「アニマルセラピーにはどんな効果があるの?」「ペットで飼うならどんな動物がおすすめ?」といった悩みを抱えていませんか?
アニマルセラピーとしてペットを迎えたくても、大切な命に対しての責任は重く、なかなか決断ができないですよね。
結論からいえば、アニマルセラピーはテレビ番組などで取り上げられている通り、「癒やし効果」は絶大です。本記事では効果について、実例を踏まえながら詳しく解説します。
- アニマルセラピーの効果
- アニマルセラピーの事例
- アニマルセラピーが抱える2つの危険性
- おすすめな動物の種類
- ペットとして迎える場合の心構え
アニマルセラピーは、認知症やうつ病の改善にも繋がるとされているため、ペットとして迎えたいと考える方が多くいます。
しかし、効果があるからといって考えなしに飼ってしまうと、お互いに辛い思いをして、最終的に手放してしまう方もいるため、ぜひ最後まで読んで、今後の参考にしてくださいね。
アイキャッチ画像出典元:https://pixabay.com/ja/photos/%e7%8a%ac-%e6%84%9b%e3%82%89%e3%81%97%e3%81%84-%e5%8b%95%e7%89%a9-%e5%8f%af%e6%84%9b%e3%81%84-3344414/
アニマルセラピーとは何か
アニマルセラピーとは、動物と触れ合うことで安らぎや癒やしを得て、精神面を回復させながら、生活の質も維持や向上を目指した医療法のことを指します。
主に、入院中や生きることへの意欲が低下している方に対して、動物と触れ合ったり、世話をしたりして、リハビリを促し生きる希望を持たせることが目的です。
また、NPO法人日本アニマルセラピー協会の『アニマルセラピスト』(https://www.hospat.org/assets/templates/hospat/pdf/hakusyo_2015/2015-1-13.pdf)より、古代ローマ時代に傷ついた兵士のリハビリを行うために、乗馬を用いたことが始まりと言われています。
ざっくりとアニマルセラピーについて紹介しましたが、もっと詳しく知りたい方やアニマルセラピストについても興味がある方は、以下の記事も参考にしてくださいね。
アニマルセラピーの8つの効果
アニマルセラピーには、以下8つの効果が期待できます。実際に様々な効果も実証されているのです。
- ストレス解消
- リラックス効果
- 意欲が湧く
- 表情が豊かになる
- 運動量がアップする
- 病気の回復
- コミュニケーションが円滑になる
- 協調性が生まれる
例えば、動物園の触れ合いコーナーでモルモットやウサギを抱っこしたり、撫でたりすると元気になったり、憂鬱だった気持ちが晴れたことが、一度はあるのではないでしょうか。
こうした実例を踏まえて、大学病院などでも研究が進められており、アニマルセラピーは高い効果があるとされているのです。
アニマルセラピーは認知症に効果があると実証されている
アニマルセラピーは、認知症高齢者への効果を示す論文が、すでに発表されています。
一例として、川崎医療福祉学会誌『認知症高齢者に対するイヌによる動物介在療法の有用性』(http://altmetrics.ceek.jp/article/id.nii.ac.jp/1163/00012945/)によれば、犬を連れて行動するだけで、以下の効果があったと書かれているのです。
- 生活量
- 自立度
- 生活の質・人生の質(QOL)の向上
- 笑顔
- 発言
- 周囲への関心
- 精神ストレスの緩和
- 鬱の改善
以上のような研究結果が出ていることから、アニマルセラピーは認知症患者に対して大きな効果があるとされています。
アニマルセラピーは効果があると研究結果が出ている
2013年イギリスにて、犬と生活をすると「高血圧患者の血圧が低下した」という研究結果を出しています。
さらに近年では、犬や猫と触れ合うことで「愛情のホルモン」と呼ばれる「オキシトシン」が分泌されて、ストレスが軽減されるという研究結果も出ているのです。
そのため、孤独で心を閉ざした人や心が荒んでしまった人が、動物と触れ合うことで心を癒やしながら、生きる希望も与えてくれると医療従事者自身が有効性を報告しています。
効果が実証されているため、精神科などでも活躍している
精神科などの病院でも、アニマルセラピーを実際に取り入れているところがあります。
実際に大阪府大阪市にある精神内科の清水クリニックでは、定期的にアニマルセラピーを取り入れた治療を行っています。
アニマルセラピーは、人の心や身体に動きかけてくれる心理療法の1つなため、子どもの心の成長を手助けしてくれる可能性もあるのです。
動物と触れ合うことで、命の大切や動物を通じて人との関わり方を学べるいい機会となるでしょう。
アニマルセラピーは「長生き」するという調査結果もある
犬や猫を飼っている人は、ストレスが少なく長生きをする傾向にあると言われています。
『ペトハピ』(https://www.watch.impress.co.jp/headline/extra/2015/pet/docs/14.html)によると、ペットフード協会の調査で「ペットと生活している人」は「ペットと生活していない人」に比べ、健康寿命が男性で0.44歳、女性で2.8歳も長いということがわかりました。
特に女性は、高齢の女性に多い関節炎などが、犬との散歩で定期的に運動を取り入れられたことで予防に繋がり、平均寿命が大幅に延びていると考えられます。
アニマルセラピーの危険性2つ
