可愛がっていたメダカが冬の間に全滅してしまった…という話を聞くことがあります。せっかく可愛がって面倒を見てきたのに全滅してしまうととっても悲しいですよね。
この記事では、メダカの越冬で気を付けておきたいポイントを紹介します。その点だけ守ればメダカの越冬は絶対にうまくいきます。
また、越冬を屋外でする場合と室内でする場合のメリット・デメリット、オススメグッズも紹介していきます。ぜひ最後までこの記事を読んでメダカの越冬を成功させましょう!
(アイキャッチ画像出典: https://www.photo-ac.com/main/detail/4090017#goog_rewarded)
知っておきたいメダカの生態:10℃以下で冬眠する!
あまりイメージがない人もいるかもしれませんが、メダカは水温が15℃を下回ると活性が落ち始め、10℃以下になると冬眠状態になります。
よほど暖かい地域でない限り、屋外飼育のメダカは大体12月〜2月頃が冬眠時期になります。室内飼育では水温が10℃を下回ることは基本的にないので、メダカは冬眠しません。
メダカが冬眠状態になると、水底でじっと動かなくなり餌への食いつきも悪くなります。餌を食べなくなるので、成長も止まります。
メダカの屋外越冬は実は簡単!2つだけ気をつけよう
屋外飼育でもメダカを越冬させることはここで紹介するたった2つのポイント、「水深」と「水質」に注意すれば実はとっても簡単です。
水深
メダカは基本的に寒さに強い魚です。しかし、メダカ自体が凍ってしまうとさすがに生きていけません。
冬の朝方や寒波がやってきて冷え込んでいるときなどに水全体が凍ってしまわないよう水深を確保しておくことが重要です。
極端に寒い日には水面や水の半分ほどが凍ってしまうことがありますが、全体が氷漬けにならない限りはメダカは生きていけます。
水質
メダカが全滅してしまうのは多くの場合、水質が悪化してしまうケースです。
冬の間、自然界ではメダカの餌となるプランクトンが激減するので、餌を食べなくても生き延びられるよう、水底でじっとしてエネルギーを消費しないという習性を持っています。
飼育下にあるメダカも同様に冬の間ほとんど何も食べません。それにも関わらず夏と同じように餌やりを続けると食べ残しの餌が水質を悪化させ、メダカを弱らせてしまいます。
寒さに必死に耐えている中、水質が悪化して体調を崩すとメダカにとっては命取りになります。屋外飼育の場合、冬の間は餌やりはほぼ不要です。
屋外越冬のメリットとデメリット
メダカを屋外飼育で越冬させるのは実は簡単という話をしました。この項目では、屋外越冬させるメリットとデメリットにはどのようなものがあるのかをご紹介します。
屋外越冬のメリット
まず、屋外飼育でメダカを越冬させる3つのメリットをご紹介します。
- 寿命が伸びる
- 繁殖力が向上し、色が鮮やかになる
- 手間がかからない
寿命が延びる
屋外越冬でメダカを冬眠状態にさせることで、メダカの寿命が延びると言われています。冬眠することで代謝が落ち、生命活動もゆっくりになり寿命が延びる傾向があります。
また、メリハリのある環境で育てることで、強くたくましく育つことも寿命を延ばす要因です。
繁殖力が向上し、色が鮮やかになる
メダカは冬眠することで繁殖力が向上し、色が鮮やかになる効果も期待できます。
冬の間低い水温を経験させることで、春を迎えたときに繁殖のため餌を多く摂取し、栄養を蓄えるようになります。そうすると、体型が整い美しく発色したメダカに育ちやすいです。
手間がかからない
メダカが冬眠している間はほとんど世話をする必要がなく、手間がかからないのもメリットです。
先に紹介した通り、屋外飼育のメダカは冬の間ほとんど餌を食べません。したがって水が汚れないので水替えの必要もありません。
また、日照時間が短く水温も低いことで水草の成長もゆっくりになるため、水草の手入れもほぼ不要です。
寒い冬に冷たい水を使って世話をする手間が不要なのは、メダカを冬眠させることならではのメリットです。
屋外越冬のデメリット
では、逆に屋外でメダカを冬眠させて越冬させることのデメリットもご紹介します。それは「メダカの種類や大きさによっては冬の寒さに耐えられない」という点です。
