犬を安全に育てるうえでしつけは欠かせません。しつけを怠ると、大きくなってから癖を直すのは難しいです。
しかし、「いつからしつけを始めるといいか」「どの時期に何のしつけをすればいいか」など、分からない方もいますよね。
そこで、犬をいつからしつけるといいか、犬を飼う前の準備や、しつけの順序を紹介しますので、是非最後まで読んでください。
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犬のしつけはいつから?
生後4~12か月は社会化期と呼ばれ、警戒心が弱くて好奇心旺盛なため、様々な刺激や場所に慣れやすいです。そのため、社会化期に入る生後4ヵ月からしつけましょう。
社会化期に正しいしつけることで、犬に与える恐怖やストレスが少ない上に、しつけを覚えてもらいやすいです。
一方で、社会化期前は脳が未発達のため、しつけを理解できず、この時期のしつけは恐怖を与えます。
また、ペットショップでは生後8か月未満の犬の販売が禁止されており、ペットショップの犬は最大でも、4か月しか社会化期がありません。そのため、犬を飼う前にしつけの勉強をおすすめします。
犬を育てる環境づくり
犬を飼う前に、家の中の環境を整えることが大切です。子犬は何が危険か判別できないため、いろんなものを口にしたり、危険な場所に近づいたりします。
小さい頃から習慣にしてしまうと、大きくなってからその癖を直すのは難しいです。そのため、悪い癖をつけないために一歳になるまで、危険なものから遠ざけるようにしましょう。
危険な場所にゲートを設置する、コードにカバーをつける、といった対策が有効です。
散歩はいつから?
犬の散歩は、ストレス解消や健康維持といったメリットがあるので重要です。しかし、散歩をさせる前に以下二点に気を付けましょう。
- ウィルスの予防接種
- 外に慣れさせる
ウィルスの予防接種
子犬のうちは免疫力が弱いので、外で歩かせることはできません。
まず、ワクチンを3回接種して、14日以上問題ないことを確認することが必要です。その後、獣医師の許可をもらうと散歩ができるようになります。
外に慣れさせる
犬にとって外の刺激は強く、慣れていない外での散歩はストレスになります。
そのため、刺激になれやすい社会化期のうちに、犬と一緒に散歩コースに通うことが有効です。大きくなってからその場所で怖がることが減るため、ストレスを与えずに散歩できるようになります。
しかし、前の説明にある通り、ワクチンを接種して獣医師の許可をもらうまでは、地面を歩いてはいけません。
そこで、だっこする、クレート(持ち運び可能な犬小屋)に入れて散歩することで、ワクチンが済んでない時期も、散歩コースの人ごみや雑音に慣れさせることができます。
犬を家に迎えた後はいつからしつける?
犬を家に迎えたらすぐにしつけることが望ましいです。ただし、簡単なことから教えていきましょう。
一度に色々教えると混乱するので、まずは以下の二つから始めます。
- 名前を覚えてもらう
- トイレトレーニング
名前を覚えてもらう
犬を迎えたらまず、信頼関係を築くために名前を覚えてもらいましょう。
呼び方がバラバラだと混乱させるため、呼び方を統一してください。
名前を中々覚えてもらえないときは、名前を呼んで反応がいいときにご褒美をあげることも効果的です。
トイレトレーニング
トイレトレーニングは家に迎えた日から行う必要があります。なぜなら、トイレトレーニングを後回しにすると「どこでトイレしてもいい」と思われて、どこでもトイレする習慣がついてしまうからです。
そのため、トイレをする環境を作って、そこで排泄することを覚えさせましょう。
犬は一日の排泄回数が10回程度と多いので、いつでも排泄できるよう、ケージの中にもトイレをつくる必要があります。
また、犬がトイレを失敗するのは、犬をケージの外に出して飼い主が目を離したときです。目を離すときは必ずケージの中に戻して、失敗を未然に防ぐことが大切です。
優先すべきしつけ
しつけの種類は多いですが、優先して覚えさせたいしつけは以下の3点になります。
- おいで
- ハウス
- おすわり
おいで
「おいで」は、遠くに行った犬を呼び戻すしつけです。「おいで」を覚えるとごはんやお風呂、歯磨きなどをスムーズにできるようになります。
また、非常時の危険回避に役立ちますので、すぐ呼び戻せるようにしつけましょう。
非常時の例は、散歩でリードを手放したスキに走っていく、災害時などの場面です。
ハウス
「ハウス」はケージやクレートなど、自室に戻らせるしつけです。
ハウスを覚えると、飼い主がお出かけ準備で犬への対応ができないときや、病院や旅行に行くときに役立つでしょう。特に、非常時に犬をすぐクレートに入れて避難できるため優先度が高いです。
大きくなっても「ハウス」ができないと、ハウスに入るのを怖がります。そのため、社会化期に「ハウス」を覚えせることが大事です。
ハウスを安心して過ごせる場所として覚えさせて、居心地のいい場所にしましょう。
おすわり
「まて」は静止させるしつけです。どこでも静止させることができれば、車通りが多いところや人通りが多いところなど、危険な場所での事故を防げます。
また、「まて」をしつけることで我慢の訓練ができます。「まて」をしつけるとき、最初はおもちゃやご飯など、気が散るものがない環境で始めましょう。
体に触る
犬は体に触られてもじっとする状態をボディハンドリングといい、ボディハンドリングをしつけることは重要です。
病院の診察で体を触られるときに警戒されると、思うように診察ができません。また、子どもが不用意に撫でようとしたときに、嚙みついて怪我させることが考えられます。
こういった問題を未然に防ぐ意味でボディハンドリングが有効です。
また、歯磨きやブラッシングなどのお手入れをする際にも、ボディハンドリングが必要になるでしょう。
しつけの注意点
しつけをする際は一貫性をもってしつけるようにしましょう。同じことをしても、日によっては褒めて別の日は叱る、というしつけをすると犬は混乱します。
しつけの一貫性をもたせるためには、家族との間でしつけの方針を話し合いましょう。話し合わずに、家族がそれぞれの方針でしつけると、一貫性のあるしつけができません。
家族全員で褒める基準・叱る基準も変わるため、この二点も統一しておくべきです。
また、しつけは長くても3分程度にしましょう。あまり長くしつけると犬は飽きます。飽きた状態ではむしろしつけの覚えが悪くなるので要注意です。
犬のしつけはいつから?-まとめ
犬をいつからしつけるといいか、犬を飼う前の準備や、しつけの順序を紹介しました。
しつけは種類が多いので、何から手を付けていいか悩むでしょう。そのため、犬を飼い始めてから慌てることがないよう、育てる環境を整えることと、しつける順番を前もって考えることが大切です。
特に社会化期のしつけが重要なため、この時期のしつけを中心に考えるといいでしょう。
しつけは犬が安全に暮らすために欠かせません。犬が安心して暮らせるよう、愛情をもって大切にしつけてあげてください。