アニマルセラピーは、動物を通じて治療を行うため、受ける側と動物側の両方に危険性があると認識しておいてください。
以下にて、大きな危険性を2つご紹介します。知らないと大きなトラブルとなり、最悪の場合、大切な動物たちが処分される可能性があるため、必ず確認するようにしましょう。
- 動物アレルギーや感染症といった危険性
- 相手にケガをさせてしまう可能性がある
動物アレルギーや感染症といった危険性
医療機関や高齢者施設では、主にお年寄りや免疫力が低下している方が多くいるため、アレルギー反応や感染症の危険性があると認識しておかなければいけません。
動物アレルギーや動物が苦手な人は、同じ空間にいるだけでも大きなストレスにもなります。
癒やしを求めた触れ合いに、逆に精神面が悪化してしまう可能性もあるので、十分に注意してくださいね。
相手にケガをさせてしまう可能性がある
アニマルセラピーは、動物と触れ合うことで成り立ちます。そのため、動物によっては引っかき傷や噛みつきなどのケガを負う可能性があるのです。
例えば、セラピードッグであれば、訓練と試験に合格した犬のみが活動できます。基本的に活動しているセラピードッグは、性格が穏やかであり人間が好きな子が多いです。
しかし、大好きだからこそ、過剰に反応してしまったり、飛びつきといったリスクもあったりと、いくら訓練を受けたからといって危険性が全くないとは言い切れません。
アニマルセラピーに適している動物3種類
アニマルセラピーとして適している動物は、コミュニケーションがとれる子がいいとされています。そのため、人見知りや臆病な性格の場合は、あまり適しているとは言えません。
近年では、新型コロナウイルス感染症の影響もあり、しっかりと健康管理ができる子であり、しつけが行える子が何よりも大切になってきています。
以下、適している3種類の動物について紹介しますので、参考にしてくださいね。
- 犬:セラピードッグとしても活動しているメジャーな種類
- 猫:触れ合うと癒やし効果が絶大と研究結果がある種類
- 小型動物:ウサギやモルモット、小鳥などは攻撃性がなく触れ合いやすい
犬
犬は、「セラピードッグ」という資格があるほど、一般的な動物です。ペットとしても一般的で親しみやすくしつけもできるため、アニマルセラピーを求めるならNo.1と言えます。
実際に一部の医療機関では、犬を施設内で飼育し全体で世話をすることで、コミュニケーションを円滑にしたり、自立度を上げたり、社会復帰を目標に行っている施設もあるのです。
猫
猫がのどを「ゴロゴロ」と鳴らす音には、人間の心拍数を落ち着かせる効果があり、撫でるだけでも幸せホルモンのオキシトシンが出て、ストレスが軽減すると言われています。
ただし、猫は性格が非常に難しいです。人見知りな子や触られるのが嫌な子、警戒心が強い子などがいます。
アニマルセラピーとして適しているのは、甘えん坊な子や撫でられるのが好きな子がいいでしょう。
小型動物(ウサギやモルモット、小鳥など)
しつけなどはできませんが、ウサギやモルモット、小鳥などの小動物も適しているとされています。それは、彼らは臆病な性格で、危険が迫ったとしても攻撃しないからです。
小さな子どもでも簡単に抱っこができ、噛みついて攻撃する可能性が低く、非常に親しみやすい種類といえます。
癒やし効果を求めてペットを迎えたいと考えている方へ
アニマルセラピーをペットとして迎えたい方は、ただ「癒やされたいし可愛いから」という理由だけで飼うことは、絶対にやめてください。
動物を飼うということは、自分と同じ命と生活していくという大きな責任を背負います。何の考えもなしに飼ってしまえば、後悔し手放そうと考える方も少なくありません。
以下の心構えをしっかりと心に刻み、少しでも戸惑いを感じたのなら、考え直すようにしてくださいね。
- 今の住宅で動物を飼える
- 動物アレルギーがないか
- 最後の瞬間まで世話ができるか
- 経済的に安定している
- しつけや周囲への配慮を行う
- 引っ越しや転勤などでも継続的に飼う覚悟がある
- どんな問題行動も受け入れられる
厳しいことを言いますが、アニマルセラピーとしてただ癒やしがほしいだけなら、猫カフェや鳥カフェ、犬カフェなどを利用するといいでしょう。
動物と生活することは、かけがえのない存在となると同時に様々な問題を抱えています。例えば、睡眠妨害やおしっこの撒き散らし、噛みつく、威嚇などが挙げられます。
ペットとしてアニマルセラピーを迎えるということは、これらの問題行動を受け入れ、環境を改善しながら情報と取り入れ、動物と折り合いをつけて生活することが必要なのです。
まとめ【アニマルセラピーの効果は絶大】
アニマルセラピーには、以下の8つの効果があると実証されています。
- ストレス解消
- リラックス効果
- 意欲が湧く
- 表情が豊かになる
- 運動量がアップする
- 病気の回復
- コミュニケーションが円滑になる
- 協調性が生まれる
実際に、認知症や精神科などの病院で活躍しており、効果についての論文も発表されています。さらに、動物と触れ合うことで長生きするという研究報告があるほど、効果は実証されているのです。
そのため、アニマルセラピーをペットとして迎える方も多いですが、経済力や問題行動への配慮、しつけ、最後まで面倒を見られるかといった様々な問題と向き合う必要があります。
アニマルセラピーは多くの効果が期待できる反面、同じ命でもありますので、もしペットとして迎えたい場合には、しっかりとした心構えを持って迎えるようにしてくださいね。