ダルマメダカやアルビノメダカといった種類のメダカは普通のメダカに比べて体が弱いので、冬を越すだけの体力を持っていない個体が多いです。
また、生まれてすぐの小さい個体も冬を越すのは難しいです。1.5cm以上の大きさまで成長しているかを目安に冬眠に耐えられるかを判断し、難しそうなら屋内飼育にしましょう。
超簡単!屋外越冬で水深と水質を維持する方法
屋外越冬で重要な「水深」と「水質」を維持する方法について紹介していきます。
- ときどき足し水をする
- 餌はやらない
ときどき足し水をする
水が蒸発して水深が浅くなると、外気の影響を受けやすく、水全体が凍ってしまうリスクが高まります。また、水温が激しく変化するためメダカが受けるストレスも大きくなります。
水深を維持するためときどき水量を確認し、減っていれば足し水をしてあげましょう。カルキを除去した水を飼育容器の近くに置いて、水温を合わせてから徐々に入れていきましょう。
餌はやらない
紹介した通り、冬の間は屋外飼育のメダカはほとんど餌を食べません。食べ残した餌は水質を悪化させる原因となります。水質を維持するために餌やりはほとんど必要ありません。
餌やりの量は以下を目安にしてみてください。餌やりをする際には週に1回1分で食べ切れる程度の量で十分です。
夏のメダカへの餌やり量を1とした場合の冬の屋外飼育での餌やり量は
- 冬の間ほとんど毎日水面が凍る地域:0
- ときどき陽気な日がある地域:0.1〜0.2
餌をほとんどやらないので、水換えをする必要もありません。先述した足し水をときどきするだけで十分です。
メダカの屋外越冬のオススメグッズ
この項目ではメダカを屋外越冬させるのに便利なグッズを3つ紹介します。
- すだれ
- 発泡スチロール
- 水草や流木
すだれ
便利グッズ1つ目は「すだれ」です。飼育容器の上や側面にすだれを設置することで、冷たい風を防ぎ、水温の急激な低下を防ぎます。
また雨や雪、ゴミが入って水質が悪化するのを防ぐこともできます。飼育容器よりも少し大きめのものを用意して全体をすっぽり覆うようにするのがオススメです。
すだれは夏の日差し除けやメダカの天敵のヤゴ除けにも使えるグッズなので、1つ買っておくとオールシーズン役に立ちます。
発泡スチロール
オススメグッズ2つ目は「発泡スチロール」です。飼育容器を変える手間はかかりますが、断熱性に優れているため、日中と夜間の水温の急激な変化を和らげることができます。
飼育容器を発泡スチロールに変える場合は、できれば10月頃までの変更をオススメします。飼育容器を変える際には水を全て入れ換え、ヤゴなども除去しておきましょう。
水草や流木
「水草や流木」といったメダカの隠れ家になるものを入れてあげるのもオススメです。
何か身を寄せるものがある方がメダカも安心して冬眠することができます。「アナカリス」などの低水温に強い水草が最適です。
また、冬眠中にネコやカラスに食べられないように、流木なども入れて身を隠せる場所を準備してあげましょう。
次の項目からはメダカを室内越冬させる方法とそのメリット、デメリット、オススメグッズなどを紹介していきます。
メダカを室内飼育で越冬させる方法
ここからはメダカを室内飼育で越冬させる方法について紹介していきます。
夏でもメダカを室内飼育していて、冬場はヒーターを使って保温するという場合には特に追加で準備すべきものはありません。普段と同じように世話をしてあげましょう。
ヒーターを使わずに室内飼育する場合には、少し日当たりの良い場所に水槽を置き、なるべく水温を維持しましょう。水温を確認しながら餌やりの回数を調整します。
- 15℃以上なら1日2回
- 15℃以下なら1日1回
- 10℃以下なら餌やりはしない
ただしダルマメダカは、普通のメダカよりも内臓が弱く、低水温による消化不良が原因で転覆病という病気にかかる可能性が高まるので、ヒーターを導入して水温を維持しましょう。
室内越冬のメリットとデメリット
この項目では、メダカを室内越冬させるメリットとデメリットを紹介します。
室内越冬のメリット
まずはメダカを室内で越冬させる場合のメリットを3つ紹介します。
- 温度変化が小さい
- 外敵トラブルを減らせる
- じっくり観察できる
温度変化が小さい
