初めての犬の飼い方を1から解説します。憧れのワンちゃんを飼い始めたのはいいものの、いざしつけるとなるといつから何をしたらいいか困りますよね。
今回はそんな初めて犬を飼うあなたに向けて、1から犬の飼い方やしつけ方を解説します。
- いつからしつけたらいいのか
- 何から始めたらいいのか
- ほめ方や叱り方は?
- どうしても上手くいかないときは?
この記事を読むことで正しい犬のしつけ方を基礎から学ぶことができます。是非最後まで読んで参考にしてみてください。
アイキャッチ画像出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/23924503
犬のしつけはいつから始めるのがいい?
犬のしつけは基本的に生後2~3か月あたりから始めるのが最も良いとされています。
この時期は犬の社会化期といわれ、急激に脳が発達しコミュニケーション能力が育つ時期だとされています。そのため生後2~3か月経ったあたりから始めるのが最適といえます。
ただ、おうちに迎えたときには既に生後2~3か月を超えていたという場合もあると思います。その時は今すぐ始めるのが良いでしょう。
しつけは適切な時期に行うことが最も効率が良いですが、人間と同じで遅すぎることはありません。根気はいりますが、いくつになってからでもしつけは可能です。
犬を家に迎える準備はいつから何をすべき
さて、しつけうんぬんの前にまずは犬を迎える準備を行いましょう。これが不十分だと犬が快適に過ごせません。最低限、以下のグッズは必要となるでしょう。
- フードを入れる食器
- ドリンクホルダー
- 首輪、リード
- ドッグフード
- トイレシート
- ケージ
どれもペットショップやホームセンターのペットコーナーで手に入る物ばかりなので、犬を飼う前に揃えておきましょう。
特にドッグフードやトイレシートなどは家に迎えた当日から必要な物なので犬を迎える2、3日前には買い揃えておきたいところです。
犬のしつけ方の基本を知る
「お手」や「お座り」といった具体的なしつけを行う前に、まずはしつけの基本を理解しておきましょう。どのタイミングでどのように褒めたり叱ったりしたらよいのか、一緒にみていきましょう。
特に叱り方については、やり方を間違えるとしつけが上手くいかない上に、犬にとってもストレスになってしまうためしっかりと確認してください。
- 褒め方について
- 叱り方について
褒め方について
褒めるときは犬が良いことをした直後に行うのがベストです。あまり時間が経ってから褒めても犬は何に対して褒められているのかが理解できません。
褒め方は優しい声で「えらいね」でも「good!」でも何でも構いません。あなたが嬉しい気持ちを素直に伝えれば問題ありません。
褒め方に関して注意すべきなのは興奮している時に褒めないことです。例えば飼い主が家に帰ってきた時、犬は嬉しくて興奮状態にあります。
そんな状態で褒めてしまうと「騒ぐことは良いこと」と誤認してしまう可能性があるので注意しましょう。
叱り方について
叱り方についても褒め方同様にまずはタイミングが重要です。犬が間違いをしたタイミングで叱るようにしましょう。
この時に大事なのが感情的にならない事です。感情的になって大声で怒鳴っても逆効果でしかありません。犬は人間の10倍の聴覚を持っているため、ただ興奮させてしまうだけでメリットは何もありません。
また、叱る言葉はなるべく短く同じ言葉を使用しましょう。「ダメ」や「ノー」といった具合の言葉を使ってあげると理解が進みます。叱るときは毎回同じ言葉を使ってあげる事で混乱せず理解しやすくなります。
最も重要な「トイレ」をいつからしつけるか
トイレトレーニングは家に迎えてすぐ始めてください。犬のしつけを始める上で一番最初に行うべきなのが「トイレ」です。
生き物である以上、家に迎えたその日から犬のトイレは始まります。この最初の段階でしつけをしないと、犬は「どこでトイレをしてもいい」という悪習慣が身についてしまいます。
一旦、悪い習慣がついてしまうと後から修正するのはとても困難です。またトイレに失敗する度に掃除をしないといけないため飼い主側にもストレスが大きくなります。
