2020年度において、国内で約100社以上もある退職代行サービス。そのすべてを比較して、自分に合った業者を探し出すのは大変ですよね?
料金やサービス内容だけでなく、事業形態や優先したいポイントにも注目する必要があります。本記事は退職代行サービスを比較するための必要な目線について解説する内容です。
優先したいポイントに合わせた、おすすめの退職代行サービスも紹介しています。あなたに最適な退職代行サービスを探す手助けになるので、ぜひ最後まで読んでみてください!アイキャッチ画像出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/4153955
【比較する前に】退職代行サービスを解説
退職代行とは、利用者の代わりに退職の意志を伝える電話代行サービスのひとつです。2018年ごろから認知度が高まり、「退職代行」という独立したサービスになりました。
退職の意志を伝えるだけでなく、未払い賃金の回収や有休取得に関する交渉も行うなど、サービスの内容も充実してきています。
利用者の多くは「何らかの事情により退職の意志を伝えにくい」「伝えても会社が応じてくれない」といった要件で相談に訪れるようです。
主として言葉を発するのが苦手と感じる若者層から、大きな支持を受けています。
サービス内容で比較!
ひとくちに退職代行と言っても、そのサービス内容はさまざまです。どういった視点で比較するのがよいかまとめてみました。
- 価格
- 交渉権があるか
- 支払いシステム
- 即日退社の可否
- 弁護士監修の有無
価格について
2022年度における退職代行サービスの相場は27,000円です。この金額を基準に判断するのがおすすめとなります。ただしこの相場は退職代行のみの金額です。
交渉まで依頼した場合、追加費用が発生するケースも考えられます。料金体系はしっかりと確認しておきましょう。
交渉権があるか
あなたが退職代行を利用しようとする際、交渉を伴う事案なら金額以外の点にも注意する必要があります。
なぜなら退職代行に認められているのは退職の意志を伝えることのみで、請求を目的とした交渉権は存在しないからです。
未払い賃金の回収や退職金の請求といった交渉を可能とするのは、弁護士と労働組合が運営するサービスのみです。自分の状況にもよりますが、依頼先が交渉可能かどうかも比較するための判断材料と言えます。
支払いシステム
退職代行の支払いシステムにも注目しておきましょう。全額返金保証や後払い機能があると安心して利用できます。ほとんどの退職代行は成功率100%と明示していますが、万が一のことも考えておくべきです。
即日退社が可能か
民法によると、退職には2週間前の告知が必要です。つまり即日退社とは、退社を連絡したその日から祝日や有給などを利用して2週間後に退社するという意味になります。
2週間の間は出社する必要がないので、即日退社と表現するわけです。ちなみにこの2週間という期間は、会社との交渉次第でゼロにすることもできます。
つまり交渉権があれば、言葉どおりの即日退社も可能です。交渉権がない場合は、休日取得の条件次第となりますので注意しておきましょう。
弁護士監修の有無
退職代行では、弁護士監修の有無も重要な比較ポイントです。市場規模が拡大している中、詐欺に近い行為を行っている業者が存在する可能性もあります。
退職代行だけを行う業者でも、弁護士監修があることで信頼感も増すでしょう。
運営元で比較!