冬に限った話ではないですが、室内飼育の場合は一年を通じて温度変化が小さい安定した環境でメダカを飼育することができます。
また水槽用ヒーターなどの水温を管理するグッズも室内なら使用しやすいため、常にメダカの活性を保てる水温で飼育でき、年中メダカを繁殖させることが可能です。
加えて、先程紹介した低水温による消化不良を原因とする転覆病などを防ぐこともできるという点は大きなメリットです。
外敵トラブルを減らせる
屋外でメダカを飼育しているとネコやカラスといった外敵によるトラブルが起きる可能性がありますが、室内の場合はその可能性を大きく減らせます。
他に何もペットを飼っていないという場合には、外敵トラブルが発生する可能性はほぼゼロです。
もちろん室内飼育の場合でもネコを飼っている場合にはメダカを飼育している水槽の近くに近寄らせないなどの防止策は必要です。
じっくり観察できる
室内飼育では水槽を水槽台などのある程度高い場所に置くと思います。正面、上、横など、さまざまな角度からメダカをじっくり鑑賞できるのは室内飼育ならではのメリットです。
屋外飼育の場合は基本的には上からの鑑賞となり、夜間は暗くて観察しにくいですが、室内であれば子どもたちともメダカが泳ぐ姿をじっくり、しっかり観察することができます。
室内越冬のデメリット
ここでは、逆にメダカを室内越冬させるデメリットを紹介していきます。
- 飼育コストがかかる
- 手間がかかる
飼育コストがかかる
室内越冬では水槽用ヒーターやLEDライトなど、屋外越冬では使わないアイテムを準備するケースが多いので、設備コストや電気代などの飼育コストが屋外越冬よりも高くなります。
手間がかかる
屋外越冬では冬の間ほとんど世話をする必要はありませんが、室内越冬させる場合には水温が維持されるため、夏と同じように世話をし続ける必要があり、手間がかかります。
メダカの室内越冬のオススメグッズ
メダカの室内越冬にオススメのグッズを3つ紹介します。冬だけではなく他のシーズンにも役立つものばかりなので、ぜひ検討してみてください!
- 照明器具
- ろ過フィルター
- ヒーター
照明器具
観賞魚用の照明器具の中でも特に明るめのものを用意しましょう。メダカは太陽が大好きな生き物です。
室内飼育の場合は特に冬は日照不足が問題になりやすいです。1日12時間〜14時間程度は照明を点灯しておきましょう。
ろ過フィルター
ろ過フィルターを導入することで、水をきれいな状態に保ちやすくなります。
メダカは小さな魚のため、あまりにも水流が強いと流されてしまったり、餌をうまく食べられなかったりするので、水流があまり強くないろ過フィルターを選びましょう。
ヒーター
室内飼育では、昼間はエアコンにより水温が比較的高く保たれ、夜は急激に下がる水温変化が激しくなりがちな環境です。急激な水温変化はメダカのストレスになってしまいます。
水温の変化を防ぐのが水槽用ヒーターで、冬場でも繁殖に適した23℃前後の温度をキープすることが可能です。電気代を抑えるために省エネヒーターを選ぶと最適です。
メダカの越冬は屋外と室内どっちがオススメ?
屋外と室内でのメダカの越冬方法とメリット・デメリット、オススメ商品を紹介しました。正直メダカの越冬は屋外でもそれほど難易度は高くありません。
手間をかけたくない人には屋外越冬がオススメですが、ダルマメダカやアルビノメダカを飼育している人や、稚魚のまま冬を迎えるメダカがいる場合には室内越冬がオススメです。
基本的には屋外越冬させつつ、急激に冷え込む日だけ玄関などの室内に入れる方法もアリです。なるべくあなた自身にもメダカにも負荷がかからないような越冬方法を選びましょう。
メダカの越冬方法と注意点のまとめ
この記事ではメダカの越冬方法を屋外と室内に分けて紹介しました。それぞれのメリットとデメリットも紹介したので、ぜひ参考にしてみてください。
紹介したいくつかの注意点さえ守れば、メダカの越冬自体は屋外の場合でもそれほど難しくありません。
可愛がってきたメダカが冬の間に全滅してしまうととても悲しいですよね。この記事で紹介したオススメグッズもぜひ見ていただいて、メダカが快適に冬を越せるようにしましょう!
冬を越したメダカが来年多くの卵を産んで、可愛いメダカの稚魚をたくさん見られるように応援しています!