トイレを身につける期間は2~3週間以内が理想です。遅くても1ヶ月以内には習得させたいところ。それ以上経っても覚えられない場合は後述する専門のトレーナーにお願いしてみるといいでしょう。
【初級編】これだけはしつけたい4選
さて、一番重要なトイレに加えてまずしつけたいのが以下の4つ。この基礎ができていないとこれから犬を育てていく上でかなり苦労する可能性があります。
- お座り
- 待て
- お手
- ハウス
この4つがきちんとできるようになればひとまず基本的なしつけはゴールといえるでしょう。基本的なしつけとは言え、「お座り」や「待て」は危機管理を行う上で非常に重要になります。しっかりしつけていきましょう。
お座り
「お座り」のしつけ方は、まず立った状態(四つ這いの状態)から始めます。
次におやつを持って犬の前に近づけます。犬がおやつに注目し始めたらそれを犬の後頭部の方向へゆっくりと動かしていきます。
そうすると自然とお尻が下がって座った状態になります。この時に「お座り」と命じてあげることで犬が「お座り」を理解します。ちゃんとできたら褒めてあげて、ご褒美のおやつをあげます。
あとはこの一連の流れを繰り返すことでしつけが完了します。毎日少しずつやっていきましょう。
- 立った状態からスタート
- おやつを犬の前に近づける
- 犬が注目し始めたらおやつを犬の後頭部の方へゆっくり動かす
- お尻が下がったら「お座り」と命じる
- ご褒美におやつをあげてたくさん褒めてあげる
待て
「待て」は「お座り」ができた後に行うしつけになります。「待て」は犬が危険な場所へ突っ込みそうなときに、静止することができる様になるため危機管理の面でも非常に重要です。
「待て」のしつけ方はまず「お座り」の状態から始めます。正面に立ち「お座り」の状態で待たせます。この状態で犬の前に出して「待て」と命じて一歩下がります。
この状態で犬がついてこなければ、ご褒美におやつをあげて褒めてあげます。あとは一歩を二歩、三歩と距離を伸ばしていきます。
- 「お座り」の状態からスタート
- 正面に立ち、「お座り」の状態で待たせる
- 犬の前に手を出して「待て」と命じる
- 一歩後ろに下がって犬がついてこなければご褒美をあげる
- 一歩ではなく二歩、三歩と段々距離を伸ばしていく
お手
「お手」や「おかわり」は芸としての要素が大きいように思いがちですが、日常生活においても非常に大事なしつけになります。例えば爪を切るときや散歩から帰った後に手を拭くときなどに使用します。
「お手」のしつけ方も「お座り」の状態から始めます。次におやつを持った手を握ります。このおやつを持った手を犬の前足の付け根より少し前に差し出します。
犬がおやつを取ろうと握った手をこじ開けようとして前足を自分の手に乗せた瞬間に「お手」と命じます。
そのあとは、握っていた手を開いてご褒美のおやつをあげます。たくさん褒めてあげることも忘れずに行います。
- 「お座り」の状態から始める
- おやつを握りしめた手を犬の前足の付け根より少し前に差し出す
- 犬がおやつを取ろうと手をこじ開けようと前足を乗せた瞬間に「お手」と命じる
- 握っていた手を開いてご褒美のおやつをあげて褒める
ちなみに「お手」を行う手はどちらの手でも構いません。犬がやりやすい方で大丈夫です。但し、競技会やショーなどに出演させる場合は原則右で行うことが定められているため右がよいでしょう。
ハウス
「ハウス」は病院や旅行へ行く際などに犬に入ってもらうケージを意味します。
「ハウス」は外出時において犬が安心して過ごせる場所になります。また災害時などの緊急時にも避難する場所となるため非常に重要なしつけになります。
「ハウス」のしつけ方は、扉を開けた状態のハウスの中におやつを入れておきます。犬が自主的にハウスの中に入ったらご褒美におやつをあげて褒めてあげます。扉をくぐる瞬間に「ハウス」と命じます。
慣れてきたら、犬がハウスの中に入った後に少しだけ扉を閉めます。それにも慣れてきたら段々と扉を閉めている時間を長くしていきます。
- 扉を開けた状態のハウスの中におやつを入れておく
- 犬が自主的に扉をくぐる瞬間に「ハウス」と命じる
- 犬がハウスの中に入ったらご褒美におやつをあげて褒める
- 扉が閉まっている状態に段々と慣らしていく