次の比較ポイントは運営元がどこであるかという点です。すべての退職代行は運営元の区別により、3つのパターンに分けられます。
- 民間企業による運営
- 労働組合のある運営
- 弁護士事務所による運営
運営元がどういった形態なのかを見れば、大まかな特徴をすばやく把握できます。
民間企業が運営する退職代行サービス
民間企業が運営する退職代行は、退職の意志を伝えることしかできません。そのかわり料金は、平均より安い20,000円代で設定されていることが多いです。
退職日の交渉はできないので、有給を所持していることが望ましいです。各業者でさまざまなサポートを打ち出していますが、追加費用が発生することもあるので注意しておきましょう。
単純な退職のみが目的なら、民間企業が運営する退職代行はもっともおすすめです。
労働組合がある退職代行サービス
利用者を一時的に労働組合に加入させることで、団体交渉権を持って退職代行を行います。交渉権があるので、未払い賃金の請求も可能です。
料金も業界平均とほぼ変わらない設定のため、特にデメリットは見当たりません。ただし訴訟に発展するケースには対応不可のため、問題の発生する可能性がある場合にはおすすめできません。
交渉をする可能性があるけど費用はかけたくない、そんなときに利用したいのが労働組合のある退職代行です。
弁護士事務所が運営する退職代行サービス
最後は弁護士による退職代行のパターンです。弁護士ですので交渉、請求も含めての信頼感は圧倒的です。その分料金は高めで、50,000円代の設定が多く見受けられます。
また交渉を依頼して未払い賃金の回収に成功した場合、回収額に応じて別途報酬を払うパターンも多いです。
費用は割高になりますが、会社とのトラブル回避を最優先とするなら、弁護士による退職代行が最適です。
優先したいポイントを明確にして比較しよう
これまで退職代行の比較ポイントについて解説してきました。当たり前ですが、すべての要望を満たす退職代行は存在しません。
一つひとつの退職代行をチェックしていては、時間がいくらあっても足らないでしょう。
費用や支払い方法、交渉の有無にトラブル回避と、あなたが優先したいポイントをひとつ決めておくべきです。そのポイントを満たした条件の中で比較・検討すれば、間違った選択をする可能性は限りなく低くなります。
これまでの比較ポイントを表でおさらい
これまでの比較ポイントをわかりやすくなるよう、表でまとめてみました。自分で決めた優先ポイントにも注目して、チェックしてみてください。
価格帯 | 交渉権 | 支払いオプション | 即日退社 | 弁護士監修 | |
---|---|---|---|---|---|
民間企業運営 | 20,000~30,000円 | × | 全額返金保証、後払いシステムなど | 有給所持なら即日退社可 | 業者による |
労働組合運営 | 27,000円前後プラス組合加入費 | ○ | 有給が無くても交渉次第で即日退社可 | ||
弁護士運営 | 50,000円前後 | ○ | ○ |
【優先ポイント別】おすすめの退職代行サービス5社
「比較ポイントはわかったけど、具体的にどういう業者がいるの?」という疑問もあるでしょう。ここでは優先したいポイント別におすすめの退職代行サービスをご紹介いたします。
【費用を抑えて交渉も】退職代行Jobs
運営会社 | 株式会社アレス |
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料金の一例 | あんしんパックプラン:29,000円(税込) |
交渉 | 可 |
そのほかの特色 | 全額返金保証、追加費用なし、無制限フォロー、転職・引っ越しサポート |
「退職代行Jobs」は労働組合による退職代行を行います。相場に近い価格のまま、賃金や退職日の交渉まで可能です。審査を通過すれば後払いもできます。
退職が確定するまでの無制限フォローや引っ越しサポートが特徴です。
【実績重視】退職代行ニコイチ
運営会社 | 株式会社ニコイチ |
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料金の一例 | ニコイチ退職代行パック:27,000円(税込) |
交渉 | 不可 |
そのほかの特色 | 全額返金保証、追加費用なし、2か月間フォロー |
約17年で35,000人の退職代行実績を持つサービスです。民間企業による退職代行になりますが、長年積み重ねた経験から最適な対応をしてくれます。
手続きは最速10分で終了、雇用形態に関わらず追加費用なしの一律料金で依頼できる点も強みです。
【不安なら後払いがおすすめ】辞めるんです
運営会社 | LENIS Entertainment株式会社 |
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料金の一例 | 27,000円(税込) |
交渉 | 不可 |
そのほかの特色 | 追加費用なし、相談回数無制限、電話回数無制限 |
「辞めるんです」は、業界初の後払いシステムを開始した退職代行サービスです。退職が決定してから費用を払うので、安心して利用できます。
追加費用が発生することもありませんので、最初に提示される金額のみで大丈夫です。
