臨床開発モニター(CRA)の3つのやりがい

(https://www.pakutaso.com/20181142311post-18427.html)

さて、ここからはCRAのやりがいを3つ紹介します。医療に携わる仕事にしかない、大きなやりがいがありますよ。

CRAの3つのやりがい
  • 人の役に立っている実感がある
  • 自分が回収したデータが添付文書に残る
  • 達成感がある

人の役に立っている実感がある

CRAは実際に患者さんの顔は見れませんが、カルテに患者さんからのお礼の言葉が書いてあり、間接的に感謝を受け取れます

それを見ると、治験薬に携われて良かった、困っている人を一人でも助けられて良かったと実感できます。

新薬によって患者さんの症状をよくしたり、命を救ったりすることができ、やりがいの大きな仕事です。

自分が回収したデータが添付文書に残る

開発に成功した医薬品や医療機器の添付文書には、効能や効果、副作用など自分がやってきた仕事の証明がされます

何年もかけて仕事をした結果が、時にはたった数行しか書かれないこともあります。しかしその数行を見ることで、長い間頑張ってきてよかったとやりがいを感じるのです。

達成感がある

治験は3ヶ月で終るものもあれば、2年3年とかかることもあります。

担当になって、毎日製薬会社や医師、患者さんと向き合ってコツコツ歩んできた道。トラブルや困難を乗り越え、すべての仕事が終わった時には、何物にも代えがたい達成感があります

治験終了時には、チームの結束力も堅いものになっているはずです。

臨床開発モニター(CRA)の3つのつらい点

(https://www.pakutaso.com/20180549128post-16093.html)

CRAは経験を積むと任せられる仕事が増えてくるため、プレッシャーも感じることもあるでしょう。ここからは、CRAのつらい点を3つ紹介します。

CRAの3つのつらい点
  • 仕事量が多い
  • 外回り・出張が多い
  • 緊急事態発生時の対応

仕事量が多い

新薬の申請では数万ぺージの提出書類が必要になります。申請以外にも、施設の要件調査や治験開始前の説明会の資料など、すべてCRAが作ります。

担当医師やCRCなどに確認してもらう資料が多く、一生懸命作っても担当者が見てくれないと治験のスケジュールにも関わってきます。

タイトなスケジュールなうえに、作業量も多いのがこの仕事のつらい点です。

外回り・出張が多い

通常、新人でも一人当たり3、4施設任せられるのが当たり前です。実務経験が増えてくるとさらに担当施設が増え、外回りが多くなります。

遠方だと飛行機移動もあるため、最初は楽しいと感じるかもしれません。しかし、スケジュールがタイトになっていくにつれ、体力的にきつくなってきます。

移動時間も作業しないと間に合わないこともあるため、精神的にも苦しいです。

緊急事態発生時の対応

重篤な有害事象(SAE)といって、患者の命に係わる事態が、まれに起こります。直ちに治験審査委員会へ報告しなければならないため、迅速な対応が求められます。

担当CRAは何があっても対応できるよう、社用携帯を持って休日を過ごすので、いつ呼び出されるだろうかとストレスを感じてしまうかもしれません。

有害障害は回復するまで追跡調査を行う必要があるため、その日以降も業務の負担が増えてしまいます。

臨床開発モニター(CRA)の年収

未経験から転職した場合、年収は350万~450万くらいです。キャリアごとの年収は以下の通りです。

キャリアごとの年収
  • 新入社員(キャリア2年~3年)→年収450万円程度
  • 中堅社員(キャリア3年~5年)→年収520万円程度
  • ディレクター職→年収800万円程度以上

国際共同治験に携われるようになると、さらに年収アップが望めます。新薬開発の特許で大きな売り上げが見込めるため、CROよりもメーカー勤務の方が年収は高いようです。 

臨床開発モニター(CRA)のキャリア

CRAからは、さまざまなキャリアが目指せます。PM(プロジェクトマネージャー)などの管理職はもちろん、キャリアチェンジの幅も広いです。

以下は、MJさんのCRAからのキャリアチェンジをまとめたツイートです。一例ですが、参考になるので見てみてください。

PL(プロジェクトリーダー)やPM(プロジェクトマネージャー)は上市前にの部分記載されていますね。

薬事職や事業開発にも転職でき、CRAのキャリアの幅は広くなっています。もちろん、CRAの仕事が好きなら続けていくこともできますが、給料の伸びは小さいことを覚えておきましょう。

上市…新薬を初めて市場に出すこと

臨床開発モニター(CRA)の将来性

CRAの重要な仕事である、モニタリング業務はなくなりません

治験は、新薬を開発するために行われます。メーカーの作った医薬品はいずれ特許が切れ、売り上げが落ちるからです。

そして、モニタリング業務の実施は法律で義務付けられています。

医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令21条
治験依頼者は、モニタリングに関する手順書を作成し、当該手順書に従ってモニタリングを実施しなければならない。

法律でCRAの将来性が保証されているわけではありませんが、CRAの経験はほかの職種にキャリアチェンジする際に大いに役立ちますし、CROでは即戦力になります。

「仕事がAIに奪われる……」などの心配はせず、興味があるならやってみることをおすすめします。

【まとめ】臨床開発モニターは治験の進捗を管理する仕事

臨床開発モニター(CRA)とは、治験の進捗を管理する仕事です。治験実施中のモニタリングが最重要業務であり、医療機関を訪問して、治験実施計画書通りに進められているか確認します。

土日祝休みの場合が多く、内勤と外勤に分かれる勤務スタイルが特徴です。外勤の場合は飛行機で遠方に行くことも多く、内勤は報告書の作成などが主な仕事です。

大変なこともありますが、新薬が困っている人の助けになったり、プロジェクトが終わった時の達成感であったり、ほかの仕事では味わえない大きなやりがいもあります。

転職は、医療の知識があった方がしやすいのは確かですが、文系などで知識がなくても可能性はあります。CRAからのキャリアの幅も広いです。興味を持ったあなたは、ぜひ一度求人を覗いてみてくださいね。

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あき
専業ライター|元タクシードライバー|CMS、WordPressでの入稿可|SEO対策可|所持資格:簿記3級、FP3級|得意記事:金融系、格安SIM系| #webtasuライター