ハウスを選ぶポイントは、ハウスの中で伏せても体がぶつからない十分な奥行きがあり、立ち上がっても頭が当たらない高さで、体の向きを変えられるくらいの広さがあるものが良いです。
【応用編】ここまでしつければ一人前2選
基本編の4つのしつけができたら、次に行うのが以下の2つ。どちらも周りの人に迷惑をかけないようにするためには必須のしつけになります。
- 無駄吠えを直す
- 噛み癖を直す
噛み癖は直接的に、無駄吠えは間接的に周りの人に迷惑をかけてしまいます。通行人を噛んで怪我をさせてしまったり、無駄吠えにより近所トラブルになる可能性は十分にあります。
せっかく犬を飼ったのに不幸な事態になったりしたら目も当てられません。今からしっかりとしつけておきましょう。
無駄吠えを直す
無駄吠えはしつけにより必ず改善させることができます。そもそも犬はなぜ「吠える」という行為を行うのでしょうか。
犬が吠えるのには必ず理由があります。吠えるとは犬にとって大切なコミュニケーション手段の1つなのです。自分の欲求を飼い主に伝えるために吠えるのです。
- ご飯が欲しい
- 散歩に行きたい
- 身を守るための威嚇
- 寂しさや不安の表れ
このような犬の気持ちの表れが吠えるという行為につながっています。そのためしつけの基本は犬が吠えている時に犬の要求を通さないことです。
例えば犬が散歩に行きたいときやゲージから出たいときなどに吠えると思います。このときに要求を通してしまうと犬は吠えると要求が通ると学習してしまいます。
そのため、犬が吠えている時は根気強く無視し続けて、吠えていない時に犬の要求を聞いてあげるようにしましょう。こうすることで犬は吠えても仕方がないことを学びます。
- 吠えている間は根気強く我慢する
- 吠えていない時に要求を叶えてあげる
噛み癖を直す
「噛む」という行為も基本的には犬の気持ちの表れになります。構って欲しいときには甘噛みとして、恐怖心や苦手なことをされた時には本気噛みとして表れます。
噛み癖に関しても吠え癖同様に、「噛んでしまうと良いことがない」と犬に覚えさせることがしつけの基本となります。
甘噛みされても無視して犬を相手にしないことが大切です。また、本気噛みされたときは急に離したり、感情に任せて怒鳴らないようにすることが大切です。犬は怒鳴られると興奮するだけで逆効果になります。
噛むという行為によって飼い主に無視されたり、楽しい時間が終わってしまうということを根気強く教えていくことで改善します。
- 噛んでいるときは相手にしない、感情的に怒らない
- 噛むのを止めたら褒めてあげる
しつけができているかはこうチェックする
犬に対してきちんとしつけができているかどうかは主従関係が構築されているかが大切になります。
犬はきちんと主人と認めて安心できる相手にしか言うことを聞こうとしません。そのため一通りのしつけが終わったら下記のチェック項目を確認してみてください。
- 名前を呼んだらすぐに来るか?
- 犬の体を触れても嫌がらないか?
- 指示に1度で従ってくれるか?
- 仰向けに寝てくれるか?
すべて満たされていれば、今のあなたと犬との関係は良好といえるでしょう。
どうしてもしつけが上手くいかない時は
どうしてもしつけが上手くいかない場合は専門のトレーナーに依頼することがおススメです。
値段は役1時間で3,000円程度と手ごろのものから1ヶ月ホームステイさせるコースまで多種多様です。
しつけが上手くいかず悩んでいる方は是非相談してみることをお勧めします。専門家のアドバイスを参考にしながら楽しくしつけを行う方がきっと犬も嬉しいはずです。
専門家に依頼する目安としてはトイレトレーニングを始めとする基礎的なしつけが1ヶ月以上経っても覚えられない場合が良いと思われます。
犬のしつけはいつからすべきか まとめ
犬のしつけを始める理想的な時期は生後2~3か月程度です。生まれたての赤ちゃん犬以外は基本的に家に来てすぐの認識で問題ありません。
しつけの方法は各項目ごとに若干の違いはありますが、基本的には根気よく教えてあげることが大切です。しつけはどれも犬の安全を守り、トラブルを回避するために必要なものばかりです。
また、1ヶ月以上もしつけをしているのに上手くいかない場合は専門のトレーナーに相談してみる事がしつけを無理なく行うコツです。