【どんな局面でも安心】弁護士法人フォーゲル綜合法律事務所
運営会社 | 弁護士法人フォーゲル綜合法律事務所 |
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料金の一例 | 円満退職あんしんプラス:55,000円(税込) |
交渉 | 可 |
そのほかの特色 | 全額返金保証、追加費用・成功報酬なし、有給消化交渉、残業代請求など(プランにより変化) |
弁護士による退職代行なので安心感が違います。選択するプランにもよりますが、会社からの損害賠償請求や退職金請求なども追加費用なしで対処してくれるのが特徴です。
法的トラブルの可能性がなくても、総合的におすすめと言えるサービスです。
【費用を抑えたいなら】EXIT
運営会社 | EXIT株式会社 |
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料金の一例 | 20,000円 |
交渉 | 不可 |
そのほかの特色 | 土日祝日対応、回数無制限、転職サポート、次回利用時1万円ディスカウント |
「EXIT」は「ニコイチ」「退職代行SARABA」とともに、退職代行の三大業者に数えられる知名度の高いサービスです。
業界最安値で利用できるのが特徴で、指定の転職エージェントを使って転職を成功させたら、条件付きで費用が全額キャッシュバックされます。
退職代行サービスを使うメリット
さまざまなサービスで差別化を図る退職代行ですが、共通するメリットもあります。各業者のサイトに、必ずと言っていいほど記載してあるものです。
即日退社が可能
連絡する時間帯にもよりますが、どの退職代行も即日退社が可能と表示しています。即日退社が叶えば、気まずい時間や無用な引き留めも回避できるでしょう。
連絡したその日にストレスから解放されるメリットはとても大きいです。ただし比較ポイントの項で解説したとおり、即日退社するにはいくつかの条件をクリアする必要があるので注意が必要です。
顔を合わせる必要がない
退職に関する連絡や書類の郵送願いなどは、退職代行がすべて行ってくれます。特殊な事情から、特定の人物に顔を合わせたくないときにも便利です。
本人への連絡は控えるようにと伝えることもできますので、顔を合わせる確率は低くなります。(あくまで伝達だけで強制力はありません)
退職代行サービスを使うデメリット
次に退職代行を使うデメリットについて解説しておきます。どんなサービスにおいても、デメリットを理解しておくことは大切です。必ず頭に入れておいてください。
費用が発生
当たり前ですが退職代行を依頼すると費用が発生します。本来なら退職の意志は自分で伝えるものですので、費用は発生しません。したがって金銭的負担が、退職代行のデメリットと言えます。
退職代行を使う状況は、経済的にも困難である場合が多いです。メリットとデメリットをしっかりと比較する必要があります。
周りにも影響
退職代行を使った場合、周りから見ると突然会社を辞めることになります。上司や同僚とも顔を合わすことはないので、引継ぎの時間も取れないでしょう。
あなたが突然辞めることで会社が損害を被った場合、訴えられるケースも否定できません。周りにどれだけ影響与えるのかを見極めて、状況にあった退職代行を利用するべきです。
退職代行サービスを利用する流れ
最後に退職代行サービスを使う流れについて、解説していきましょう。大まかな流れとして、相談・申し込み・会社への連絡という順序になります。
正式に申し込む前に必ず相談という形になるので、よくわからないまま利用してしまうということはありません。正式な申し込みのあと入金が確認され次第、業者が動くことになります。
相談の時間を使って、より詳細に自分の状況を伝えることがスムーズな退職の条件です。有給の有無も含めた会社における現状を、前もって確認しておくことをおすすめします。
【退職代行を比較するならココに注目!】まとめ
当初から退職代行は法律的にグレーゾーンだと言われていました。弁護士監修による業者が一般的になっている今でも、無用なトラブルを引き起こす可能性がゼロとは言い難いです。
トラブルを避けてスムーズな退職を実行するためにも、正しいポイントに注目して退職代行を比較・検討しましょう。最後の表は本記事で紹介した退職代行サービスのまとめです。
この記事を参考にして自分の状況に最適な退職代行を見つけ出し、不安のない退職を実現させてください。
サービス名 | 料金の一例 | 交渉 | 注目ポイント |
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退職代行Jobs | 29,000円(税込) | 可 | 無制限フォロー、転職・引っ越しサポート |
退職代行ニコイチ | 27,000円(税込) | 不可 | 2か月間フォロー |
辞めるんです | 27,000円(税込) | 不可 | 相談回数無制限、電話回数無制限 |
弁護士法人フォーゲル綜合法律事務所 | 55,000円(税込) | 可 | 有給消化交渉、残業代請求など(プランにより変化) |
EXIT | 20,000円 | 不可 | 条件付きで費用が全額キャッシュバック |